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無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

上段にとる

 初心者の方は上段にとったときに肘が広がり、斬り下ろす時にそれを締めなければならない構えをとることがあります。
 このような方には上段をとる時には臍下に息を吸い込み、肩の力みを抜き、重心を臍下に収めるように毎回指導してください。癖になる前に直さなければ中段や下段、附けなどからの振りかぶりもそのようになってしまいます。
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  1. 2019/04/01(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

三年

 貫汪館で真剣に稽古して、自分自身で自分を見ることができるようになり、自主稽古をして伸びていけるレベルに達するのに三年が目安となるようです。
 三年はあくまで目安で、師の指導に従ってできないことをできないと認識して真直ぐに稽古する三年です。貫汪館で稽古する前に経験したことを基礎として考えたり、よりどころにしていれば当然習得は遅くなります。また、自分の考えを挟んで先生はそう言われるが、自分はこう考えるなどと思っていたら、三年で済まないどころか遠ざかっていくばかりになるかもしれません。 
 入門してからの三年間をひたすら教えを会得しようと勤める期間にすれば最短距離で上達していきます。

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  1. 2019/04/02(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

手の内

 無雙神傳英信流抜刀兵法、澁川一流柔術、大石神影流剣術の手の内は本質的に同じです。しかし、これまでの指導の経験から、柔術から入った人は手の内が会得できず、刀や木刀、六尺棒などを使うことができない傾向があることがわかりました。居合から入った人は剣術も柔術も手の内が正しく、柔術も剣と同じように使えるということがわかっています。
 貫汪館で初心者に最初は居合の稽古をさせている理由です。

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  1. 2019/04/03(水) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

修行

 修行という言葉には古めかしく硬い雰囲気があるようです。また、修業というイメージから厳しすぎる、さらにはいじめに近いようなイメージを持たれる方もおられるようです。
 一生をかけて求めることを修行といいますが、大切なのは求め続けることですので、厳しさは他から強要されるものではありません。自分が自分自身をみつめ、求めるものを体得することが大切です。他から強要されたものは形は身についてもその中にあるものは身につくことがありません。新たな気付きを得ること、変わることを楽しいと感じられることがあれば修行という言葉のイメージも変わっていきます。
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  1. 2019/04/04(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

習い事

 現在の子供たちにとって、書道もスポーツも多くは習い事です。一時的に習得するものであって、生涯をかけて会得するものという感覚はありません。また、親もその感覚で子供に習わせます。古武道に関しても同様ですので指導者はそのつもりで子供たちを教えていかなければなりません。
 覚悟を定めて一生の行として稽古をする人達とは別にかぎられた期間に限られた時間内で大切なことを会得させなければなりません。子供たちが将来生きていく上での糧となるように稽古させる内容を十分に考えたうえで教えていかなければなりません。
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  1. 2019/04/05(金) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

稽古相手を選ぶ

 最近は他流派の門人同士でお互いの流派を教え合うということが行われるようですが、教える資格がない者が教えるということは本来ないことです。澁川一流柔術にも大石神影流剣術、無雙神傳英信流抜刀兵法の歴史において免許皆伝になる前に許されて他を教えることはありますが、あくまでも師の許可のもとです。師の許しがないのに他を教えることはありません。
 最近は教えるという感覚ではなく知っていることを伝えるという感覚で、師の許しもなくお互いに情報交換のための稽古もあるようです。貫汪館ではそのようなことは行われていませんが、そのようなときは、教えることを許されている人かどうか、どのようなレベルにある人かを知らなければなりません。師から教えることを許されてもいない相手から、その知っている流派の知識を得たとしても、その人が持っている悪癖や個人的な考え方などの悪影響しか受けることはありません。

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  1. 2019/04/06(土) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

