サッカーコラム J3 Plus+　

横浜Fマリノス vs FC東京 (日産スタジアム)

→　6勝6敗4分けで9位の横浜FMと5勝6敗5分けで11位のFC東京の試合は後半44分に左SBのDF小川諒のCKから前半途中に負傷したFWネイサン・バーンズに代わって投入されたFW平山が頭で合わせてアウェイのFC東京が先制に成功する。31歳になったFW平山の今シーズン4ゴール目が決勝点となって1対0でFC東京が勝利した。ともに1stステージは思うような成績を残せなかったがFC東京は5試合ぶりの勝利となった。一方の横浜FMは3試合勝ちなしとなった。横浜FMは黒星が1つ先行して折り返し地点を迎えた。

ACLの日程の関係で延期されていたJ1の試合がミッドウイークに組み込まれたこともあって最近のFC東京はかなりの過密日程になっている。この試合は5連戦の5試合目だった。3試合連続で引き分けの後、浦和に2対3の逆転負け。苦しい戦いが続いていたが6勝6敗5分けとイーブンの成績で1stステージを終えることができた。開幕前は「優勝候補の一角」と言われていたチームなので当然のことながら戦力はJ1でも上位クラスである。過密日程から解放される2ndステージは優勝争いに絡んでくることが期待される。

やや劣勢の展開だったがキーパーのGK秋元を中心に無失点で踏ん張ったことが最後に実を結んだ。ヒーローになったFW平山は今シーズン4ゴール目。出場時間がそれほど長くない割にはいいペースでゴールを決めている。決勝ゴールの場面はDFファビオとマッチアップしていたが「ちょっと下がりながら頭に当ててシュートを枠に飛ばす。」というFW平山が得意とする形から生まれたゴールだった。2トップを組んだFWムリキとの関係性もまずまず良かった。何だかんだでFW平山とFWムリキの2トップは魅力がある。

横浜FMは大黒柱のMF中村俊が怪我のため欠場。MF兵藤がトップ下でスタメン出場した。試合を通してシュートシーンは少なかったが決定機はいくつも作った。MF齋藤学が1回、FWカイケには2回の決定機があった。FC東京のキーパーのGK秋元の頑張りを称えるべきなのかもしれないが「点を取ること」が期待されている選手なのでFWカイケにはこういう場面では確実に決めてもらいたいところである。「それ以外の部分での貢献度」が高い選手ではないので大チャンスの場面で点を取れないと助っ人の価値はなくなる。

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ガンバ大阪 vs 名古屋グランパス (市立吹田サッカースタジアム)

→　7勝7敗2分けで6位のG大阪と4勝8敗4分けで14位の名古屋の試合は点の取り合いになったが3対3のドローに終わった。前半3分に名古屋がFW川又のゴールで先制に成功するが前半45分にMF阿部浩のゴールでG大阪が同点ゴールに追いつくと後半9分にMF宇佐美のFKからDF金正也が決めて2対1とG大阪が逆転に成功する。後半22分に名古屋はDF矢野貴のクロスからFW川又が決めて2対2。後半42分にMF今野が勝ち越しゴールをマークしたが直後の後半44分にDF矢野貴が起死回生の同点ゴールをマークした。

7試合勝ちなしと苦しむ名古屋は終盤に同点ゴールを奪ってドローに持ち込んだ。アウェイのG大阪戦で、しかも、MF宇佐美のラストゲーム。スタジアムは大入り満員に近い状態で相手方のモチベーションがMax付近まで高まる名古屋にとっては不利なシチュエーションだったことを考えると勝ち点「1」をプラスできたのは悪くない結果と言える。この日はFWシモビッチとMF田口が揃って怪我で欠場。非常事態だったがFW川又が2ゴールの活躍を見せた。十分には生かし切れていないが攻撃陣にはタレントがたくさんいる。

ドイツのアウグスブルクへの完全移籍が決まったMF宇佐美にとってはG大阪でのラストゲームだった。惜別ゴールが期待されたがゴールは生まれず。それでも2点目のDF金正也のゴールをアシストした。中学生の頃から大きな注目を集めてきた「G大阪の至宝」なのでサポーターも彼に対しては特別な感情を抱いている。G大阪にとっては「唯一無二の特別な選手」と言えるがほとんどのサポーターはドイツに旅立つMF宇佐美を快く送り出した。G大阪のサポーターからの「愛され具合」が伝わってくるセレモニーとなった。

1回目のドイツ挑戦は失敗だった。もちろん、何かを掴むことができたり、選手ならびに人間として成長できたのであれば思うような結果が出なかったとしても必ずしも「失敗」とは言えないところもあるがMF宇佐美の1回目の挑戦に関しては彼の能力を考えると「失敗」と言われても仕方がない。1回目のドイツ行きが決まったのは2011年の夏だったのであれからちょうど5年が経過している。ドイツならびに日本で様々な経験を積んだことで選手としてはもちろんのこと人間的にも大きく成長している。今度は大丈夫だと思う。


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◆　まとめ

　#1402 【J1】 全9試合のレビュー (1stステージの第17節) (後編) (2016/7/4)

→　6月25日(土)に行われたJ1の1stステージの第17節の全9試合のレビューの(後編)です。アウグスブルクへの移籍が決まったMF宇佐美(G大阪)のラストゲームとなったG大阪 vs 名古屋は点の取り合いになりましたが3対3のドローに終わりました。MF宇佐美は1アシスト。期待された惜別ゴールを記録することはできませんでした。G大阪は吹田スタジアムで勝ちきれない試合が多くて1stステージは不本意な成績に終わりました。


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