チェルシー・マニングの客員研究員招請を撤回した恥ずべきハーバードの偽善者連中
ダニエル・ ライアン
公開日時: 2017年9月17日 12:08
RT
Susana Vera / ロイター
元アメリカ陸軍兵士で内部告発者のチェルシー・マニングがハーバード大学ケネディ行政大学院に、客員研究員として加わる予定だと発表してから二日もたたずに、大学は招請を撤回した。
言論の自由と思想の自由を支持すると主張する人々なら誰でも怒りだす理由だ。
マニング招請が公表されて間もなく、元CIA副長官、元CIA長官代理のマイク・モレルが、“有罪判決を受けた重罪犯、機密情報漏洩者を称賛する”組織の一員でいるわけにはゆかないと主張して、抗議として上席研究員を辞職した。
それから間もなく、マイク・ポンペオCIA長官が大学での講演を直前にキャンセルした。彼の口実は同じだった。ツイッターに投稿した文章で、“良心と義務”からして、マニングを客員研究員として雇用する決定を“支持するように感じられて”CIA職員たちの信頼を裏切るわけには行かないとポンペオは述べた。
CIA長官ハーバード大学ケネディ行政大学院フォーラムを辞退 pic.twitter.com/N7YKyGy9H4
- CIA (@CIA) 2017年9月15日
翌日、ハーバード大学ケネディ行政大学院学長のダグラス・W・エルメンドルフが、突然事の真理を知って、マニングを客員研究員として招請したのは“間違い”で、自分に責任があると発表した。ハーバードはどれほど“様々な見解”を歓迎するかを三段落もだらだら言っていた後の矛盾もお構いなしにだ。
ハーバードがマニングを讃える意図は毛頭無かったことを人々に請け合うためエルメンドルフは大いに骨を折った。彼は単純に“多くの人々”が招請を“栄誉”と見なしているのに気がつかなかっただけで、将来研究員を選ぶ際には、もっと注意を払うと約束した。
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ハーバード、CIAに屈伏、反発を受け、チェルシー・マニングの客員研究員を撤回
はっきりさせようではないか。エルメンドルフが、色々な人々や、‘客員研究員’が一体何を意味し、何らかの栄誉を含意するかどうかについての彼らの意見を懸念ていることとは全く無関係だ。もし彼が、一体誰が、含意される栄誉に値するかについて合意を得ようとしているのであれば、選出の対象になる研究員などいなくなる。現在の全ての招請は即座に撤回されるべきことになる。
そうではない。起きたのは単純なことだ。 ハーバードのような組織は、本当は、彼らが主張している自由な思想と独立の灯火ではないから、CIAの圧力に屈したのだ。連中は金持ちや有力者のご機嫌を伺い、彼らを守るためなら最大限の努力を払うのだ。
この出来事はこれをまざまざと実証したのだ。ハーバード、そして率直に言って、大半のお仲間の大学は、学生に、当局や現状に異議申し立てをするのではなく、支配層に従うようにと教えるのだ。
チェルシー・マニングは戦争犯罪を暴露して、そのために何年も刑務所で過ごし、政府の手による拷問や虐待に苦しんだ。一方、モレルとポンペオは、いずれも、何十年にもわたってチェルシー・マニングの内部告発よりも、遥かに多くアメリカ人の命を危険にすることをしてきた、アメリカ合州国において、まず間違いなく最も犯罪的な組織を率いていたのだ。
これを言うのに、より丁重な方法も考えつけるが、実際丁重であるべき理由などない。モレルとポンペオは卑劣な、吐き気をもよおす最高位のウソつきだ。彼らのような連中にとって真実は脅威なのだ。マニングのように真実を語る品位がある人々を、彼らは恐れている。
ところがハーバードは、研究員にしたり、講演契約をしたりして、CIA長官を喜んで讃えている。
マニングの行為に激怒した振りをしているモレルとは一体何物だろう? モレルは、シリア戦争で、ワシントンの方針に従わないことの“代償を支払わせるため”ロシア人やシリア人を “秘密裏に”殺害することを公然と支持している人物だ。
"私が今CIAを支配しており、私はヒラリー・クリントンを支持しており、ヒラリーにはシリアで多数のロシア人やイラン人を殺して欲しい ":https://t.co/Ka7oSby9kk
- Christoph Germann (@Ch_Germann) 2016年8月9日
暴露するためにマニングが命をかけた、まさにその戦争犯罪をアメリカ政府がおこなっていた時に、モレルもCIAで働いていたのだ。彼が、栄誉を与えるべくハーバードに選ばれた人物だとは、一体どのような病んだ世界に我々は暮らしているのだろう?
本質的に戦争犯罪を行うのに過去に加担したり、現在加担していたりする連中の要求で、戦争犯罪を暴露した人物への招請を撤回するという皮肉は底知れない。
マニング招請が、“栄誉”という意味合いがあるがゆえに撤回された今、モレルやポンペオなどはさておき、両者とも大学からの最近の招請を撤回されていないのだから、ショーン・スパイサーやコーリー・ルワンダウスキーのような連中を、ハーバード大学は依然、喜んで称賛していると考えざるを得ない。
同じ建物内の彼を上回るウソつきは、彼のボスだったので、スパイサーは、辞任するまで、生活のために、ホワイト・ハウスの記者会見演壇でウソをつきつづけた。ルワンダウスキーは? 彼は記者への暴行で非難された、低俗で、人に性的に挑発的なことをする短気な政治工作員に過ぎない。
だが、ともあれ、ハーバードには栄誉などない。ハーバードが自由な意見交換に興味があるなどと誰も信じてなどいない。
アメリカ合州国は、自由と寛容; 報道の自由、言論の自由、思想の自由の国を自称している。ところが、国中の大学キャンパス、独立と平等の灯火を自称する組織は、益々、政治的寛容の地帯へと変わりつつあるのだ。
様々な政治見解の学生たちは、もし大学が同意できない見解の演者を招いたら、招待が撤回されるまで、抗議したり、暴動まで起こしたりすべきだと考えるようになりつつある。カリフォルニア大学バークレー校の学生はくよくよせずに生きるかわりに、右翼評論家マイロ・ヤノプルスの講演予定に抗議して、マスクを着け、火炎瓶を投げ、火をつけ、窓を割った。
言論の自由、アメリカに一体何が起きているのだろう? “私はあなたの意見には 反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る”のは一体どうなったのだろう?