武道未経験者の上達

 道場に見学に来られ、よく「武道(現代剣道、柔道)の経験はないのですが」と話されることがあります。しかし、実際には経験がない方が先入観がないために、お教えすることが素直に吸収されるので上達は速いものです。
 経験がある方は、それをよりどころとするため、たとえば刀の振り方が竹刀の振り方になっていてもそれをおかしいと思わず、違いがわらない傾向にあります。そのまま稽古を続けてしまったら手首や肘を痛めてしまいます。ずいぶん前に熱心に稽古する弟子が、職場の関係者で剣道の高段者に「週に二回も居合の稽古をしたら、肘や手首を痛めてしまうだろう。」と言われたような状態になります。刀を竹刀を使うように使えばよほど体が丈夫にできた人でなければ、より重量があるものを扱うのですから体を痛めてしまうのは当然です。
 また、柔道の試合の投げ技に基づいて柔術の技を理解しようとしたら見事ではあっても、刃物に対する柔術の動きとは異なった技になってしまいます。他の武道も同じでそれぞれ自分が行ったことの上に新たなことを築こうとするので、それが邪魔をしてしまい、それを正すために稽古時間を費やさなければならなくなってしまいます。
 それ故に何も武道を経験したことがない方の方が上達が速いのです。
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  1. 2019/04/07(日) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

忘れること、捨てること

 武道未経験者の上達の速さについて述べましたが他の武道をしっかり経験していても速やかに上達できる人がいます。
 それは「忘れる」「捨てる」事ができる人です。新たなことを新たな事として習得しようと努めることができる人です。そのような人は上達も早くこれまでの経験も役に立っています。

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  1. 2019/04/08(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

 大石神影流剣術や無雙神傳英信流抜刀兵法の太刀打など二人で組んで行う形で重心があがってしまい斬りこんだときに体が前に取られるようなときは下手に「腰を入れる」という動きをしていることがあります。
 そういう時には少し腰を緩め、臀部が下方に落ち着くようにすれば安定することがあります。工夫してください。

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  1. 2019/04/09(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

復元

 貫汪館で稽古される方は、たとえ依頼されたとしても流派の復元演武については慎重でなければなりません。
 研究のために復元したのであれば、その研究の場だけで演武すべきで、公開の場で演武すればたとえ「復元」とiいう言葉をつけたとしても、見ている方の中には間違える方も出ます。さらには、ここが問題なのですが、復元したものを研究とは関係ない第三者に教えたくなります。研究とは関係ない第三者に教えてしまったら、復元した形は独り歩きをし始め、やがては復元ではなくひそかに伝わっていたことになっていきます。
 自己満足のために、いい加減な行動をしてしまうと、取り返しがつかない事になってしまいます。
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  1. 2019/04/10(水) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

副次的効果

 古武道を稽古することが実生活にこのように役立つといったことをことさらに宣伝することは、そこに焦点を当ててしまうために、かえって稽古の本質を失わせ、副次的な効果も少なくなってしまうように感じます。
 しかし、あえて述べれば、子供たちには次のようなことが言えるでしょうか。

・礼の心を大切にし、人と争わないことを学べる。
・心を落ち着けて、穏やかに行動することを学べる。
・何かが起こった時、冷静に対処することを学べる。
・集中力と忍耐力を身につけられる。
・伝統文化を大切にする心を育てられる。

 子供たちに稽古してもらうためには保護者の心を動かさなければならないので、上記のようなことを前面に出した方が良いのかもしれません。

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  1. 2019/04/11(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

初心者の稽古

 貫汪館では初心者の方には無雙神傳英信流抜刀兵法をはじめに稽古していただき、大石神影流剣術、澁川一流柔術と稽古していただきます。居合・柔術・剣術の三流派をほぼ同時に稽古していただくのですが、全く武道を経験したことがない初心者のかたは不思議なくらいに三流派を違和感なく一つのものとして習得していかれます。
 へたに現代武道を経験して古武道を始め、三流派をと言われると戸惑うようですが、江戸時代の武士も現代武道を全く経験したことはないので、武道とはそのようなものと考えており、初心者の方と同じようにいくつもの種類の流派に取り組めたのかもしれません。
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  1. 2019/04/12(金) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

