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2018年7月11日 (水)

クレムリン内部に第五列はいないのか? 良くお考え願いたい!

2018年6月29日
The Saker

 [この分析はUnz Review向けに書かれた]

 メドベージェフと、多かれ少なかれ改造した彼の内閣が再任命された後、ロシアや海外の世論は、これが、ロシア指導部内の連続と、団結の良い兆しなのか、それとも、これはクレムリン内にはプーチン大統領に反対して動いている第五列があり、親自由主義と欧米寄り政策をロシア国民に押しつけようとしていることの確認なのかで二分している。ロシア外交政策は、依然、私が“ユーラシア主権論者”と呼ぶ人々に主として支配されており、“大西洋統合主義者”連中の活動を探知するには、ロシア国内で一体何が起きているのかを見ておくことが必要だと考えているので、今日は、ロシア国内で何が起きているかをざっと見てみたい。

 ロシア第五列と、その典型的な作戦

 最初に、Saker Communityが翻訳した、“エホー・モスクヴィ”という名の、極端に欧米寄りで、騒々しい反プーチン・ラジオ局が、普通のロシア法制から免れているのみならず、ロシア国家が大半を所有している巨大ガス会社ガスプロムから資金まで得ているのは一体なぜかを疑問に思っている最も鋭いロシア人評論家の一人、ルスラン・オスタシコの短編ビデオをご覧いただきたいと思う。エホー・モスクヴィは余りにイスラエル寄りなので“エホー・マッツィ”というあだ名をつけられた(エホー・モスクヴィは“モスクワのこだま”という意味だが、“エホー・マッツィ”というのは“マッツォのこだま”という意味だ。訳注:マッツォは、ユダヤの過ぎ越しの祭りで使うパンのこと)。言うまでもなく、このラジオ局は、アメリカ大使館を断固、全面支持している。エホー・モスクヴィは、ロシア嫌いジャーナリストの孵化装置として機能しており、ロシア・マスコミにおける欧米寄りリベラル記者の大半が、何らかの時点で、このプロパガンダ機関と関係していたと言って言い過ぎではない。それにもかかわらず、というか、より正確には、そのおかげで、エホー・モスクヴィは、既に長いこと破綻しており、それでもなお存在し続けている。オスタシコの解説に耳を傾けよう(英語字幕が見られるよう‘cc’ボタンを押すのをお忘れなく)。

 興味深いではないか? 国営巨大企業ガスプロムが、エホー・モスクヴィを破綻させないように維持し、法の適用を受けないようにするのに全力を尽くしているのだ。実際、ガスプロムは、エホー・モスクヴィに長年資金提供している! 政治的に超正しいウイキペディアによれば“2005年の時点で、モスクワのこだまは、同社の株の66%を保有するガスプロム・メディアに過半数を所有されている”。ガスプロムの大半をロシア国家が所有していて、エホー・モスクヴィの大半がガスプロムに所有されていれば、エホー・モスクヴィは、基本的にクレムリンに資金供給されていることにならないだろうか? オスタシコが指摘している通り、現実は更に酷く、エホー・モスクヴィは一番目立つ例で、ロシア国内では実に多くの親欧米マスコミが直接間接にロシア政府に資金提供されている。

 そこで、単純な質問をさせていただきたい。オスタシコは、プーチン本人を含め、ロシア当局より情報に通じていると思われるだろうか?

 もちろん、そんなことはない! すると、ここで一体何が起きているのだろう?

 この疑問に答えを試みる前に、もう一つの興味深いロシアのニュース、ミハイル・ハジンによる最近の記事“プーチンを打倒するための第五列の手段としての年金改革”(原題“公正な年金制度について”) のストーカ・ゾーン・ブログのオリー・リチャードソンと、アンジェリーナ・シアールの翻訳による(ここと、ここにも投稿されている)ものを見てみよう。再任されて以来、メドベージェフ政権が一体何を狙っているかについて興味深いことを明らかにしているので、記事全文をお読み願いたい。私がここで引用したいのは、ミハイル・ハジンの結論だ。(強調は筆者による)

    言い換えれば、この改革丸ごと、全くのたわ言、国民(社会)と当局との関係を破壊することを狙った政治的冗談だ。この具体的な狙いは、ロシア人リベラルが“欧米”グローバル・プロジェクトの上級役員連中から、するよう命じられているプーチン打倒だ。この改革は、そういうもとして我々は扱うべきなのだ。良いことであれ、悪いことであれ、経済改革とは無関係だ。経済改革ではなく、政治策謀なのだ! そして、ここから、我々は始めなければならない。

