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2019年9月 1日 (日)

イドリブは、どれほどトルコの急所なのか

2019年8月30日
Salman Rafi Sheikh

 シリアでトルコが直面している状態のみならず、シリア戦争終盤のありかたに対するトルコの戦略的選択ゆえに、イドリブに対するトルコの野心は試練を受けている。一方で、イドリブにおけるトルコの特別の権益が、ロシアとのつながりを試しており、他方、トルコは自身の権益を保証する選択肢が急速に尽きつつある。実際問題、ロシアとシリアが排除しようとしているテロ集団と正面から取り組む能力がトルコにないので、ロシアとシリア両国に対し、トルコは矛盾する立場に置かれている。ロシアとシリアは、これら集団から「シリア全領土を奪還する」狙いを推進している。それゆえ、イドリブに関する限り、トルコとロシアの利害関係は本当に一致しないのだ。

 ロシアとシリアのイドリブでの攻勢を批判して、トルコ国防省は、攻勢はロシア連邦との既存の覚書や協定に違反しており、[イドリブ]が「人道的ドラマ」に変わったと声明で述べた

 トルコのこの姿勢にもかかわらず、実際には、覚書と協定は、タハリール・アル=シャーム参加の集団を含め、イドリブに本拠を置くジハード集団をトルコが制圧すべきことと規定していた。だか、これは実現しなかった。それどころか、テロ集団は、上記協定が最初に署名された時に支配していたより多くの地域を支配するに至っている。最近の記者会見で、イドリブでのトルコによる非武装地帯設定前、テロリストは県領域の50パーセントを支配していたが、今やイドリブ領域の90%がテロ集団支配下にあると強く主張して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はロシアに対するトルコの「言葉の応酬」に対して厳しく問うた。

 「彼らがそこから攻撃をかけているのを我々は見ている。しかも過激派戦士は、この地域から世界の他の地域に移動するのを見ており、それは極めて危険なことだ」とプーチンは、フメイミムのロシア空軍基地を攻撃する多数の企みも、全てイドリブ地域から行われたとも述べた。「それが、これらテロリストの脅威を無力化するための現地作戦を行うシリア軍の取り組みを我々が支持する理由だ」と彼は結論した。

 プーチンの発言から明白なことは、トルコはテロリスト民兵からイドリブを解放するという誓約を実現できておらず、この状況がシリアにおけるロシアの権益にとっての重大な脅迫であるのみならず、シリアの完全な領土回復に対する障害になっていることだ。

 テロ集団に対処する上でのトルコの能力のなさだけでなく、トルコの困難さを増しているのは、トルコの権益を受け入れるつもりも、クルド同盟者を放棄する気もないアメリカとの関係の現状だ。これは、長さ約430キロ、幅30キロの、北東シリアの安全地帯設定に関し、トルコに対し、アメリカが牛歩戦術を演じ続けていることから明白だ。

 トルコは、クルド勢力を駆除するよう、アメリカを説得できておらず、トルコは、ISISや、トルコ自身が支援している集団から、イドリブを解放できていない。トルコの基本的問題は、シリアに対する基本的な戦略上の理解を変えることができず、その考え方から、政権にアサドがいないシリアを思い続けていることにある。

 トルコが、テロ集団を匿うのでなく、排除することを目指し、シリア復興に貢献する誠実な当事者となるには、まず、かつてシリア破壊のかじを取り、今も取っている分子を支援する政策を避けなくてはならない。シリアとシリア政府に対する基本的姿勢を変える能力のなさが、トルコをにっちもさっちも行かない状態に置いているのだ。一方で、トルコはシリアとロシアの攻撃による、イドリブ地域からの大規模な難民流入の危険があり、もう一方では、トルコ国境沿いで、永久の「クルドの脅威」に直面している。

 それに加えて、シリアにおけるトルコの二重の立場が、ロシアやアメリカを益々コントロールするできない状況に至っている事実がある。アメリカにとって、クルド部隊に対するトルコの立場に関する限り、トルコは敵対者だ。シリアとロシアにとって、タハリール・アル=シャームのような集団に対するトルコの継続的支援は、直接の外国干渉であり、トルコがそれを変えることができなければ、この事実は、シリア戦争の終盤シナリオで、地域におけるトルコの立場の岐路となるかもしれない。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/30/how-idlib-is-turkey-s-achilles-heel/

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 物事は何であれ前向きに考えたほうが良いのかも知れない。日本の「マスコミ」は自由に政権批判ができるのだと。中国とロシアと韓国の政権なら存分に批判可能だ。自国と宗主国の政権については、全くあてはまらないだけのこと。

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