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2021年4月11日 (日)

いわゆる「冷戦2.0」は核兵器やミサイルの問題ではない

2021年4月5日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 アメリカと中国/ロシア間で起こりつつある、いわゆる「冷戦2.0」は第二次世界大戦後のシナリオと、ほとんど似ていない。現在のシナリオは、二つの基本的な点で異なっている。それは、一方が他方を圧倒しようとする、共産主義と資本主義という二つの対立するイデオロギーが原因ではなく、ライバル・ブロックに対し、永久的な核優位を実現して、軍事的優位性を確立することにも関わりがない。アメリカと中国/ロシア間のライバル関係の現段階は、軍事攻撃や防衛能力についてよりも、経済や技術や世界への影響力で、アメリカの一方的覇権を維持することなのだ。中国とロシアの台頭は、経済と技術、いずれも同様に軍事的な含意はあるが、本質的に非軍事分野でのアメリカによる一方的支配で、アメリカに挑戦しているのだ。したがって、最初の冷戦では、核兵器管理条約があったのに対し、「冷戦2.0」は、貿易や5Gのような技術に対する戦いなのだ。同じく、冷戦では、焦点がヨーロッパだったのに対し、「冷戦2.0」では、世界経済成長の新興中心アジア・太平洋で現れている。

 従って、数の上だけで、軍事的優位性を言うなら、明らかにアメリカにそれがある。アメリカは中国の約20倍の核弾頭を保有している。中国の二隻の空母と比較して、アメリカは、11隻の原子力航空母艦を含め、2倍の総トン数の軍艦を保有している。中国の600機の戦闘機と比較して、アメリカは2,000機保有している。800の海外軍事基地で、アメリカは、3つの海外軍事基地の中国より、遥かに良く世界規模で軍隊を使える立場にある。

 だが経済と技術的進歩に関しては、中国は、この10年間の終わりまでに、アメリカを全て上回ることになっている。それ故、優位の喪失へのアメリカ抵抗感が増大しているのだ。

 イギリスのSecurity, Defense, Development and Foreign Policyの最近発表された戦略報告「Integrated Review(統合レビュー)」が、中国との欧米の競合が競技どのように「異なっており」、地政学や地理経済や地政学戦略の種々の分野をカバーする統合政策の「新しい枠組み」が必要だと述べている。

 イギリスの統合レビューは、アジアに対する注目の増大が、軍事基地や近代的防衛体制を伴わないかを強調している。

「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)による地域貿易への関与強化、気候変化に対する行動支援や、イギリスの価値観の推進、インドとの関係の再活性化とASEANにおける我々パートナーステータスの要請。この地域での我々の役職は、他の人々が既に交渉のための生産的なフォーラムを開発しており、我々は既に存在している物と同じものを一から作る必要がないことを認識している。」

 中国をこの焦点の中心に置いて、文書はこう説明する。

「中国の増加する力と国際的自信は、2020年代の最重要な地政学要因である可能性が高い。中国経済の規模と範囲、人口の多さ、技術進歩と一帯一路構想により、例えば世界的な舞台に対し影響力を投射する増大する野心は世界的に深い帰結的意味を持つだろう。」

 それゆえ、イギリスは

「中国に直面する能力強化に投資し、それにより、中国と、その人々について、より良い理解を発展させ、我々や同盟諸国やパートナーの安全保障や繁栄や価値観に対する中国の体系的挑戦に対応する我々の能力を向上させる。」

 欧米は中国とロシアの増大する力が脅威だとし、「中国やロシアのような組織的な競争相手」の戦略の基本的側面は軍事資源ではなく、下記の大規模投資だと理解している。

「世界的な文化力の投射と情報作戦。我々の同盟諸国も、一層戦略的な手法をとっている。文化関係は、ドイツ外交政策の重要な三本柱の一つで、フランス外交政策の重要な部分だ。我々の他の国々の認識、それゆえ彼らのソフト・パワーは、ニセ情報を含め、益々、個人や非国家主体に推進されて、デジタル空間で形成されている。」

