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2011年9月

2011年9月29日 (木)

福島: 日本、戦争を開始

アメリカを狙う巨大核兵器、起動

福島原発で、放射能を噴出する原子炉用の並外れて堅固な外部"テント"骨組。一体何に耐えられるように建設されているのだろう? 攻撃にだろうか?

Bob Nichols

(サンフランシスコ)日本は、軍事・経済上の敵に対し、六基の巨大な長期間機能する核兵器を即時運用する準備中だ。中でも主要な敵は、アメリカ合州国だ。兵器は、福島第一原子力発電所にある六基のアメリカ原子炉と古い原子炉の炉心からの放射性毒ガスだ。

福島第一原発は、概念的に、完全に兵器化され、わずか数日で現実化した。

第二次世界大戦の勝者、再建者、主人で、保護者であるアメリカによって、長らく核兵器保有を禁じられてきたが、日本は週末の間に、容易に核兵器を作れると、インサイダーに見なされていた。この積極果敢な手法は、更に独創的かつ創造力に富んだものだ。

2011年3月11日の一瞬のうちに、福島第一原子力発電所で、三基、おそらくは、六基の、巨大な原子炉が、極めて巨大で奇妙な地震と、壊滅的な津波とされるもののおかげで、装甲した定置核兵器として機能するものへと転換した。

福島第一原子力発電所の六基の原子炉は、おそらく、六基の巨大な放射性同位元素を噴出する核兵器へと変化したのだ。潜在的には、何ヶ月、あるいは何年間もの期間にわたり、約2,000発の広島の原子爆弾にも等しい量。日本の菅首相と内閣は即座に報告を受けた。

一基だけの原子炉が破壊された、チェルノブイリ原発事故とは異なり、六ヶ月たった今も、福島原発の破壊は、初日の2011年3月11日にそう言ったと同様に、日本政府が元気そうに“制御されている”と発表しているどころの状態ではない。

原子爆弾は、広島を灰塵に帰したものと同じように、1,400種以上の放射性で、極めて致命的な“同位元素”、言い換えれば、金属ウランの放射性変種を生み出す。原子炉も同じことだ。所詮、単に大幅に低速化した、非常に大規模な原子爆弾に過ぎないのだ。

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旧海軍軍艦旗 Wikipedia

今や、驚くほどの日本の創造力の結果として、制御不能の原子炉による、未曾有の核の猛威、病や大量の死亡が、アメリカ合州国を直接狙っている。まさに、本格的なアメリカ侵略と爆撃にほかならないものが、状況を逆転させる。福島原子力発電所の原子炉は、主として、日本と、ロシア、中国、韓国や北朝鮮などの近隣諸国を、六ヶ月以上、放射線で照射し続けている。“テント”が、それをすっかりひっくりかえすのだ。賽は投げられた。日本の指導部は決定を下したのだ。好きにするがよい。

VeteransTodayが知る限り、アメリカのオバマ大統領は、アメリカ合州国の全国民に対する、このすさまじい、即時の、作動中の核の脅威を食い止めるためのいかなる策も講じていない。

六基の福島第一核兵器は、アメリカ合州国西海岸に面する北日本の太平洋岸にある。福島から、サンフランシスコ、シアトルや、ロサンゼルスまでの所要時間は、宇宙にある、アメリカや他国の、宇宙ベースの兵器システムによれば、数分だ。

日本の福島第一原発の毒ガス核降下物は、不断の東風によって運ばれ、宇宙をベースとする兵器より、遥かに頼りになる。福島の破壊された原子炉から、サンフランシスコ、ロサンゼルスや、シアトルまでは、常に存在しているジェット気流では、片道4日かかり、より低層の風では、9日かかる。これは何ら新しい話ではない。2011年3月11日に福島原発事故が起きて以来、ずっとそうだった。

 

未完成の福島原発・放射能ガス・ポンプ煙突(FRGPC) のクローズアップ写真に、何百万人ものアメリカ人を汚染する、装甲され、並外れて堅牢な "テント柱"が写っている。

 

 

 

 

 

 

新味と言えるのは、日本政府、自衛軍と、連中のお気に入り企業、東京電力が、半永久的な、固定された放射能噴出核兵器(SNW)を、巨大なビル・サイズのテント、言い換えれば、兵器用コンドームで、完全に覆っていることだ。

強力な扇風機は、高放射性のウラン・ガスやエアロゾルを集め、装甲煙突を通して、直接福島第一の破壊された原発の空高く吹き上げる。そこから、放射性ガス(RadGas)は、東方、アメリカ合州国へと向かう。毒ガスは狙いが不正確なので、メキシコとカナダも危険にさらされている。兵器の飛躍的進歩で、日本は原発を最初から巨大核兵器と考えていたのだ。

結局、福島第一原発は、アメリカの攻撃型原子力潜水艦で初めて使われた原子炉を設計した兵器製造業者GE (ゼネラル・エレクトリック) が製造した、六基の炉心装置を備えた、自然のオーガニックな兵器システムと化した。今や破壊された原発は、膨大な人数のアメリカ国民を殺害し、重傷を負わせるため、徹底的に設計された巨大な核兵器と化した。

福島第一原発にいる、忠実で、決死の日本人カミカゼ作業員は、熱い放射性ガスとエアロゾルを、何十年も、あるいは、そうした兵器が破壊されるまで、いずれかの早い方までの期間、空高く吹き上げる巨大な空気ポンプを動かす、ほとんど無限の無料電力を得るため、ソーラー・パネルや潮流発電機に接続することさえ可能だ。

大統領閣下!放射性ガス発生装置を、破壊されたい。

ビルほどのサイズのテント、覆い隠され、装甲された煙突と高速空気ポンプは、アメリカ合州国を標的とする、装甲された、毒を発射する核兵器だ。

強度の放射性毒ガスが、アメリカを覆いつつあるが、それが一体いつ終わるのかは全くわからない。大統領にとっては、アメリカ合州国を守るために必要なあらゆる手段を用いる以外の選択肢はないのだ。結果的に、“検討対象外”の対策など、無いことになる。

大統領閣下、あなたの手番ですぞ。

Bob Nichols著作権所有 2011年9月16日。禁無断転載。転載時は、クレジット、および、全ての注、情報源(Sources and Notes)を明記のこと。Bob Nicholsには、d[email protected]で連絡ができる。

Sources and Notes:

    • Atmospheric dispersion of radionuclides from the Fukushima-Daichii nuclear power plant, CEREA, joint laboratory Ecole des Ponts ParisTech and EdF R&D, Victor Winiarek, Marc Bocquet, Yelva Roustan, Camille Birman, Pierre Tran, Map of ground deposition of caesium-137 for the Fukushima-Daichii accident. CEREA.enpc.fr
    • TEPCO press release video showing some construction details of the first style reactor building enclosures to be used at the Fukushima Daiichi site. See June 14, 2011 post on Atomic Power Review for CGI imaging from TEPCO showing further details. Fukushima Daiichi Reactor Building Enclosure (TEPCO.) See YouTube highlights from Tepco
    • U.S. banks ‘extend and pretend’by repeating failed Japanese loan strategy
    • So-called “Tent” Picture. Fukushima Daiichi Tent Panel on right. Really big, armored “tent”  poles collect RadGas pumps. Sep 11, 2011.
    • Battle Flag of the Imperial Japanese Army ? Wikipedia.

