ロシア、トルコ、イスラエル、新たな勢力均衡
2016年10月25日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook
もし自然が真空を忌み嫌うのであれば、地政学はましてそうだ。欧州連合という誤った名前で呼ばれている機能不全の構造を離脱するという、イギリス国民の大多数による投票は、遥かに深く、より地殻変動的なものの症状なのだ。まるで巨大なダムが決壊し、洪水が世界を変えつつあるかのようだ。ダムは、アメリカ政府の無敵さで、世界唯一の超大国、世界覇権国たるアメリカ合州国は、世界の流れを必死に押しとどめようとしているのだ。アメリカ・グローバル・パワーの急激な衰退で産み出された真空に、世界中が対応しつつあるが、最も驚くべきものは、おそらく、ウラジーミル・プーチン、ビビ・ネタニヤフと、誰あろう、レジェップ・タイイップ・エルドアンとの間での明白な協約だ。
国際的進展の早いペースと、近年-とりわけ、2001年9月以来そうなのだが、アメリカ合州国が、前向きで建設的な圧倒的な指導力を示し損ねていることが、アメリカ政府や、それを支配するオリガーキーが連中最悪の悪夢と見なすもの、アメリカの世紀の終焉を急速にもたらしつつある。
4月のアメリカ大統領によるイギリス国民に対する残留しろという“命令”にもかかわらず、Brexitで、今やアメリカの命令に反抗することが可能であることが示された。今やロシア、イスラエルと、誰あろう、トルコが、ヨーロッパ向け天然ガス・パイプライン、シリア紛争を終わらせる上で、トルコによる、ダーイシュに対する政治的、軍事支援を止め、三国間での協力と諜報情報の共有など、広範な戦略的問題について、新たな協力を構築するための三カ国対話を開始している。昨年11月に、トルコ戦闘機がロシア戦闘機をシリア領空で撃墜し、エルドアンが謝罪を拒否し、そのような交渉は全く不可能と思われていた。
ここ数ヶ月、アメリカのジョン・ケリー国務長官とジョー・バイデン副大統領が、少なくとも、ロシアのガスプロムに対するトルコの大きな依存に置き換えるための、イスラエルのリバイアサン・ガス田からの大量のイスラエル沖合ガスを手にいれることも視野にいれてイスラエルとトルコに国交を再開させる説得に深く関わっていた。
6月のイギリス離脱投票から数日後、イスラエルとトルコが両国は和解合意に達したと発表した。六年間の反目の後、イスラエルとトルコの間で完全な正常化が復活したのだ。諜報および安全保障上の協力、合同軍事演習と、エネルギーと国防への投資は、包括的な合意の一部だ。
イスラエル諜報機関に近いオンライン・ブログ、DEBKAfileによれば、新たな合意は、オバマ政権に、ヒラリー・クリントンと、デービッド・ペトレイアスに大いに愛されていた悪名高いムスリム同胞団テロリスト・カルトを追い込むことを狙った、イスラエル、トルコ、エジプトとヨルダンが参加する同様な協定の、より上位の狙いの一部だ。私の最新著書、『The Lost Hegemon: Whom gods would destroy』の中心であるムスリム同胞団は、1950年代初期以来、CIAと密接に結びついており、アフガニスタンのムジャヒディン 1980年代の、ビン・ラディンのアルカイダ、シリアのヌスラ戦線や、ダーイシュやISISを産み出した母体だ。連中は、今どき至る所にいるようだ。
イスラエル-トルコ合意の核は、トルコが、イスラエルのリバイアサン・ガス田からの沖合ガスを、相当な量、購入するという条項だ。
スープに入ったヒグマ
ジョン・ケリーは、イスラエル-トルコ国交回復仲介に必死だった。トルコが発表したばかりの協定をまとめるため、6月26日にネタニヤフをローマに呼びつけた。アメリカ政府の動機は平和的なものとは程遠い。連中は、トルコ用に、現在、トルコの総ガス消費の60%を占めるロシア・ガスを置き換えるイスラエル・ガスが欲しいのだ。そして、五年も費やしている失敗した戦争から逃れている地政学的な宝シリアを使って、中東ガスと石油のパイプラインを、アメリカが支配するのを可能になるよう、バッシャール・アル・アサドに対する戦列に、イスラエルにも、トルコと共に加わって欲しいのだ。
