■ 56年ぶり2回目2020年に行われる第32回の夏季オリンピックが東京で開催されることになった。東京(日本)とイスタンブール(トルコ)とマドリード(スペイン)という3都市の争いになっていたが、3回目の投票で、96票中60票を集めた東京がIOC委員から圧倒的な支持を受けて、見事に開催地に決定した。東京で五輪が開催されるのは1964年以来なので56年ぶり2回目で、同一都市で複数回開催されるのはアジアで初めてとなる。
開催地に決まったことで日本中が盛り上がっているが、東京でオリンピックが開催されることが決まったのは、実は3度目となる。1940年(昭和15年)にも、東京でオリンピックが開催されることが決定していたが、日中戦争の影響などで、日本政府が開催権を返上したという歴史がある。黒歴史と言えるが、平和であることのありがたさを痛感する忘れてはならない歴史の1つと言えるだろう。
正直なところ、開催地に選ばれるまでは、そこまで大きな関心を抱いてはいなかった。「東京に決まって、株価が上がって、持っている投資信託の基準価格が上がるといいなあ・・・。」という程度にしか思っていなかった。(トルコの投資信託も持っているので、イスタンブールでも良かった。)「マドリードだけはやめてほしい。」と思っていたが、いざ決まってみると、楽しみが広がってくる。
1998年の長野オリンピックはリアルタイムで経験しているが、夏季オリンピックというのは、特別なものがある。まだ、人生の終焉を考える年齢でもないが、今、70歳や80歳の人にとっては、「2020年のオリンピックを見るまでは死ねない。」というモチベーションにつながってくるのではないか。「生きる希望」というと大袈裟かもしれないが、エネルギーや元気をもらうことができた人は多かったと思う。
■ スポーツの力「スポーツの力」というのは無視できないものだと思う。文化人の中には、「他人がプレーするところを見て、何が楽しいのか?」という人もいるが、そういう人というのは、人生の楽しみ方を知らないちょっと残念な人だと思う。もちろん、オリンピック開催となると、経済効果も物凄いことになると思うが、アスリートが頑張っている姿、好きな選手が活躍する姿を見ると、ホットな気持ちになる。
Jリーグの試合を観に行ったときも同じような気持ちになることがある。たいていの人は、ホームチームを応援しながら試合を観戦しているが、味方のゴールが決まった時、そして、試合に勝ったときのスタジアムは、ポジティブなエネルギーに満ち溢れている。たった1つのゴールで数万人の心を揺さぶることのできるサッカー選手というのは、やはり、特別な職業だと感じる。
もちろん、汚染水の問題を筆頭にして、様々な問題がある。東京五輪に否定的な人もいると思うが、こういうビッグイベントというのは、「楽しんだ者勝ち」というところもある。その次の日本開催が同じように56年後だと仮定すると2076年になるので、これを楽しむのは、ちょっと無理である。「最初で最後の夏季オリンピック」になる可能性が高いので、思う存分、楽しみたいと思う。
■ 東京世代サッカー競技に関して言うと、「東京世代」と呼ばれることになるのが、違和感を覚える。「アトランタ世代」、「シドニー世代」、「アテネ世代」、「北京世代」、「ロンドン世代」、「リオ世代」というのは、完全に定着しているので、何も引っ掛かるところはないが、「東京世代」というと、『うーん。』というところはある。言い方に慣れていないだけかもしれないが、「日本の都市名+世代」になると、おさまりは良くない。
ただ、「イスタンブール世代」、「マドリード世代」というのも、しっくりは来ないので、慣れの問題かもしれない。対象となる選手は、今のルールが変わらないと仮定すると、1997年1月1日以降に生まれた選手で構成されることになる。ちなみに、バルセロナの下部組織でプレーする久保建英くんの誕生日は2001年6月4日なので、もう1つ下の世代になると、19歳であれば、飛び級で選出される可能性はゼロでは無い。
試合会場については、新・国立競技場、日産スタジアム、埼玉スタジアム、味の素スタジアム、宮城スタジアム、札幌ドームの6つが予定されているが、陸上競技トラック付きのスタジアムが多いので、「どうなのか?」という感じもする。東京近郊になるのは当たり前であるが、サッカー専用あるいは球技専用の立派なスタジアムがいくつかあるので、できれば、そういうスタジアムを使って欲しいという思いはある。
男子はメダル獲得、女子は金メダル獲得が期待されるが、男女とも、与えられる強化費用というのは、かつてないレベルになると思われる。海外遠征も頻繁に出来るはずで、東京世代の経験値というのは、日本サッカー界の財産になるだろう。アジア予選が免除されるという難しさはあるが、ロンドン五輪での男女サッカーの活躍を考えると、期待は膨らんでいく。
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