記事原文のurl:www.veteranstoday.com/2011/09/16/fukushima-japan-goes-to-war/

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通常、アメリカ、イギリスなどの国々の人々による納得する記事を翻訳しているが、今回は、「全く共感しない」記事。こういう意見があるという現実。

別の記事では、「核爆弾で、原発を海に落としこむ」よう要請しておられる。

属国傀儡政治家連中に、この筆者が想像される、国家自爆テロを実行する胆力、アルカイナ。そういう胆力がないからこそ、宗主国から、傀儡政治家として可愛がられる。

驚くのは、コメントの大半が絶賛であること。

風説をチェックするということで、日本政府はアサツーデーケーにネット監視を発注しているという。このサイトは対象だろうか?宗主国の方のご意見ゆえ、文句はいえないだろう。

ケインズ、資本主義の危機を糊塗する絶妙な経済政策を案出した。穴を掘り、その穴を埋めるというもの。仕事に意義があるかどうかは一切問題ではない。無意味でも、とにかく仕事を無理やり作り出すことが重要なのだ。

強大な軍事産業をもつアメリカは、「無限対テロ戦争」ループを採用している。

    • テロ組織を育成・支援しておいて、標的国家を定め
    • 徹底的に破壊し
    • 復興する。

ことの繰り返し。資金は属国からまきあげる。兵器、傭兵、復興の儲けは全て自国関連。

強大な建設業界を誇る日本は、諫早干拓や八場ダムだけではおさまらず、「原発」を進めてきた。ここで新たな大事業が生まれたようだ。「除染作業」。途方もない規模の除染工事をするのだろう。どこかに埋め、やがて、危険だといって、掘り出し、また別の場所に埋めるのを繰り返す。諫早ギロチン堤防撤去も遠大なプロジェクトになるだろう。八場ダムも、一度作って、撤去すれば、素晴らしい景気刺激になるだろう。

    • 膨大な資金と時間をかけて、原発をつくり、
    • メルトダウン大事故(これは、想定外でなく、計算外だろう)を起こし、
    • 対策として、破壊された原発の除染工事(石棺工事)
    • 汚染水浄化装置の設置・運用
    • 広大な地域の除染作業
    • 除染作業で出た汚染土壌を、運送し、埋め、また取り出す作業

の繰り返し。

東京ドーム23個分の除染作業、業界にとっては夢の商売だろう。住民の皆様が早く帰れる様にという大義名文がある。早期帰還が実現可能かどうかは全く別の話。通常の原発運用で出る放射能廃棄物の処理にさえ悩んでいる国が、なぜ、さらに膨大な廃棄物の処理ができるのかキツネにつままれたような話。モンゴルにお金をつけて差し上げるのだろうか?

あれだけ広大なロシア、いくらでも廃棄物を棄てる場所があり、実際、フランスの放射能廃棄物を商売として引き受けているというロシアが、チェルノブイリ除染をあきらめたのは、物理学的に不可能、経済的に引き合わない等、何か理由があるのではなかろうか?

土地価格が暴落したという福島県、土地買い占めが始まってはいないのだろうか?(石黒耀の小説『震災列島』で暴力団が、町ごと土地買い占めを進める話からの連想だ。

2011年9月26日 (月)

スーダンの小国分裂化: 中東と北アフリカ地図の書き換え

Mahdi Darius Nazemroaya

Global Research

2011年1月16日

スーダンは、様々な部族、氏族、民族や、宗派集団を通して、アフリカの多様性を象徴する多様性のある国民と国家だ。スーダンの統一が問題になっているのだが、国民統合や、いつの日か、アフリカ連合を経由した、アフリカ合州国の創生についても語られている。

2011年1月の南スーダンにおける住民投票が脚光を浴びている。オバマ政権は、南スーダンが、それ以外のスーダンから分離することを支持することを公式に発表した。

スーダンの小国分立化こそが、実際に危機的状況にある問題だ。長年、南スーダンの指導者や当局者は、アメリカと欧州連合によって支持されてきた。

政治的な動機によるスーダンの悪魔化

スーダンと、スーダン政府に対して、大規模な悪魔化キャンペーンが進行中だ。確かに、ハルツームのスーダン政府は、人権と、国の腐敗という点では、ひどい実績があり、何物もこれを正当化することなどできない。

スーダンに関しては、えり好み、あるいは標的を絞った非難が作動している。なぜスーダン指導部がアメリカやE.U.の標的とされ、一方、サウジアラビアや、エジプト、U.A.E.や、エチオピアを含む、アメリカが支援するいくつかの属国の人権侵害実績は、平気で無視されているのか、人は問うべきなのだ。

ハルツームは、ダルフールと南スーダンにおいて標的虐殺を犯した独裁的な寡頭政治として非難されてきた。ダルフールと南スーダンでの虐殺と不安定さに対して、意図的に焦点を合わせているのは、ハルツームが中国の石油権益と結びついていることが動機の、政治的なものだ。

スーダンは、かなりの量の石油を中国に供給している。アフリカと世界のエネルギー供給支配を巡る、中国とアメリカ間の地政学的対立関係こそが、スーダン懲罰と、アメリカ、E.U.と、イスラエル当局が、南スーダンの分離を強力に支持している本当の理由だ。

この文脈で、中国権益が攻撃されているのだ。これには、2006年10月の正義と平等運動 (JEM)民兵による、コルドファンのデフラにある大ナイル石油会社攻撃も含まれる。

スーダンにおける紛争の歪曲

ダルフールでの人道的な危機や、南スーダンにおける地域民族主義の高まりがあったにせよ、衝突の根本原因は、操作され、歪曲されている。

ダルフールでの人道的危機と、南スーダンの地方分権主義の根本原因は、経済的・戦略的権益と密接に関係している。どちらかと言えば、外部勢力が煽った無法状態と、経済的苦境こそが本当の問題だ。

直接であれ、あるいは、アフリカの代理人経由であれ、アメリカ、E.U.、イスラエルが、ダルフールと南スーダンでの戦闘と不安定の背後にいる立て役者だ。これらの外部勢力は、スーダン国内の、スーダン政府に反対する民兵や勢力を、訓練し、資金援助し、武装させる支援をしている。連中は、あらゆる紛争を、直接ハルツームのせいだとして非難しながら、彼ら自身、スーダンに入り込んで、エネルギー資源を支配するために、紛争をあおっている。スーダンを、いくつかの国家に分割するというのは、この狙いの一環だ。JEM、南スーダン解放軍(SSLA)や、スーダン政府に反対する他の民兵組織に対する、アメリカ、E.U.と、イスラエルの支援は、スーダン分割という目標達成に向けられている。

