シン・レッド・ライン:NATOはカブールとキーウ両方で敗北するわけにはゆかない
2022年10月12日
ペペ・エスコバール
Strategic Culture Foundation
帝国がウクライナを支配するのを、ロシアはどんなことがあっても許さない。これは本質的に大ユーラシア・パートナーシップの将来と結びついている。
パイプラインニスタンから始めよう。ほぼ7年前、私はシリアが究極のパイプライン戦争だったことを示した。
ダマスカスは、イラン-イラク-シリアの利益を優先して、カタール-トルコ・ガスパイプラインに関するアメリカ計画を拒否した(覚書が署名された)。
その後起きたのは悪質な画策された「アサドは去らなければならない」キャンペーンだった。政権転覆の道としての代理戦争だ。悪意のダイアルはISIS手段化により指数関数的に上げられた。これはテロ戦争の別の章だ(イタリック体は筆者)。ロシアがISISを阻止して、ダマスカスでの政権転覆を防いだ。混沌の帝国が望んでいたパイプラインは粉々になった。
今や帝国はロシア・ガスを帝国の主要経済的競争相手に送ったり、送ろうとしていたりするパイプラインであるノルドストリーム(NS)とノルドストリーム2(NS2)を爆破し、最終的に報復した。
NS2のラインBは爆破されておらず破裂もしておらず、使用準備ができていることは今や誰もが知っている。穴が開いた他の3本のパイプライン修理は問題ではない。造船技師によると、2か月ほどで済む。ノルドストリームの鋼は現代の船より厚い。ヨーロッパ人が大人のように振る舞い、厳格な保安条件を受け入れる限り、それらを修理するとガスプロムは申し出た。
私たちは全員それが起きないのを知っている。上記のいずれもNATOスタン・メディア全体で議論されていない。これはいつも札付きによる計画Aがそのまま残っていることを意味する。人為的な天然ガス不足を引き起こし、ヨーロッパの産業空洞化をもたらすことであり、全て「グレート・ナラティブ」と改名されたグレートリセットの一環だ。
一方EUマペット・ショーはロシアに対する第9制裁パッケージについて話し合っている。スウェーデンは、ノルドストリームを爆破したのは誰かについてNATO内で自身が行ったいかがわしい「調査」結果をロシアと共有するのを拒否している。
ロシア・エネルギー週間で、プーチン大統領は厳しい事実を要約した。
ヨーロッパは固定契約で購入した全量を受け取っていたにもかかわらず、エネルギー供給の信頼性についてロシアを非難している.
「ノルドストリーム・テロ攻撃を仕組んだのは、それから利益を得る者たちだ」。
ノルドストリーム修理は「継続的運用と安全性が確保された場合のみ意味がある」。
スポット市場のガス購入は、ヨーロッパに3,000億ユーロの損失をもたらす。
エネルギー価格上昇は特殊軍事作戦(SMO)によるものでなく西欧諸国自身の政策によるものだ。
それでもデッド・キャン・ダンスショーは続けなければならない。EUがロシア・エネルギー購入を禁じているため、ブリュッセルのユーロ官僚連中は金融カジノで債務を急増させている。帝国支配者連中は、この形の集団主義でもうかり過ぎて笑いが止まらない。彼らは金融市場を利用してあらゆる国を略奪し略奪して利益を得続けているからだ。
そこで決定的証拠。ワシントン外交政策を支配するシュトラウス主義/ネオコン精神病質者連中は最終的にヨーロッパの主要産業競争相手が倒産した後のみキーウの武器化をやめモスクワと交渉を開始するかもしれない。決定的な言葉は「かもしれない」だ。
しかし、それだけでは十分ではない。なぜならNATOの重要な「目に見えない」義務の一つは、ポントス・カスピ海草原全体の食糧資源を必要な手段を問わず活用することだからだ。我々が話しているのはブルガリアからロシアまで100万km2の食料生産だ。
ハルキウでの柔道
SMOは公式発表がなくとも「ソフトな」CTO (対テロ作戦) に急速に移行した。クレムリンから完全な自由裁量を得た新総司令官スロヴィキン将軍、別名「アルマゲドン」の単刀直入な手法がそれを物語っている。
1,000kmを超える最前線のどこにもロシアの敗北を示す兆候は皆無だ。ハルキウからの疲労から死に至る撤退は神業だった可能性がある。柔道の動きの最初の段階で、合法性を装い、クリムスキー・モストつまりクリミア大橋へのテロ爆撃後に完全に展開された。
ハルキウからの撤退を罠として見てみよう。モスクワで「弱さ」をわかりやすく示している。これによりキーウ軍、実際は連中のNATOハンドラーはロシアが「逃げる」のをほくそえみ、あらゆる注意を放棄し、いちかばちかでダリヤ・ドゥギナ暗殺からクリミヤ大橋破壊の試みまでテロの連鎖にさえ乗り出した。