トルコとイスラエルがからむ新たな進展を知った際のジョン・ケリーの恐ろしい蒼白な無表情な顔を想像願いたい。エルドアンは、イスラエルに促されて、2015年11月のロシア戦闘機撃墜を、ロシアに公式謝罪し、ロシアと殺害されたパイロットの家族に対する賠償を支払うことに同意したと報じられている。エルドアンは思いもよらないことをしたのだ。彼は公式に謝罪し、外交関係を回復する為、ロシアの全ての前提条件を飲んだ。古からのニューヨークの表現で、スープを台無しにする、ちょっとしたものを意味する“スープに入ったハエ”という言い方がある。ケリー、アメリカ政府と、それを動かしているオリガーキーにとって、プーチンは、アメリカの中東スープに入った巨大なロシア・ヒグマになってしまったのだ。
トルコ謝罪、ロシア対話を開始
イスラエル-トルコの和解合意と同じ日、ロシア大統領報道官のドミトリー・ペスコフが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、ロシア ウラジーミル・プーチン大統領に、ロシア戦闘機を撃墜して“申し訳ありません”というメッセージを送ったと発表した。エルドアンは、死亡したパイロットの家族に“心からのお悔やみ”を述べ、“許しを請うた”。トルコは賠償金の支払いにも同意した。トルコ大統領にとって、相当な“屈辱”だった。
アメリカ政府の計画では決してないはずだが、イスラエルが和解仲介の黒幕だったと報じられている。過去数ヶ月間のロシアでの、イスラエル首相とプーチンとの次第に友好的になった一連の会合の中心だったように思われる。出現しつつある合意には、今や、シリアや、地域のガス田を遥かに越えて広がるであろう複雑で新たなロシア、トルコとイスラエルの政治連携が入っているのだ。
4月のロシアにおけるネタニヤフ・プーチン会談当時に、私が書いた通り“ネタニヤフとプーチンは、世界最大の天然ガス生産者・販売者であるロシア国営のガスプロムが、イスラエルのリバイアサン・天然ガス田に対する出資者になるという可能性を話し合った。行き詰まったイスラエル・ガス開発へのロシアの関与は、イスラエル沖合ガス事業の財政的なリスクを引き下げ、レバノンのヒズボラや、イランなどのロシアの同盟者が、ロシアのジョイント・ベンチャーをあえて標的にはするはずがないので、ガス田の安全保障を高めることになる。
“もしロシアの報告が正確なら、プーチンの中東におけるエネルギー地政学で巨大な新たな進展の前兆となる可能性があり、石油とガスの世界の中心を支配するための益々的外れな動きをしているアメリカ政府に大敗をもたらしかねない。”
これが今進展中のことに見える。もし本当であれば、これはロシアによる、これまでで最も巧みな地政学的チェスの一手だ。イスラエル・ガスを購入して、ガスプロムを追い出すという、エルドアンによる反ロシアの手から遥か離れて、ロシア、イスラエルとトルコは、今や巨大なEUガス市場に注力すべく、協力する交渉をしている。イスラエル・ガスと、ロシア・ガスの両方をトルコ経由で送ることで、シリアかイラクから石油を盗むことが必要だと感じていた必要性と無関係に、エルドアンは、トルコ・ガス・ハブという彼の夢を実現できるのだ。DEBKAfileは、以前掲載していたが、今は削除しているレポートで、プーチンとエルドアン間の合意の一部には、シリア国内でのダーイシュに対するトルコの密かな支援の停止も含まれる。
イスラエルのリバイアサン・ガス開発へのロシア・ガスプロム参加と、ロシアのガスを黒海海底を通し、トルコ経由でギリシャ国境に送るトルコ向けパイプラインと、ガスプロムとのジョイント・ベンチャーで最終的にEU市場に送るイスラエル・ガスとで、トルコとガスプロムによるトルコ・ストリーム・ブロジェクト復活と相まって、単にこの地域が既知の最大の石油とガス埋蔵量を有するがゆえに、世界で最も不安定な地域、中東におけるロシアの影響力は遙かに強くなる。アメリカの影響力が時々刻々崩壊する中でのことだ。