 一体何が起きているのかを説明した後、ハジンは、更に、一体どうしてそうした作戦が可能なのかをあからさまに説明している。

    次は、マスコミだ。90年代末-2000年年代始め、事実上、全てのリベラルでないマスコミは死に絶えたことを理解しなければならない。完全に。そして、もちろん、リベラルではないジャーナリスト全員、事実上、完全に死に絶えた(社会主義時代からのごく僅かのマストドンしか残っていない)。ジャーナリズム学部で育った若者は概して完全にリベラルだ。連中は、2000年代中期には多少抑圧されていたが、メドベージェフが大統領の座について以来、連中はまたもや活発になった。だが、そこで、“党と政府政策 ”を反映していない、あらゆることで国家を攻撃することが始まったのだ。そして、たまたま、ロシアには、主にリベラル・ジャーナリストを雇用する多数の“愛国的”刊行物が存在することになった。えも言われぬ光景だ。これらのジャーナリストは(彼らが読んでもいないレーニンの思想に厳密に従って)自分たちの主要課題は、“彼らの連中”つまり、ネムツォフ、ナワリヌイ等々、リベラル資本家を支援し、“残虐なケー・ジー・ビー”を傷つけることだと考えているのだ! 彼らは政府政策をできる限り宣伝し、そこでプーチン個人を利用して、国民を適切にいらだたせるのだ。これが、リベラル勢力の政策による結果というだけでなく、こうしたこと全てを奨励する閣僚連中や法執行機関幹部をその職につけた大統領の明確な過ちであることを説明するのに、毎回、何か非常に不快な話題を報じることが必要だ(総合病院や診療所に行く途中で、いかに老人男性が亡くなっているか、大家族から子供たちが、いかに奪い去られているか、幹部や司祭が、妊婦および/あるいは幼い子供を、連中の粋な自動車で、いかにはねているか)。

 驚くべきではなかろうか? これはプーチンを打倒する企みで、しかもそれを(偽)愛国マスコミが報じているのだ。プーチン本人はどうなのだろう? 彼はなぜ対策をとらないのだろう? ハジンはこう説明している。

    そもそも、もしこの“アウゲイアス王の牛小屋”掃除を始めれば、連中がその特権を決して自発的に手放すことはないので血を流す羽目になることを理解しているのだから、もちろん大統領は悪い。だが最も重要で、これが本質なのだが、現在、リベラル・ロシア・エリートは、プーチン排除という政治課題を設定しているのだ。連中が一体なぜこうすることに決めたのかは興味深い疑問だ。もしプーチン本人やリベラルが皆根っから同じなら、この課題は愚劣で無意味だ。明らかに自殺行為だ。だが、もし彼がリベラルでなければ(政治的リベラルではないというのが、おそらく正しかろう)、もちろん、この活動は道理にかなっている。だが同時に、もっぱらプロパガンダ目的から - 国民はリベラルを憎悪しているので、政治的リベラルというレッテルを彼に貼り付けることが必要になる。

 ここで、全てをまとめて全容を明らかにしよう。政府内部に欧米寄りの(実際は、欧米が支配する)派閥が存在しており、(圧倒的多数が“リベラル”経済政策に反対し、リベラル・ロシア人エリートを軽蔑している)ロシア大衆に不人気にして 明らかに彼が好んではいないリベラル経済政策を常に彼のせいにして (2005年に、そのような政策には断固反対であることを彼は明言している)プーチン打倒を企んでいる連中に、彼らが資金を供給しているが、いわゆる“愛国的マスコミ”はそういうことを全て隠蔽している。しかもプーチンは、血を流すことなしには、これを変えることができないのだ。

 だが議論のために、プーチンは実際、内心リベラルで、彼は“ワシントン・コンセンサス”風の経済を信じていると仮定しよう。たとえ、これが本当でも、彼は何よりも92%のロシア人が、このいわゆる“改革”に反対していることを認識すべきだ。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官が、プーチン本人は、この計画とは無関係だと発言しても、実際には、この過程は、ロシア国民や政治運動との彼の政治的イメージを傷つけてしまう。こうした計画の直接の結果として、ロシア共産党は、このプロジェクトに対する国民投票を主張しており、“公正ロシア”党は現在、政府全体不信任の署名を集めている。明らかに、途方もない規模の政治闘争が起きつつあり、伝統的にむしろ冴えないプーチンへの国内の反対運動が(CIAが支援し、および/あるいはソロスが資金提供する、ちっぽけな“NGO”ではなく、主要な政治運動や政党について私は話している)が、今や遥かに断固とした形の反対派へと変身しつつある。約一カ月前こう書いて、私はそれを予言していた

