アメリカは、いかにして、シリアに踏み込むことなしに、ISISを止められるか
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
2015年8月31日
隠蔽や歪曲が益々困難になり、欧米マスコミ報道でさえ、いわゆる“イスラム国”(ISIS)が、戦闘能力をイラクやシリア国内からではなく、隣接諸国からつながる補給線で、維持していることが明らかになりつつある。こうした国々には、ヨルダン、レバノン、イスラエルや、最も明白には、NATO加盟国トルコが含まれている。
ドイツの国際放送局ドイチェ・ヴェレ(DW)の報道で、ISISが確保している領土に向かう何百台ものトラックが、トルコのオンクピナルで、国境を超えて、シリアにゆくのに、どうやら、トルコ政府による監視無しで、待機している“トルコ経由の‘IS’補給路”の様子がビデオ撮影された。トルコ国境のすぐ反対側、シリアの町タル・アブヤドに、ISISが補給上、依存していることと、国境と、その内側の両方で、戦闘能力を維持する上で、そこをクルド戦士に奪還されたことの重要性を後に、TIME誌が認めた。
2015年6月のAP報道“クルド人、シリア国内のISIS補給線切断に動く”にはこうある。
日曜日、シリアのクルド戦士が、イラクとシリアのイスラム国が抑えたトルコ国境の戦略的な町のはずれを包囲し、クルド当局や活動家集団は、近くにある事実上の首都に対する過激派向け主要補給線を切断する可能性を語った。
イラクとシリアのイスラム国(ISIS)の拠点ラッカから約80キロのタル・アブヤドを奪えば、この集団は、新たな外人戦士や、補給を持ち込む直接の経路を持たなくなることを意味しよう。アメリカが率いる同盟国による、この地域に対する激しい空爆に援護されて実現しているクルドの前進も、二つの戦線を結びつけ、イラク軍がイラク国内に封じ込めようとして戦っているラッカに一層圧力をかけられよう。
アメリカ空爆は、ISISに対するクルドの前進の為だとされているが、インジルリクのアメリカ航空基地、トルコとアメリカの特殊部隊やCIAが、トルコ国内や、シリア国境沿いや、国境を越えて活動しているものを含めた軍隊を持つアメリカが、補給がシリアに届き、テロリストを待つようになる前に、ISIS補給線を遮断する為、一体なぜ、もっと多くのことをしないのか不思議に思える。
クルドとシリアの軍はいずれも、シリア国境で、彼等への補給を絶って、シリア国内のテロリスト軍をくい止める重要性を認識している。ところが、常に拡張し続ける“安全な避難場所”によって、アメリカと地域の同盟諸国は、シリア領土を切り取っていることで、クルドとシリアの軍隊は、こうした国境を確保することを益々制限されつつある。トルコもイスラエルも、こうした“安全な避難場所”で、シリア軍を攻撃して、アル・ヌスラとISISを含むアルカイダ諸派用の事実上の聖域を生み出している。
クルド人“支援”の取り組みは、第一に、シリア空域に、第二に、地上のシリア領に侵入する為の口実にすぎないように見える。60人にも足りない兵士の貧弱なアメリカ“第30師団″が、トルコで訓練されて、アメリカと同盟諸国が、長年武器を与え、訓練し、シリア国境を超えて送り込んでいる無数のテロリスと戦うよう送り込まれたのは、ISISやアル・ヌスラの勝利が、欧米の意図ではなく、欧米の愚行の結果に見せる為の取り組みにすぎない。
欧米は、いかにして、シリアに踏み込むことなしに、ISISを止められるか
古くからの軍事上の格言にこういうものがある。“軍隊は胃で行進する”。空腹の軍隊は行進できないという論理だ。この引用句を作ったとされているナポレオン・ボナパルトは、彼の軍隊が補給無しで、ロシアの奥深く入り込み、最終的な壊滅的敗北に至って、こうした言葉がいかに真実かを、自分自身直接、気がついたのだ。
同様に、ISISの戦闘能力も完全にその補給線に依存している。こうした補給線が切断されれば、彼等は必然的に敗北する。シリアと国境を接する全ての国々と同盟し、あるいはそうした国内で軍隊が活動している、アメリカ合州国にとって、ISISの補給線を切断するのは単純なことだ。つまり、もしアメリカ合州国が、本当に、ISISや他のアルカイダ諸派を打ち破るつもりがあるのなら。