長年、アメリカ、イギリス、フランスや、全E.U.が、人道主義という口実のもとで、スーダンへの外国軍配備を執拗に要求しているのは偶然ではない。連中は国連の平和維持委託という装いの下で、スーダンへのNATO軍配備を積極的に要求している。

これは、外国軍隊の駐留の下で、外国がしつらえた代理政権によって、国家が公式、非公式に分割され、経済改革されるという、アメリカとE.U.が他の地域で用いたのと同じ手順の再現だ。これは(複数の新たな共和国を作り出すことにより)旧ユーゴスラビアでも、(弱く、地方分権化された国家を作り上げることを狙った、計画的な型式の連邦主義による、ソフトな小国分立化で)英米に占領されたイラクでも起きたことだ。外国軍と外国の存在が、国家解体と、国家的インフラ、資源、経済の外国による乗っ取りを覆い隠す働きをした。

スーダンにおけるアイデンティティ問題

スーダンという国家は、南スーダンの人々に対して、圧制的なものとして描かれているが、住民投票とスーダン政府の権限分担構造が、何か別のものとして描き出されていることに留意すべきだ。ハルツームにおける、スーダン大統領オマル・アル=バシールとの間の権限分担協定はSPLMを含んでいる。SPLM指導者のサルバ・キール・マヤルディは、スーダンの第一副大統領で、南部スーダン大統領だった。

民族性の問題が、南スーダンにおいて醸成されてきた、地域的あるいは民族-地域ナショナリズムの前面に押し出されている。スーダンにおける、いわゆるアラブ系スーダン人と、いわゆるアフリカ系スーダン人との間の溝が、外部世界に対し、南スーダン独立への呼びかけを動機づけている地域ナショナリズムの主動因として提示されている。この自己アイデンティフィケーションは、長年、南スーダン人の共通心理中に広がり、社会化されている。

しかし、いわゆるアラブ系スーダン人と、アフリカ系スーダン人の違いは、さほど大きくはない。いわゆるスーダン系アラブ人のアイデンティティは、主としてアラビア語の使用に基づいている。二つのスーダンの民族的アイデンティティは全く違うものだと、仮定してもよい。スーダンで、両方の集団が非常に混ざり合っていることは、依然として広く知られている。南スーダンと、それ以外のスーダンとの、もう一つの違いは、スーダンの他の地域では、イスラム教徒が多く、南スーダンでは、そうではないことだ。それぞれの集団は、それぞれが抱いて当然の自己アイデンティフィケーションを別にすれば、それでもお互い緊密に結びついている。とはいえ、こうした異なるアイデンティティが、現地指導者や外部勢力によって、大きくかき立てられてきたのだ。

いわゆるアラブ系と、いわゆるアフリカ系スーダン人の間の差異ではなく、スーダンのエリートによる、様々な地域の現地住民の無視こそが、南スーダンの人々と、ハルツーム政府との間の懸念、あるいは敵対意識の主要因なのだ。

南スーダンには、地域びいき問題がある

社会階層も、事態をこじらせる一因だ。南スーダンの人々は、新たな共和国を形成すれば、自分たちの経済状態と生活水準は向上すると信じている。ハルツームの政府と、南スーダン以外の人々は、南スーダン住民の経済的窮状と、南スーダンの指導部による、その相対的貧困の認知のスケープゴートとして使われてきた。実際には、南スーダンの現地当局者は、南スーダンの人々の生活水準を向上させず、国の資源・財源を権力者が私物化する泥棒政治の現状を維持するだろう。[1]

長年にわたるスーダンの小国分裂化プロジェクトと、そのアラブ世界とのつながり

実際には、スーダンにおける小国分裂化(原文はバルカン化)プロジェクトは、イギリス・エジプト共同統治スーダンにおけるイギリスの植民地支配の終焉以来、継続してきた。多くの異なる時期に、スーダンとエジプトは一つの国だった。実際には 1956年まで、エジプトとスーダンは一つの国だった。

スーダンが独立するまでは、イギリス権益に対して戦う単一のアラブ国家として、エジプトとスーダンを団結したままにしておこうという強力な運動があった。ところが、ロンドンは、それ以外のスーダンに対し、南スーダンで地方分権主義が今、機能しているのと同じようなやり方で、エジプトに対する、スーダンの地方分権主義をたきつけたのだ。エジプト政府は、現在のハルツーム同様に描かれていた。南スーダン人でない人々が、南スーダンを搾取しているかのごとく、描き出されているのと、全く同様に、エジプト人は、スーダンを搾取しているかのごとく描き出された。

イギリスによるエジプトとスーダン侵略後、イギリスは、軍隊をスーダンに駐留させておくことにも成功した。スーダンを、エジプトから分離させるよう工作しながらも、イギリスは、南スーダンと、それ以外のスーダンの間に、内部的な差異を生み出そうと工作していた。これは、イギリス・エジプト共同統治によって行われていた。カイロは、マハディストの反乱後、1899年から1956年まで、スーダンをイギリスと共有することを強いられていた。最終的に、エジプト政府は、イギリス・エジプト共同統治を合法的なものとして認めることを拒否するようになった。カイロは、イギリスに、違法なスーダン軍事占領を終わらせて、エジプトとスーダンの再統合の妨害を止めるよう要求し続けたが、イギリスは拒否していた。

スーダンが独立を宣言したのは、イギリス軍駐留下のことであった。これがエジプトから分離した、アラブ系アフリカ国家としてのスーダンの出現をもたらしたのだ。こうして、スーダンの、エジプトからの分離で、小国乱立プロセスが始まったのだった。

スーダンと中東で作動中のイノン計画

スーダンの小国分裂化は、イギリスの戦略の継続であるイノン計画にも繋がっている。イノン計画の戦略目標は、中東とアラブの諸国を、より小さく非力な国家へと小国分立ことによって、イスラエルの優位性を確保するにある。イスラエルが、スーダンに深く関与しているのは、この文脈ゆえなのだ。

イスラエルの戦略家達は、イラクを、アラブ国家からの最大の戦略的挑戦と見なしていた。これこそ、なぜイラクが中東とアラブ世界の小国分立化にとっての最重要項目として描かれたのかという理由だ。この文脈で、2008年に、アトランティック誌は、ジェフリー・ゴールドバーグの "イラク以後: 中東は一体どのようになるのだろうか?" という論文を掲載した[2]ゴールドバーグの論文には、イノン計画で描かれているものと非常によく似た中東地図と、2006年に、ラルフ・ピーターズ(退役)中佐が、米軍のArmed Forces Journalで示した未来の中東地図が提示されている。

分割されたイラクに加えて、分割されたスーダンが、地図上に示されているのは、偶然ではない。レバノン、イラン、トルコ、シリア、エジプト、ソマリア、パキスタンと、アフガニスタンも、分割された国家として表示されている。地図上の東アフリカで重要なのは、ゴールドバーグの記事用に、ホリー・リンデムが描いた、エリトリアは、アメリカとイスラエルの同盟国であるエチオピアによって占領されており、ソマリアは、ソマリランド、プントランドと、より小さなソマリアに分割されていることだ。