南の発展途上諸国の世論で、アルマゲドン将軍による毎朝のミサイル・ショーがテロリスト国家に対する合法的(イタリック体は筆者)対応であることは既に確立している。プーチン大統領はしばらくの間チェス盤の駒を犠牲にしていたのかもしれない。ハルキウ。結局SMOの任務は地域を確保することではなくウクライナの非武装化だ。
モスクワはポスト・ハルキウでさえ勝利した。ロシア軍が休みなしの射撃訓練に陽気に従事するだけの攻撃に、この地域に蓄積された全てのウクライナ軍事装備が投入された。
そして決定的要因だ。プーチンが最終的に王手をかけるのを可能にする一連の動きであるミサイルを多用する「ソフト」対テロ作戦を開始し、西側集団は頭のないニワトリの群れに変えられた。
並行して、いつもの容疑者は新しい核「物語」を容赦なく紡ぎ続けている。ロシアの核ドクトリンによれば、攻撃は「ロシア連邦の存在全体を危険にさらす」攻撃に応じてのみ起きる可能性があるとラブロフ外相はうんざりするほど繰り返すのを余儀なくされた。
DCの精神病質殺人者の目的は狂気じみた夢の中で戦場で戦術核兵器を使用するようモスクワを挑発することだ。それはクリミア大橋テロ攻撃のタイミングを急ぐもう一つの衝動だった。イギリスの諜報計画は何ヶ月も渦巻いていた。それは全て無駄になった。
ヒステリックなレオ・シュトラウス風/ネオコン・プロパガンダ機構は躍起になって先制的にプーチンを非難している。
原子力科学者会報が1947年に設定した終末時計の針が現在真夜中からわずか100秒の位置にあるのも不思議ではない。まさに「破滅の戸口」に。
これこそが多くのアメリカの精神病質者連中が私たちを導いている場所だ。
破滅の戸口での生活
混沌、ウソ、略奪の帝国が大規模な経済/軍事攻撃の驚くべき二重失敗でぼうぜん自失する中、モスクワは次の軍事攻撃に向け組織的に準備を進めている。現状英米枢軸が交渉しないのは明らかだ。連中は過去8年間試みさえせず、イーロン・マスクからフランシスコ教皇に至るまでの天使のようなコーラスに刺激されても進路を変えようとしない。
プーチン大統領は完全なティムールになって、ウクライナ人の頭蓋骨でピラミッドを築く代わりに、軍事的解決を避けるべく太古の道教の忍耐を呼び起こした。クリミア大橋テロは状況を一変させた可能性がある。しかしビロードの手袋は完全に外したわけではない。アルマゲドン将軍の日常の空爆ルーチンは依然比較的丁寧な警告と見なされる可能性がある。西側諸国に対する野蛮な非難を含む最新の画期的演説でさえ、プーチンは常に交渉の余地があることを明らかにしていた。
しかし今ではプーチンと安全保障理事会はアメリカが交渉できない理由を知っている。ウクライナは連中のゲームの駒にすぎないかもしれないが、それでもユーラシアの重要な地政学的ノードの一つだ。それを支配する者は誰であれ戦略的深みを享受できるのだ。
中国のBRIから始まるユーラシア統合の複雑なプロセスを吹き飛ばすのにいつもの容疑者が夢中になっているのをロシアは十分承知している。北京のお偉方が戦争に「不安」なのも不思議ではない。それは、いくつかのユーラシア横断回廊を経由する中国とヨーロッパ間の事業にとって非常に悪いためだ。
プーチン大統領とロシア安全保障理事会はNATOが完全に惨めな失敗でアフガニスタンを放棄し、全てのチップをウクライナに置いたことも知っている。だからカブールとキーウの両方で負けるのは究極の致命的打撃になるだろう。それは21世紀ユーラシアを放棄して、ロシア、中国、イランの戦略的提携に委ねることを意味する。
ノルドストリームからクリミア大橋までの破壊工作は絶望的ゲームの暴露だ。NATO兵器庫は事実上空だ。残ったのはテロ戦争だ。シリア化、実際は戦場のISIS化だ。脳死状態のNATOに管理された、少なくとも34か国の傭兵をあちこちちりばめた砲弾の餌食の大群による地上行動だ。
完全に切れたドミトリー・メドベージェフが明らかにしたように、モスクワは最後まで行くのを余儀なくされるかもしれない。今やテロリスト政権を排除し、政治安全保障機構を完全解体し、別組織の出現を促進するのが狙いだ。それでもNATOが依然それを阻止すれば直接衝突は避けられない。
NATOのシン・レッド・ラインはカブールとキーウの両方で敗北するわけにはいかないのだ。しかしパイプラインスタンとクリミアでの二つのテロ行為で、よりくっきりした燃えるようなレッド・ラインを刻めた。これは本質的に大ユーラシア提携の将来に関係している。破滅の戸口での生活へようこそ。
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