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2021年2月14日 (日)

CO2ゼロという壮大な犯罪的陰謀

2021年2月5日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 グローバリストのダボス世界経済フォーラムは、2050年までに「CO2ネット・ゼロ」という世界的目標を実現する必要性を宣言している。これは、多くの人々には遠い将来のように聞こえ、それ故、ほとんど無視された。だがドイツからアメリカに至るまで進行中の転換は、無数の他の経済のために、1970年代に、新国際経済秩序と呼ばれるものを創造するためのお膳立てをしているのだ。実際には、それは計画的に膨大な失業や産業空洞化や経済崩壊を保証するグローバル・テクノクラシー全体主義大企業支配体制のための青写真だ。いくつかの背景を検討しよう。

 現在、クラウス・シュワブの世界経済フォーラム(WEF)は、彼お好みの話題、世界経済のグレート・リセットを宣伝している。その全ての鍵は、2050年までに、ネット・ゼロ・カーボンというもので、グローバリストが一体何を意図しているか理解することだ。EUは、2050年までに世界最初の「カーボン・ニュートラル」大陸になり、2030年までに、CO2排出を少なくとも55%減らす大胆な計画で、競争の先頭にいる。

 2020年8月、彼のブログ記事で、自称ワクチンの世界皇帝、ビル・ゲイツが、将来の気候危機について書いた。「このウイルスの世界的流行はひどいが、気候変化は、更にひどい可能性がある。今年の比較的僅かな排気減少で、一つ明らかになったことがある。飛行機旅行やドライブを減らすだけでは、簡単に、あるいは、大きく、ゼロ・エミッションには到達できない。」

 主流メディアやソーシャル・メディアを事実上独占して、地球温暖化現象圧力団体は、人類にとって最良なのは、2050年までに、石油、天然ガス、石炭と「カーボン・フリーの」原子力発電さえ含め、炭化水素を無くすことで、我々が、願わくは、平均世界温度の1.5から2度(セ氏)上昇を避けられるかもしれないと考えるよう世界の多くの人々を導くのが可能だ。ここには、一つだけ問題がある。それは犯罪的な思惑の隠れ蓑なのだ。

 「地球温暖化」の起源

 エネルギー源の根本的移行を正当化するために提出された大本の科学論文を、多くの人々は忘れている。それは「気候変化」ではなかった。太陽フレア放射や太陽黒点サイクルが地球気候に影響を与えて、地球気候は常に変化している。千年紀の変わり目あたりに、これまでの太陽が主因の温暖化サイクルが、もはや明白でなくなるにつれ、アル・ゴアや他の連中は、巧みな言葉のごまかしで、言説を「地球温暖化」から「気候変化」へと変えたのだ。今や、あらゆる珍しい天気事象が「気候危機」として扱われるほど、恐怖の言説はばかばかしくなった。全てのハリケーンや冬の嵐は、CO2を発散している罪深い我々を、気候の神々が罰している証拠だとされている。

 だが、ちょっとお待ち願いたい。太陽光や風力などの代替エネルギー源へ移行し、炭素エネルギー源を断念する理由は、CO2が何らかの方法で空を上昇し、下の地球を暖めるとされる毛布を形成する温室効果ガスだという彼らの主張だ。地球温暖化現象。アメリカ環境保護庁によれば、温室効果ガス排出は、主にCO2によるものだ。それ故「二酸化炭素排出量」に対する注目というわけだ。

 ほとんど決して語られないのは、CO2が大気中に自動車排ガスや石炭発電所や、他の人工源から、大気中高く舞い上がることはできないことだ。二酸化炭素は、炭素や、すすではない。それは、植物光合成や、我々を含め地球上全ての生命体に欠くことができない、目に見えない無臭ガスだ。空気(主に酸素と窒素)の分子量が、たった29なのに対し、CO2の分子量は、44よりわずかに多い。CO2の比重は空気より約1.5倍重いのだ。それは、車や発電所からのCO2排気ガスが、恐れられる温室効果を構成するため、大気中約19キロかそれ以上、地球上空に上昇できないことを示唆するはずだ。