ロシアとトルコが和解し、イスラエル-トルコ-ロシア関係の進展が世界に明らかになって、48時間もたたないうちに、イスタンブール国際空港で、40人以上が死亡し 数百人以上が負傷した大規模自爆攻撃が起きたのは、おそらく偶然ではない。 同じ日に、ロシアのダゲスタンで、休眠状態だったダーイシュによる攻撃が復活し、チェチェンと国境を接するダゲスタンの三つの山岳地帯で、ロシア特殊部隊の対テロリスト作戦体制を宣言するに至っている。エルドアンとプーチン両者にお礼をする、ジョン・ケリー風の偽旗作戦なのだろうか? もしそうであれば、実に痛ましい。
F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/10/25/russia-turkey-israel-and-a-new-balance-of-power/
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あわてて、宗主国新大統領面会にかけつける属国傀儡。TPP推進を説得するどころか、ひどいFTAを結ばされるのが関の山だろう。
正常な知性の持ち主が支配層を占めていれば、世の中の動きに合わせて、国益のためになる方向に、変えてゆくということを、この文章も実証しているように、正常な知能の持ち主が支配層からほとんど排除されている属国の庶民には思える。
与党、官僚、御用学者、御用、労組、そして大本営広報部。「テレビ」のバカエティー番組を見ればわかるだろう。
正常な知性の持ち主が支配層からほとんど排除されている大本営広報部社員は、TPPでも、南スーダンでも、支配層の拡声器をの仕事をすることで、「たっぷり」収入を得ていると言われている。
TPPについて触れる場合、成否、行方を論じても、多国籍企業による国家主権奪取というTPPの本質に触れる大本営広報部は皆無。連中、全てTPP推進派。「成立があやうくなりますね。」という雰囲気の発言をきくにつけ、多国籍企業の手先という正体を思う。
昔の友人から、最近電話をもらった。一泊で温泉旅行に行こうというのだ。TPPの話をした際に、「代案を出せ」といったり、小池都知事マンセーだったりする、正常な知性の持ち主とは思われない連中と、二日も一緒に過ごす気力はない。そういう本当の理由はいわず、説得力100%の口実で断った。「小生が訳しているTPP関連記事リストを読め」といっても、連中読むはずはない。いや、読んでも理解できないだろう。メタボで認知症がかった男が妄想で書いていると思われるのであれば、皆様にもお読みいただきたい。大変な量だ。
正常な知性の持ち主の皆様が、この国にはまれなジャーナリズム活動をすると、深刻な経済難に襲われるというのが、余りに悲しい、この属国の現状。
楽しみにしていたIWJの年末のイベント『饗宴』、今年は見送りという。
今朝も、日刊IWJジャーナルの冒頭を引用させていただこう。
■■■ 日刊IWJガイド・ウィークエンド版「いま、本当に財政状況がピンチです・・・このままではIWJは年を越すことができません!定額会員へのご登録と緊急のご寄付・カンパをなにとぞよろしくお願いいたします!/米大統領選でトランプ氏がまさかの当選!岩上さんは今週、絶好のタイミングで田中宇氏と孫崎享氏にそれぞれ単独インタビュー!」2016.11.12日号~No.1520号~ ■■■
(2016.11.12 8時00分)
おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。
11月9日(水)に投開票が行われたアメリカ大統領選で、大方の予想を覆し、まさかまさかの勝利を収めた共和党のドナルド・トランプ氏。そのトランプ氏は昨日11月11日(金)、ホワイトハウスでオバマ大統領との初会談に臨みました。
