■ 若手中心の補強を行ったチームが目立つ。J3のクラブはオフに若手中心の補強を行ったチームが多かった。FW森島康やMF谷澤やMF成岡やMF松岡亮などJリーグ経験の豊富な選手をたくさん獲得した藤枝MYFCは例外中の例外である。小林監督を招聘した北九州、横山監督を招聘した長野、間瀬監督になって2年目となる秋田などが若手中心の補強を行ったが、このあたりのチームは開幕戦からたくさんの若手を先発起用。フレッシュなスタメンになった。
ベテラン選手よりも若手選手の方がノビシロが大きいケースがほとんどである。若手がたくさんスタメンに名を連ねるチームは期待感が膨らむが2017年のJ3王者の秋田はMF堀研太、MF和田昌、MF藤沼、DF沖野、DF中島大といった若手を積極的に起用。19才のFW坪井も前半途中に負傷したFW林容平に代わって途中出場を果たすなど思い切った選手起用を見せた。ドロー発進だったがまずまずのスタートを切った。
杉山監督のときは手堅いサッカーでしぶとく勝ち点を積み上げた。中堅世代で経験のある選手を中心に安定した戦いを見せたが群馬との開幕戦は良くも悪くも秋田らしくないサッカーだった。高卒2年目の19才のMF堀研太や22才のDF沖野などが積極的にドリブルで仕掛けてチャンスを作ろうとした。積極的なプレーが裏目に出るシーンは少なくなかったが若い選手のハツラツとしたプレーが印象に残る開幕戦になった。
今シーズンの秋田が目標であるJ2昇格を達成できるのか?は分からないが観ていて面白いチームになる可能性は高い。特に目立ったのは右SBで起用されたDF沖野だった。C大阪U-23では主力の右SBとして活躍したがマイボールの時は中央に入っていてゲームメイクを手伝った。「シティ・スタイル」と言われるJリーグで流行しつつあるやり方になるが「新生・秋田の戦術的なキーマン」になっている。
■ 若手が良くも悪くも目立ったブラウブリッツ秋田良くも悪くもDF沖野は大胆なプレーができる選手である。縦への仕掛けが最大の持ち味となるがテクニックがあるので相手に囲まれても何とかできる能力を持っている。DF沖野を起点にチャンスが拡大するシーンもあったが一方で軽率なミスから相手にカウンターの機会を与えるシーンも少なくなかった。PK奪取につながったスルーパスは見事だったが悪いプレーも含めてDF沖野らしいプレーをいかんなく披露した。
「4-1-4-1」を採用しているのでインサイドハーフでプレーする2人の役割も重要になってくるが横浜FMユース出身でともに横浜FMからの期限付き移籍となるMF堀研太とMF和田昌が起用された。MF和田昌が2学年年上になるがレフティのMF堀研太が大きな存在感を発揮。後半30分に生まれたMF藤沼の同点ゴールをアシストしたプレーは非常に良かった。ドリブルのコース取りと最後のパスは鮮やかだった。
GK松本、DF千田、DF青島の3人を除くとスタメンで起用された選手はいずれも新加入選手になる。メンバーが様変わりしたので成熟度は低いが若い選手が試合経験を積んで経験値を獲得できると面白いチームになる可能性は高い。2017年のJ3制覇に大きく貢献した主力ではなくて若い選手を抜擢しているので、結果が出なかった場合、批判の声は大きくなると思うが、いい方向にチームは進んでいるように思う。
■ 小林監督を招聘したギラヴァンツ北九州小林監督が就任した北九州も一気に若返ったチームである。有望な大学生をたくさん獲得しているがFWディサロ・燦・シルヴァーノ、MF新垣、DF新井博の3人がスタメン出場。法政大出身のFWディサロ・燦・シルヴァーノは先制ゴールを記録するなどヒーローになった。2018年はまさかの最下位。落ちるところまで落ちたチームなので後は浮上するだけである。ある意味では小林監督にとってはやりやすい環境である。
昨シーズンもFWダヴィやFWフェホやFW平井やMF花井などが在籍していたのでタレントは少なくなかったが良さを出し切れなかった選手がほとんどだった。加入2年目だったMF茂も良さを出せなかったがFC東京U-23との開幕戦ではいいプレーを見せた。エースのFW池元は健在。昨シーズンはCBでプレーする機会が多かったMF川上竜を本来のポジションであるボランチで起用するのもいいアイディアである。
流通経済大で10番を背負った即戦力ルーキーのMF新垣は開幕戦ではあまり良さを出せなかったが能力が高いアタッカーであることは明らか。FWディサロ・燦・シルヴァーノとMF新垣のルーキーコンビを中心に新生・北九州も面白いチームになる可能性が高い。途中出場したFW町野やMF國分もいきなりゴールに絡んだが「昇格請負人」とも言われる名将の小林監督が就任したことでよどんでいた空気は一変した。
■ ドイツ出身のシュタルフ悠紀リヒャルト監督34才のシュタルフ悠紀リヒャルト監督が就任したY.S.C.C.横浜はオフにMF後藤京やFW辻やFW北脇やMF三沢などが退団した。軸となる選手の流出や退団や引退が目立ったので「最下位候補の筆頭」に挙げられるが開幕戦では上位候補と言われる鳥取を相手に3対4。勝ち点を獲得することはできなかったがいい戦いを見せた。得点力不足に陥るのでは?と思われていたが開幕戦で3ゴールを記録した。
シュタルフ悠紀リヒャルト監督の出身地は(西)ドイツになる。幼稚園の頃に西ドイツから日本に移住してきたが指導者としては未知数である。「(西)ドイツ出身であること」、「34才という年齢はJリーグの監督の中で最年少になること」、「市原・千葉リザーブズでプレーした経験があること」くらいしか情報として流れていなかったがJリーグで実績がほとんど or 全くない選手が多い中、開幕戦ではいい戦いを見せた。
J2で最下位になってJ3に降格した讃岐は上村監督を招聘。「1年でのJ2復帰」を目指すがいい補強が出来たとは言い難いオフになった。攻撃陣のタレントは不足しているので難しいシーズンになるのでは?と思われていたが岩手との開幕戦は1対0で勝利。好スタートを切った。北野監督の時は守備を重視するサッカーだったがかなり前向きなサッカーになっている。アトランタ五輪代表だった上村監督の手腕に期待したい。
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