売女マスコミの沈黙
2018年7月25日
Craig Murray
政府や諜報機関が売り込んでいる既にばかばかしい陰謀論に、チャリー・ローリーのガス被害説明を、うまくはめ込もうとする努力を、主流マスコミは、ほとんどしていない。
ITVニュースは鋭い質問を全くしないチャーリー・ローリー独占インタビューに“ロシアの神経ガスで中毒になった”という言葉を果敢に挿入し、ひどく編集した部分しか放映しなかった。同社ウェブサイトには同社の記者ルパート・エヴリンのコメントが載っている。
それは未開封で、入っていた箱は封がされていて、それを切るのにナイフを使わざるを得なかったと彼は言っている。 “そこで、こういう疑問がわく。もし未使用だったのなら、これがこの都市に存在する唯一のノビチョクなのだろうか? セルゲイとユリア・スクリパリを攻撃するのに使われたのと同じノビチョクだったのだろうか?
だが、箱をナイフで開けたことに関する情報は、リンク先のインタビューにはない。ローリーがインタビューで言っているのは、箱はセロファンで封がされていたということだ。彼はナイフで、セロファンを切って開けたのだろう。
これは一体どのように政府公式説明にうまくはまるのだろう? たぶん、ロシア工作員が密かにスクリパリの家を訪れ、この香水瓶からノビチョクをドアの取っ手に吹きかけ、それから、不明の場所で、ビンから噴射口を取り外し(ローリーは、それを取り付けなければならなかったと言っている)、更に、ビンを箱に入れ、まだ新しく見えたので、たぶん、どこか室内で、四カ月後、ローリーに発見されるよう放置する前、セロファンをかけたという主張になるのだろう。だがその四ヶ月間、警察や軍や治安組織の捜索で、誰にも発見されなかったのだ。
率直に言って、瓶がスクリパリのドアの取っ手に塗布するために使われたとされる主張はとうてい信じがたく見える。しかし、そうなると政府の話丸ごと既に非常にありそうもなく見え、私のかなり右寄りの家族や友人の中にさえ、これを信じる人が文字通り一人もいないほどだ。ローリーの極めてぶざまなニュースにあわせ、全く証拠のない“ロシア人がやった”という言説を臆面もなく押し出すマスコミの反応は、ニュースを極力強引に押しつけるだけで、ニュースの辻褄をあわせるための現実的努力は皆無だ。
本人の説明でも、ローリーは信頼できる証人ではなく、彼の記憶は“ノビチョク”によって影響を受けている。この香水のパッケージを、一体どこで、どのようにして手に入れたのかに関して彼が曖昧なのには他の理由があり得ると推測しても不合理ではない。
香水瓶は現在警察の手にある。四カ月間、どこかでそれを見たか、誰かそれを持っていたのを見た一般大衆の記憶を呼び起こせるかどうかためすのに、その写真を公表しないのは、むしろ奇妙ではあるまいた?“実行犯”は、それがどんな姿なのか知っており、警察がそれを入手していることを既に知っているのだから、そうしても何ら危険な情報を与えてしまうことにはならない。当局にとって、話題を封じ、言説を支配することが、今や殺人事件となった犯罪解決よりも重要なのだと考えたくなる。
記事原文のurl:https://www.craigmurray.org.uk/archives/2018/07/the-silence-of-the-whores/
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大本営広報部、野菜価格高騰は報じてくれている。膿本体については報道皆無。
ボクシングのトップ、巨大私大のトップ、まるで膿氏の戯画。膿は酷いな、多いな。
演説の書籍刊行を待っている。
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コメント
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事実判断と価値判断または杉田水脈衆議員『生産性がない』発言の事
故・加藤周一から教わったことの一つは,世に事実判断と価値判断を間違える人が多いということである。例えば大阪地検特捜部が不起訴にした財務省職員の公文書改竄。その改竄行為に悪意があろうとなかろうと,改竄は改竄である。一字一句でも変えれば文書改竄である。
軍事ジャーナリストの田岡俊二氏が紹介されている事例として戦前の選挙人名簿改竄がある(YouTube)。要約すれば,戦前の奈良県のある町で選挙人名簿を造ったが,それが後で間違いだと分かって「正しい」名簿にしたそうだ。しかしその行為が文書改竄だとして有罪の判決を受けたそうだ。