アメリカ合州国は、アル・ヌスラやISISにとって、非常に重要な聖域を作り出すべく、事実上の飛行禁止空域を生み出す為に、トルコで、シリアとの国境沿いに、ミサイル防衛システム設置を支援する一方、具体的に、テロ戦士、武器や他の補給を捜索したり、阻止したりする国境監視を強化するための取り組みはごく僅かか皆無だ。ドイツのDW報道が実証した通り、トルコ国境は、危険な程、取り締まりが甘いだけでなく、明白なISIS補給部隊車列が通過する奔流を阻止する為のトルコによる取り組みは、ごく僅かか皆無で、意図的に、そうされているようにさえ思える。
最終的にダマスカスを狙い、国境を越えて流れ込む戦士と武器の奔流をシリア軍が必死に阻止しようとして、戦争で荒廃したダルアー等のシリア都市近傍のシリア国境近く、ヨルダンで似たような状況が展開している様子を、DWがビデオ撮影する可能性もある。
アメリカは一カ月でISISを止められる… そう望みさえすれば
ISISを、資金、補給、補充の戦士、武器や、必須装備から断ち切れば、連中はすぐさま、シリアとイラク軍に打ちのめされるだろう。戦士に支払う現金が無くなり、戦闘で死亡した連中に置き換わる新たな戦士がいなければ、士気は即座に低迷しよう。武器、弾薬と、燃料の絶えざる奔流がなければ、ISISや他のアルカイダ諸派は、すぐさま戦術能力を失うだろう。シリア軍が主要都市への補給線を断ち切り、テロリスト軍を兵糧攻めできた、シリア内奥部で起きたことと同様、逃亡できない戦士達は、包囲され、壊滅されよう。
明らかに、いもしない“穏健反政府派”を保護する目的で、アメリカと、地域の同盟諸国が作り出している益々あからさまな“緩衝地帯”あるいは“安全な避難場所”の至るところで、国境を確保するのを、シリアは意図的に妨害されている。こうした“安全な避難場所”が実際に果たしている役割は、ISISの補給線を無傷のまま確保することだ。ISISの補給線を脅かす能力のある、トルコ-シリア国境近くの唯一有力な部隊であるクルド人が、今やトルコ軍によって直接攻撃されている、トルコを経由して、ISISに届ける補給に対する、さなきだに、ささやかな障害は、即座に無効化されつつある。
アメリカと同盟諸国は、シリア空域に進入したり、シリアの土地に入ったりせずとも、シリア国境沿いの治安を容易に強化することで、ISISや他のアルカイダ諸派の補給線を恒久的に切断することが可能だ。アメリカが、シリアに対するミサイル防衛線を構築したのと同じ位容易に、アメリカは、あらゆる武器や戦士のISIS流入を遮断し、効果的に食い止める為に、国境検問所を設置し、トルコ国内をパトロールすることが可能だ。アメリカには可能なのだが、アメリカは、意図的にそうしない。
含意は明らかだ。ISISは、アメリカ外交政策が作り出し、意図的に永続化させているものなのだ。アメリカが、ずっと昔、そもそも、アフガニスタンの山岳地帯に、アルカイダを作り出すのに、サウジアラビアと共謀したのと同様、現在も、アルカイダや、ISISを含む、様々な再構築ブランドを利用する- 欧米の軍隊が戦うことができない戦争を戦う為に、地域の同盟諸国と共謀している。これには、公然と語られている、アメリカ為政者の本当の狙いである、シリア分割と破壊も含まれる。
シリアと同盟諸国は、北部シリアに自らの“緩衝地帯”を作り出せるだろうか? シリアで秩序を回復する取り組みでシリア国境を確保し、トルコとアメリカ両国の、シリアとクルドの戦士と交戦しようという取り組みをチェックする国連監視団を含め、国際部隊が配備できるだろうか?
“穏健反政府派”を保護するという主張で、実際には、更にISIS補給線を確保し、そこから、シリアの奥深く、作戦を遂行する為の、益々難攻不落の安全な避難場所を連中に与える北部シリアを切り取る漸進的戦略は、もし、この策謀に反撃する措置が何も講じられなければ、ジリジリと進み、シリアの領土的一体性、安定性、おそらくは機能する国家としての存在すらも犠牲にする結果を必然的にもたらすだろう。
兵站の基礎と、単純に、トルコとヨルダン国境を確保するだけで、アメリカがISISと戦い、打ち破ることができるという単純な事実は、シリアの紛争は、内戦ではなく、外国侵略なのだという事実を強調して、非欧米マスコミや、外交界によって繰り返し指摘されるべきなのだ。単純にISISのバッグを、トルコ国境でチェックするだけで、紛争にまつわるあらゆる恐怖と共に、紛争を終わらせることが可能なのだ。もしアメリカとトルコが、そうすることを拒否するのであれば、アメリカとトルコが、シリア人やクルド人を攻撃している様な攻撃をするのをためらうような、どこかの国が、国境の反対側で、チェックをしなければならない。
Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。.
