「レッドストーム作戦発動」!ドイツ、ロシア・ガスを購入!
2021年7月23日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook
元国務長官マイク・ポンペオは、ノルドストリーム2パイプラインに関するアメリカとドイツの合意は、アメリカの国家安全保障を「損なう」と叫んで飛び跳ねている。彼は正しい。もしアメリカの国益が、ロシアや他の国々が経済的に発展するのを阻止することを含むなら。もし正当な理由が協力を許せば、世界秩序を守るため、核先制攻撃を助言する人々がいるのだ。いや、真面目な話だ。終わりまでお読み願いたい。
ノルドストリーム2パイプラインに関し、長らく続いた論争をアメリカとドイツが解決する合意に達すると、ポンペオが戦いに参加したのだ。パイプラインに関するアメリカの言説は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を、ヨーロッパをロシア・エネルギーに依存させるよう狙ってチェスをしている超悪玉として描いている。だが、この物語のどこにも世界最大の国を封じ込めたいと望む本物の超悪玉、銀行家や巨大石油権益の姿はない。
不案内な方々のために説明すると、ノルドストリーム2というのは、ロシアからドイツへの直接天然ガスを輸送する双子の海底パイプラインだ。パイプラインは長さ1,230キロ、バルト海海底で既存のノルドストリーム・パイプライン経路を通る。元々のノルドストリーム・パイプラインは、年間、550億立方メートル(bcm)の容量だ。新パイプラインで、容量は2倍の1100億立方メートル(bcm)になる。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、明白な理由でパイプラインを望んでいる。だが、ドナルド・トランプ前大統領が断ったヨーロッパとの結びつきを修復したいバイデン政権の願望が、ニューヨークやロンドンの保守派が切望するものではなく、ドイツという潜在的なガス顧客が何を望んでいるのか新大統領に再考させたのだ。
このプロジェクトを支援する人々は、現在ドイツの産業と国民の需要の多くを満たしている石炭と原子力発電所の停止を可能にし、持続可能性の目標を実現するには、ドイツは天然ガスの安定した流れが必要だと言う。ドイツの原子力発電所は来年停止が予定されている。ほとんどの人々は知らないが、ドイツは天然ガスの世界最大輸入国なのだ。
パイプラインに反対する人々は、エリツィン時代に起きた、狂った民営化を通してロシア資産を盗もうとしたのと同じ既得権益集団に支持され煽られている。アメリカの恐れは、ほぼ完全に、ロシアが余りに多くの影響力を獲得した場合の安全保障上の懸念とされるものに基づいている。この過度の恐怖は、冷戦恐怖症とNATOを維持する軍産複合体の必要性の副産物だ。他の唯一の本当に重要な問題は、年間ほぼ5600億ユーロのEU/アメリカ経済学と貿易だ。毎年EUはアメリカに対して1500億以上の輸出黒字で、もしEU/ロシアのつながりが再開すれば、この貿易の一部が逸れてしまうのを懸念する人々がいる。
最終的に、アメリカ政策は、世界で長く続いている経済不均衡を利用し続けるのが狙いだ。アメリカとEUは、世界人口の約10分の1しかないのに、世界GNPの半分を占めている。さらに、世界貿易の3分の1が、これらパートナーに支配されている。はっきり言えば、両者の同盟は、両者以外の何十億人もの生活を支配しているのだ。もしEUが世界の他の国々と結びつけば、アメリカは世界の富の独占を失うのだ。少なくとも、これが根本にある恐怖だ。更には、皇太后はそうするはずである考える.
