« アンダーソン・クーパーは実に不快なCIAの悪党 | トップページ | 一体誰がウクライナの安全を保障できるのか? »

2023年7月28日 (金)

英語であれペルシア語であれ「偽善」には同じ下品な響きがある

スティーブン・カルガノビッチ
2023年7月22日
Strategic Culture Foundation

 英語で使われている単語は、核心をつき壊滅的な正確さで完全に機能している。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

 「偽善者」というのは過度に使われている概念だが、最近連中の気に食わない人々が影響を受けるたびに、最も大切な価値観を踏みにじることへの欧米諸国の穏やかな無関心のおかげで、新たな新鮮さを獲得している。奇妙なことに、イランの政治用語集では「偽善者」という単語は欧米政府を指す際、お気に入りの表現だ。我々が知る限り、ペルシア語で、この単語は多くの興味深い文化的に条件付けられた意味を持つ、ある種の蔑称的形容詞として機能する。しかしペルシア語の微妙な点が何であれ、欧米における現在の公式行動の多くに関して、これに相当する英単語は十分目的にかなっている。

 新たな進展により、ウクライナの著名聖職者、いわばウクライナ正教会の王子、最も重要な宗教施設キーウ・ペチェールシク修道院修道院長メトロポリタン・パベルの苦境に再び注意を向けることが不可欠になっている。彼が従順に耐えてきた迫害は、人権擁護、尊厳の尊重、最も重要な「信仰の自由」が基本原則だと言われる「価値観」の約束の地、「丘の上の都市」、別名「伝説の欧米」で波紋さえ引き起こさなかった。

 ほんの数日前、ウクライナ正教会の正式代表として監督管理を担当するキーウ・ペチェールシク修道院の敷地から強制的に退去させられた後、一般犯罪者のように屈辱的足輪をつけ他の場所で軟禁下で二か月過ごした後、メトロポリタンはついに、うわべの公聴の機会を与えられた。彼は訴訟が開始されて以来、漠然とした宗教的不和を引き起こしたという主張とロシアへの同情のほのめかしを中心に展開する決して明確にされない容疑で起訴されている。

 7月13日、キーウ近郊の村での自宅拘禁から裁判前の拘禁施設に移送され、厳しい刑務所体制にさらされると、メトロポリタンの状態は著しく悪化した。外界との彼の接触は現在大幅に減少しており、彼の深刻な糖尿病に意味ある医学的措置がなされる保証はない。刑務所で、彼は当局に最近発表された更なる刑事告発を待っている。裁判を待つ間、欧米大君主の司法慣行の身勝な模倣で、メトロポリタン仮釈放の保釈申請にウクライナ裁判官は寛大に同意した。金額は当然ながら、囚人が持ちあわせない3300万グリブナ、または90万ドルという控えめな額に決定された。ウクライナに保釈保証機関があるのか、それとも、ウクライナ民主政府や落ち度のない体制に深く恥をかかせる男のため敬虔なオリガルヒがこの額の現金を前払いするほど十分大胆で用意できているかどうかは不明だ。

 ただし、厳密に言えば全てが重要なわけではなく、全ての基礎が対象になっている。模範的な法支配の民主主義、ウクライナでは、推定無罪が完全に有効でなければならず、刑務所外において弁護する理論的可能性は見事に確認されている。ウクライナを支持し、その手本として機能する先進民主主義諸国と同様、法的手続きが進行するまでは、有罪判決を受けていない容疑者は刑務所で苦しむ必要はない。一つだけ落とし穴がある。先進的な外国の手本を模倣したいという称賛に値する願望にもかかわらず、過大な額の保釈金、過重な罰金、残酷で異常な刑を禁止するアメリカ憲法第8条修正は実際どういう意味なのか、ウクライナ裁判官はおそらく適切に説明されていなかったのだ。それは、囚人の資力に不釣り合いな賦課として定義される過度の保釈金を禁止し、更に囚人に逃亡の危険があるかどうかの証拠に合わせて保釈金を設定するよう義務付けているのだ。また「残酷で異常な罰」を禁止する奇妙な表現もある。だが、それは武装凶悪犯が、自身の娯楽のためにそれを録画しながら、頻繁に、罰せられずに捕虜を狙い撃ちしたり、他の口に出せない残虐行為を大量に行ったりしてもお咎めなしで済むのと同様、政府当局者を感動させてはならない。

 保釈金を納めるのに必要な100万ドル近くをメトロポリタン・パベルがマットレスの下に隠してある可能性は低く、キーウ、ペチェールシク修道院の避難所から警察に引きずり出されなければならなかった男が突然逃亡する危険性があると見なすべきだという荒唐無稽な考えなどどうでも良い。だから今彼に代わってグリブナを集めているのは、少なくとも病んでいる高僧の一時解放を確保しようと願う信心深いウクライナ正教会信者だ。