選挙戦で過激な「暴言」を振りまき続けたのとは打って変わり、一転して神妙な面持ちでホワイトハウスに現れたトランプ氏。会談は大統領執務室で2人きりで行われ、外交政策や内政など、非常に多岐にわたる内容を話し合ったといいます。
※トランプ氏、一転和やか オバマ氏と会談「大きな敬意」(朝日新聞、2016年11月11日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJCC2JZVJCCUHBI009.html
一方日本では、昨日からTPP承認案が参議院で審議入りしました。本会議で同法案の趣旨説明を行った安倍総理は、「今後あらゆる機会をとらえ、米国ならびに他の署名国に国内手続きの早期の完了を働きかける」などと述べ、TPPの早期承認をめざす姿勢を改めて強調しました。
※TPP、参院で審議 首相「米に早期手続き働きかける」(朝日新聞、2016年11月11日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJCC35D9JCCUTFK001.html
安倍総理のこの発言は、そして与党政府による拙速なこの国会運営は、本当に理解に苦しみます。新しく米国の大統領になるドナルド・トランプ氏は、選挙期間中から「TPP反対」を繰り返し主張しており、そのため米国がこれからTPPを承認する可能性は、ほぼゼロに近いからです。
米国が批准しない条約を、日本一国だけが突出して批准しようとしているのは、いったいどういうわけなのでしょうか。いったん「指示」を受けたら、「御主人様」が変わってしまっても忠実に履行しようとする、「忠犬ハチ公」のような行動様式なのでしょうか。
トランプ氏はTPPについて過去に、「特別な利害関係をもつ奴らが、アメリカをレイプするために、この協定を結ぼうとしてきた」とまで述べています。そうなると、TPPをどの国にも先んじて承認しようとする日本は、トランプ氏にとっては「レイプ犯」ということになってしまいます。安倍総理は「日米同盟」の重要性を繰り返し主張していますが、これでは米国の新大統領の最も重要なポリシーに正面から異を唱え、喧嘩を売っているように見えてしまいます。安倍総理の外交センスはいったいどうなっているのでしょうか!? 理解に苦しみます。
この米大統領選に関しては、IWJでは今週、投開票日の前日である11月8日(火)には国際情勢解説者の田中宇氏に、そして投開票日の翌日である11月10日(木)には元外務省国際情報局局長の孫崎享氏に岩上さんがそれぞれ単独インタビューを行いました!いずれも絶妙のタイミングで行われたこのインタビューの内容は、後段の<★岩上さんによるインタビュー1週間総まとめ★>の中でふり返りを行っていますので、気になる方は先へスクロールして読み進めてください!
それにしても、安倍総理はなぜこれほどまでにTPPに固執するのでしょうか!? 結局のところ安倍総理の本性が、「保守主義者」などではなく、公正な再分配を否定して、一部の特権層にのみ富を集中し、そのあげく国の経済をボロボロに破壊してしまう「新自由主義」の信奉者だからではないでしょうか。
農産品の関税だけでなく、知的財産権、言語、さらには憲法まで空洞化させ、「米国化」してしまうTPPは、「新自由主義」の究極形態とも言うべきものです。2010年12月に設立されたIWJのこの6年間の歴史は、TPP、そして「新自由主義」との戦いの歴史であったと言っても過言ではありません。
IWJでは今、その「戦いの歴史」として蓄積してきたTPP関連の動画アーカイブを、公共性に鑑み、定額会員の方以外にもフルオープンで公開しています。
10月31日に行われたオークランド大学教授・ジェーン・ケルシー氏への岩上さんによるインタビューを筆頭に、これらの動画アーカイブをご覧いただければ、「新自由主義者」としての安倍総理の「野望」の内実が、よくお分かりいただけると思います。ぜひ、ご覧ください!そして、ぜひ、ツイッターやフェイスブックといったSNS、さらには「口コミ」で拡散してください!