    “新たな形のロシア反政府派が、ゆっくりと形成されつつあるのは明らかに見える。そう、実際それは常に存在していた - プーチンとロシア外交政策を支持し、メドベージェフやロシア内政に不満な人々について私は語っているのだが。今や、帝国に対するプーチンの姿勢が穏健すぎると言う人々の声は強まるばかりだ。クレムリン内部の甚だしい度合いの身内びいきや寵遇(またしても、元スポーツ大臣ムトコは絶好の例だ)について語る意見と同様に。過激な親欧米リベラルが、そういう非難をしても、その影響力はごく僅かだが、愛国的で、国粋主義の政治家(例えばニコライ・スタリコフ)によって非難されると、全く異次元の規模になる。例えば、宮廷道化師ジリノフスキーと、彼の自由民主党はメドベージェフを忠実に支持しているが、共産党と公正ロシア党は違う。クドリンやメドベージェフのような連中を巡る緊張が何らかの形で解決されない限り(あるいはtimely scandal?)、ロシア国内で、帝国によって動かされているものではなく、本当の反政府運動の拡大を目にすることになる可能性がある。もしプーチンの個人的支持率が低下し始めたら、そのような本当の反政府派の出現に対応するために、彼は一体何をするべきなのかを考えるのは興味深いことだ”

 クレムリン内に、本当の第五列問題があるのを頑迷に否定する連中は、こうした“リベラル”の行動おかげで、メドベージェフ政権の政策に反対するほど、プーチン本人に反対ではない、愛国的な反対派が、次第に出現しつつあることに気がついた際、耳の痛い警鐘を受けることになろう。なぜプーチンに反対しないのだろう?

 大半のロシア人が、本能的に一体何が起きているか感じており、反プーチンの力が機能しているということだけでなく、この状況が、いかにして、なぜ作り出されたのかも理解しているからだ。しかも大半の欧米人とは違って、大半のロシア人は、非常に重要な形成期の1990年代に、一体何が起きたのかを覚えている。

 問題の歴史的根源(極めて大まかな要約)

 これはすべて、ソ連エリートが、自分たちが状況を制御できなくなっていて、何かなすべきであることに気がついた1980年代末に始まった。連中がしたことを要約すれば、こうしたエリート連中は、まず国を、こうしたソ連エリートが構成する一団/党派が支配する15の個別領地に分け、それから連中は、あらゆる価値あるものを情け容赦なく強奪し、一晩にして億万長者になり、連中の財産を欧米に隠したのだ。完全に破壊された国で、信じられないほど裕福になったことで、連中は国のあらゆる資源を更に搾取し、奪い取る、途方もない政治権力と影響力を得た。ロシア自身(と他の14の旧ソ連共和国)は本格的な戦争にも等しい言い表せないほどの悪夢に苦しみ、1990年までに、ロシアは、より多くの小さな断片(チェチェン、タタールスタン等)に分裂した。それまでに、ロシアは、無数のアメリカ人‘顧問’(現在のウクライナ同様に、彼らの何百人もが、多くの主要省庁や様々な国家機関内部に事務所を構えた)が勧める全ての経済政策を従順に実行し、ロシアは親米分子が草稿を書いた憲法を採択し、国家のあらゆる重要な地位は、欧米の手先としか呼びようがない連中に占拠された。一番上のエリツィン大統領は大半飲んだくれており、国は7人の銀行家、いわゆる“オリガルヒ” (うち6人がユダヤ人)によって動かされていた。“セミ・バンキルシチナ”だ。