刀の代わり

 木刀や竹刀はあくまでも刀の代わりです。しかし刀を知らずに、先に竹刀や木刀に特化した使い方に慣れてしまうと刀に対して違和感を持つようになります。稽古の過程で竹刀、木刀の使い方が基準になってしまうので刀を扱うのを難しく感じ重く感じるのです。竹刀、木刀に特化した体の用い方で刀を扱ってもそれは刀の扱い方とは異なります。刀を使った時に手首や肘を痛めるのは刀の遣い方をしていないためです。
 初めに刀を用い、刀の使い方が身につき、しみこんでいれば、たとえ軽い木刀や竹刀を用いても刀を使う使い方で竹刀や木刀を使うことができます。しかし、それは現代剣道におけるように竹刀を巧みに使う動きではありません。刀の使い方で竹刀を使うことは現代剣道にはなく、そのようなことをしたら、剣道ではないといわれてしまうでしょう。
 これまでの指導の経験から、刀の用い方を知らずに澁川一流柔術の半棒の稽古で木刀を手にした人は木の棒で叩くような使い方しかできず、また大石神影流剣術の稽古で木刀を用いても同じようなことが起こります。貫汪館ではじめに居合の稽古をしていただくのはこういう理由があります。貫汪館の稽古では竹刀や木刀はあくまで刀の使い方の上に使わなければなりません。

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  1. 2019/04/13(土) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

稽古着

 稽古着には不思議な力があり、上達を助けます。無雙神傳英信流抜刀兵法は他流派から見ればかわった袴捌をしますが、この袴捌が体の感覚を発達させるのを助け、正しく袴捌をしていれば座る度に上達をしていきます。これはズボンや体操服では不可能です。また袴のゆったりとした重さを感じることができれば立っていても下半身を下方に落ち着かせることを助けてくれます。
 また、上衣も和服のゆったりした袖ならなおよいのですが、ゆったりした筒袖でも袖の重さを感じることができるものであれば腕の無駄な力みを感じることに役立ち、居合の抜き付けや剣術での構えを正しい位置に導きます。これも体操服などでは不可能です。
 稽古着にはそのような効果もあるのだと考えてください。
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  1. 2019/04/14(日) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

強く打つ、強く突く

 幕末の頃の話に、誰々に竹刀で籠手を打たれると食事の時に箸をもてないとか、誰々に突きを受けると、食事が喉を通らないという話があり、強く打突することが良いことであるかのように受け取れますが、幕末であっても「刀」を忘れて稽古していた人がいたのだろうと思います。
 大石進種次は身長七尺と言われますが、只背が高いだけでなく余興で農民を楽しませるために牛がひく鋤を自分が装着して引くことができたほど力の強い人でした。しかし打突の強さに関する話は全くありません。それは竹刀が刀の代用であるという意識があったからです。
 刃がある刀であれば、相手を制するために竹刀や木刀のように強く打ったり強く突いたりする必要はないからです。
 南山大学の榎本先生のお話をお伺いしているときに先生が「撃剣では刀ではなく、棒でたたく感覚の者たちもいたのだろう」という趣旨のお話をされたことがありますが、そのような感覚の武士もいたのではないかと思います。

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  1. 2019/04/15(月) 21:25:00|
  2. 武道史

演武は己の修行のため

 私たちが貫汪館独自の演武会を主催するのも、日本古武道協会や日本古武道振興会の演武会で演武するのも、私たち自身の修行のためです。
 貫汪館が主催する奉納演武や演武会は自分たちの修行の成果を確認する場であり、日本古武道協会や振興会の演武会は他の目のある中で自分たちの会得したものを他の目を意識することなく行う修行の場です。しかし、このような演武会は自分たちをアピールするためだと考えたり、演武会に参加することを、貫汪館のプレゼンスをアピールするお手伝いをすると考えてしまえば、それは修業とはかけ離れたものになります。そのような考え方をしていればやがて演武は見ている人を意識した派手さを求め、奇をてらったものと変化していくでしょう。
 演武は己の修行のためと心に刻んでください。
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  1. 2019/04/15(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

