■ 古巣との対戦WBAがホームでフルハムと対戦。稲本は、プレミアリーグで5試合連続スタメン。フル出場して、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍で古巣との対戦を飾った。
前節はボルトン相手に素晴らしいゲームを見せたフルハムだが、この日は、前節ほどの出来ではなく、試合はWBAペースで進む。前線の197cmのFWカヌーのポストプレーを中心に右から効果的な攻めを見せる。右サイドハーフのグリーニングと、右サイドバックのワトソンが再三右からクロスを上げてチャンスをうかがう。
■ 黒子に徹する稲本稲本は、中盤の左セントラルミッドフィールダーでプレー。前半は、攻撃面では目立った働きはなかったが、中盤のフィルター役として、かなりのいい出来。こんな、黒子に徹する稲本は見たことないゾ。欲を言うと、相棒のウォールワークも守備面で信頼できる選手なので、ゴール前のクロスに飛び込んでいくようなプレーもあったら良かった。前半終了間際、相手のキープレーヤーで、稲本と対面することの多かった、ボア・モルチが退場し、WBA優勢で前半を終了した。
後半も、一人多いWBAペース。前半とは代わって、左サイド中心の攻撃となる。FWエリントンと、左サイドハーフのMFカマラが頻繁に相手の裏に抜け出るプレーを試みる。稲本も、前線に絡んでいくプレーが増えていく。50分過ぎには、右からのクロスに飛び込んでいくが、惜しくも合わせられない。55分には、こぼれ球をヘディングシュートするも相手に当たってクリアされる。攻め込んでいる展開なので、そろそろ先制したいところ。
■ カヌーの交代66分、カマラに代えてカーターを投入。試合の興味は、WBAがどのようにして先制点を取るかにしぼられる。さらに、カヌーに代えてホースフィールドを投入。しかし、カヌーが抜けたことで、WBAは起点がなくなってしまう。逆に、フルハムも攻勢を仕掛けるようになり、76分には、カウンターからあわやの場面を作るが、ペナルティーエリア内で、稲本がスライディングタックルでクリアしてピンチを防ぐ。結局、ロスタイム5分を含めて、WBAはゴールを奪えずに、もったいないゲームを引き分けてしまった。
まず、この試合も稲本は精力的な働きを見せた。散らしにミスがなく、守備面ではポジショニングが特によかった。運動量も切れも申し分なく、チームの中心として大きな役割を果たしていた。欲を言うと、試合が膠着し始めた後半に、リスクを侵してでも、攻撃的なパスを狙っていければもっとよかった。特に、今のプレミア式の4-4-2では、セントラルミッドフィールダーがある程度、ゲームをコントロールしなければいけないので、得点を奪うためには、ウォールワークと稲本には、より一層の攻撃面での精進が期待される。
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