スマートフォン戦争:ヤンデックスとファーウェイ、欧米独占企業に挑戦
2018年12月12日
Caleb Maupin
New Eastern Outlook
中国の遠距離通信CFO孟晩舟の逮捕は、国際市場全体に衝撃波を送った。スマートフォン産業や巨大独占企業が、ロシアと中国からの挑戦に直面しているという文脈は、こうした最近の劇的な出来事を理解したいと望むあらゆる人々にとって重要な背景情報だ。
自由市場の擁護者が大好きな要点の一つは「資本主義がiPhoneを作った」というものだ。この慣習に習えば、利潤体制だけが、起業家精神に報いて、今までこのような技術的創造物を産み出すことができるのだから、社会主義やマルクス主義を信じる人たちがスマートフォンを持っていると完全な偽善者扱いされる。
だが、少し調べれば、そうした考えの前提全体が誤っていることが明らかになる。最初の携帯電話は、1955年、モスクワを本拠として、国営施設で、研究を行っていたエンジニア、レオニード・イワノビッチ・クプリャノヴィッチによって作られた。さらに、たいていのスマートフォンの画面は発光ダイオード(LED)で照明されるが、最初のものは、オレグ・ウラジーミロヴィッチ・ロセフによって、1927年に発明された。ロセフも、国営施設で研究を行ったロシア人だった。
コンピュータ革命はそれ自身、主に、アラン・チューリングの仕事と、第二次世界大戦中に作られた彼の暗号解読装置に帰することができる。この研究は、当時、イギリスは、ナチス・ドイツに対して、ソ連邦と提携しており、産業に対する、軍の厳重な支配という環境でおこなわれ、到底、自由市場状況とは言えない。
携帯電話は、衰えることなく、税金もかけられずに、ガレージで、いじくり回す、誤解された「偉大な男」に関する、一部客観主義者の想像の産物に過ぎない。携帯電話とLED照明とコンピュータ革命は、中央計画組織と、技術、製造目的のための、国家による社会全体の動員の結果、起きたのだ。
今日、地球上の最大の携帯電話製造業者は深センの中国技術センターに本拠を置くファーウェイだ。全世界で、購入される、著名なスマートフォンの巨大製造業者は中国政府と軍に密接につながっている。
最近、ファーウェイ最高財務責任者が、アメリカ当局の要請で、カナダで逮捕された。孟は今、アメリカへの犯人引き渡しに直面している。容疑は公式に示されていないが、ファーウェイが、イラン・イスラム共和国に対するアメリカ制裁に違反したという非難と関係があると広く推測される。
勃興する独立通信企業
ファーウェイCFOが逮捕されたのとちょうど同じ時に、ロシアのインターネット企業ヤンデックスが、自社のスマートフォンを生産すると発表したのは、多分奇妙な偶然の一致だ。12月5日、政府助成金受けている技術企業によって、間もなく生産される「ヤンデックス電話」が購入可能であることを世界が知ったのだ。ヤンデックスも、ハイテクの取り組みに参加したのだ。
社会主義のアンゴラ民族解放戦線MPLAが率いる深く貧困に陥った国アンゴラさえ、自身の独立携帯電話会社を作ることが可能だった。イザベル・ドスサントスは、ユニテルという会社を作り、拡大するため、国営石油会社と中華人民共和国援助の収入を利用した。サントスは、他の独立遠距離通信機構を創設すべく、南アフリカのポルトガル語を話す国々で邁進している。
孟晩舟逮捕前、アメリカFBIは、アメリカ人に中国のスマートフォンを買わないようしきりに促していた。理由は中国政府と企業の結びつきと、情報が危険にさらされるという不安だった。
だが、エドワード・スノーデンによる暴露のおかげで、アメリカ国家安全保障局NSAが、多くのアメリカ携帯電話企業やハイテク企業と親密な関係を持っていることが広く知られている。グーグルやフェースブックやアップルや他のハイテク企業が、定期的に国の職員に協力して、個人情報を、政府機関から提出命令されたり、巨大ハイテク企業から求められたりしているが、対象の人は、決してプライバシーが侵害されたのを知らされないことが多い。
欧米によるスマートフォン独占に対する、世界中の独立した製造業者からの増大する挑戦という文脈で、アメリカ政府職員が、突然アメリカ国民のプライバシーを心配するようになり、中国の巨大電気通信会社による違反に対し制裁だと主張するものを始めることには大きな疑念を持つべきだ。
ヒステリーの背後には、素早く消えつつある欧米による半独占権を維持するための必死の企てがあるのではと思わずにいられない。
Caleb Maupinはニューヨークに本拠地を置く政治評論家、活動家。彼はボールドウィン-ウォレス大学で政治学を学び、オキュパイ・ウォール街運動に鼓舞され、参加していた。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/12/smartphone-wars-yandex-huawei-challenge-western-monopolies/
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孫崎享氏の今日のメルマガ、鳩山元首相のツイートが紹介されていた。ツイートを利用していないので、全く知らなかった。正論。下記は一例。
政府は米国から1機100億円超の ステルスF35戦闘機を100機購入して、導入予定の42機と併せて140機体制にするらしい。北朝鮮の脅威や中国の軍備増強に対応してのことのようだ。北朝鮮や中国との信頼関係を高めることが肝要で、徒に敵愾心を煽ることが日本の生きる道ではない。社会保障などに回すべきだ。
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