伝統

 無雙神傳英信流・澁川一流柔術・大石神影流剣術はいずれも昔からの伝統を持つ古武道です。
 伝統がある流派には実際に教えられ、伝えられてきた大切なことがあります。核となるものは人から人へと伝えられなければ伝わることはありません。たとえ文章で詳細に記されていたり、ビデオで細部まで撮影されていても伝えることはできません。
 それゆえに伝統を絶やしてはならないのです。一度絶えたものは、どんなに努力して元に戻そうとしても魂ともいえるものは伝わりません。

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  1. 2019/04/16(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

伝統に裏打ちされた流派

 演武を拝見していて、本当によく伝えられていると伝統の重さに思わず感動する流派があります。
 それは個人の技量が上手であるとかないというレベルの話ではなく、流派としての教えが伝えられている、いわば重厚さがあるということです。また、そのような流派であれば、その先生の一門の方も同じように教えを体得しておられるのを感じます。
 時に残念に感じるのは代がわりをして、それ以前の教えが変わってしまったのかと思われるぐらいに変化してしまう時です。流派の教えよりも個人の考えを優先してしまうと、そうなってしまうのかもしれません。

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  1. 2019/04/17(水) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

品格

 伝統の上によく稽古を重ねられた方の演武には品格が備わっています。気高さや上品さといったおかしがたいものです。品格を備えられた方の動きには無理無駄がなく、演武中に一つの形が終わったからといって演武が途切れる(隙ができる)こともなく、演武場への出入りにも隙がありません。初めからは終わりまで続いています。
 そのような品格が備わった演武ができるように稽古を重ねたいと思います。

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  1. 2019/04/18(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

道をそれる稽古

 稽古には道をそれてしまう稽古があります。道をそれる稽古はいくら重ねても上達はせず、稽古を重ねればかさねるほど似たようなことをしながら遠ざかっていきます。
 稽古を始めたばかりの頃は、未だ何も会得していないのにもかかわらず、前回の自分の稽古を基準にそれをしっかりしたものにしていこうとすることがあります。初めての稽古は右も左もわからず、素直であろうとしますのでわからないながらにうまくできます。、次の稽古、その次の稽古では前回できた(と思った)ことをよりしっかりさせたいという心が生まれる時があります。それは間違いの始まりで、毎回初心にもどって新たな稽古をすることで見えなかったことがよりはっきりと見えるようになり進むべき道が見えるのだだと考えなければなりません。
 少し上達してくると、与えられたことを工夫するのではなく、自己流でこうしたほうがより良いと思う心が生まれる時があります。できない時にそうなりがちですが、それを自分で工夫と思ってしまい、工夫したからできるようになったと勘違いしてしまう時があります。実は与えられたことを工夫した結果できるようになったわけではなく、自分がしたいようにしているだけなので実際は道をそれています。

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  1. 2019/04/19(金) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

己を戒める

 武道の世界では自分が多少流派の中で認められるようになり、また他流派の方にも認められるようになると、勘違いをする方がおられます。自分が他よりも勝れていているように思うようになり、はなはだしい場合は自分の考えが絶対で他を支配できるかのように勘違いするのです。流派の中でのいさかいはこのようなところから起きてきます。外から見ればそのようなことをする人は醜くしか見えないのですが、本人は何もわかっていませんからどうしようもありません。
 そうならないためには常に自分を戒めておかなければなりません。まだまだ、先がある。求めるものには至らないと思って稽古する人はそのような驕慢な態度をとることはありません。
 話は変わりますが教育界で校長と呼ばれる人たちは日教組に全く力がなくなって以来、上記のような驕慢な人物がふえました。組織の中で地位と権力を付与され、誰も反対する者がおらず、それが絶対となり、自分が至らぬことを知る機会が失われたからです。表と裏が異なり、子供のためと表面では言いながら自分の立場しか考えない人が多くなりました。武道界の醜い話の比ではありません。日本は50年先には根本から崩壊するかもしれません。
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  1. 2019/04/20(土) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

心を鎮める

 心の状態は刀にはよく表れてしまいます。あるていど稽古が進み無理無駄も少なくなった時点で、なおいまだ不十分であると感じたら自分の心のありようを見つめてください。
 「抜こう」「振ろう」「強く」「速く」という心が必ずどこかに潜んでいます。心を鎮め、少しでもそのような思いから離れれば刀はより素直になっていきます。
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  1. 2019/04/21(日) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