 この時点で、極めて位が低く、(極めてリベラルな)サンクト・ペテルブルク市長(アナトリー・サプチャーク)のために働いたプーチンは、秩序の見かけこそ回復するが、オリガルヒにとって、本当の脅威にはならない下級官僚に過ぎないと、こうしたオリガルヒ連中に思い込ませるのにロシア治安機関がまんまと成功したのだ。この策略は機能したが、実業界支配エリートは、自分たちの権益を維持するため、“連中の”人物、メドベージェフを、政権支配者にするよう要求したのだ。オリガルヒは、二つの点を見過ごしていた。プーチンは実際(対外諜報機関)KGBのソ連国家保安委員会第1総局超エリートで、才気ある将校で、本物の愛国者だ。しかも、エリツィン政権を支持するべく成立した憲法を、今やプーチンが利用できるのだ。だか何にも増して、サイズの合わない背広を来た小柄な男が世界で最も人気ある指導者の一人に変身するだろうとは、彼らは想像できなかった。私が何度も書いている通り、プーチンの当初の権力基盤は治安機関と軍隊で、彼の法的権威は、憲法に由来するが、彼の *本当の*権力は、極めて長い歴史の中で、初めて、本当に自分たちの利益を代表する人物が最高指導者だと感じたロシア国民から、彼が得ている計り知れない支持に由来している。

 そこで、プーチンは、ドナルド・トランプがホワイト・ハウス入りするやいなや出来ていたはずのことを実行したのだ。彼は大掃除をしたのだ。彼はすぐさま、オリガルヒ対策を始め、セミ・バンキルシチナ支配を終わらせ、ロシアからのお金と資源膨大な流出を止めた。更に、“垂直的権力”(国に対するクレムリンの支配)再構築を進め、ロシア丸ごと、基盤(地域)から再構築を始めた。だがプーチンは大いに成功しているとは言え、全ての戦線で同時に戦って、勝利することはできない。

 率直に言って、彼は実際、戦うと決めた大半の戦闘で勝利しているが、勇気や意志が欠如しているためではく、極めて危険な敵連中が完全に支配している極端に酷い体制をプーチンが受け継いだという客観的現実ゆえに、戦うことができない戦闘もあるのだ。上述のハジンの言葉を想起願いたい。“もし彼がこの“アウゲイアス王の牛小屋”清掃を始めたら、彼らは特権を決して進んで手放さないのだから、彼は流血が避けられなくなるだろう”。それで典型的なプーチン手法で、彼はいくつもの取り引きをまとめている。

 例えば、ロシア政治への介入を止め、今後は納税し、基本的に法に従うことに同意したオリガルヒ連中は、投獄されたり、没収されたりしなかった。警告のメッセージを理解した連中は、普通の実業家(オレグ・デリパスカ)として活動することを許され、理解しなかった連中は、投獄されるか亡命した(ホドロフスキー、ベレゾフスキー)。だが、こうした有名で、悪名高いオリガルヒより下の水準を見ると、遥かに深い“沼地”(アメリカの表現を利用すれば)がある。1990年代にその財産をなした階級の連中全員、現在極めて影響力があり、経済、金融界や、実業界で大半の主要な地位を支配し、プーチンを徹底的に憎悪し、恐れている。連中お好みの兵器は、もちろん賄賂と影響力なので、軍隊や治安機関内部にも、連中の手先はいる。そして、もちろん彼らは、ロシア政府内に、連中の権益を代表する連中を擁している。まさにメドベージェフ政権の“経済圏連中”丸ごとだ。

 これら連中には、いわゆる“親ロシア”あるいは“愛国的”マスコミを含め、ロシア・マスコミ内に、お雇いの代理人がいても、驚くべきことなどあるだろうか? (私は少なくとも2015年以来、これを警告してきた)

 欧米でと同様、ロシアでも、マスコミは、何よりもまず、金がたよりだ。巨大金融権益は連中の狙いを推進するのに、ある種の話題を隠したり、見えにくくしたりする一方で、違う話題を推進し、マスコミを活用するのが極めて巧妙だ。ロシア・マスコミは、WTO/WB/IMF/その他の政策を徹底的に支持するのに、決して、イスラエルや、主流TVの猛烈な親イスラエル宣伝屋(ウラジーミル・ソロヴィエフ、エフゲニー・サタノフスキー、ヤコフ・ケドミ、アヴィグドール・エスキンその他の連中)を批判しない理由はこれだ。イランやヒズボラは喜んで批判しながら、決してロシアの主要TV局が毎日のように親イスラエル・プロパガンダを吐き出しているのなぜかと疑うことはしない全く同じマスコミなのだ。

 そして、もちろん連中はひたすらお経のように同じ呪文を繰り返している。“ロシアには第五列はいない!! 一人も!! 決して!!”

