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2022年7月 2日 (土)

ウクライナでの戦争は急速に終局に近づきつつある

2022年6月27日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 ウクライナでの戦争は、今やロシア勢力がドンバス完全支配に近づく状態で、急速に正念場にさしかかっている。ドンバスが完全にロシア支配下になれば、ウクライナ国内で、彼らが更にどれだけ進むかわからない。現在彼らは前進を止める様子を示しておらず、彼らは、おそらくオデッサ市を含め、海岸線地域全体を支配するまで、継続するだろう。

 ウクライナ軍の戦術は合理的見地から判断するのは困難だ。彼らは、現在彼らの力では一見不可能な陣地を守ろうと試みる状態で、自殺的な道を決意しているように思われる。合理的選択は、彼らに、まだそうする選択肢があった何週間も前に撤退することだったはずだ。そうではなく、受けている大変な損失と彼らの立場の明白な不条理さにかかわらず、ウクライナ大統領の頑張って踏みとどまるという非合理的要求を実行すると決意しているように見える。

 現在の数字は、ウクライナ人は、殺されるか、負傷す傷るか、捕えられ、一日に最高1000人の男性を失っていることを示唆している。だが彼らの大統領は、このようなやり方はが最善でも自殺的だという圧倒的証拠に直面してさえ、彼らが留まり戦うよう強く主張するのに懸命に思われる。ゼレンスキーは、アメリカ兵器に対する極端な要求が魔法のように苦境を切り抜けると信じているか、少なくとも願っているように思われる。ウクライナ勝利の実行可能な計画についてより、彼が現実から、どれだけ遊離しているかを多くを語っているのには多くの理由がある。

 最初の理由は、ゼレンスキーが要求している武器をアメリカが持っていないことだ。2番目の理由は、たとえそれらの武器が供給されたとしても、ウクライナが十分にロシアに対して効果的武器として使えるようになる前に、数カ月でないにせよ、何週間も要することだ。3番目の理由は、ウクライナが、それらを置き換えることができるより速く、ロシアが、彼ら受け取るどんな兵器もとらえ、そして/あるいは破壊していることだ。

 理性的な世界なら、ウクライナは彼らの大義は絶望的だと認め、和平を訴えているはずだ。その時が過ぎ去った。和解は、今年3月、イスタンブールでの当事者間会談の後に実現した可能性はあった。ゼレンスキーは、その会談で、和解条件に合意していた。合意はウクライナ側がキエフに戻るまでの期間だけの続いた。

 ウクライナ人を、紛争の平和的解決を実現する代わりに、戦い続けるよう、一体何が彼らの心を変えるたのかについては様々な説明がある。最もまことしやかな説明は、イギリスが、ボリス・ジョンソン首相の形で、強く和解に反対し、彼らが達していた合意から手を引くよう、ウクライナを説得したというものだ。

 これはウクライナの利害に完全に反する決定だった。ボリス・ジョンソンは、ウクライナに成功の何らかの見込みがあると信じるイギリスに残された最後の人物に思われる。最近、遙かに現実的な見方を、ダニエル・デイビス元中佐がアメリカで話した。フォックスニュースで、デイビス元中佐は、戦争の状況が変わると信じる合理的基盤はないと言った。ウクライナが戦争に勝つことは言うまでもなく、ロシアに深刻な被害を与えることができるという信念にも合理的な基盤はなかった。

 それはボリス・ジョンソンの意見とは顕著な対照の合理的な意見だ。ジョンソンの意見はロシアへの深い嫌悪から始まり、彼の考えの他の全てをそれで色づけている。イギリスにおけるジョンソン自身の立場も益々弱まっている。自身の党で最近不信任投票から生き残ったが、彼は長期的には救われない猶予を得たというのが大方の合意だ。多くの評論家は、首相の地位は、せいぜい数週間だと言っている。

 問題はのありそうなジョンソン後継者全員がロシアに対して似たような非合理な嫌悪を持っていることだ。イギリスでの指導者交代は必ずしも方針転換を意味しない。

 ジョンソンの不合理さは、最近この戦争での目前に迫ったウクライナの勝利と、ドンバスとクリミア半島両方の終局的奪還の話をしたウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣のそれに匹敵する。死者や、負傷者や、とらえられ、今一日に1000人を失いながら、ウクライナ政府が、戦士にロシアと戦い続けるよう強く主張しているのは非現実性のこのレベルだ。

 今やおそらく話し合いによる戦争解決は遅すぎる。ウクライナが何を言って信じられないだろう。ウクライナが同意したが決して実行しなかった2015年ミンスク合意の鮮明な記憶がロシアにはある。この合意で、彼らは、合意に署名した他の署名国二国ドイツとフランスに支援されていた。この実績から、ロシアが、ウクライナが言うことを何も信じないのはほとんど驚くべき事ではない。

 人の将来の行動の最も良い参考は、彼らの過去の行為だという格言を強くする。ウクライナは、彼らの主張に対して持っていたかもしれないどんな信頼性も失ったのだ。未来の最も残酷に写実的描写は、異なる部分が、ロシアやポーランドや、もしかするとハンガリー領土となり、ウクライナが手足ばらばらにされることだ。これらの国がそれらの小片をとった後、どんな殻が残るのか、まだわからない。ゼレンスキーは最近(欧米は全く言及しない非民主的行為)9野党の活動を禁止したが、彼は、残ったウクライナで、彼自身の何らかの役割を考えているのだ。本当にウクライナを支配している極右狂信者が彼の構想を共有しているかどうか、わからない。率直に言って、疑わしい。

 悲しいウクライナ叙事詩物語は、まだ多少続く。確実なのは、最終結果は、欧米で現在本当の政治的思考と置き換わっている愚かな反ロシア空想と全く似つかないことだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする元法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/06/27/the-war-in-ukraine-rapidly-approaches-its-denouement/

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コメント

 キエフの極右ネオナチ政権が、2014年から続けている民族浄化作戦で、既に1万人以上の人々が殺害されています。
 ほとんど武器を持たない独立派市民を、軍隊が砲撃して殺しているのですから、ひどい残虐行為です。
 この明確な虐殺行為、人権侵害に対して、欧米や日本のマスコミは、ほとんど非難すらしていません。
 資本主義国における自由だの民主主義だのといったものは、その程度のものです。
 キエフの極右政権による虐殺から人々を救うために始めた軍事行動は、全く、当然のことです。
 日本に住んでいる人の、この軍事行動に対する反応から、その人の知的レベルが分かります。
 マスコミの言うことを鵜吞みにするだけの人は、人間としての知性を疑います。

 

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