サッカーコラム J3 Plus+　

京都サンガ vs コンサドーレ札幌 (西京極陸上競技場)

→　13勝5敗11分けで5位の京都と19勝4敗5分けで首位の札幌の試合はスコアレスドロー。30節の中では最大のビッグカードだったがどちらのチームも慎重だった。シュート数は京都が6本、札幌は9本。両チームとも多くのシュートチャンスを作ることはできなかった。両チームとも「無理をしてでも勝ち点「3」を獲得しなければいけない。」という状況ではなかったので試合の終盤も大きく流れが変わることはなかった。アウェイの札幌はもちろん、京都にとってもドローというのは決して悪くない結果と言えるだろう。

京都は6位に転落したが3位のC大阪との差は「3」のみ。3位のC大阪、4位の岡山、5位の清水、6位の京都の争いは熾烈で、2位の松本山雅との差も「6」。9月11日(日)に行われる次の31節はアウェイで松本山雅と対戦するので自力で差を縮めることが出来るチャンスと言えるが自動昇格を狙うためには勝ち点「3」を獲得しなければいけない試合。京都にとっては今シーズン最大の大一番となるがエースのMFエスクデロは4枚目のイエローカードを受けて出場停止。もったいない形で受けたイエローカードだった。

この日の京都は3バックを採用した。「札幌のシステムに合わせようとした。」というのが3バックを採用した一番の理由だと思うが急造の3バックにしては機能性はまずまず良かった。DF染谷を中心とした最終ラインは安定感があったが「3-4-2-1」なのでMFエスクデロとMF堀米勇という攻撃の中心となる2人が近い位置でプレーできるようになるのは大きい。この2人は相性が良くて感性も似通っているので(守備のことだけでなく)攻撃のことを考えても「3-4-2-1」というのは今の京都にあったシステムと言えるのではないか。

一方の札幌は終盤にFW有田に1対1に近い決定機を作られたリオ五輪から戻って来たGKク・ソンユンが防いだ。後半開始からMF堀米悠を下げてMFマセードを投入。MF堀米悠の出来は決して悪くなかったと思うが右サイドにMFマセードが入ってから攻撃は活性化した。勝ち点「1」にとどまったが苦手の西京極での試合ということを考えると引き分けでも十分と言える。これで札幌は上位陣との対戦はすべて終了。「J2制覇」にまた一歩前進したがボランチのMF深井一が怪我をして交代となったのは気になるところである。

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ジェフ千葉 vs ファジアーノ岡山 (フクダ電子アリーナ)

→　9勝10敗10分けで10位の千葉と15勝6敗8分けで3位の岡山の試合は前半9分にMF船山貴の絶妙なスルーパスを受けたFW町田が決めてホームの千葉が先制に成功すると後半28分にも裏に飛び出したMF船山貴のパスからFWエウトンが豪快に決めて追加点を奪った。大逆転でのプレーオフ出場を果たすためにはどこかのチームを蹴落とす必要がある千葉にとってはプレーオフ圏のチームとの試合は勝たなければいけない試合となるが見事にホームで勝ち点「3」を積み上げた。これで10勝10敗10分けとなった。

9位に浮上した千葉は勝ち点「40」となった。5位の清水と6位の京都は勝ち点「51」。残りは12試合なので逆転可能な差と言える「勝ち点差＜残り試合数」となった。現実的には厳しい差と言えるが勝利を積み重ねてチャンスがやって来るのを待つしかない。長谷部監督になってから5試合目だったがMF菅嶋やDF比嘉などの序列が上がるなど関塚監督のときはほとんどチャンスを与えられなかった選手の中から出番を得るようになった選手がいるのでチーム内の競争は激しくなっておりチームが活性化した印象はある。

この日は2つのゴールをアシストしたMF船山貴の活躍が目立ったがFWエウトンの出来も非常に良かった。ボールのおさまりが抜群で「これだけ前線で存在感を発揮するFWエウトンを見たのは初めて」と言えるほどのパフォーマンスだった。ボールを受けるタイミングと位置取りが見事でボールを呼び込んで簡単にダイレクトで味方選手に落として攻撃をスピードアップさせるシーンが目立った。何だかんだで今シーズン8ゴール目。25試合で8ゴールという数字は決して悪くない。この状態を維持してほしいところである。

敗れた岡山は5試合ぶりの敗戦で4位に転落した。MF矢島慎が久々に復帰してきて「ほぼベスト」と言えるスタメンだったが攻守両面で精彩を欠いた。先のとおり、CFのFWエウトンに自由を与え過ぎた。DF岩政とマッチアップするケースが多かったがほとんど潰せなかったのは意外だった。注目のMF矢島は4本のシュートを放ったが決定的な仕事はできず。後半15分にMF片山瑛を下げてMF酒井宣を投入するとやや流れが良くなったが後半28分にキーパーのGK中林の中途半端な飛び出しから失点。らしくないミスだった。


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◆　まとめ

　#1453 【J2】 全11試合のレビュー (第30節) (後編) (2016/9/6)

→　8月21日(日)に行われたJ2の第30節の全11試合のレビューの(後編)です。千葉と岡山の試合はホームの千葉が2対0で完勝。3位の岡山を下したことでプレーオフ出場の望みをつなぎました。この日はFWエウトンが好調。「来日後、もっとも出来が良かったのではないか？」と思えるほどの存在感を発揮しました。彼が最前線で存在感を発揮してなおかつゴールを決めてくれると攻撃陣は期待が持てるようになります。


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