しっかり耳を傾ければ-「グースステップ」の響きが聞こえるだろうか?
2022年7月6日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook
1944年の憂うつな夏の日、SSのオットー・グスタフ・フォン・ヴェヒター男爵とナチ親衛隊のハインリッヒ・ヒムラーは彼らが作った「ガリシア」第14SS-義勇師団兵士の前をゆっくり歩いた。悪名が高いカトリック教会のラットラインで、ニュルンベルク裁判から逃れたヴェヒターはアルゼンチンに着くことができる前に、イタリアで死ぬ。
悪名高いクラクフ・ゲットーを作ったこの殺人者は、後にウクライナ国軍第1師団になる武装親衛隊も組織した。これら二人の邪悪な男がウクライナSS部隊を視察した6月の日の公式記録はないが、閲兵は「ハイル・ヒトラー」と「スラーヴァ・ウクライニ」(ウクライナに栄光あれ)で終わったのは確実だと思われる。
「船に乗ったドイツ人客の一部は泣いていた。イギリス人も同じだった。彼らは泣いていた、なぜなら彼らはヒトラーがグースステップ行進パレードの先頭に立つ新たな戦争が、ヨーロッパじゅうに起きようとしていたのを悟っていたから。」-第一次世界大戦最後の生き残りのアメリカ生まれ退役軍人フランク・バックルス
2021年5月、ウクライナ・ナチの過去とSS兵士を祝って、キーウで何百人も行進した。パレード、いわゆるEmbroidery March(刺しゅう行進)は、4月28日、ヒトラーの部下の一人に作られた第14SS武装擲弾兵師団設立78周年記念日に首都で行われた。興味深いことに、イスラエル外務省と何千人ものウクライナのユダヤ人が、第1SSガリシア師団や他の協力者の美化に抗議したが、2014年のユーロマイダン以来、このSS集団の人気は悪化した。
ウクライナ復興会議開会式の基調演説で、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、ロシアが既に欧米に敗北したかのように話した。ウクライナへの金融や投資の熱狂的発表の終わりを、彼女はスラーヴァ・ウクライニで締めくくった!
ロシア人とウクライナ人の血はまだ地面にしみ込んでいないが、ハンザ同盟エリートの娘は金融業者を所定の場所に動かしている。彼女の演説の下記引用は、NATO諸国の本当のミッションと、来る再建段階について多くを物語っている。
「このプラットホームは国や団体や民間部門や市民社会を団結させるだろう。世界中の我々のパートナー、スイスからアメリカまで、ヨーロッパや国際組織、既にウクライナで働いており、私は本当にそれを称賛する欧州復興開発銀行から、欧州投資銀行まで。IMFから世界銀行まで。そしてもちろん、あらゆる信じ難いノウハウを持った企業や経済団体も参加するだろう、我々には、ノウハウが必要で、我々には専門知識が必要だ。」
アメリカ下院議長ナンシー・ペロシはウクライナ人が今受け入れている元SSの挨拶を使って、ゼレンスキーを紹介した。カナダ首相ジャスティン・トルドーとイギリス首相ボリス・ジョンソンがこのスローガンの挨拶で声を張り上げ、ウクライナに対する変わらない支持を誓った。7月4日、フィラデルフィアのカトリック・コミュニティーは、ウクライナと、この奇妙な第4帝国没落の場合、新たな「ラットライン」を作る準備が進行中かのように、行進する人々が「スラーヴァ・ウクライニ」と唱えるパレードをした。
研究者フィリッペ・サンズによる悪名高い殺人者の息子ホルスト・フォン・ヴェヒター・インタビューの「ファイナンシャル・タイムズ」記事「私の父、良いナチ」からの下記抜粋は、東ヨーロッパにおける今日の危機について多くを物語っている。
「1942年1月(ベルリンのヴァンゼー会議で、主にハンス・フランクがポーランド領土に対して行った「最終的解決」を決めた同じ月)、ヒトラーは彼[オットー・ヴェヒター]を最近征服したガリシア知事に任命し、彼はこの職務に「最適」だと表現した。」
研究者の私にとって常に魅力的なのは、ヨーロッパの邪悪なナチの作り手と今の関係を見いだすのが実に容易なことだ。例えば、シェラー・ベックマン社をお考え願いたい。オットー・ヴェヒターの妻が、かつてヒトラーの戦争準備を支援した企業の成功の鍵だったスティリアン鉄鋼大物の娘だったと知るのは読者には興味深いかもしれない。