 モーリス・ストロング

 ゲイツやシュワブや他の「持続可能な」世界経済とされているものの提唱者を巡って、どのような犯罪的行為が今展開しているか理解するには、我々は人間の飲食と人口増加は、主要な世界問題だという考えを巡る運動を、デイヴィッド・ロックフェラーと友人たちが始めた1968年に戻らなくてはならない。富が石油に基づいていたロックフェラーは、イタリアはベラージオのロックフェラー別荘で、新マルサス学派のローマ・クラブを作った。彼らの最初のプロジェクトは、1972年の「成長の限界」と呼ばれるMITにおける、がらくた研究への資金供給だった。

 1970年代初期のロックフェラーの「ゼロ成長」アジェンダの重要な組織者は、彼の長年の友人で、ローマ・クラブ・メンバーでもあるモーリス・ストロングという名のカナダ人石油業者だった。1971年、ストロングは国連事務次長、1972年6月のストックホルム地球デー会議の事務総長に任命された。彼はロックフェラー財団の理事でもあった。

 モーリス・ストロングは、輸送車両や石炭発電所や農業からの人為的排気が、文明を脅かす劇的な加速的な世界的温度上昇、いわゆる地球温暖化現象を起こすという科学的根拠がない理論の初期の重要な伝導者だった。彼は融通の利く言葉「持続可能な開発」を発明した。

 1972年の地球デーに国連ストックホルム会議の委員長として、ストロングは「環境を救う」ため、世界中で人口縮小と生活水準を下げることを促した。数年後、同じストロングがこう述べた

「地球にとって、唯一の希望は、工業化文明社会の崩壊ではないだろうか?それを引き起こすのが、我々の責任ではないだろうか?

 これは、グレート・リセット、あるいは国連の2030アジェンダとして知られる現代の狙いだ。ストロングは、更に、人によるCO2排出が、我々の世界を、逆転不可能な生態学的大災害に向かわせようとしているという証明されていない主張を推進する政治組、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を設立した。

 ローマ・クラブ共同創設者アレクサンダー・キング博士は数年後、著書『第一次地球革命―ローマクラブ・リポート』で、彼らの環境課題の本質的なペテンを認めた。彼はこう述べている。

我々を団結させるための新たな敵を捜す中で、我々は、汚染や地球温暖化現象や水不足や飢饉などの脅威が、目的にぴったりだと思いついた。これら全ての危険が、人間の関与で引き起こされ、それらを克服できるのは、姿勢や行動の変化だけなのだ。本当の敵は、実は、人類自身なのだ。

 キング博士は「地球温暖化現象の脅威」が「人類自身」への攻撃を正当化する策略に過ぎなかったことを認めたのだ。これが、グレート・リセットとCO2ネット・ゼロ策略として今導入されているのだ。

 代替エネルギー大惨事

 2011年、ポツダム気候影響研究所(PIK)のヨアヒム・シェルンフーバーの助言に沿って行動し、アンゲラ・メルケルとドイツ政府は、Energiewende、エネルギー転換と呼ばれる2011年の政府戦略の一環として、2022年までに、太陽光や風や他の「再生可能なもの」に依存し、原子力発電を全面禁止にした。目的はドイツを「カーボン・ニュートラルな」最初の工業国にすることだった。

 この戦略は経済的惨事だった。産業界の最も安定した低コストの信頼できる発電網から、今やドイツは世界で最も高価な発電国になった。ドイツのエネルギー企業団体BDEWによれば、最後の原子力発電所が閉鎖すると、遅くとも2023年までに、ドイツは電気不足に直面するだろう。同時に、CO2ネット・ゼロを実現するため、電力の最大資源の石炭が段階的に廃止されつつある。鉄鋼のような伝統的なエネルギー集約産業や、ガラス生産や、基本的化学物質、製紙やセメント製造が、経費急騰や操業停止や、海外移転や、何百万もの熟練を必要とする雇用の損失に直面している。非効率的なエネルギーである太陽光や風は、現在、経費が約7から9倍ガスより高い。

 ドイツは、熱帯諸国と比較すると日照が少ないので、風力がグリーン電力の主要源と見なされている。太陽光や風力発電所を建設するには、莫大なコンクリートやアルミニウムが必要だ。それらは、生産のために、ガスや石炭、あるいは原子力の安いエネルギーが必要だ。それらが段階的に排除されるにつれ、追加「炭素税」なしでさえ、費用は法外なになる。

