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#1982 【ロシアW杯】日本代表の戦いはひとまず終了した。 (2018/7/4) | | |　

■　2対0は危険なスコアと言われるが・・・。

ベルギー戦は2点リードを奪いながら逆転負け。史上初のベスト8に大きく近づいたが目前で逃してしまった。「2対0が危険なスコア」というのはサッカー界では常識になっているが、決勝Tのような「負けたら終わり」という舞台になるとなおさら「2対0は危険なスコア」になる。負けている側が3点目を取られたら「ほぼthe End」であるがリスク覚悟で攻めに出て行って1点を返すことが出来ると1対2。今度はリードしている側にプレッシャーがかかってくる。リードをしている側が格下のチームであればなおさらである。

問題視されるべきは「1失点目」になる。2対0になったときは「2対0のスコアをどこまで維持できるか？」が重要になってくる。3点目を奪うことが出来ると試合はほぼ決まるが、この日の日本は2点リードになってからしばらくの間は耐えることが出来た。MF乾のゴールが決まったのは後半7分で、DFフェルトンゲンにラッキーなゴールを決められたのは後半24分の出来事だった。15分ほどはそのままのスコアを維持することが出来たが悔やまれるプレーから失点。1点差になると相手の勢いを食い止めるのは難しくなる。

GK川島の飛び出しが中途半端でパンチングも不十分だった。難しい状況だったこともあってMF乾のクリアも不十分。さらにDFフェルトンゲンに対応していたDF酒井宏の寄せもやや甘かった。1つ1つは小さなミスであっても連続してミスが続くとこのレベルになると致命傷になる。GK川島はよく頑張ったと思うが世界のトップクラスのキーパーと比べるとあらゆる面で見劣りする。しかも、自信を失っているように見えたので自分の力を出しにくい状況になっていた。「大型キーパーの重要性」を強く感じるW杯になった。

■　ベルギーとブラジルとフランス

「こうしていた方が良かったのでないか？」、「別のやり方や別の選手起用であったならば・・・。」と思うところもあるが、それでも日本の選手はよく頑張った。ほとんどの選手は自分の持てる力をフルに発揮して強豪のベルギーに食らいついた。現状で世界トップクラスのベルギーとW杯出場国の中ではFIFAランキングが下の下になる日本の間に大きな差があるのは誰しもが分かっていたことであるが一発勝負の舞台で臆することなく戦った結果、優勝候補の一角と言われるベルギーを大いに苦しめることが出来た。

準々決勝はベルギー vs ブラジルとなったがFIFAランキングはベルギーが3位で、ブラジルが2位となる。ラウンド16のスイス vs スウェーデン、イングランド vs コロンビアはまだ開始前なので生き残っているのは現時点で10チームあるが、優勝しても不思議はないのはブラジル・ベルギー・フランスの3チームである。ベスト8に進出したクロアチアやウルグアイやロシアなどが頂点に立つことは今の時点では考えにくい。左側のブロックに入ったブラジル・ベルギー・フランスのいずれかが頂点に立つのでは？と思う。

日本に勝利してベスト8に進出したベルギーに勝ち進んでもらえると大逆転負けのショックも和らぐ。今後は日本の代わりにベルギーを応援したいと思うがこれだけ各ポジションにタレントがいるチームは他にはない。ビッグ3と言われるFWルカクとMFエデン・アザールとMFデ・ブルイネ以外にも素晴らしい選手がたくさんいるのはベルギーの強みである。日本戦では途中出場したMFフェライニとMFシャドリがゴールを決めているが選手層という意味でも世界屈指である。スーパーチームを相手に日本代表はよく戦ったと言える。

■　石にかじりついてでもGL突破を目指したポーランド戦

日本代表の戦いは終了した。W杯は4年間の集大成になるが(個人的な)成功か？失敗か？の評価基準は「GLで3位以内になること」に設定している。近年の日本代表の立ち位置を考えると「GL突破をノルマ」とするのはなかなか大変である。例えば「死のグループ」と呼ばれる組に入ってしまったらGL突破の確率は大きく下がる。組み合わせ抽選会の運・不運で4年間の活動の是非を評価するのは適切ではないように感じるが「GLで3位以内になること」であれば「死のグループ」であっても十分に達成可能である。

ここ数大会はそういう評価基準で日本代表の戦いぶりを評価してきたので2戦目でセネガルと引き分けてポーランドを下回る可能性がゼロになった2節終了時点で1つの基準はクリアしていたが、やはり、世間一般では「GLを突破できるのか？否か？」が最大にして唯一の評価基準になる。今回は初戦でコロンビアに勝利することができたがGLを突破できなかったら十分な評価は得られずに「今大会の挑戦も失敗だった。」と評価されただろう。石にかじりついてでも2位通過を狙いに行った気持ちは痛いほど分かる。

ポーランド戦の終盤の消極的な戦いに関しては賛否両論あって「攻めに出て行って失点して3位になったとしても誰も責めなかった。」という人は少なくない。また、単純に面白い試合を観たいと考えてスタジアムにやってきた大部分のロシア人のサポーターがブーイングをするのは当たり前であるが、ブラジルW杯のときに結果を出せなくて打ちひしがれた彼らの思いを十分に知っているはずの人たちがGL突破に強くこだわる彼らの考えを理解できずに戦いぶりを強く批判するところは少し残念に感じてしまう。

決勝Tを戦うのは3回目だったが過去2試合はいずれも無得点だった。待望の初ゴールを記録してまた一歩、日本サッカー界は前進した。7大会連続でベスト16止まりのメキシコと比べるとかわいいレベルであるが今度はベスト8の壁が大きく立ちはだかっており、決勝Tで勝利することが新しい日本サッカー界の大きな目標になっているが着実に前に進んでいるのは間違いないのでいずれは突破できるだろう。4年後になるのか、8年後になるのか、12年後になるのか分からないが、早く「決勝Tでの勝利の味」を楽しみたい。

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◆　まとめ

　#1982 【ロシアW杯】日本代表の戦いはひとまず終了した。 (2018/7/4)

　・2対0は危険なスコアと言われるが・・・。
　・ベルギーとブラジルとフランス
　・石にかじりついてでもGL突破を目指したポーランド戦

→　強豪のベルギーに2対3で敗れた日本代表の戦いはひとまず終了しました。勝利をつかんでも全く不思議はない試合展開だったので悔やまれる試合になりましたが前評判が低かったことを考えるとよく頑張ったと言えます。ベスト8が出そろいましたが「右側のブロック」に強豪国が集まっていて、次のブラジル vs ベルギーが大注目ゲームになります。ベルギーとブラジルとフランスが優勝候補と言えます。

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