言論を支配するため、作り話が利用される
2017年5月25日
Paul Craig Roberts
何年も前、ジェームズ・ジーザス・アングルトンの話を聞いて、諜報機関として、関連づけられたくない暗殺なり爆発なり他の事件をうまくやりおおせた際、CIAなどの諜報機関は、他のいくつかの話と一緒に、事前に準備しておいた作り話を素早く押し出し、言説を支配するのに、マスコミを利用するのだという印象を私は受けた。“サウジアラビアが9/11を実行した”という新たな作り話は、擦り切れてボロボロになった最初の作り話の代わりとして使われているのではと下記記事で私は示唆した。「サウジアラビアの9/11関与は、詐欺の一環なのだろうか?」 http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/20/is-the-saudi-911-story-part-of-the-deception-paul-craig-roberts/ 英語原文 日本語訳文
オズワルドがJFK暗殺をした作り話が、大いに疑惑を招くと http://www.paulcraigroberts.org/2017/05/24/jfk-100-paul-craig-roberts/、日本語訳文別の作り話がマスコミに登場した。一つは、彼が連中の売春婦と不倫をしたので、マフィアがJFKを殺害したというのだ。
そんな話は全くおかしいという事実にもかかわらず、多くの人々は信じてしまう。何も考えないだまされやすい人々は、ギャングは、女性を巡って、アメリカ大統領を暗殺するような危険はおかさず、他の女性を手にいれるだろうとは思いもしない。ロバート・ケネディ司法長官が、猛烈な勢いで、マフィアを告訴するようになるのが、マフィアにとって、一番いやなはずだ。
別の作り話はカストロがやったというものだ。これは、更につじつまがあわない。JFKは統合参謀本部/CIAのキューバ侵略計画を拒絶し、CIAによるピッグズ湾侵略への上空援護を拒否していた。JFKがカストロの暗殺対象者リストに載っていなかったのは確実だ。
別の作り話は、リンドン・ジョンソンが、ケネディ暗殺の黒幕だったというものだ。私が書いたように、さもなければ、アメリカ軍や治安機関に対するアメリカ国民の信頼を破壊することになるので、どの大統領でも、そうしただろうように、LBJが、統合参謀本部/CIA/シークレット・サービスのJFK暗殺策謀を隠蔽したことは疑う余地がない。ウォーレン委員会やマスコミや議会も、そうしたように、最高裁長官も策謀を隠蔽した。
“ジョンソンがやった”という話は、あらゆるものの中で最もばかげている。副大統領の個人的野望だけのために、統合参謀本部、CIA、シークレット・サービス、最高裁長官、議会とマスコミが、大統領殺害と隠蔽に参加するはずがない。副大統領の個人的野望というだけの理由で、副大統領が大統領を殺害するのを、これほど多くの強力な機関が許すだろうなどという発想はばかばかしいどころではない。
作り話と言えば、マンチェスター爆発に関するニューヨーク・タイムズへの情報漏洩で、我々が目にしていることも、そうではあるまいかと私は疑っている。漏洩の唯一の狙いは、政府説明を根付かせることだ。イギリス政府が情報漏洩について文句を言っているのは、漏洩の狙いを誤魔化すのに役立っている。
話を事前に用意しておくことで、他の言説を締め出すことが可能になる。政府は、9/11の警告を全く受けていなかったと主張しながら、誰が実行犯か即座にわかり、政府説明が定着したことを想起願いたい。パリ事件、ニース事件、ボストン・マラソン爆発も同じで、他の全てもそうだと思う。
当局は、実行犯連中の氏名とともに、説明を即座にひねりだす。読者お好みの表現を選択願いたいが、実行犯なり、スケープゴートなり、とされる連中は常に死亡し、自分たちが実行したのではないと否定したり、誰にやらされたのか話したりできなくなる。思いつく唯一の例外は、ボストン・マラソン爆発に関係しているとされる弟だ。二人の警官が彼を射殺しようとしたが、彼は不都合にも命をとりとめてしまい、以来消息は全く不明だ。でっち上げ裁判として、法廷は、彼のかわりに自供した弁護士を任命し、陪審員はその弁護士の自供に基づいて、有罪判決をした。
オズワルドは、警察が彼を訊問する前に、ジャック・ルビーに射殺された。銃を持った私人が、警察で、オズワルドを至近距離で銃撃できる場所にい合わせたことへの説明は皆無だ。オズワルドが弁明を許されていなかったのは明らかだ。そして彼以降のスケープゴートもそうなのだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/05/25/cover-stories-used-control-explanations/
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大本営広報部、モリ・カケ疑惑をとぼけるタヌキ・キツネの言い分ばかり。
メシトモが、官邸の主張を代弁する昼の痴呆番組。顔ぶれを見た瞬間、まず音声を消す。
内容のない集中豪雨呆導、現代版治安維持法、共謀罪隠蔽が狙いだろう。
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