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【水戸×町田】「スタメンを固定するチーム」 vs 「スタメンを固定できないチーム」 | | |　

■　J2の第15節

J2の第15節。4勝7敗3分けで勝ち点「15」の水戸ホーリーホックはホームのケーズデンキスタジアムで町田ゼルビアと対戦した。町田は5勝5敗4分けで勝ち点「19」。開幕から7試合は5勝1敗1分けと絶好調だったが8節から7試合勝ちなし中と苦しんでいる。順位も13位と後退して踏ん張りどころを迎えている。水戸は開幕ダッシュに失敗して18位と低迷している。どちらも浮上のきっかけをつかみたい試合になる。

ホームの水戸は「4-2-2-2」。GK山口瑠。DF後藤田、楠本、鈴木喜、大崎航。MF前田椋、土肥航、曽根田、椿。FW梅田魁、高井。5連戦の5試合目。過密日程になっているのでメンバーをかなり入れ替えてきた。FW木下、FW安藤瑞、DF黒石などがベンチスタート。FW梅田魁、MF椿、MF前田椋、DF後藤田などがスタメンで起用された。ベンチスタートになったFW木下がチーム最多の5ゴールを挙げている。

アウェイの町田は「3-4-2-1」。GKポープ・ウィリアム。DF岡野洵、高橋祥、奥山。MF宇野、佐野海、翁長、太田修、平戸、山口一。FW鄭大世。こちらも過密日程ならびに結果が出ていないこともあってメンバーを大きく入れ替えた。ここに来て3バックを採用する試合が増えているがDF奥山を左ストッパーで起用。MF翁長が右WB、MF太田修が左WBで起用された。FWヴィニシウス・アラウージョはベンチスタート。

■　J2は5連戦の5試合目

GWも終了してJ2は5連戦の5試合目。ともにメンバーを入れ替えてきたが疲労の色は隠しきれず。暑さも関係して前半から静かな展開になった。どちらも運動量は少なくて動きの多くない試合になった。水戸は今シーズン5回目のスタメンとなるFW梅田魁のポストプレーを起点にチャンスを作ろうとしたがなかなか厚みのある攻撃は出来ない。町田は前半31分にトリックプレーからMF山口一にチャンスシーンが訪れた。

前半40分に町田の10番のMF平戸がシュートを放ったが惜しくもバーに直撃する。前半は0対0で終了した。水戸は後半11分にFW高井とMF曽根田を下げてDFタビナス・ジェファーソンとMF高岸を投入。町田も後半14分に高卒ルーキーのMF宇野とFW鄭大世を下げてFWドゥドゥとMF高江を投入。するとボランチのMF高江を中心にボールを保持するようになった町田が後半の半ば以降は主導権を握る展開になった。

後半14分にFWドゥドゥのパスからMF平戸がシュートを放ったが今度はポストに直撃する。この試合のMF平戸は2度もバーに直撃するシュートを放った。先制ゴールの欲しい水戸はFW木下、FW安藤瑞、DF黒石を投入。エースストライカーのFW木下にボールを集めたかったがなかなか見せ場を作ることは出来なかった。試合は0対0で終了した。開幕前に上位候補に挙げられた町田はこれで8試合勝ちなしとなった。

■　3人の選手が今シーズン初スタメン

どちらも今シーズンは期待値が高かった。オフの補強は上手くいったので「初のJ1昇格」の期待が高まったが難しいシーズンになっている。町田は開幕ダッシュに成功したが急激に勢いが落ちて8試合勝ちなしとなった。これだけ勝てないので当たり前と言えば当たり前の話になるが上位陣との差は徐々に広がりつつある。次の16節は新潟戦(H)になるが好調なチームが相手なので難しい展開になる可能性は高い。

ここに来て3バックも採用するなどランコ・ポポヴィッチ監督はいろいろと手を打っているがトンネルの出口が見つからない状況になっている。町田は14節を終えた時点で実に8人もの選手が「全試合でスタメン出場中」だったがGK福井とMF高江とDF深津の3人が今シーズン初めてスタメンから外れてGKポープ・ウィリアム、MF宇野、DF岡野洵が初スタメン。テコ入れを図ったが勝ち点「3」にはつながらなかった。

抜擢された3人に注目が集まったが青森山田高出身でボランチのMF宇野はまずまずのプレーを見せた。高校時代はFC東京のMF松木玖とWボランチを組んで三冠に貢献したが落ち着いてプレーした。バランス型のボランチなのでMF高江よりはMF佐野海の方にプレースタイルは近いが「MF佐野海とMF高江を休ませることが出来るボランチ」が町田には必要。彼のスタメンでの起用に目途が立ったのは大きい。

■　10回以上スタメンで起用されているのは・・・。

水戸も開幕前の評価は高かったがこちらは開幕ダッシュに失敗した。その後も波に乗り切れない。現状は残留争いに巻き込まれているが町田とは真逆で今シーズンの水戸はスタメンを固定できない。過密日程のときにスタメンを大シャッフルした試合もあったが14節を終えた時点で10回以上スタメンで起用されているのはDF楠本、DF鈴木喜、FW木下、MF平塚の4人だけ。これはあまりにも少ない数字である。

「スタメンを固定しすぎるのも良くないがスタメンを固定できないのも宜しくない。」と言える。バランスが重要になるがオフにメンバーがかなり入れ替わったこともあって「寄せ集め感があること」は否定できない。水戸に加入して2年目以上となるFW安藤瑞、DFタビナス・ジェファーソン、DF大崎航もここまでいいプレーが出来ずにいる。「チームの顔となって牽引できる選手」が現時点では見当たらない状況である。

攻撃陣はタレントが多いので「5ゴールのFW木下に続く選手」が出てこないといけないがJ3の宮崎から加入したFW梅田魁は13試合に出場して0ゴール1アシスト。J2初ゴールは生まれていない。スタメンはここまで5回のみ。FW木下、FW安藤瑞、FW唐山がいるのでスタメンの機会は少ないが「前線で起点になるプレー」はFW梅田魁がフォワード陣の中では一番上。宮崎時代に見せた輝きを水戸でも披露したい。