 アメリカも、この認識を共有している。バイデンの国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバンは、中国との競合の性格が、明らかに軍事的優位性ではないことを理解している。サリバンの言葉を引用すればこうだ。

「この代替アプローチの中核的前提は、経済的、技術的な力が、世界的指導力を確立する上で、伝統的な軍事力より基本的に一層重要で、このような指導力を維持する上で、東アジアでの軍事的影響圏は、必要な前提条件ではないことだ。」

 従ってバイデン政権は直接軍事的性格がない分野での能力構築に一層力を注いでいる。

 先月、バイデン最初の習との電話会話後、ホワイトハウス当局者は、バイデン政権は、中国に対し、トランプ政権の対決主義政策を続けるが、中国との競争の作業は、中国が先行しかねない人工知能や5Gネットワークなど次世代技術強化が国内で始まると強調した。

 アメリカが、アジア・太平洋で、クアッドのような新しい同盟に益々注目している事実は、むしろ地域的な包括的経済連携協定 (RCEP)(ASEAN国プラス、オーストラリア、ニュージーランド、韓国と日本で構成される)のような、国際的な政治経済で、中国が益々アメリカを出し抜いているかを示す多国間協定における中国の存在感への対応だ。

 新たな多面的同盟の構築は、アメリカが、その支配に役立つ国際的な「ルールに基づく」体制を維持するための一つの方法だ。だが、中国の経済成長が既に多くの方法でアメリカを上回っているのが事実だ。ヨーロッパとつながりを増大しているロシアの存在は、アメリカが、既に、同盟諸国や敵国に対する包括的な競争力を失っていることを示している。従って「冷戦2.0」は、核弾頭や戦闘機や航空母艦や、最先端の防空システムで、中国やロシアに数で勝ることより、この衰退を止めることが狙いなのだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/05/the-cold-war-2-0-isn-t-about-nuclear-weapons-missiles/

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 76年間属国体制にあるこの列島、いいようにカモにされっぱなし。膨大な兵器を宗主国から売りつけられながら、フーシ派のミサイルやドローンで攻撃されているサウジアラビア、人ごとではない。下記はデモクラシータイムス番組。最も親密な同盟国などというのは大本営広報部による真っ赤なウソ。最もぼったくりしやすいカモ属国。彼は何を約束させられてくるのだろう。前任者は日本史上最大の爆買いだろう。有名タレントならぬ素人、タヌキのように、スカに数値が違うとナンクセを付けられる懸念はあるまい。

またも米国の餌食に イージスシステム開発【半田滋の眼 31 】20210407

 大本営広報部(特にテレビ、そしてネットの「ニュース」)による異神ヨイショにうんざりしている。なぜ連中のたわごとを、検証することなく垂れ流すのだろう。岩波書店の月刊誌『世界』5月号「大阪モデル?そんなものはない─維新とメディア、共依存関係の現在」に納得。

 アンダーコントロールのはずの福島原発・トリチウム汚染水海洋放出決定。
 日刊IWJガイドに、今日、西尾正道氏講演再配信の案内あり。

<本日のタイムリー再配信>本日午後7時より「内部被曝の危険性!! 政府対応の「インチキ」徹底追及!! そして『海洋放出』を決めるのは誰か!? 放射能汚染水『海洋放出』の実害~トリチウムは危険~ 院内ヒアリング集会 ―講演:西尾正道氏(北海道がんセンター名誉院長)」を再配信します!

【タイムリー再配信 918・IWJ_YouTube Live】19:00~「内部被曝の危険性!! 政府対応の『インチキ』徹底追及!! そして『海洋放出』を決めるのは誰か!? 放射能汚染水『海洋放出』の実害~トリチウムは危険~ 院内ヒアリング集会 ―講演:西尾正道氏(北海道がんセンター名誉院長)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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