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/08/31/how-the-us-can-stop-isis-without-setting-foot-in-syria/
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Tony Cartalucci、タイの情勢のみならず、トルコ・中東事情についても、鋭い分析記事を多数書いておられる。
Paul Craig Robertsのへたな記事翻訳ですら、しっかりチェックしている宗主国、戦争法案の国会議論、同時通訳と逐次テキスト翻訳との二本立てで、厳重に監視しているだろう。
宗主国の狙いから少しでも逸脱する説明をすれば、大使館から即座に叱責されるに違いない。
大本営広報部の電気媒体、紙媒体も同じではなかろうか?
そう勝手に誇大妄想をしないかぎり、異様な報道管制の理由がわからない。
TPPやら、戦争法案デモ人数。
オリンピック・エンブレムやら、長崎の海上竜巻やら、謎のOL殺人や、中学生殺人は、一切モニターはないだろう。なんでも報道しほうだい。そういう余計な報道の時間が多い局ほど、報奨金でもいただくのだろうか?逆に、意味ある報道をすると、厳重注意されたり、スポンサー引き上げが行われるのだろうと、有名作家の恫喝から、推察できる。
安保関連法案の審議で、中谷防衛大臣が「自衛隊は、劣化ウラン弾を輸送しないことをアメリカ側と『協議している』」と述べた先月の答弁を撤回し、委員会が紛糾しました。
という事実、宗主国から叱られたために、撤回したのではあるまいか?と思ってしまう。なんでも、命じられたものを運ぶのだ。限定などするな!と。
首相談話とて、宗主国にチェックいだだいたものを、日本語に訳したのだろう。
戦争法案自体、英文本文を、宗主国のご指導、確認を十分頂いて、推進しているのに違いない。
オリンピック・エンブレムは、リュージュの劇場ロゴをデザインした人物から、訴訟を起こされて、結局、白紙撤退した。
戦争法案は、残念ながら、オリンピック・エンブレムと、まったく逆に、宗主国の原案を一言一句そっくりそのままパクって、推進しろと命じられているため、撤回しようがない。
「盗作とは考えていないが、今や一般国民の理解を得られなくなった」という、オリンピック・エンブレム白紙撤回のセリフ、本来なら、戦争法案にこそ相応しい。
共産党の共産・仁比議員の質問を巡る、志位和夫委員長のTwitterをみれば、宗主国と属国という関係、自衛隊は、アメリカ軍の第二軍という状態が浮き彫り。
電気洗脳箱呆導でも、紙媒体でも、これこそ大見出しものだろう。オリンピック・エンブレムや、猟奇的殺人ではなしに。もしも、この国が属国でなく、そうした組織が、大本営広報部・大政翼賛会ではなく、ジャーナリズムであれば。
参院安保特で、共産・仁比議員、「統幕長訪米時の会談結果概要」(昨年12月)と題する内部資料を明らかに。米軍中枢との会談で河野統幕長は「(安保法制について)来年夏までには終了する」「オスプレイの不安全性を煽るのは一部の活動家だけ」などと発言。これはどういうことか。徹底究明が必要だ!
全て、宗主国の遠大な計画の一環に見えてくる。誇大妄想と思われる方には例えば下記記事をお読み願いたい。(翻訳記事ではなく、小生が随分前に書いたもの。)アルシャバブによるソマリア攻撃報道を聞いたばかり。アルシャバブについても記事を翻訳している。
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コメント
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今コメント送信しようと思ったらいきなり画面が切られ、妨害に。意図的だ。おかげで長文のコメントすべて空に。
さて、Tony/Cululicchi は優れたジャーナリスト。筆者も彼の論述が気に入り長らくFOLLOWしている。
アメリカの意図的な中東介入の分析は妥当な見解だ。
閑話休題、
参院安保特で、共産・仁比議員、「統幕長訪米時の会談結果概要」(昨年12月)と題する内部資料の配布とその質疑の動画をブログ管理人の好意で、拝見。中谷は無能な大臣だ。
まともに共産議員の質疑に答弁できず、堂々巡りの無内容な弁解を繰り返すばかり。馬鹿か?
よくこれで一国の大臣つとまるな~。国民の税金を無駄喰いするなと言いたい!!
投稿: sugiyama,hideko | 2015年9月 3日 (木) 15時39分