イラクについては、イノン計画の概念を基に、イスラエルの戦略家達は、イラクを、クルド国家と、一つはシーア派イスラム教徒、もう一つはスンナ派イスラム教徒の、二つのアラブ国家とに分割することを要求していた。これは、クルディスタン地域政府が、外国の石油会社と独自に交渉することを可能にした、イラクにおける連邦主義のソフトな小国分裂化により達成された。これを実現するための最初のステップは、イラク・イラン戦争であり、それはイノン計画の中で論じられている。

レバノンでは、イスラエルが、様々なキリスト教と、イスラム教の派閥と、ドゥルーズ派の間の宗派間対立を激化させるべく工作をしてきた。レバノンをいくつかの国家に分割することも、シリアを、いくつかの、より小さな宗派的アラブ国家に小国分立させるための手段として見なされている。イノン計画の目的は、スンナ派イスラム教徒、シーア派イスラム教徒、キリスト教徒と、ドゥルーズ派といった宗教と宗派の独自性を基に、レバノンとシリアを複数国家に分割することだ。

これに関しては、レバノン国内で、ハリリ暗殺とレバノン特別法廷(STL)が、イスラエルに有利に展開し、内部分裂を生み出し、政略的な宗派心を煽った。これこそ、テルアビブが、STLについて非常にうるさく言い、強く支援している理由だ。アメリカもイギリスも、STLに何百万ドルも与えてきたことが、STLの政治化された特質と、地政学とのつながりを明確に示している。

エジプトのコプト派キリスト教徒攻撃と南スーダン住民投票との間のつながり

イラクから、エジプトに至るまで、中東のキリスト教徒は攻撃にさらされており、シーア派イスラム教徒と、スンナ派イスラム教徒の間の敵対意識が煽られている。2011年1月1日の、アレクサンドリアでのコプト派教会襲撃や、それに続いて起きたコプト派の抗議デモや暴動は、別個のものとして見なされてはならない。[3] その後、イスラム教徒とエジプト政府に対して表現された、コプト派キリスト教徒の憤激について、も同様だ。こうしたキリスト教徒に対する攻撃は、中東とアラブ世界における、アメリカ、イギリス、イスラエルと、NATOのより広範な地政学的な狙いと結びついている。

イノン計画は、もしエジプトが分割されるのであれば、スーダンとリビアも小国分立化し、弱体化されるべきことを規定している。この文脈で、スーダンとエジプトの間にはつながりがある。イノン計画によれば、コプト派、つまりエジプトでは大きな少数派であるキリスト教徒は、北アフリカのアラブ諸国の小国分立化に対する鍵だ。こうして、イノン計画上エジプト(南エジプト)におけるコプト派国家の創生と、エジプト国内のキリスト教徒-イスラム教徒間の敵対が、スーダンと北アフリカを小国分立させるための重要一歩だとしている。

中東におけるキリスト教徒攻撃は、中東と北アフリカを分裂させることを意図した諜報作戦の一環だ。エジプトのコプト派キリスト教徒に対する攻撃を開始と、南スーダンにおける住民投票の準備期間のタイミングは偶然ではない。スーダンとエジプトでの出来事は、お互いに関連しており、アラブ世界と中東を小国に分割させる計画の一環なのだ。これらは、イノン計画と、レバノンとイラクでの出来事、および、シーア派-スンナ派の分裂を生み出す工作との関連と共に検討することが必要だ。

SPLM、SSLAと、ダルフールの民兵組織の、外部との関係

スーダンの場合と同様、外部からの干渉、あるいは介入は、国内の反対派の弾圧を正当化するのに使われてきた。腐敗しているとは言え、ハルツームは、単なる代理となるのを拒否したために、包囲状態にある。

外国軍を疑い、アメリカ、イギリスと、イスラエルを、スーダンの国家的団結を破壊しているとして非難するスーダンは、もっともなのだ。例えば、イスラエルは、武器を、スーダン国内の反体制集団や、独立運動に送ってきた。これは、エリトリアがエチオピアから独立するまで、長年エチオピア経由で行われていたが、独立後、エチオピアは紅海沿岸を失い、エチオピアとエリトリアの関係が悪化した。その後、イスラエルの兵器は、ケニヤから、南スーダンに入った。南スーダンから、SSLAの政治部門であるスーダン人民解放運動 (SPLM)が、ダルフールの民兵に兵器を渡している。エチオピアとケニヤ政府と、ウガンダ人民防衛軍(UPDF)も、東アフリカで、アメリカ、イギリスと、イスラエルと密接に協力している。

スーダンの反体制派と分離主義者集団に対するイスラエルの影響力の度合いは著しい。SPLMは、イスラエルと強力なつながりがあり、メンバーや支持者達は、定期的にイスラエルを訪れている。このおかげで、ハルツームは屈服し、2009年末に、SPLMを満足させるためイスラエル訪問に対するスーダン・パスポートの制限を撤廃した。[4] サルヴァ・キール・マヤルディトも、スーダンから独立した際には、南スーダンは、イスラエルを承認すると語っている。

スーダン・トリビューン紙は、2008年3月5日、ダルフールと南スーダンの分離主義グループが、イスラエルに事務所を開設したと報じた。

イスラエルの[スーダン人民解放運動]支持者は、イスラエルに、スーダン人民解放運動の事務所が開設したことを発表したと、今日の報道発表にある。

"ジュバのSPLM指導部と相談した結果、イスラエルのSPLM支持者は、イスラエルでのSPLM事務所開設を決定した。"と[原文のまま]テルアビブから受け取った、イスラエルのSLMP書記局が署名した電子メールの声明にある。

SPLM事務所は、地域において、SPLMの政策と構想を推進と発表している。更に、包括和平協定に基づき、SPLMは、イスラエルを含む、いかなる国においても、事務所を開設する権利を有すると補足している。イスラエルには、約400人のSPLMの支持者がいることも述べている。ダルフールの反乱勢力指導者アブデル・ワヒド・アル-ヌールは、先週、テルアビブに事務所を開設したと語った。 [5]

南スーダンにおける2011年住民投票の乗っ取り

統合アフリカや、統合アラブ世界の夢に、一体何が起きたのだろう? 全てのアラビア語話者の人々を一体化する運動、汎アラブ主義は、アフリカ統一と同様に、大きな損失を被った。アラブ世界とアフリカは、絶えず小国分裂化されてきた。

独立と東アフリカとアラブ世界の小国分裂化は、アメリカ、イスラエルと、NATOの構想の中にあるのだ。

SSLA反体制活動は、1980年代から、アメリカ、イギリスと、イスラエルによって、密かに支援されてきた。スーダンにおける新国家の形成は、南スーダンの人々の利益になることを意図したものではない。それは北アフリカと中東の支配を狙った、より広範な地政学的計画の一環なのだ。