反対派候補者に投票することを恐れて数人を正しい名簿から外したのかもしれないが,改竄は改竄。たとえそれが間違っている文書であろうと一度決裁を受けた文書を書き換えれば,要旨を変えないように書き直しても,正義に基づこうと基づくまいと「文書改竄」である。
悪意がない・あるは価値判断であって罪一等を加減するのは裁判所の判断である。正確さを求めての「正しい名簿」造り(善意は善意)であっても改竄は改竄である。つまり山本特捜部長は価値判断と事実判断を混同して函館地検検事正になったと言わざるを得ない。
ところでバチカンのローマ教会は同性婚を禁止していたと思うが,マレーシアのアンワル元副首相はイスラム法または国法によって同性愛の罪で囚人となった。現在特赦が出て自由の身となったが,本当に同性愛者であったのかはわからない。事実であったのかどうか。しかしなぜ宗教は同性婚または同性愛を禁止しているのであろうか。それは神に聞いてみなければ分からない。
そこで杉田議員の発言『LGBTは生産性がない』であるが,生産性というときの生産性とは何か。まさか宗教上の理由ではあるまい。おそらく「子どもを造らない」といった程度ではないのだろうか。
子どもを造らないLGBTというのであれば,子どもがいない夫婦は生産性がないのであろうか。安倍昭恵夫妻はどうなのか。結婚せず意識的に子どもを造らない夫婦はどうなのか。非正規労働者のゆえに賃金が安いので結婚できない男女はどうなのか。みな生産性がないのであろうか。
LGBTの方々でも小生より多くの税金を支払い国家財政に寄与されている方もいる。身寄りのない,捨て子を引き取り育てている方々もいるだろう。JICAの派遣により共に農業指導に携わっている方もいるのではないだろうか。ボランティアとして自衛隊より早く愛媛や広島や岡山の洪水災害地に入り,救援活動をされた方々もいる。アフリカで井戸掘り指導をされている方々もいらっしゃるのではないだろうか。死後,臓器を提供される方もいることを否定できない。
以上のように考えた時,杉田発言の「生産性がない」発言は誤りである。事実を無視した判断である。しかし彼女の発言には価値が二つある。一つは種子法復活法を思い出させたことである。自然界の植物の多くは成長して種を残す。コメ,麦,野菜然り。しかしモンサントやカ-ギル等の種は種子を残すことを禁じる。それら遺伝子組み換え種子は生産性がない。多国籍企業にはあるかもしれないが,これまでの農耕をやってきた農民や国民には生産性がない。なぜわざわざ種子を多国籍企業から買わねばならないのか。
多くの農家や自家栽培者は採れた野菜の種をまた撒いて来年の収穫としてきた。つまり「再生産」が可能であった。それが知的財産権という名のもとにこれからは賠償金を取られる羽目になるというのだ。それが種子法廃止の内容だという。ならば杉田議員は種子法廃止になぜ賛成したのであろうか。
杉田氏は自民党・創価学会政権の価値判断に従って種子法廃止に賛成票を投じ,農民が生産性のある農業をしてきた事実を無視した。これは事実判断である(または事実に無知という)。今からでも遅くはない。種子法復活法案に賛成するべきである(価値判断)。
ことは同じで水道私営・民営化はイギリスでは公営化時代より「費用が高くなっている」そうだ(事実判断)。他の国々でも同じであろう。公営に戻している国々が多い。杉田議員のみならず創価学会支援議員は生産性が低い水道民営化に賛成なのであろうか。ならば,この法律を廃止する法案に賛成すべきであろう(価値判断)。
杉田水脈氏『LGBTは生産性がない』発言には我々の考えを再考させる意味で大いに価値がある(事実判断)と思う。これが二つ目である。
追記: 何の事件であったかよく覚えていないが,法務大臣が「逮捕は二階議員まで及ぶことはない」と言ったことが本当に「生産性」があったのかどうか,二階幹事長は自問自答すべきであろう。
追記2: 5兆円も米国から兵器を買う日本の防衛省。オスプレイは未亡人を約30人造ったという。未亡人のご主人たちに「生産性」はあったのであろうか。
追記3: 自衛隊のイラク派遣。サマワのイラクでの自殺者は29人。帰国しての自衛隊の自殺者は50人を越えている。憲法を無視した自衛隊派兵は生産性があったであろうか。ことは湾岸戦争でも同じ。110億ドルが米国に払われたが,生産性があったのであろうか。おそらくキックバックされた金で潤った日本人政治家たちには生産性があったのであろう。
追記4: 我々は人種差別的な杉田議員のような発言を「再生産」させてはいけないと考えるがいかがであろうか。
投稿: 箒川 兵庫助 | 2018年8月 5日 (日) 14時12分