@ハーバード客員研究員😌としての招請を取り消された性転換女性第一号となる栄誉にあずかった @ciaの圧力で 😎🌈💕、連中は、のけ者にされている意見を冷たくあしらった #WeGotThishttps://t.co/7ViF3GaSec
- チェルシー・E・マニング (@xychelsea) 2017年9月15日
ハーバードは馬脚をさらけだしたのだ。CIAプロパガンダを売り歩く連中のためなら喜んで堂々擁護するが、政府の犯罪を暴露するのに大変な大胆さと勇気を見せた人物からは逃げ去る組織だ。エルメンドルフは学生に何という授業をしてくれたことか。
ハーバードの決定は卑劣で、浅ましいが、決して謝罪など期待してはならない。ハーバードは、支配層を支え、連中が完全に満足しているのを証明したばかりの現状をそのまま維持する卒業生を送り出し続けるのだ。しかし、少なくとも連中はもはや知らんぷりはしない。
マニング招請の撤回で、ハーバードが決してマニングを讃えるつもりがないことを証明するため、エルメンドルフはあらゆる苦労を惜しまなかった。だが彼女こそ栄誉に値し、ハーバードの臆病者連中は恥じるべきなのだ。
ダニエル・ライアンはアイルランド人のフリーランス・ライター、ジャーナリスト、マスコミ評論家。彼女は、アメリカ、ドイツ、ロシアやハンガリーなどに広く暮らし旅している。彼女の署名入り記事は、RT、Nation、Rethinking Russia、BRICS Post、New Eastern Outlok、Global Independent Analyticsや他の多くに掲載されている。彼女はコピーライティングや編集プロジェクトでも働いている。TwitterやFacebook、あるいはwebsite www.danielleryan.netをフォローする。
本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。
記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/403602-chelsea-manning-fellowship-harvard/
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一流大学のあきれる姿。かれらと価値観が同じ連中が完全属国を完成しつつある。
孫崎享氏のメルマガ、属国酷民の実情を指摘しておられる。
夢遊病者か。日本国民は。日本を攻撃するノドンを、日本攻撃できないように攻撃することは出来ないのです。200発―300発実戦配備。これ数発破壊できたとしても残りで反撃される。こんな単純な論理が理解できない。
大本営広報部洗脳番組を見続け、紙媒体を読んでいれば、ゆでがえるができる?
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コメント
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北のミサイル発射は2日前には判っていたらしいです。
って事は、やはり事前に打ち合わせてのパフォーマンスである可能性が高いという事でしょうか。
そうでもなければ、臨時国会冒頭の衆院解散を凶行できる訳がありませんからね。
それと、この21日からはTPPの東京会合が開かれる訳ですが、北の脅威が本当に深刻なものだったら、参加国の交渉官たちといえども流石に恐れて来日する訳がありません。
どんだけ国民を馬鹿にしているのかって話です。
この分から行くと、北が本格的に軍事行動を執るのは東京五輪が終わってからでしょう。
そして翌年には第三次世界大戦が予定されているのでしょう。
ところで前原は、やはり隠れ自民でしたね。
この期に及んでもまだ、と言うより、今度は日本共産党どころか野党共闘自体を否定し始めましたよ。
つまり奴は最初から安倍政権の延命を支える為の後方支援要員だったという事です。
こうなりますと、奴を担ぎ上げた民進党の原口や篠原たちも最初からグルだったという事になりますね。
原口は地元の講演会などでは「敵は自民党ではなく、〇〇なのです」とか何とか、解ってる風な事を語っていた様ですが、あのセリフは我々を欺く為のパフォーマンスだった?それとも前振りの「敵は自民党ではない」という部分だけが本音だったという事?
もし「そんな事はない」というのなら、前原に野党共闘をさせてみせてほしいものです。もちろん日本共産党も含めてね。
篠原に至っては、あれ程TPPの問題点について語っておきながら、TPP推進派である前原を支持するなど、呆れるばかりです。
玉木も「加計問題は語らぬ」宣言。つまり安倍政権延命路線という事で前原に従う事に決めたという事になります。
どいつもこいつも腐りきってますなぁ。
もはや選挙の結果は目に見えているでしょう。
民進党が自民党の補完勢力というか、維新、たぬきファ、に次いで第四自民となったとあれば、ワザワザ民進などに投票する理由が無いですから、民進党は泡沫政党にまで縮小する事でしょう。
そして安倍の完全独裁が完成し、改憲要件を更に緩和、国民投票を省くという暴挙さえ、視野に入ってきます。
改憲の目的は軍事に関する事は勿論ですが、TPPなどの植民地条約でISD条項が憲法に抵触しない様にする事と同時に国民が後でヤバさに気づいて騒ぎ立てるのを鎮圧するのが目的です。
(この場合の植民地というのは、大国対小国というのではなく、相手はディープステートであり、押し寄せてくるのはグローバル企業とグローバル資本家、投資家どもであり、その餌食になるのが我々底辺に生きる大多数の各国国民なのです。)
もはや、この国に未来はありません。
投稿: びいとるさいとう | 2017年9月19日 (火) 22時02分