 これは“陰の政府”やアメリカ “イスラエル・ロビー”の存在を否定しているアメリカの金で買われた商業マスコミと全く変わらない。

 それでも、アメリカとロシアの多くの(大半の?)人々は、ほとんど心の底で、自分たちがだまされていて、実際には敵対勢力が自分たちを支配しているのを理解している。

 プーチンの選択肢と、あり得る結果

 悲しいかな、アメリカでは、ネオコンと連中の要求に完全に屈伏し、トランプは大惨事であることが明らかになっている。ロシアでは状況は遥かに複雑だ。これまでのところ、プーチンは大西洋統合主義者と関わり合うのを極めて巧妙に避けている。しかも過去10年ほどの間、大きな危機は全て外交政策問題に関連しており、そうした問題は依然ユーラシア主権主義者たちが支配している。最後に、ロシア政府は明らかに、いくつか間違いをしたり、いくつか不人気な政策を推進したり(例えば医療改革など)したが、否定できない成功もなし遂げている。プーチンについて言えば、彼は権限を強化し続けており、最も悪名高い人々の一部を権力の座から次第に排除している。理論的に、プーチンは、大西洋統合主義者最大の大物を賄賂のかどで逮捕させることは可能だろうが大規模で残虐な粛清はするまい。巨大であるのみならず、強力な社会階級丸ごと一掃することは出来ないのだ。

 ロシア国内の私の知人には、選挙直後の大西洋統合主義者粛清を予想していたひともいた。そこでの論理は“もうたくさん”で、プーチンは、国民から強い信任を勝ち取ったのだから、彼は、ようやくメドベージェフと彼の一味をクレムリンから追い出し、彼らを国民に人気のある愛国者たちで置き換えられるというものだ。それは、あきらかに起きなかった。だが、もしこの年金改革計画が進展し続ければ、抗議行動を引き起こすか、あるいは中東やウクライナで大規模な戦争が勃発すれば、クレムリン内の親欧米勢力は大きな圧力を受け、国の支配を、更にユーラシア主権主義者に譲り渡すことになろう。

 プーチンは極めて忍耐強い人物で、少なくとも、これまでのところ、彼は、全てではないにせよ、大半の戦闘で勝利してきた。事態が一体どのよう展開するかは誰も予言できまいと思うが、内部の紛争や権力を目指して戦っている権益集団を配慮せずに、ロシアを理解しようとするのが無駄なことだけは確実だ。1000年にもおよぶロシアの長い歴史の上で、内部の敵は、ロシアにとって、常に外部の敵より遥かに危険だった。これは将来も変わりそうにない。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/no-5th-column-in-the-kremlin-think-again/

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 「政権内に第五列もいる国」と
 「政権が第五列である国」は違う。

 第五列は、先手先手で、国民生活を破壊する。

 大量死刑の前に、未曾有の降雨被害の前に、先手先手で宴会を開く。

 戦争で武器を売って儲けるのは、大量の死傷者が前提。
 特区で宗主国資本家がカジノで儲けるのは、大量の客を負けさせるのが前提。
 大企業が残業代支払い不要になるのは、過労死推進が前提。

 いくらお経を唱えても、構造上、ギャンブラーはカジノに負ける仕組みだ。カジノが儲かりますようにと、お経を唱えるのだろうか。仏罰が怖くはないのだろうか。

 人の不幸を前提にする事業のための、あらゆる先手先手が推進されても大本営広報部は伝えない。

 青年劇場の芝居『宣伝』を見た。

ラジオから聞こえてくるのは、勇ましい進軍ラッパと「突っ込め!!」の声。
陸軍省主催のラジオドラマに感激ひとしおの市井の人々。
好評に気を良くした陸軍大佐の後押しでドラマが舞台化されることになり、作家は戦地で盲目になった元兵士を訪ねるが…。

 1929年の作品高田保作。大谷賢治郎演出。氏は1972年生まれ!

 当時、これが書かれ、上演されたというのは驚異的。
 さすがに題名は、『宣伝』ではなく、『作家対作家』だったという。
 軍のプロパガンダを伝える作家と、
 廃兵の真実の声を伝える作家と。

 もちろん、プロパガンダ作家が勝利し、真実の声を伝える作家が破れた。

 プロパガンダは、当時もっぱら、ラジオ(と新聞)によっていたが
 プロパガンダは、現在もっぱら、テレビ(と新聞)によっている。

 真実を発言する方々が決して登場しない仕組みになっているのは昔も今も変わらない。

 植草一秀の『知られざる真実』2018年7月10日 (火) 記事

共産党と連携する野党第一党を創設する

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