 既にドイツには、EUの他のどの国々より多い約30,000の発電用風力タービンがある。巨大な風力タービンは、巨大な構造物が気候や鳥に損害を与え、近隣住民に騒音や超低周波不可聴音などの健康障害という重大問題がある。2025年までに現存のドイツ風車の推定25%が置換が必要で、廃棄物処理は膨大な問題だ。それが、どんな大惨事か市民が悟るにつれ、企業が告訴されている。最近、ドイツ銀行は、2030年までに目標に達するには、国は「エコ独裁制」を作る必要があると認めた。

 同時に、電気自動車を選んで、2035年までに、ガソリンや軽油輸送を終わらせるためのドイツの取り組みは、ドイツ最大で、最も収益を上げる産業、自動車部門を破壊し、何百万という雇用を消滅させると予想される。リチウムイオン電池の力で動く車は、リチウム採鉱や、全ての部分を作成する影響を含めば、総「二酸化炭素排出量」はディーゼル自動車より悪い。2050年までに、CO2ゼロ・ドイツには、何百万というバッテリー充電器が信頼できる量の電力網を必要とするので、必要な追加電気の量は今より遥かに大きいだろう。報道では、ドイツとEUは新「炭素税」を課し、CO2ゼロへの移行資金調達を始める。この税金は電力とエネルギーを更に高価にし、ドイツ産業のより速い崩壊を確実にするだろう。

 人口削減

 CO2ゼロ・アジェンダを推進する連中によれば、それこそ彼らが切望しているものに過ぎない。最も先進的な経済の産業空洞化、モーリス・ストロングが言ったように、工業化された文明社会の虚脱状態をもたらすため入念に計画された数十年にわたる戦略だ。

 今カリフォルニアで、停電があたりまえになっているように、現在の世界の産業経済を、木を燃やし、風車を回すディストピアに逆転させるのは2030アジェンダ下でのグレート・リセット転換の不可欠な要素だ。持続可能性のための国連グローバル・コンパクト。

 メルケルの気候顧問、無神論者ヨアヒム・シェルンフーバーは、2015年、教皇フランシスの教皇庁科学アカデミー被任命者として、教皇フランシスの回勅、ラウダート・シイで、根本的な環境重視の取り組みを提示した。彼は環境重視の取り組みに関しEUに助言した。2015年のインタビューで、今「持続可能な」最大人口は約60億人以下だと「科学」が決定したとシェルンフーバーは宣言した。

「非常に皮肉な形ではあるが、とうとう我々は、地球の収容能力推計を100億人以下に安定させたので、科学にとって勝利だ。」

 そのためには、産業世界は解体されなせればならない。世界経済フォーラム・アジェンダの貢献者で、元国連気候変動枠組み条約前事務局長クリスティアナ・フィゲレスは、2015年2月のブリュッセル記者会見で「これは、人類史上初めて、産業革命以来、支配的な経済発展モデルを変えることを意図的に狙うものだ。」と述べて、国連気候アジェンダの本当の狙いを明らかにした。

 2015年のフィゲレス発言は、2021年1月、世界経済フォーラムでの「ダボス・アジェンダで「現在の状況下では、資本主義モデルと、開かれた経済は、もはや実行可能ではない」と述べたフランスのマクロン大統領の言葉と良く似ている。元ロスチャイルド銀行家のマクロンは「この病から脱出する唯一の方法は、金持ちと貧しい人々との溝を無くすために一層努力する経済を作ることだ」と主張した。メルケルやマクロンやゲイツやシュワブや、連中のお仲間は、ドイツやOECDの生活水準を、エチオピアやスーダンの水準まで下げて、そうするだろう。これが連中の、ゼロCO2ディストピアだ。飛行機での旅行や自動車旅行や人々の移動を厳しく制限し、「汚染」産業を閉鎖するのは、全てCO2を減らすためなのだ。コロナウイルス流行が、好都合にも、グレート・リセットと国連2030年アジェンダ、CO2ネット・ゼロのお膳立てをするのは異様だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/02/05/the-great-zero-carbon-criminal-conspiracy/

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視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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