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民主党は「左翼のゾンビのすみか」だと有名な戦略家ジェームズ・カービルは、たくさんお説教をしたがトゥルシー・ギャバードのことには触れなかった。

〈記事原文 寺島先生推薦〉
The Democratic Party is ‘leftwing zombie land,’ says famed strategist James Carville, who preached lots but ignored Tulsi Gabbard

RT-Oped 2020年2月10日 ロバート・ブリッジ
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Robert Bridge is an American writer and journalist. He is the author of the book, 'Midnight in the American Empire,' released in 2013. Follow him on Twitter @Robert_Bridge
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年3月3日>
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民主党は、党内の過激な左翼の動きについて、尊敬を集めるある内部者から、目覚ましコールを受けた。 バーニー・サンダースならば、トランプに敗北するという内容に、話の焦点の多くは絞られていた。ただ、サンダースより穏健な他の候補者のことは、触れられなかった。
リベラルなメディアの「ビッグテント」(訳注:多様な意見を許容する言論空間)の中で、敢えてきわどい発言をする勇気のある人間にとって、実際そうすることは、①精神をおかしくしてしまうドラッグの使用②宇宙人による拉致③カルト宗教への入会、といった体験と比較できる。つまり、そのテントからは、「簡単には抜け出せない」のだ。
それでも、あえてそうしようという、そんな勇気のある人たちは、①「Orange Man Bad」、②「Open America’s (Racist) Border」、③「The Russians are coming!」といったメッセージを繰り返しかけられることで、あおられて登場してくるのだ。そして、もし、そのようなメッセージが、左派から出ているのであれば、これに異議を唱えるには、非常に特別な権威が必要となってくる。そのくらい権威のあるものは、異端者のレッテルを貼られても、少しも気にならないのだ。本当にそうだ。
だからこそ、皆が、雷鳴のようなショックを受けたのだ。ビル・クリントンの1992年大統領選キャンペーンの主任戦略家であったジェームズ・カービルが、様々なメディアに登場し、民主党の反響室の中で、普通は言えないようなことをまくし立てたとき。それは、あの悲惨な、アイオワ州民主党党員集会の傷が、癒えていない時だった。はばかりもなく、カービルは、猿芝居で脚光を浴びている急進派たちに、攻撃の矢を向けた。

https://t.co/OEg42OPjy6



「こんな候補者がいる…国境を開放し、不法移民の罪を問わないといっている候補者が」。カービルは Vox とのインタビューでこう述べた。 「バーニー・サンダースは、刑務所から、犯罪者やテロリストに投票させると言っている…そんな言い方をしていたら、大統領選挙に勝てるわけがない。」


 サンダースについては、具体的に言及したが、政治的生き残り能力にたけたカービルは、左派の急進派(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス、イルハン・オマール、アヤナ・プレスリー、ラシダ・トレイブら少数派の1期目議員)たちを、名指しでは批判しなかった。 しかし、彼が怒りの多くをこの急進派に向けていたという事実は、カービルが週末に書いた文章の最初の一行から明らかだった。
「党は、派閥のために存在しているのではない。派閥が幅をきかせて、党を超える力を持ち、選挙に負けるという事態は、あってはいけないのだ」。カービルは、イギリスの一流紙フィナンシャル・タイムズにこう書いた。 「選挙に勝つために政党はあるのだ。」と。


彼が、誰のことを言っているか分からない人も、次の段落を読めば、それが明らかになる。 「一番大事なのは、選挙に勝つことだ。ラットレースの結果、民主党が左翼ゾンビのすみかになりさがってしまうことが、目的じゃない」
民主党がクリントン時代の戦略家であるカービルにご登場願って、荒々しい南部なまりで、現実を直視させようとしたという事実は、末期的症状だといえる。 これらの急進的進歩派が2018年の下院議員選挙で急速に力を得てから、民主党は、この動きに対して、好奇心と困惑で応対していたが、今はパニック状態になっている。 現在、これらの急進的な進歩者は、サンダースをトロイの木馬として使用し、左翼の考え方を国に浸透させようと計画している。

小さな扇動家グループであるにもかかわらず、彼ら急進派や彼らの考え方が、大きな関心を引き寄せることができたという事実は、トランプ混乱症候群のひとつの症状といえるだろう。 米国の政治史上、これほど、商業メディアが、グリーンニューディールという急進左翼の政策に、無償の関心をよせたことはなかっただろう。大学の教育費の無償化や、国民皆保険制度などの大掛かりな改革を、超富裕層の税率を70%に上げることで実現しようという政策に対してもだ。 ほとんどのアメリカ人にとって、これらの政策は、アメリカの資本主義というパイ生地の上に、共産主義風味のケーキを焼きあげるために必要な「主な材料」の一部だ。

民主党員が労働者階級の擁護者であるという長期にわたる誇大宣伝とはうらはらに、もし、本気で反資本家の動きを導入したいのであったなら、バラク・オバマが大統領であった二期の間にできたはずだ。でも、民主党はそうしなかったし、それはたまたましなかったのではない。 結局、民主党(共和党もだが)が興味を示すのは、議会だったのだ。一般市民のことは、Aリストには載っていないのだ。 ジャーナリストのグレッグ・パラストが短く言上手にってくれている。米国は「お金で買える最高の民主主義」を提供している国なのだ。