 これら全てはローマの信徒への手紙第15章26節や福音書の他のあちこちにある聖パウロの「聖徒たちへの献金」を痛烈に想起させるが、世俗的には別の深い意味もある。メトロポリタン・パベルの状況ほど汚れていない時代なら第1級の人間の関心の物語になるはずだ。欧米集団には存在しない真に自由なマスメディアは、この物語と一緒に語られて、地球上の全員が不当に迫害されたメトロポリタンと彼の嘆かわしい苦境に確実に気づくはずだ。しかし悲しいかな! 徹底的にインターネット検索しても、人権と良心の自由が実にお世辞たらたら崇拝される地域で、それに関する言及は見つけられない。

 そして、もし、それが繁栄していると誤って主張されている場合、自由な報道に似たものが本当に存在する場合、この人間の利益の物語は、投獄されたメトロポリタンが違法に管理を妨げられているキーウ・ペチェールシク修道院からの聖遺物略奪のスキャンダラスな説明で補完される。この強盗は何世紀も前の十字軍によるコンスタンティノープル略奪以来、確実に見たこともない規模だ。いにしえからのウクライナ修道院の聖遺物は、現在キーウ・ナチ政権により欧米中の博物館やバチカンへと強制的に海外に移送されており、ドイツ占領時代でさえウクライナでは見られなかった方法で行われている。この怒りの公式説明は、それが道徳的混乱によってではなく、教会の利益のために行われているというのだ。我々は聖遺物が勇敢に盗まれているのではなく、単に戦争の危険から遠く離れ「安全」のため移動されていると信じるよう要求されている(アクロポリスのギリシャ遺跡が「保護預かり」のため大英博物館に送付されたのと全く同じだ)。

 投獄された正教会のメトロポリタン・パベルに対する黙殺は、彼がミンツェンティ枢機卿や、または、より身近には、ウクライナのユニエイト高位聖職者ヨシフ・スリピジと同じ説得力を持っていたら、違っていたのだろうと疑問に思う。リンゼイ・グラハムやマイク・ペンスのよう取るに足らない連中は、彼の投獄理由に、気がついて、感動し、キーウ大統領に問い合わせようと感じたのだろうか? メディアは彼の無実の苦しみを称賛し、高官は彼の窮状を無視する代わりに、彼に敬意を表して酒神礼賛を歌うのだろうか?

 そう、かなりありそうだ。メトロポリタン・パベルが政権の拷問者の恫喝や、メトロポリタンの修道院がまもなく引き渡される異端で教会法に従わないウクライナ・エセ教会の長、エピファニウス「キリスト教徒」の懇願に耳を傾けるのを拒否したのを除き、どちらも自由と引き換えに彼に一つのことだけ要求した。彼の正教会信徒集団を裏切って詐欺的集団に加わることだ。だから、パベルが良い報道の恩恵を得たり、欧米価値観を体現する腐敗した高官連中の慈悲を享受したりするかは非常に疑わしい。

 それで、私たちは再びこの文章の中心主題の言葉に戻る。タッカー・カールソンにマイク・ペンスが語った愚かなことの中で、彼は最近ウクライナを訪れ、この牧歌的な国には宗教迫害も投獄された信徒もいないと司祭に保証されたと顔色一つ変えずに言った。

 このペンスの明らかなエセ情報の情報源は誰だったのだろう? それは偶然にもエピファニウスの部下の一人だろうか?

 ペンスは敬虔なキリスト教徒だと主張しているので、次回キーウを訪問する際、受け入れ側は彼を未決拘留所に連行し、自身をチェックするよう主張するのが良いだろう。

 英語で使用されている単語は、核心をつき壊滅的な正確さで完全に機能しているのだから、ペルシア語の「偽善」のニュアンスを我々は気にするべきではない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/07/22/in-english-or-in-farsi-hypocrisy-has-the-same-tawdry-ring/

----------

 耕助のブログ

No. 1867 何かおかしい

 植草一秀の『知られざる真実』

人生を分け隔てる微妙な配剤

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

仮に解任された中国外相に米国スパイ疑惑があったら、それを振りほどくのは困難。 CIA長官は中国内部における米国諜報網がCIA職員の裏切りと秘密通信の破綻で崩壊したことに言及し、中国内での人的情報能力(スパイ網)確保に懸命に取り組んでいる」と発言

 日刊IWJガイド

「本日午後1時より、木原官房副長官の妻・X子さんの事情聴取を担当し、『週刊文春』に実名告発した元刑事・佐藤誠氏の記者会見をIWJが中継!」

<インタビュー決定>8月9日(水)午前10時から、国際政治学・国家安全保障論がご専門の、桃山学院大学法学部教授、松村昌廣氏への岩上安身によるZoomインタビュー(録画収録、後日配信)が決定しました! 米国覇権の終わりの始まり、ウクライナ紛争の実相、そしてこの紛争の行く末、東アジアにおける「台湾有事」について、お話をうかがいます!

« アンダーソン・クーパーは実に不快なCIAの悪党 | トップページ | 一体誰がウクライナの安全を保障できるのか? »

ロシア」カテゴリの記事

宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« アンダーソン・クーパーは実に不快なCIAの悪党 | トップページ | 一体誰がウクライナの安全を保障できるのか? »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