結果として生じ、2011年1月の住民投票へと至った"民主化"プロセスは、英米の石油企業の権益と中国への対立関係に役立っている。これは南スーダンにおける本当の国家主権の損失という犠牲の上に実現されている。

Mahdi Darius Nazemroayaはグローバリゼーション研究センター(CRG)の研究員である。

注記:

[1] クレプトクラシー(泥棒政治)とは、支配階級の富を保護し、拡大し、深め、継続し、定着させようと務める政府、あるいは/および、国家のことを言う。

[2] Jeffrey Goldberg, “After Iraq: What Will The Middle East Look Like?” The Atlantic, 2008年1月/2月。

[3] William Maclean, “Copts on global Christmas alert after Egypt bombing”, Reuters, 2011年1月5日。

[4] Sudan removes Israel travel ban from new passport”, Sudan Tribune, 2009年10月3日<http://www.sudantribune.com/spip.php?iframe&page=imprimable&id_article=32776>。

[5] “Sudan’s SPLM reportedly opens an office in Israel ? statement”, Sudan Tribune, 2008年3月5日:<http://www.sudantribune.com/spip.php?page=imprimable&id_article=26251>。

付録: "新しい中東"の大西洋岸地図

注: 下記地図はジェフリー・ゴールドバーグの論文の為に、ホリー・リンドマンが作成した。アトランティック誌の2008年1月/2月号に掲載された。 (地図の著作権所有者: The Atlantic、2008年)。

Mahdi Darius Nazemroayaは、Global Researchの常連寄稿者。Mahdi Darius NazemroayaによるGlobal Research記事。

 

ご支援に熱く感謝いたします。

免責条項:本記事の見解は、著者のみが責任を負うものであり、必ずしもCentre for Research on Globalizationの見解を反映するものではありません。

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© Copyright Mahdi Darius Nazemroaya, Global Research, 2011

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22736

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「ラルフ・ピーターズ(退役)中佐が米軍のArmed Forces Journalで示した未来の中東地図」については、『血の国境 より良い中東とはどんな姿なのか』という題名で翻訳済。

今度派兵が行われる国、派兵予定ばかりテレビで宣伝されるが、来歴は一体どういうものなのかについて、他の記事が見あたらないので、今年始めの記事だが訳してみた。

jbpressの下記記事は興味深い。

スーダンでパイプライン計画を狙う日本企業 15億ドルの大型プロジェクトに名乗り

例によって、派兵の建前、一見もっともでも、本音を子細に見ると偽りで薄汚い。訪米した野田首相の背後に、アメリカ・ネオコンの走狗、長島昭久首相補佐官が写っていた。恐ろしくも不都合な真実の光景。当然、首相も内閣も、アメリカ・ネオコンの走狗だろう。

プチ帝国の権益のために、南スーダンに軍隊派兵はするが、パレスチナの国連加盟には、知らんふり、というのが、この属国の小判鮫政策。

南スーダン問題、本質は、植民地的資源利権とイスラエル優位維持の為の分離・独立。今話題のパレスチナ国連加盟問題と同根で、黒幕はアメリカ、イスラエル、ヨーロッパ、NATO。

山本太郎氏を京都のどなたかが、告訴し、検察がそれを受け入れたというのは、日本の民度、検察のレベルを暴露しているニュースだが。9/19の「さよなら原発 5万人集会」で聞いた山本太郎氏の言葉が、非常に気になっている。

いまできることは何でしょうか。先日、河野太郎さんと、お話してきました。その時におっしゃっていました。デモや署名は、政治家たちにとっては、何にも痛
くない話だと。たくさん集められた署名は、どこかの倉庫にぶち込まれるだけです。デモをしても、少し目障りだなと思われるだけです。
一番必要なのは、人々の力です。市民の力ですよ。それぞれの選挙区で、代議士の事務所に行って、プレッシャーをかけることです。その代議士が、どういう
立ち位置にいるのか。どういうつもりなのかを、はっきりさせるのです。でないと、この先は無いと思います。この先の日本は、核廃棄物の置き場になるだけだ
と思います。

河野太郎氏、「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策 (NHKブックス No.1181) の中でも、同じことを言っている。従って、河野氏は支持しない。

詭弁だろうに。自民党、民主党議員、原発推進を言うから議員になれている人々が多数だろう。そういう人の事務所に行って、意見を言ったら、行動が変わる可能性があるのだろうか?彼らのスポンサーは庶民ではないだろう。「はいそうですね」と答えられて、選挙に受かってから、有権者が裏切られても、後の祭。

民主党・自民党・公明党なりの議員に、これまで投票した人に限り「原発・TPP推進派のあなたには、今後投票しません。」と言いにゆくなら効果はあるのかも知れない?

バルカン化(上記の文中では、小国分裂・分立と訳した)ではないが、体制側は、反体制勢力を、できることなら永遠に壊滅してしまいたいのだ。まともな意見など、はなから聴く意図など皆無。一番良いのは、選挙のバルカン化。完全小選挙区と、定員削減で、うるさい野党壊滅。これは、民主党のマニフェストにもあったのでは?

民主党・自民党・公明党だけの世界になった時に、議員に正論を言いに行いけば、どういう結果になるか容易に想像がつく。戦前と同じ。愛国法・アメリカと同じになる。職場や町会等、想像できる限り至る所で、差別、弾圧されるだろう。解雇や「手と脚を手と足をもいだ丸太にして返し」てくれるようになる可能性さえある。

答えは一つしかあるまい。

一番必要なのは、人々の力です。市民の力ですよ。それぞれの選挙区で、原発・TPP推進派代議士を落選させることです。原発推進派知事・町長(例えば、福島県知事、玄海町長、佐賀県知事、北海道知事)を落選させ、リコールすることです。

それが分かっているので、それをされては困るので、今、民主党・自民党・公明党の喫緊の課題は、選挙制度改悪、憲法96条改悪なのだ。

反・脱原発の成否、残念なことに、実際は、脱安保、反選挙制度改悪、反憲法96条改悪と一体。好むと好まざるにかかわらず。民主党・自民党・公明党、選挙制度について、色々言い立て、マスコミも言い立てるが、いずれも、三党独占体制を狙っているのに過ぎない。庶民向け増税と比例議席削減という詐欺、屁理屈に耳を貸す時間は皆無。

今、悲しいニュースを読んだ。上関町長選挙で、原発推進現職が当選。映画で拝見した、祝島の反原発派のご老人たちも、がっかりしておられるだろう。

2011年9月24日 (土)

無人機という戦争技術の世界

ボリス・ヴォルホンスキー

2011年9月21日 "VOR"

アメリカの当局者は、無人機を、更に東アフリカに配備する計画を明らかにした。セーシェルのリーパー(=死神)無人飛行機基地は、2009年9月から、2011年の春まで存在していた。今、アメリカは、それを再開すると決めた。ジブチに既にある基地に加え、もう一つの基地がエチオピアに建設される予定だ。