6月、軍事シンクタンクWavell Roomが報告書を出版した。「ヨーロッパが自立できない理由」は、スカンジナビアの見方を通して現実を我々にさらけだしている。アメリカとの同盟の任務は「ロシアを締め出し、アメリカを居続けさせ、ヨーロッパのライバル関係というパンドラの箱に蓋をしておく」ことだ。筆者のスウェーデン国防調査局Robert Dalsjöは、今もNATOにとって、大いにあてはまるイスメイ男爵の3つの任務を引用している。
我々が第二次世界大戦以前から、まるで進歩していない事実は、誰かにとって悲しい現実なのだろうか?Dalsjoのツイッターほど、世界の政治的雰囲気の哀れさが明白なものはない。フランスとドイツがモスクワとのリセットを求めているのが明白になった時に、彼がTwitterに投稿したものがある。
「おや、おや、ドイツとフランスはロシアと「良い」関係を持つことに酷く取りつかれているので、自身を現実に盲目にして、変化と友情の蜃気楼を追いかけるのか?」
もちろん、Dalsjo博士は、ロシア阻止について説教して出世したのだが、スウェーデンの右翼は、友好関係を決して思い浮かばなかったのか私は疑問に思う。彼の著書、Life-Line Lostで、Dalsjoは、冷戦中、ソ連との戦争の場合、スウェーデンを守る秘密の保証について語っている。国際政策に関係するループから、国民は排除されるべきだと著者提案しているのは驚くべきことだと思う。本の概要から引用させていただこう。
「結局、国としてのスウェーデンの生き残り確保を意図したライフラインは、当初、主に一般人向けの宣言政策を守るため、犠牲にされた。」
閑話休題、安全保障政策のあらゆる場合で、私はロシアが欧米の攻撃的態度に反応していることに私は気付いている。ツィルコン極超音速ミサイル開発と実験成功の最近の発表を見よう。アメリカとNATOが、ルーマニアでの弾道ミサイルとイージス配備した際、プーチン大統領が言ったことを一部の読者は思い出すだろう。これら新兵器は核先制攻撃兵器として設計されていない。前方迎撃能力による防衛能力だ。イージス・システムがルーマニアとポーランドに配備され、NATOの核先制攻撃能力は強化された。プーチンはロシアは対応すると言い、ロシアはそうした。
この例は、NATOと欧米の圧力に反応して、ロシアが防御的態度にある無数の例の一つに過ぎない。これら武器に関するクレムリン報道官ドミトリー・ペスコフの言葉を引用しよう。
「その上、我々はアメリカとNATOによる、既存のパリティを損なう特定の措置に直面した。ルーマニアや、我々の国境に近い他の国々に、迎撃ミサイル・システムを配備し、弾道ミサイル防衛配置地域を作ることだ。これらは攻撃ミサイルも発射できるシステムだ。つまり、これら全ての措置は、既存のパリティを破壊するため行われたのだ。それでロシアの安全を保証し、既存パリティの継続を保証する措置が必要になった。これを行ったのだ。」
イージスがルーマニアに配備された際、ロシア大統領は、NATOが、ロシアを標的にして、彼の政府に対応を強いたと警告した。極超音速ミサイル・ツィルコンが運用可能となり、イージス司令センターで、ランプが2度点滅する前に、ブカレストとコンスタンツァに火が雨霰と降りかねない。今迫っている疑問は「どちら側がこのエスカレーションを始めたのか?」ということだ。ロシアは、カラー革命で、汎アジア共同体や軍事同盟に、ハンガリーを引き入れようとしなかった。軍事戦略としてのNATOの前進はそれほど未曾有で、超現実的だ。我々は、どのように、それほど長期間、大きな戦争をせずにこられたか私はしばしば不思議に思う。スウェーデンは懸念している。
今ポリティコが「プーチンが攻撃するだろうか?」と問うている。いや真面目な話だ。突然、狂った欧米オリガルヒが、軍国主義世界支配計画に、天然ガス売り上げと消費を融合させるため、手先のメディアをつついたのだ!元イギリス国防省上級顧問Maximilian Terhalleが「ロシアは攻撃するだろうか?もしそうなら、いつか?」と続けた。私はクスクス笑っている。アニメ『スクービー・ドゥー』を見るの申し込む読者「はぁ?」
ロシアとドイツは、とうとう、お互いに有益な貿易を享受し、ウラジーミル・プーチンはウクライナ侵略を計画するのだ。本当?核発射コードを持っている人々に助言する天才連中は、今ノルドストリーム2やNATOのばかげた阻止宣伝を政策に移植しているのだろうか?こうしたマニア連中が構想する世界は、古代ローマの元老院を幼稚園に思わせるエリート支配階級に運営されるはずだ。ドイツ国防省に助言し、The Transition of Global Orderという本も書いたTerhalleはドイツ軍予備役少佐でもある。私にはこのガス・パイプラインは、バルバロッサ作戦2を始める原因のように思われる。本当に。この緊張緩和サーカスを演じている連中の歪んだ心の中では、ロシア中産階級が発展したり、恐怖が静まったりすれば、我々全員が生きている世界秩序は生き残れないのだ。
東京でロシア人選手が金メダルを獲得する場面をお見逃しないよう!
フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者、東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/07/23/red-storm-rising-germany-buys-russian-gas/
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