※【フルオープン公開中!】TPP強行採決直前に緊急来日!「TPP協定をやる意味がわからない!」オークランド大学のジェーン・ケルシー教授に岩上安身が単独インタビュー!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/342666
※【フルオープン公開中!】食の安全から「予防原則」は排除され、ISDでは「仲裁ムラ」が暗躍する―政府がひた隠すTPPの真実!国会参考人に選ばれた岩月浩二弁護士と三雲崇正弁護士に岩上安身が緊急インタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/341954
※【フルオープン公開中!】TPP承認案が週明けにも衆院通過!? 再び「強行採決」狙う安倍政権!~「日本は遺伝子組換え食品の人体実験場になる」!? 山田正彦・元農水相が岩上安身の緊急インタビューでTPPの衝撃事実を次々暴露!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/341768
※【フルオープン公開中!】TPPで「聖域」撤廃か 自民党の「嘘」を鈴木宣弘教授が糾弾 「このままでは“限界列島”に」~岩上安身による東京大学・鈴木宣弘教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/106294
※【フルオープン公開中!】「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~岩上安身による郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/59749
このように過去の動画アーカイブを大盤振る舞いしているように見えるIWJですが、今、財政状況は本当に本当に本当に大ピンチを迎えています!昨日の本間龍氏へのインタビューの中で岩上さんも言っていましたが、このままの財政状況が続けばIWJは年を越すことができないかもしれません。
IWJはもちろん電通やワタミのような「ブラック企業」ではありませんので、スタッフは週2日はきちんと休みを取り、深夜に残業をした場合は法律にのっとってきちんと残業代の支払いが行われています。「ブラック」とも言うべき猛烈な働き方をしているのは、ジャーナリストでありIWJの編集長であると同時に、IWJの経営者でもある岩上さんただひとりです。
私は経営の内部事情まではよく分からないのですが、ここにきて、スタッフの人件費が経営を圧迫しているのは事実のようです。それでも、一昨日の11月10日には、スタッフに対して予定通り給与の振込がありました。
岩上さんは今回、スタッフに給与を支払うため、自分の貯金を崩し、IWJに対して500万円の貸付をしたのだそうです。給料日、通帳に記帳して口座への振込が確認できた時、私はほっと胸を撫で下ろすとともに、経営者として私財を切り崩してまでIWJを存続させよう、スタッフを食べさせようとする岩上さんに対し、感謝と申し訳なさでいっぱいになりました。
しかし、それでもIWJの財政状況は本当に待ったなしです。来月もさ来月も同じことが続けば、当然岩上さんの貯金は底をついてしまいます。2011年3月11日の福島第一原発事故以来、途絶えることなくずっと継続してきた東電会見の中継も、中止が真剣に検討されています。それほど今、IWJの財政状況は危機に瀕しているということです。
毎年年末に開催しているIWJ恒例のイベント「饗宴」に関しては、岩上さんは今年は「見送り」の決断をしました。正式な発表については、追って岩上さんが会員の皆様に向けてメールなどのかたちでお送りする予定ですので、今しばらくお待ちください。
しかし、我々は泣き言ばかり言っているわけではありません。岩上さんは、全スタッフに向けて、「IWJは経営的な危機にあるが、危機はマンネリを見直す大事なチャンスでもある!今回の危機を単なる危機に終わらせてはいけない。目に見える形でポジティブな変化をもたらそう!!」と、ハッパをかけています。誰もが真剣に、このピンチに臨んで仕事の見直しをすべく、目の色を変えて頑張っています!
IWJはこれからも、新聞やテレビといった既存大手メディアが堕落と凋落の一途をたどるなかで、市民の皆様が本当に必要とする情報をお伝えする「インターネット独立メディア」であり続けたいと思っています。無料サポーターの方はぜひともこの機会に一般会員にご登録ください!また一般会員の方は、サポート会員へのお切り替えをお考えください!
IWJの配信はユーストリームとツイキャスのサービスを使っていますが、中継の際はCMが入ってしまったら、画像が乱れてしまうこともあります。ですが、IWJでは会員の皆様向けに、Vimeo(ヴィメオ)というサービスを使って、きれいなかたちで動画をアーカイブ化しています。会員にご登録いただければ、いつでも好きな時に、画質のよい動画をご視聴いただけますので、ぜひ、IWJの定額会員にご登録ください!
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IWJの定額会員数はいま、5,858名様となっています(11月10日時点)。もしこの6,000名弱の会員の皆様が仮に一人一万円ずつ緊急のご寄付・カンパをお寄せくだされば、IWJはこの財政危機をきっと乗り越えることができるでしょう。たしかにピンチではありますが、皆様の支えがあれば、必ず乗り超えられると我々は確信しています!