名前と事業は少し変化したが、利益は全く変わっていない。今日のシェラー・ベックマン社は、ずっと以前、うんざりした過去から解放され、傾斜掘り技術、石油と天然ガスのようなものに打ち込んでいる(ウクライナに対する同社の関心を参照)。想像願いたい。私はダボスのノルベルト・ジマーマンという名のオーストリア企業家(シェラー・ベックマンは今ベルンドルフAGが運営している)とフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長とのつながりで、読者を少々からかったまでだ。
1995年、当時のアメリカ大統領ビル・クリントンが、キーウでの演説で「神よアメリカを守りたまえ」と同じ文で「スラーヴァ・ウクライニ」を使ってウクライナ民族主義者を称賛した。2004年、旧ソ連諸国を総督領として取り込む、より広範な計画の一環として、ウクライナでオレンジ革命を欧米が画策した。それから「スラーヴァ・ウクライニ」が再び「ロシア語話者の死」を意味し始める2014年のユーロマイダンが起きた。2019年までに、ウクライナ民族主義組織メンバーは、元赤軍兵士が得ていたような退役軍人優遇措置を認められた。
ハリウッド・スターが参加した。NGOが作られた。Facebookは敬礼しない人々を検閲し、ロシア軍破壊に関する教育ビデオを推進している。アメリカ人テクノクラートはSSスローガンでウクライナやゼレンスキーを称賛する。アメリカ大使館は繰り返し唱えている。ヒムラーの恐ろしい遺産は、今やハーグからミシガン州立大学まで、オーストラリアはメルボルン郊外ソーンベリー・ボウルズ・クラブほどの彼方まで鳴り響いている。
ドイツは再武装している。NATOは稼業保存モードで平和を脅かしている。コロナ世界流行と迫りくる経済崩壊が1930年代の予兆を反映している。ヨーロッパで最も不正な政府に栄光あれ! そして今ゼレンスキーは、ほぼ1兆ドルで「ガリシア」SS師団の祖国「再建」を望んでいる!
ロシアはなぜ行動を強いられたのか?皆様自問し続けて頂きたい。答えは我々の目の前にある。
フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者、東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/07/06/if-you-listen-closely-you-hear-the-stechschritt-echoing/
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NATO会議への首相出席を大本営広報部、どう報じているのだろう。グースステップの響きは聞こえないのだろうか。
北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー 2009年2月15日記事(翻訳ではない)
検索エンジン、実は隠蔽エンジンなのだが、そもそもサイトにアクセスできないという不思議な言論封殺もある。
ここ数日、Vineyard of the Sakerにアクセスできない。
Strategic Culture Foundationは数ヶ月アクセス不能。
日刊IWJガイド 昨日は孫崎享氏インタビュー 第2弾を拝聴した。
「選挙中の言論弾圧テロ! 安倍元総理が演説中に銃撃され、搬送先の病院で死亡!」
<インタビュー報告>「記事の見出しの冒頭から安倍元総理襲撃事件の報道は統制されている!?『政治信条への恨みではない』と、銃撃犯の犯行動機について、報道を各社一斉に横並び報道!! 孫崎氏がこの報道のおかしさに憤る!「ウクライナ侵攻に対し、ロシアへの『一億総糾弾』『総制裁』論に一石を投じる! 今必要なのは『平和を創る道』の探求! 岩上安身による元外務省情報局長・孫崎享氏インタビュー 第2弾」を生配信しました!
Moon of Alabamaが事件について書いている。
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コメント
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実に、素晴らしい記事だと思います。
世界の真実について、述べています。
日本のインチキマスコミのたわごとではなく、このような記事こそ、多くの人が知るべきです。
投稿: まだ ない | 2022年7月10日 (日) 01時09分