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2018年11月27日 (火)

超党派委員会:アメリカはロシアと中国との「恐ろしい」「衝撃的」戦争に備えねばならない

2018年11月20日火曜日
アンドレ・デイモン

 火曜日、議会に任命された超党派委員会が、トランプ政権の喧嘩腰の政策を、民主党も共有していることを明らかにして、ロシア、中国、あるいはその両国に対する「大国間」戦争に備える国防総省計画を支持する長い報告を発表した。

 その調査結果が決してマスコミに、本格的報告はされるまいと考え、このような戦争が何を意味するだろうかに関し、報告書執筆者は遠回しな表現をしていない。報告によれば、4年以内に起きるかもしれないアメリカ・中国間の戦争は「恐ろしく」、「衝撃的」だ。軍は「ここ数十年内のどれよりも大きな損失に直面する」だろう。このような戦争は「素早い核エスカレーション」になりかねず、アメリカの一般市民が攻撃され、殺される可能性が高い。

 一つの基本的現実を認識しなければ、アメリカ政治は何ごとも理解できない。夕方のニュースやニュースサイトの見出しや、ソーシャル・メディアの書き込みになる政治説を独占する出来事やスキャンダルは、実際に決定をする人々の考慮とは、ほとんど無関係だ。メディアに出る評論家連中は、最も重要な話題は、極めて限定された範囲内でしか議論してはいけないことを知っていて、割り当てられた役割を演じているだけだ。

 実際に政策を立案する人々-連邦議会幹部議員や国防総省やシンクタンク職員やホワイトハウス補佐官ら、選り抜き集団の人々は、一般大衆が読まないだろうと知っていてメディアが本気で報道しない出版物では、彼ら同士で、全く異なった主張をしている。

 人々全てが分かりやすい自明の事実として受け入れるような発言は、もしそれが夕方のニュースになると、「陰謀論」として捨て去られる。

 そうした率直な発言の最近の例は、アメリカ軍に関し「テロではなく、大国間の競争が今の主要焦点だ」と宣言して今年早々公表された国防総省の新国家防衛戦略を評価するため議会により設立された組織である国家防衛戦略(NDS)委員会により発表された新報告書だ。

 委員会の見解は「共通の防衛を提供する」という題の報告として発表されており、以下のように要約できる。アメリカ軍が、ロシアと中国との戦争のために準備するのは完全に正しい。しかし、毎年アメリカに続く最大の8カ国の軍を合わせたより多い資金を使っている国防総省には、メディケアやメディケイドなどの基礎的社会福祉や社会保障を削減して支払われるべき膨大な軍事支出拡大が必要だ。

 言い換えれば、報告書は、今年、圧倒的な超党派的支持で、冷戦以来、最大の軍事予算増加を成立させて議会が行ったことを言葉で表現した、トランプ政権による軍事力増強に対する議会による安易な承認だ。

 だが、アメリカ国民に対する「衝撃的」影響がある差し迫った「社会全体」戦争にアメリカが備えるべきだという認識を越えて、書類はもう一つの基本的現実の厳しい警告なのだ。実際、世界人口の5パーセント以下しかない国による地球全体の軍事征服を必要とする このような戦争で、アメリカは敗北するかも知れないのだ。

 アメリカは「中国あるいはロシアに対する戦争に勝つか、あるいは多分負けるのに苦闘するかもしれない」と文書は明言している。これらの戦争は海外で戦われるのみならず、おそらくアメリカ国民も標的になるだろう。「彼らが海外で我が軍を破ろうと努める中、敵が、動的、サイバー、あるいは他の形での、本土のアメリカ人を弱体化させるため攻撃を予想しないのは賢明ではなく、無責任だ。」

 報告書は更にこう加える。「もし戦争が起きれば、アメリカ軍はここ数十年の中で、より厳しい戦いと、より大きな損失に直面するだろう。フォークランド戦争時、明らかに劣っている相手、アルゼンチンが、一発の誘導ミサイルで攻撃し、主要イギリス軍艦に損傷を与え沈没させことは想起する価値がある。主要対立国が、今日アメリカ軍に与え得る破壊の量は一桁上の規模でありうる。」

 要点を十分納得させるため、報告書は多くのシナリオを概説している。最初のものは、2022年に中国からの独立を宣言し、中国の報復を呼び起こす台湾の例だ。「国防総省はもし国の総力が結集されれば、アメリカは、おそらく長い戦争で中国を破ることができると大統領に言っている。それでも、その取り組みで、台湾が侵略される前に、決定的な影響を与えるすべて保証がない 厳しい経済的崩壊を味わうのに加え、何千という命と、莫大な数の船と航空機を失うだろう・・・。 だが、その結果を避けるには、今恐ろしい損失が必要だろう。」

 解決策は、一貫した多年にわたる出費増加により資金供給される、遥かに巨大な陸軍だと報告書は結論を出している。「国防の危機に対処するには、異例の緊急性が必要だ」と報告書は書いている。

 陸軍は「より多くの装甲部隊、長距離火器、工兵と航空防衛部隊」が必要だ。空軍は「より探知されにくい長距離戦闘機と爆撃機、給油機、空輸能力と諜報、偵察と偵察プラットホーム」が必要だ。核戦力は、より多くのミサイルを必要とする。その他諸々。

 この全てを支払うため、社会福祉は破壊しなければならない。「義務的な受給資格付き社会保障が支出増大を引き起こしている」と議会は、メディケアやメディケイドや社会保障を含むこれらプログラムに対処するよう要求し、文句を言っている。報告書は「このような調整が非常に辛いものであるのは確実だ」と警告している。

 最終的に、社会の全てが戦争準備に動員されなくてはならない。「「社会全体」」手法が「貿易政策、科学、技術、エンジニアリングと数学教育」を含め採用されなければならない。私企業から高等教育機関に至る全てが加わらなければならない。

 ロシアあるいは中国に対する戦争を戦い、それに勝利するためのアメリカのさまざまな課題を列記しながら、委員会の著名メンバーの誰一人、一見明白な結論に達していない。アメリカは、このような戦争を戦うべきではないかも知れないということだ。

 しかし彼らはこの報告書で、アメリカ政界の圧倒的合意を代表しているのだ。最期の日々、アドルフ・ヒットラーは、もしドイツが第二次世界大戦に勝てなければ、存在するに値しないと何度も繰り返し宣言したと伝えられている。世界の人々の多くのみならずアメリカ国民自身が消滅する脅威がある行動方針にアメリカ支配階級は専念しているのだ。

 これは個人の狂気ではなく、長生きし過ぎて、役立たずになり破綻した社会秩序、資本主義、そして同様長生きし過ぎて、役立たずになった政治的枠組み、国民国家体制を代表する社会階級の狂気だ。それには、もう一つの社会的勢力しか反対することはできない。その社会的関心が国際的で、進歩的で、その存在そのものか、アメリカ資本主義の誇大妄想狂の戦争という目的への反対にかかっている世界中の労働者階級だ。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2018/11/16/mili-n16.html

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