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【W杯】 ブラジル vs クロアチアのMOMは誰だと思いますか? (投票数:459票)
■ いよいよW杯が開幕ついにブラジルW杯が開幕。「優勝候補の筆頭」と言われるブラジル代表が登場して、アレナ・デ・サンパウロでクロアチア代表と対戦した。グループAはブラジルとクロアチアとメキシコとカメルーンの4チームで構成されており、開催国であるブラジルが「首位通過の大本命」と言われている。審判は日本から派遣されている西村さんと相楽さんと名木さんの3人が担当となった。
ブラジルは「4-2-3-1」。GKジュリオ・セーザル。DFダニエウ・アウベス、チアゴ・シウバ、ダビド・ルイス、マルセロ。MFルイス・グスタボ、パウリーニョ、オスカー、ネイマール、フッキ。FWフレッジ。先日のセルビア戦と全く同じスタメンだったが、2列目の並びが変わって、MFネイマールがトップ下で、MFオスカーが右サイドで、MFフッキは左サイドが基本位置となった。
対するクロアチアは「4-2-3-1」。GKプレティコサ。DFスルナ、ロブレン、チョルルカ、ブルサリコ。MFモドリッチ、ラキティッチ、ペリシッチ、コバチッチ、オリッチ。FWイェラビッチ。ドイツのバイエルン・ミュンヘンで活躍しているエースのFWマンジュキッチはW杯予選のPOで退場処分を受けているため出場停止。187センチのFWイェラビッチが1トップでスタメンとなった。
■ 3対1で開催国のブラジルが逆転勝利試合は前半11分に左サイドでボールを受けたクロアチアのMFオリッチのグラウンダーの鋭いクロスがブラジルの左SBのDFマルセロのオウンゴールを誘ってクロアチアが先制に成功する。予想外の展開となったが、前半29分にMFオスカーのパスを受けたMFネイマールがドリブルから左足で鮮やかに決めてブラジルが1対1の同点に追い付く。前半は1対1で終了する。
後半10分あたりを過ぎるとブラジルの運動量が落ちてきて、クロアチアも落ち着いてボールを持って攻撃の形を作るようになるが、後半24分にペナルティエリア内でブラジルの1トップのFWフレッジが倒されたという判定でブラジルにPKが与えられると、これをMFネイマールが決めて2対1と逆転に成功する。注目のMFネイマールは開幕戦から2ゴールと結果を出した。
その後はビハインドとなったクロアチアが人数をかけて攻め込むようになる。いくつか惜しいシーンを作ったが、GKジュリオ・セーザルの好セーブもあって同点ゴールを奪えずにいると、後半46分にブラジルが中盤でボールを奪ってカウンター。最後はMFオスカーがトーキックで芸術的なシュートを決めて3点目を挙げる。結局、3対1でブラジルが勝利して勝ち点「3」を獲得した。
■ さすがと言うしかないネイマールいきなりの熱戦となったが、MFネイマールとMFオスカーの2人の活躍もあってブラジルが白星発進となった。試合の入り方は良かったが、前半はMFオリッチのところからチャンスを作られるシーンが何度かあって、失点シーンもMFオリッチの突破&クロスがきっかけだった。ブラジルにとっては難しい展開になったが、前半29分のMFネイマールのゴールが重苦しい流れを払拭した。
1得点目は中盤でごちゃごちゃした感じになって、どちら側にボールがこぼれてもおかしくない場面だった。クロアチア側にボールがこぼれていたらカウンターでチャンスを作ったと思うが、MFオスカーがボールを拾って、そこからMFネイマールにボールが渡ってドリブルから左足でコース隅に決まる素晴らしいシュートが決まった。「さすが。」としか言いようのないビッグプレーだった。
その後、大きなプレッシャーのかかるPKを決めたが、世界中がMFネイマールに注目して、ブラジル国民の期待を一身に背負った状態で開幕戦から2ゴールと結果を出すことができるのは凄い話である。もちろん、ドリブルやテクニックは世界トップレベルで、得点力も高いが、期待されている中、期待以上の活躍ができるところが彼のスペシャルなところで、オンリーワンの部分である。
■ MOM級の活躍を見せたMFオスカー明日の新聞はブラジル国内だけでなく、世界中が2ゴールを挙げたMFネイマールのプレーを称賛する記事で埋まるのは間違いないが、右サイドハーフに回ったMFオスカーも負けず劣らずの活躍を見せた。1点目も、2点目も、MFオスカーのパスがきっかけになっており、3点目のトーキックでのシュートは早くも今大会のベストゴール候補の1つに挙げられるファインゴールだった。
MFネイマールの負担を減らすためには、MFオスカーやMFフッキやFWフレッジの活躍は不可欠であるが、親善試合のセルビア戦はこの点で物足りなかった。MFネイマール1人に国民の期待と相手チームのマークが集中することはブラジルにとっては非常にマズイ話であるが、この日のMFオスカーは凄まじかった。「MOMはMFオスカーの方がふさわしい。」と言えるのかもしれない。
ブラジルはいい形で開幕戦を飾ることができたが、不安要素はいくつかある、したがって、「絶対的な優勝候補」とは今の段階で言い切ることはできない。DFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスのCBコンビは超強力であるが、最後尾にいるGKジュリオ・セーザルは盤石とは言い難くて、欧州勢など高さのあるチームと対戦するときはセットプレーでやられそうな雰囲気はある。
また、フォワード陣は過去のセレソンと比べるとかなり物足りない。FWフレッジは後半にPKを獲得したが、チャンスに絡んできたのはこのシーンくらいである。いいボールが来たときに確実に仕留めるプレーを期待されているので、試合から消えることは想定内だと思うが、それにしても存在感が無かった。控えのFWジョーもスペシャルな選手ではないので、一番の弱点になっている。
■ 惜しい試合だったクロアチア一方のクロアチアは非常にいい戦いを見せたが、先制ゴールを奪った時間帯がちょっと早過ぎた。前半11分に先制したので79分も残っていたが、こうなるとブラジルに攻め込まれてしまう。1点リードの時間をできる限り長く保ちたかったが、先制ゴールを奪った後はボールを保持できなくなった。先制したのはよかったが、クロアチアにとっても難しい展開になってしまった。
後半24分のPKの判定については別の機会で詳しく触れたいと思うが、90分間のトータルで考えると開催国のブラジル側に有利な笛が多くて、クロアチア側には不利な判定が多かった。W杯において開催国があらゆる面で優遇されるのはこれまでの歴史が暗に示しているが、クロアチアにとってはストレスの溜まるレフェリングだったのは間違いない。運が無かったとも言える。
全体としては「健闘した。」と言えるし、黒星スタートとはいっても「2位通過の大本命」であることに変わりはないが、いい試合をしただけに悔いは残る。いくつか悔やまれるシーンはあるが、MFネイマールのPKも含めてブラジルの3つのゴールはいずれもキーパーが届きそうなシュートだった。「キーパーのGKプレティコサが何とか防げなかったか・・・。」という感じはする。
また、1トップで起用されたFWイェラビッチが思うように機能しなかった点は残念だった。1得点目には絡んでいるが、それ以後、なかなかボールに触ることができなくて、ゴール前への入り方など動き方に関して味方にダメ出しを食らうシーンがいくつかあった。2年前のユーロ2012のときはFWマンジュキッチとコンビを組んで存在感を発揮したが、この日はいい出来ではなかった。
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