無理をしない

 若いうちに無理をした体の歪みは年齢を重ねてから現れてきます。
 多少の痛みや苦しみには耐えて稽古するのが当然、激しく稽古しなければ上達はしない、という考え方はいつの頃に生まれたかわかりませんが、幕末の廻国修行の日記などには少し体調が悪ければ休んで試合をしませんし、廻国の長旅で足を痛めてしまったら目的地についても試合をしません。休んで回復を待ちます。現在のように医学が発達していないのでそれが賢明な方法であったのだと思います。
 年を取ってから体に歪みを生じさせないためにも無理は禁物だと心得てください。
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  1. 2019/04/22(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

責任をとる

 武道の話ではありませんが、最近の日本では責任をとるという意識を上に立つ者が忘れているように感じます。何か起こっても責任逃れのために部下の責任にし、自分とは関係ないようにふるまい部下に責任を取らせる。自分はさらに上を目指す。
 日本がいつからこのようになってしまったのかわかりませんが、「腹を切る」覚悟のある人たちがいなくなってしまいました。自分の地位で自分がしたことは自分で責任をとるという意識がなくなってしまっているのです。
 おかしな時代になりました。
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  1. 2019/04/23(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

想いが導く

 上達しようとしたらまず、正しい想いを持ってください。ただ闇雲に稽古するのではなく、流派の教えに従ったこのような動きがしたい、このように刀が動いてほしいという具体的なイメージを持つのです。
 私の場合は師のイメージを追いかけ、また、師が理想とされたところを具体的に求めてきました。正しい想いを持ち続ける事は正しい動きを実現させます。
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  1. 2019/04/24(水) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

方圓流体術

 私が中学生の頃、ですから、今から45年くらい前の話になります。中学校の体育祭で各クラブが演技をするのに剣道部は剣道形をしました。それが終わってから、私の所に高齢の方が来られ「良い形をする」とお褒めいただいた後、「私はこの近くに住んでいて〇〇流をする。」と仰いました。
 澁川一流柔術の師、畝重實先生に師事した後に、先生は昔話の中で、「昔、船越の花都というところに方圓流体術の先生がおらた。仕事で通りかかるときに、よく縄跳びをされていた。訪ねたら番線を肚に巻いて気合とともにその番線を切って見せていただいたことがる。」あまり弟子はおられなかったようだ。と仰いました。
 後から考えると、私がお会いした方がその方であったのかもしれませんし、そのお弟子さんだったかもしれません。古武道というものをよく知らない中学生のころで聞いたこともないような流派だったので、お会いしても、お訪ねしようとも思わず、今その方の業が伝わっているということは聞きません。
 そのようにして流派は消えていくのかと思います。私の目の前でなくなっていった流派の一つです。
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  1. 2019/04/25(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

難波いっせん流

これは20数年前のお話です。澁川一流柔術の畝先生に師事しているときに、先生が住んでおられた地域の方が「昔、船越の県会議長の家のそばに灘波いっせん(漢字はわかりません)流を伝える方がいて、そこは必ず一人づつ先生が襖をしきって教えていて、他の人が何をしているかはわからなかった。それほど歳でもなかったので、今も生きておられるかもしれない。」と話してくださったことがあります。
 土地勘があったので大体の場所はわかりましたが、澁川一流柔術の稽古に集中しなければならず、また教えていた方の苗字もわからず訪ねていくことはありませんでした。難波一甫流の別れかと思います。
 これも私の目の前で消えていった流派です。
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  1. 2019/04/26(金) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

