■ MF福満の獲得が濃厚J2は21節が終了するとちょうど折り返し地点となる。山形が首位を走っており、2位に付けるのは大宮になる。大宮はドローゲームが多くなっているが16試合負けなし中。わずか2敗のみとなる。3位に位置するのは開幕から12試合負けなしと突っ走った水戸になるが13節以降は2勝3敗3分け。一時と比べると勢いが落ちてきているがまだ上位争いに踏みとどまっている。首位の山形との差はわずか「4」となる。
ただ、4位の京都ならびに5位の柏との差は「1」のみ。6位の甲府との差も「2」のみとなる。「前半戦のJ2の主役」と言える水戸がこのまま上位争いに参加できるのか?脱落してしまうのか?が目下の注目点になるが守備の要として絶大な存在感を発揮していたDF伊藤槙(→横浜FM)の流出が確定。ベテランのDF細川、大卒2年目のDFンドカ・ボニフェイス、加入1年目のDF瀧澤の3人にかかる期待は大きくなった。
20試合で12失点というのはJ2最少。その立役者だったDF伊藤槙の流出は痛すぎるが横浜FMからは数千万円程度の移籍金を得ているはず。「CBの枚数が少ないので代わりとなるCBの獲得に動くだろう。」ということは容易に予想することは出来たが20試合で22得点なので得点力も不足している。攻撃的なポジションも有力選手を加えて戦力をアップさせたかったが「MF福満(C大阪)の獲得が濃厚」と報じられた。
■ 九州リーグからスタートした苦労人地域リーグから這い上がって来たMF福満は「成り上がりの典型」と言えるが印象的なのは山口時代になる。2015年はJ3で35試合に出場して19ゴールを記録。FW岸田やMF島屋とともに破壊力満点の攻撃陣の中心として躍動。翌2016年もJ2で40試合で5ゴール10アシストを記録して山口での活躍が評価されてJ1復帰を果たしたC大阪に個人昇格となった。九州リーグからJFL→J3→J2を経てついにJ1にたどり着いた。
C大阪でも攻撃の中心になることが期待されたが2017年はJ1では5試合の出場にとどまった。C大阪への移籍が決定した後、MF清武が電撃復帰したことはマイナスに作用した。あのタイミングでMF清武がC大阪に復帰していなかったらMF福満の出番はもっと増えたと思うがそれでもカップ戦では主力として活躍。ルヴァン組と呼ばれたFWリカルド・サントスやMF福満やGK丹野らの活躍によってC大阪は2冠を達成した。
2018年はJ1でも20試合に出場。1ゴールを記録したが信頼を勝ち取ることは出来ず。ロティーナ監督が就任した今シーズンも出場機会に恵まれなかったが力があるのは明らか。今夏、移籍の道を選択する可能性はかなり高かったので、「攻撃の中心になれるMF福満をどこが獲得するのか?」が注目されていたが、水戸に決まりそうなのは意外と言える。移籍先としてはかなりのサプライズと言える。
■ 「自動昇格を狙える」という点が決め手か?C大阪では出番に恵まれなかったが十分にJ1でも存在感を発揮できそうな選手である。攻撃的なポジションの強化を目論んでいるJ1の下位クラブやJ2でお金のある裕福なクラブが「MF福満の有力な移籍先候補」に思えたので「J2の中で資金力は最低レベル」の水戸への移籍というのはあまり想像できなかった。ただ、今の時点で3位。上位争いに参加しており、「自動昇格を狙える。」という点が決め手になったと思われる。
水戸では主力としてフル回転することが期待されるが、2トップの一角か、トップ下か、サイドハーフのいずれかで起用されるだろう。今シーズンの水戸は「4-2-2-2」を採用しているのでFW黒川を本来のポジションである2列目に下げてMF福満を2トップの一角(もしくはトップ下)で起用する可能性が最も高いが、FW黒川はそのままフォワードで起用して、MF福満を左右のサイドハーフで起用する可能性もある。
運動量が多くて攻撃の時はアイディアを持った選手なので水戸の攻撃の中心であるFW黒川やMF茂木駿などとの相性は悪くないだろう。引っかかるのはアタッカー系の選手は他にも大卒1年目のMF浅野雄などがいて充実している中、さらにMF福満を獲得しようとしている点になる。「実は裏で誰かの移籍話が進んでいるのでは?」という気もするが、現有戦力にMF福満が加わるのであれば大きな補強になる。
■ 昇格のためには点取り屋も必要崩しの局面で大きな貢献ができるMF福満を報道通りに水戸が獲得できるのであれば「J1昇格」に向けた機運は高まるが自動昇格のためにはCF系の選手も獲得したい。FW清水慎が18試合で4ゴールを挙げているが直近の20節の京都で決めたゴールはかなり久しぶりのゴールだった。大化けすることが期待されていたFWジョーはほとんどが途中出場になるが15試合でノーゴール。期待外れに終わっている。
やはり、コンスタントに点を取れるストライカーがいないチームが自動昇格の切符を勝ち取るのは難しい。今シーズンのMF福満の推定年俸は1,600万円。水戸の選手の中ではトップクラスの高給取りになると思うが、滅茶苦茶高い年俸というわけでもない。先のとおり、「DF伊藤槙の移籍によって得た移籍金はMF福満を獲得したとしても残る。」と考えられるので頼りになるストライカーを、今夏、何とかして獲得したい。
資金力のあるクラブではない水戸が夏の補強で「多くのクラブが関心を寄せただろうMF福満のような選手を獲得する。」というのは過去にはほぼなかったパターンである。「J1昇格」に賭けるフロントの思いは伝わってくる。昇格争いに参加しているクラブのほとんどはJ1を経験しているので終盤戦まで水戸が上位争いに参加するようだと「水戸に昇格してほしい。」という空気になる可能性大。食らいついていきたい。
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