Also on RT.com
Not a great look: Failed Iowa caucus app is deeply linked to self-declared winner Buttigieg… and Hillary Clinton



絶秒のタイミングで来たカービルの講義
皆から忘れられそうになっていた75歳のジェームズ・カービルが、民主党員にむけて講演するよう駆り出されたタイミング(それは、アイオワ州党員集会での大失態の数日後だったのだが)は、彼があえて口にしなかったことが何なのかを正確に照らし出した。 一例をあげると、大統領選挙へつながる最初の主要な党員集会で、民主党がやらかした失態を、一流の政治戦略家である彼が詳しく言わなかったことは、控えめに言っても奇妙なことであった。
代わりに、カービルが一番悔やんだのは、アイオワ州の党員集会が「党が期待していただけの投票率ではなかった」ことだった。 「サイレンが鳴るくらいの危機だ」。と彼は言った。サイレンは確かになっていた。でも、サイレンが鳴っていた理由は、投票率のこととはまったく違う理由であり、その理由こそ、カービルが言及すべき内容だったのだ。
すでに知られているように、アイオワ州党員集会は、内部崩壊が衆目の一致するところとなった。ブッティジェッジキャンペーンとつながる、シャドーという怪しげな名のハイテク企業が、ここぞというタイミングで勝者の名前を発表するという単純な仕事をしそこなったからだ。




投票集計の反則を告発する声が、国中に響きわたった。サンダースの支持者だけでなく支持しない人たちも、民主党が、“またもや”、民主社会主義者のサンダースを妨害し、彼が大統領になるチャンスを故意に奪ったことを非難した。 つまり、アイオワ州党員集会から何を読み取るかは、たやすいことなのだ。




しかし、以下のことは頭に置いておかないといけない。バーニー・サンダースとアイオワ州党員集会での失態話だけが、米国にとって大事なことではないのだ。メディアは最善を尽くして、そう描こうとしているが。 実際、サンダースがアイオワ州党員集会で票数を低く数えられた話は、トゥルシー・ギャバードの話に比べたら、二番目の扱いでいい。彼女は、民主党の諸候補者から完全に除外されていたのだ。そのことをメディアはのぞき見ようともしない。
ジェームズ・カービルが、破綻しそうな民主党を救うべくブルペンから呼び出された、ただの口が達者な組織を守るお目付け役の一人ではないとしたら、こんな質問くらいしただろうに。「なぜ、CNNは、ニューハンプシャーの予備選挙前に、ギャバードを論戦番組から除外したのか?」と。
もし、カービルが、そういう疑問をなげかけていたとしたら、きっと「フェイクニュース」問題は、まったく新しいレベルに突入していただろう。


しかし、より重要なのは、カービルは、民主党に「赤い波」が押し寄せていることに対して、だれに懸念を表したのかだ。誰からも社会主義者とは思われていないトゥルシー・ギャバードのような穏健派の候補者に対してだ。なぜだ。一時、ギャバードは他の三人の候補者より多くの票を得ていたが、論戦番組への招待状は届かなかった。 これは確かに、ギャバード本人と彼女が掲げる「特定ブランド」政治にとって、選挙宣伝にはならない。しかし、彼女の言い分は、他の候補者と同じくらい聞くに値するもののようだ。 それでも、彼女は、除外された。そして、そのことについてだれも話したがらない。ジェービス・カービルでさえだ。



それと、どれだけすっきりできただろう。もし、カービルが、イラク戦を体験した女性候補ギャバードに中指を立てる民衆党幹部たちに皮肉の一つでも言っていたならば。
億万長者のメディアの申し子で、遅れてきた競走馬のマイケル・ブルームバーグのためなら、喜んで論戦のルールを変えたのに。
今日のアメリカの民主主義の根底にある腐敗を、これ以上に暴露する話があるだろうか?私には想像できない。
https://www.nbcnews.com/politics/2020-election/new-dnc-debate-rules-open-door-mike-bloomberg-make-stage-n1127676
すべてわかった上で、ジェームズ・カービルは一番すべき任務を成し遂げたのだ。民主党のお目付け役として必要な任務を。しかも、かなりうまくやってのけた。彼は、説明した。罵り言葉を出し惜しみすることもなく。「なぜアメリカ国民は、左に偏ったサンダースのような“イデオロギーの狂信者”を拒絶すべきなのか。サンダースは、急進派といっしょになって、民主党を根底から揺さぶっているじゃないか。 幹部が認めた候補者でないと、政治は変わらないのだ。そう、お手軽なプリングルスのポテトチップスの表紙みたいな顔をした、ブティジェッジやバイデンやウォーレンの中の誰か一人しか、ね。」
汚れた党員集会の不幸な顛末や、討論番組から反介入主義者のギャバードを追い出したことなどは、明らかにそれほど重要ではないようだ。重要なのであれば、政治戦略家のトップ、ジェームズ・カービルが、アメリカの人々にきっと伝えていただろう。でしょ?
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