貫心流

 無雙神傳英信流抜刀兵法の師である梅本三男先生の師の尾形は徳島県で貫心流を修め天覧試合にも出られた方でした。その天覧試合が植田平太郎先生と尾形先生を結び付け無雙神傳英信流は今に続いています。
 梅本先生に尾形先生の貫心流について尋ねたことがあります。まだ尾形先生はお元気なころでした。梅本先生は尾形先生は貫心流の剣術だけでなく、居合や槍術、長刀、柔術などをすべて知っておられると云事でした。そのころ梅本先生が記録された映像には尾形先生の道場内に貫心流の表札もかけられていました。まだ、私が高校生の頃ですので、梅本先生を超えて貫心流を習いに行きたいと梅本先生にお願いすることもできず、交通費もありませんでした。
 尾形先生はなぜか徳島の門人に貫心流の居合しか伝えられず、貫心流の全伝は伝わることがありませんでした。当時徳島には貫心流宗家と称する方がおられたので遠慮されたのかもしれません。
 貫心流の全伝も私の目の前で消えていったものの一つです。
 兵庫県には尾形先生とは別の流れで貫心流剣術と居合がのこされています。

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  1. 2019/04/27(土) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

真貫流

 真貫流柔術は渋川流柔術と真之神道流柔術から元広島藩士松田魁輔が明治になって講道館柔道成立以前に創めた流派で、 松田魁輔はのちに大日本武徳会範士になっています。この松田魁輔の門人の新見亀太郎は試合に勝つたびに講道館から段位を授かり最終的に八段を授かっていました。講道館の記録では本部審査となっているものの、ご子息の剛氏のお話では講道館から一方的に段位を授けられていたということでした。松田魁輔の子の松田栄太郎もおなじように講道館から八段まで授けられていて、流派の上では初代を松田魁輔、二代を松田栄太郎、三代を新見亀太郎としています。真貫流の形は新見亀太郎が御長男と最後まで演武していたようですが、長男は早くに亡くなられました。次男の剛氏も形は稽古しておられましたが、講道館柔道に早くから移っていたので、稽古をすれば思い出すでしょうと言われるていどでした。
 武道史の研究のために新見剛氏を訪ねたときには、真貫流匕首の形というもの7本を教えていただきました。
この真貫流も目の前でなくなっていった流派の一つです。
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  1. 2019/04/28(日) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

灘波一甫流

 これは私が中学生の頃の話です。記憶がうすらいでいるのですが、テレビのニュースで灘波一甫流を扱っていたときに祖母が呼んでくれたので、そのニュースをみたと思います。
 剣道着を着た高齢の方が一人で灘波一甫流の形を演じておられました。約20年後に武道史の調査でその方が大竹市の剣道の先生で一本杉先生と言われるのだとわかり、一本杉先生が授かった灘波一甫流の伝書の写真も撮らせていただきました。一人で演じておられたのは剣道の教え子はおられても誰も灘波一甫流をしようとはしなかったからだという事もわかりました。
 これも私の目の前でなくなった流派です。
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  1. 2019/04/29(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

津田一伝流

 中学に入って現代剣道を始め、すぐにこれは何か違うと感じて武道史の勉強を始め、求めてい-たのは剣道ではなく剣術なのだという事がわかりました。しかし、剣術の先生が広島におられるということは聞いたこともありませんでした。中学を卒業するときに剣道の先生に剣術の先生は広島におられないかとお尋ねしたところしばらく考えられて、一人の剣道の先生を上げられましたが「もう教えられないかもしれない。」と話されました。中学生には遠方であるし、教えられないのであればお訪ねしても仕方ないと思いあきらめました。
 あとから武道史の調査をする過程で、その方は久留米出身で津田一伝流の免許を授かった高齢の現代剣道の先生であったという事がわかりました。その方が授かった伝書は久留米の資料館にあります。その当時、形はすでに忘れておられたのかもしれません。剣道の高段者であられましたが、その方から津田一伝流を習った方はおられません。お願いすればいくつかの形は思い出されたかもしれませんが・・・。
 これも私の目の前でなくなってしまった流派です。

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  1. 2019/04/30(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

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プロフィール

貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)

Author:貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)
無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術 貫汪館の道標へようこそ!
ご質問のある方は記事へのコメントではアドレスが記されてないため返信ができないので貫汪館ホームページに記載してあるメールアドレスからご連絡ください。よろしくお願いします。

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