無人飛行機を更に配備する必要性は、オサマ・ビン・ラディン抹殺後、アルカイダ・ネットワークは、陣地から、素早く散会し、アルカイダ基地が東アフリカに移動しつつあるという、ワシントンの懸念が増大していることで、説明されている。近年、イエメンは、アルカイダの主要な隠れ家と見なされてはいるが、イエメンの将来を巡っては、不安定さがあるので、テロリスト・ネットワークは、アメリカ諜報機関の制御が及ばない他の場所を探す可能性がある。

セーシェルに配備予定の無人機は、諜報監視機能を遂行するのみならず、ヘルファイア(=業火)ミサイル(各々、爆薬8kgが装填されている)と衛星誘導爆弾を装備する予定だ。

ここ最近、アメリカは、少なくとも、イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリアとリビアの6ヶ国で、テロリスト容疑者や、タイプが違うアメリカの敵に対して、無人機を使う十分な経験を得た。今や、新規基地配備と、かつてあった基地の再開とにより、東アフリカとアデン湾全域が、アメリカの無人機によって、覆われることになる。この比較的新たな種類の戦闘が行われる地域は拡張しており、一体、これに終わりがあるのかどうか、疑問に思うばかりだ。

いくつかの主要なアメリカの新聞に対する、同時の複数インタビューで、アメリカ当局者が明らかにした計画は、軍事的、倫理的、両方の観点から、憂慮すべきであり、問題が多い。過去の経験が示すように、無人機攻撃の、最も一般的で、倫理的に疑わしい結果の一つは、その無差別、無選択な性格だ。アフガニスタンとパキスタンで、無人機攻撃は、民間人戦闘員と民間人の比率を判断するのが困難な状況で、無数の民間人死傷者を生み出している…

政治的な結果も良く知られている。パキスタンと、常にアメリカの子分と見なされているハミド・カルザイが率いるアフガニスタン現政権という、この地域の長期にわたる同盟国との関係を、アメリカは台無しにしている。

提案されている、東アフリカとインド洋西部での無人機作戦に関しては、過去の経験から、別の考察を導くことも可能だ。世界中のいかなる新たな地域の、テロリスト容疑者と、その基地に対する、より緊密な監視と、攻撃の激化が、対アルカイダ戦争上、本当に有意義な成功をあげられるのだろうかについては、深刻な疑念がある。ネットワークは緩やかな構造なので、作戦や基地を、ある地域から、アフガニスタンとパキスタンが、絶えず戦火にさらされるようになった時、そうしたように、容易に、他の地域に移動できる。それゆえ、戦火を東アフリカに移動することは、テロリスト・ネットワークを更に広げるだけに過ぎない。

これら計画が明らかにしたことは、それがアメリカ軍が用いる新たな戦術で、21世紀の戦争技術の中で、最も広範に用いられる戦術となる可能性が高いということだ。無人飛行機と、例えばF-16戦闘機との違いは、前者は、実際の戦場から、何百、あるいは、何千マイルも離れた場所にあるコンピューターで操縦されることだ。これにより、米軍兵士の死傷者数は減らせるが、現地住民の死傷者数は減らせない。どのアメリカ大統領にとっても、これは疑いなく、世論上、付加的な利点であることを意味する。

しかし、一方では、こうしたこと全てが、本当の戦争(それは常に悲劇だ) を、ある種のコンピューター・ゲームへと転換し、無人飛行機操縦者が、ヴァーチャルな映像を、現実と容易に混同するように思われる。かくして、いかなる新たな戦争も、 決して、そうではないにも関わらず、たやすくゲームと化してしまうことになる。

そして、それこそ、まさに憂慮すべきことだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29177.htm

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属国は、世界最大のテロ国家や、国連なるものへ参勤交代にでかける度に、とうてい正気と思われない、大盤振る舞いのお土産を献上する。

    • 原子力の安全性を世界最高水準に高める(一体どうやって?)
    • 新興国や途上国への原発輸出を推進する
    • 侵略・攻撃用基地を維持・強化する
  • トモダチ作戦に感謝する

感謝するべきは、宗主国。

地震・津波・原発事故で、疲弊した属国から、堂々とみかじめ料をまきあげる。

トモダチ作戦への報奨金として、五年間、年1850億円の「思いやり予算」を、アメリカに提供する特別協定案が可決されているではないか。

文中にあるジブチには、日本軍として初めての海外拠点が建設されているのは、皆様御承知の通り。

原発安全神話は崩壊しても、みかじめを目の前にしながら安保神話は堅持される不思議。この属国に暮らす人々、本当に、宗主国に保護されていると思っているのだろうか。66年間「恫喝されている」と思うのならわかる。国連演説中の愚劣さの極めつけが以下。IQが異常に低いか、異常なほど悪辣な詐欺師か、いずれかでない限り、こういう暴言、思いつくまい。

  • エネルギーは経済の「血液」であり、日常生活の基盤だ。子々孫々の幸福の礎石だ。

原発の核廃棄物は、経済の「永遠の排泄物」であり、日常生活の障害だ。子々孫々の不幸の礎石だ!

本澤二郎の「日本の風景」(835)<対米従属派の松下政経塾>

2011年9月22日 (木)

ギリシャを山分け

wsws.org

2011年9月20日

国際的な大銀行のために動いている、欧州連合、欧州中央銀行と国際通貨基金は、それなしでは、ギリシャが来月破産してしまう、緊急支援資金の次回分支払いの前提条件として、ギリシャ労働者階級に対する追加緊縮政策を要求している。

ヨーロッパ各国の蔵相が、金、土に、ポーランドで会合し、既に行われた大量解雇と、社会保障削減の結果、経済が崩壊したギリシャ 赤字削減目標を達成できなかったとして、80億ユーロの支払い承認を拒否した。

ギリシャ駐在のIMF代表ボブ・トラーは、月曜のアテネでの経営会議日で、頭ごなしに命令した。公式失業率が、2008年以来ほぼ倍増し、16パーセントに近づいているが、実際の失業率は30パーセントに近いギリシャで演説し、トラーは、公共部門の仕事と賃金の一層の劇的削減、国家機関の大規模閉鎖と、即座の民営化と国営企業の売却を要求した。

ギリシャの公共部門は“極めて大きい”と文句を言いながら、トラーは、公共部門を縮小すれば、“必然的に、非効率的な国営企業の閉鎖や、極端に多い公共部門の従業員数や、公共部門の高めな賃金の削減が必要となり…”と語っている。

彼は、ギリシャ労働者階級を困窮に陥れながら、ギリシャ国有資産の焼け残り特売セールで、銀行家や大手投資家連中が得られるはずの莫大な利益に対する熱烈な待望をぶちまけている。“膨大な資金がギリシャを見つめている”とトラーは語った。“民営化プログラムは、単なる構造改革ではなく、流動性資産と資本を得るために、外国の直接投資を呼び込む方法でもある。”