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>まさかまさかの勝利を収めた共和党のドナルド・トランプ氏。
↑、
「まさか」
と思う人は、トランプ勝利のために何もしていなかった者たち。
こちらのブログ主さんは、ヒラリーに勝たせないために、ずっと努力をしていた。
一周してのものが多かったろうが、それでもアメリカの「反ヒラリー」たちの意欲を書きたてる一助になっていたことだろう。
それはポール氏の文を読んでいても感じられることは、たまたまなことではないと思われる。彼は日本語わからんだろうが、たまにいろいろ見ている様子が見て取れる。
必要に応じて他にも広める機会も今後出てくると思われ。
日本人のほとんどは「国際情勢に疎く」、国際情勢に疎い者は、国内情勢を見る目もたいしたことはない。
一事は万事。
自分の居る場所を弁え、自分のできることを理解し、精一杯頑張っていると、結果が付いてくることはおおい。
他の者たちの気持ちを巻き込むことが多くなり、可能性がネズミ算式に高まっていくのだから。
結果の見えないこと、ですが、
私はこのブログの存在による結果を理解しています。
今後もどうかよろしくお願いいたします。
この後もご健康で活躍されますよう、こころよりお祈りしています。
投稿: unimaro | 2016年11月12日 (土) 23時19分
私としては、ネタニヤフだけはどうしても嫌悪感を抱いてしまいます。
折角、人々がオリガーキー支配から脱却しようとしても、今度はイスラエルの台頭では、世界の本当の平和は訪れないと思います。
恐らく、後々、ネタニヤフは災いを齎すでしょう。
トランプ氏もネタニヤフとの関係を保つ方針の様で、この点だけは少々気がかりです。
取り合えず、公約である雇用やオバマケアの見直しなどは表明しており、これは評価しています。
あとは安倍晋三がトランプ氏に対して、無礼にもTPP批准を焚き付ける目的で米国を訪れる行為が気になるところではあります。
どの様な結果になるか、トランプ氏の反応によって、今後の評は変わってきますね。
それにしても、私にとって目下最大の懸案は只管TPPであります。
正直言って、10日の衆議院での可決は、覚悟はしていたものの絶望感に襲われ、今も虚脱状態で何もヤル気がおきないのですが、少しだけ書かせていただくことにします。
それと言うのも、この可決によって、「もう批准してしまってのだから仕方無い」という考えが蔓延し、TPP反対運動が萎えてしまう事こそを恐れるからです。
TPPは、その後に続くRSEP、FTAAF、日欧EPA、TiSAへの足掛かりとなるものだからこそ危険なのです。
TPPは国民生活の全てを破壊するもので、この悪影響を受けない人は1人も居ないのだという事を訴え続けなければなりません。
TPPが発効するか否かに限らず、国民生活の安全は刻一刻と脅かされています。
中でも直接、健康や命に関る問題は深刻で、食料安全保障、食品安全基準、医療、薬価、健康保険、などが脅かされる事は、かなり浸透しつつありますが、私が最も恐れているのは何と言っても水道の民営化です。
水道事業は独占事業である為、確実に利益の出る分野であり、しかも万民が生きていく上で必要不可欠なものですから、幾ら料金を引き上げられても従う他ないというところが恐ろしいのです。
現在、日本の水道は松山市以外の自治体では全て公営なので、極めて安価で提供されており、供給も安定している為、大抵の人はそれが当たり前に思っていて危機感が無い、という事が、私には恐怖なのです。
民営化とは、営利事業化なのであって、これが強欲外資の手に渡るならば、水道料金が毎年引き上げられるのは確実です。
株式会社というのは、株主投資家の利益を毎年上乗せしなければならないという宿命を負っている訳ですから、当然です。
雨水や地下水にまで料金が課される様になるでしょう。民衆に逃げ道はありません。
単純に、毎年一割づつ料金が引き上げられていったら、10年後には幾らになっているのでしょうか。
20年後、30年後、今の子供たちが社会で活躍するであろう時期には、一体幾らになっているでしょうか。
やがて全ての国有財産は企業に買い叩かれ、全ての公共サービス事業が企業に支配されたら、それは国家そのものが企業の支配下に置かれる事を意味します。
やがて国家というもの自体が消滅し、企業体が統治する地域が世界中に拡がり、それが当たり前の社会へと移行していくのかもしれません。
全ての物事を企業や投資家が決める社会というのは、想像を絶する恐ろしさがあります。
投稿: びいとるさいとう | 2016年11月12日 (土) 13時35分