■ 全国各地で11試合が行われる。J2は2月26日(日)に開幕を迎えた。全国各地で計11試合が行われたが引き分けに終わったのはFC岐阜 vs 山口のみ。1点差の試合が8試合で、2点差の試合が1試合。長崎 vs 群馬だけが4対0と大差が付いた。4点差で勝利した長崎が首位に立ったが、今オフの長崎は経営的な問題が表面化してネガティブなニュースで取り上げられる機会が多かった。一転して今度はポジティブなニュースで話題になることができた。
もちろん、まだ1試合を終えた段階なので不透明な部分は少なくないが、開幕前に自動昇格候補に挙げる人が多かった福岡・京都・松本山雅の3チームが黒星発進となったことが目に付く。開幕前の時点での一般的な評価というと「2017年のJ2は名古屋・湘南・福岡・京都・松本山雅の5強が昇格争いの中心になる。」だったことを考えると今シーズンもJ2の昇格争いは予想の難しい展開になる可能性が高い。
福岡を下した大分、京都を下した山形、松本山雅を下した横浜FCの3チームは好スタートを切ったと言える。山形・横浜FC・千葉・徳島・岡山あたりもプレーオフ候補に挙げる人が多かったが、山形や横浜FCに関しては「波に乗れそうな勝利」と言える。どちらのチームも昨シーズンはスタートダッシュに失敗しているが昨今のJ2はとにかく混戦。開幕戦の重みは1/42ではない。大きな勝ち点「3」を獲得できたと言える。
■ リカルド・ロドリゲス監督が就任した徳島ヴォルティス22クラブの開幕戦をざっと観たところ、いくつかのチームは事前に予想していたよりも競争力がありそうな戦いぶりだった。その一方でいくつかのチームは予想していたよりも苦しいシーズンになりそうな雰囲気を醸し出している。半数ほどのチームは「まあまあ予想通り」と言えるが、開幕前に予想していたよりも良い感じなので良いシーズンになる可能性が高いチームというと徳島やFC岐阜の名前を挙げることが出来る。
スペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督が就任した徳島は今オフの補強に成功して「躍進候補」に挙げる人は少なくなかったが開幕戦では21歳のMF杉本太や20歳のMF前川などスタメンに抜擢された若手が躍動。さらには金沢から加入した左WBのMF馬渡がサイドを切り裂きまくった。191センチの長身CBのDFニコラ・ヴァシリェヴィッチも及第点以上のプレーを見せたので徳島にとっては収穫の多い試合になった。
各ポジションにタレントが揃っているのでプレーオフ争いどころか、自動昇格争いに絡んできても不思議はない内容だった。2節はアウェイで京都と対戦するが黒星スタートとなった京都は勝ち点「3」が必須。徳島にとっては真価が問われる試合になるが、アウェイで京都を下して連勝スタートとなると勢いに乗ることが出来る。スポーツ科学の博士号を持っているリカルド・ロドリゲス監督は興味深い指導者である。