ギリシャが、すぐに、いくつかの国営企業を民間ベンチャー企業に売り渡さなければ、ギリシャは“債務不履行になる”と、彼は警告した。

その準犯罪的な事業で、経済危機を引き起こし、連中を、納税者の金によっての緊急救済したことが国庫を破産させた、銀行家と投機家の世界クラブは、獲物にむらがる狼の一群の様に、ギリシャを切り刻み、社会全体の破滅を、自分達のたなぼた大儲けの好機に変えようと狙っている。

緊急援助を監督している、いわゆる“トロイカ”つまり、EU、欧州中央銀行とIMFの新たな要求に対する社会民主主義PASOK(全ギリシャ社会主義運動)政権の対応は、この方針に飛びつくことだった。ゲオルギオス・パパンドレウ首相は、日曜、アメリカ訪問をキャンセルし、緊急閣僚会議を開催し、その後、エヴァンゲロス・ヴェニゼロス財務大臣は新たな支出削減を発表すると約束した。“皆がより小さな政府を望んでいる”と彼は断言した。

様々なマスコミ報道によれば“トロイカ”が要求している施策には以下のものがある。

    • 2015年までに、更に20,000の公共部門の職を廃止し、解雇者総数を、100,000人とすること
    • 更に25,000人の労働者に影響することとなる、2010年と2011年に行われた、全ての公共部門の雇用を、遡及的、かつ即座に撤回すること
    • 国営公益事業労働者の年金と給与削減。船員と国営電話会社従業員の年金削減。全ての国家恩給を2015年まで凍結
    • 65の公営企業の閉鎖、合併の促進
    • 灯油の特別消費税増税
    • タバコ、酒と、奢侈品の増税

ギリシャの緊急救済は拡大すべきか、あるいは、ギリシャを債務不履行に陥るにまかせ、ユーロ圏から離脱させるべきかを巡って、アメリカとヨーロッパとの間でも、ヨーロッパ内部でも、溝が広がっている。一つ目の政策は、銀行を緊急救済するための、公的資金投入の莫大な増加を意味する。二つ目の政策は、一連の非常に多くの国家の不履行と銀行の破産を招くような、三年前のウオール街崩壊よりも大きな新たな金融危機を引き起こしかねないギリシャの社会的破局を意味している。

いずれのシナリオも、労働者階級の窮乏化と、労働者階級がそれまでに獲得したもの全ての破壊をもたらすことになる。

国際資本家階級は、危機と、労働者階級にその償いをさせるようとして実施している残酷な施策の社会的な意味合いを、痛いほど意識している。月曜日、BBCは、アテネ商工会議所のコンスタンチン・ミハロス会頭の“… もしも、20パーセント失業レベルに達すれば、経済的に、社会的一体性が吹き飛ぶ、差し迫った危機になる”という発言を引用している。

決定的な政治的結論が用意されつつあり、準備がなされている。月曜、ウオール・ストリート・ジャーナルは、“ギリシャ: 軍の役割を軽視してはならない”という見出しのブログ記事を掲載した。

それは、次のような書き出しで始まる。“政治的不安定と反乱は、地中海の北アフリカ沿岸全体から、シリアに至るまで広がっているが、そこで留まる理由があろうか? それが、例えばギリシャにまで広がらないということがあり得ようか?

“ギリシャの将軍たちが1967年にクーデターを行い、軍事政権として国を運営したことは想起に値する。1975年迄、民主主義は回復しなかった。それはさほど昔の話ではない。

“ギリシャ軍は、ギリシャでは依然、極めて重要な勢力だ。ストックホルム国際平和研究所のデータによると、ギリシャは、欧州連合の他のどの国よりも多く、軍に対しては、GDP比で、EU平均の1.6パーセントと比較して、3.2 パーセントを支出している。

“EU、欧州中央銀行とIMFからの更なる大量注入がなければ、ギリシャが資金不足になる日は、日に日に近づきつつある。役人達は、給料を貰えなくなれば、仕事をやめ、ストライキに入る。しかし、軍に金が入らなくなったら、何が起きるだろう?”

昨年6月発行したCIA報告書で、著者は、ギリシャでの軍事クーデターはありうるとまで結論している。著者はこう結論している。“ギリシャで軍事クーデターの可能性はあるだろうか? おそらく、そうではあるまい。だが、その可能性を軽視することはできない。”

労働者階級は、これを、単にギリシャに限らない警告、として受け止めるべきなのだ。1930年代以来、最も深刻な資本主義制度の危機から脱出する企みとして、資本家階級は、世界中で、凶暴な階級戦争を遂行している。当時同様、現在の支配階級にとって、避けることのできない、労働者階級による大規模抵抗運動に対する究極的回答は、独裁政治と戦争なのだ。

勤労大衆にとって唯一の解決策は、その巨大な社会的・政治的な力を、資本主義を終わらせ、世界社会主義を樹立するという革命的な戦いのために行使することだ。そのためには、労働者が、ブルジョア政治や、支配階級の産業警察として機能している労働組合の締めつけから抜け出し、戦いのための新たな大衆組織をたちあげることが必要だ。重要課題は、新たな革命的指導部として、やがて来る戦いに、社会主義と国際主義綱領を吹き込む、第四インターナショナル国際委員会の構築なのだ。

Barry Grey

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/sep2011/pers-s20.shtml

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ギリシャ向け、ショック・ドクトリン発動ということだろうか。

日本向けには、IMFが、増税を催促している。これも、日本の財務省や、アメリカ財務省の小細工によるものだろう。そして、東北の被災地向の復興事業計画は、もちろん、ショック・ドクトリン。目の前の苦難を乗り越えようとしている人々の隙をついて、大資本にばかり有利な施策導入が推進される。阪神淡路大震災の時も、そうだった。そして、全国規模では、日本を完全なアメリカ属領として固定するTPP加盟がある。講読している新聞、昨日の夕刊株式欄に、犯罪的なTPP解説怪説があった。インキと紙と読者の時間の無駄。

昔、書いたが、ギリシャは、アテネに数日滞在した経験しかない。そこで、論争好きで、享楽的な人々が暮らす、魚介類も、酒(ワイン、ブランデー)も美味しい国、という程度の通り一遍の知識しかない。夏休みが一ヶ月あるというのを聞いて、うらやましかった。個人的には、出張先として、有り難い国だった。

閑話休題:

Hairojidaigahajimatta

朝日選書から(2001年)刊行されていた、舘野淳著『廃炉時代が始まった』が、リーダーズノート新書として再刊された。

本題横に、この原発はいらない と、黄色い文字で、書いてある。

最近、九州で大会を開催した口先反省だけの、共犯者連中ではなく、こういう方をこそ、「御用」という文字無しの、学者と呼ぶのだろう。きちんと、1999年の時点で、警告をしておられたのだ。

餌を貰っている犬は、基本的に主人を咬まない。(犬は、それでも、時々咬む。)

研究費を貰っている人は、決して出資者を咬まない。

18 この原発だけは廃止を という項目が、251-253ページにある。

そして、252ページにはこうある。

 第二には、繰り返し述べてきた欠陥のある古い原発、特定するなら「第一世代に属する原発の廃止」である。技術的問題に関してここでは繰り返さないが、具体的には、沸騰水型炉(BWR)では「福島第一1・2・3・4・5号機」「浜岡1・2号機」「女川1号機」「島根1号機」「敦賀1号機」の合計一〇基、加圧水型炉(PWR)としては「美浜1・2・3号機」「大飯1・2号機」「高浜1・2号機」「伊方1号機」「玄海1号機」の合計九基である。

以下略。

そして、253ページにはこうある。

 第四に、事故隠しなどをしじゅう行って「住民に信頼されていない会社の所有する原発」。具体的に名前を挙げるのを避けるが、危険物を扱う上で住民との信頼関係は何よりも重要である。

したがってこの要因は今後ますます重視されるべきだろう。

大本営広報部の紙・電波媒体では、こうしたまともな情報、決して得られない。わずか920円+税の支出。ご一読をお勧めしたい。

ストレス・テストなどという、共謀犯罪人である電力会社や監督官庁や組織やらが、どうにでも細工できる、まやかしのコンピューター・シミュレーション結果など信じてはいけない。犯罪人が、警官役を兼ねるのは、田舎芝居だけにしてほしいものだ。

TPP反対を主張する、京都大学准教授中野剛志氏の下記メッセージは、日本人必見。TPPの、恐ろしくも、不都合な真実が巧みに説明されている。理解するのに複雑な経済的知識はいらない。約30分。

参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP問題:中野剛志・緊急メッセージ

 


参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP... 投稿者 HEAT2009

2011年9月20日 (火)

チャベス対オバマ: 2012年に大統領選挙に直面する二人

"資本主義的刺激策"対"社会主義的景気回復"

Prof. James Petras

The James Petras website

2011年9月15日

(ご注意:毎回同様、大変まずい翻訳である。)

はじめに:二人の現職大統領、ベネズエラのウゴ・チャベスと、アメリカ合州国のバラク・オバマが、2012年に再選に出馬する。この二人の大統領選挙戦が意義深いのは、それぞれが、グローバル経済危機に対して、対照的な対応をしているためだ。

チャベスは、雇用、社会福祉と経済成長を狙った、大規模な長期公共投資と支出を推進する施策を続ける民主社会主義的な政策を進めている。オバマは、私企業による金融資本主義イデオロギーへ肩入れに導かれて、ウオール街投機家の救済に、何十億ドルも注ぎ込み、公共財政赤字の削減と、税金削減に取り組み、企業に政府助成金を出し、銀行が金を貸し出し、民間部門が投資をすることを期待している。

オバマは、民間企業部門が失業者を雇用し始めることを期待している。チャベスの経済戦略は、社会的賃金を増やすことで、大衆の需要を増大させることに向けられている。オバマの戦略は、“トリクルダウン”効果を期待して、エリート層を裕福にすることに向けられている。チャベスの景気回復政策は、資本主義経済の市場が引き起こした危機と、民間部門が投資し損ねていることを考慮し、国が主導する、公共部門を基本にしている。オバマの景気回復と雇用計画は、職を生み出すような国内投資を刺激することに税収を振り向け、もっぱら民間部門に依存している。

専門家や政治家によれば、どちらの大統領が、2012年に再選されるかを判断する上で、二人の大統領の社会・経済的な実績が決め手となる。

経済危機に直面した、チャベス、オバマ両大統領の実績評定

過去三年間、二人の大統領は、深い社会・経済危機に直面し、失業が増大し、景気が後退し、景気回復政策立案に当たり、政治的指導力が大衆から期待されることとなった。

チャベス大統領は、社会政策向け大規模公共支出計画で対応した。何十億ドルもが、今後数年間で百万戸を建設するという大住宅計画に割り当てられた。チャベスは、コロンビアの右翼的なサントス政権と交渉し、政治的合意をすることにより、軍事的緊張を和らげ、国境紛争を低減した。

チャベスは、最低賃金、社会保障と年金支払いを増やし、低収入集団の消費を増大し、需要を刺激し、中小企業の収入を増大させている。国は、大規模インフラ計画、特に道路と運輸に投資し、労働集約的活動での仕事の口を増やした。チャベス政権は、スーパーマーケット経営者による不当利得を認めず、食糧とその他必需品の価格管理を実施することで、大衆の需要を支え、生活水準を維持した。チャベス政権は、実入りの良い金鉱山を国有化し、需要主導型の景気回復政策に資金を回す過程で、在外資産を本国送還させ、富裕層に対する税金軽減や、破産した銀行や民間企業の救済は控えた。

オバマは、仕事を生み出すような、いかなる大規模・長期公共投資も拒否してきた。彼が提案している“ジョブズ・フォー・アメリカ”は、最善でも、一時的に0.5パーセント以下の失業率低下をもたらすだけだ。ウオール街の債券保有者達の利益となる政策を追い求めて、オバマは赤字削減に深入りし、公共支出、とりわけ社会支出の大規模削減をはかった。オバマは、右派に配慮して、大衆向けのメディケア、メディケイドや社会保障プログラムへの支出を削減するという退行的提案に同意した。“ジョブズ・フォー・アメリカ”に財源を振り分けるという彼の提案は、社会保障の削減に依存しており、必然的に、社会保障支払いの減少と赤字をもたらし、まずく行けば、民営化を促進し、社会保障を、ウオール街に、1兆ドルの素晴らしい贈りものとして引き渡してしまう。

オバマは、1000万以上の家族の抵当物差し押さえを無視し、銀行や、住宅抵当詐欺師救済を優先して、ホームレスを増やし、住環境を低下させた。

オバマは、軍事支出を増やし、海外の戦闘部隊、秘密テロ作戦や国内スパイ機関を倍増し、教育、技術的な技能向上や、輸出促進に対する生産的な投資を犠牲にして、赤字を増大させた。

アフリカ系、先住民系ベネズエラ人に対する積極的な就職口の増大と教育強化を強調しているチャベスとは異なり、オバマは、ウオール街の白人銀行家に仕えることを優先し、50%の失業した大都市のアフリカ系アメリカ人やラテン・アメリカ系アメリカ人の若者(18-25歳)を無視している。

年金と給与をインフレにリンクさせ、価格管理を施行したチャベスとは対照的に、オバマは連邦職員の給与と社会保障支払いを凍結し、過去三年間、実質所得が7パーセント減少している。

最新の米国勢調査局データ(2011年9月)によれば、オバマの下で4620万人以上のアメリカ人が貧困生活をしており、これまでで最多の人数だ。平均家計所得は、2009-2010年の間に、2.3%低下した。貧困生活をしているアメリカ人の数は、2008年の13.2%から、2010年の15.1%へと増加した。2010年には、260万人以上のアメリカ国民が、わずか一年で貧困化する中、子どものほぼ四人に一人が貧困な生活をしている。対照的に、オバマのトリクルダウン経済政策に沿って、年収100,000ドル以上の多くの裕福なアメリカ人は、ほとんど、あるいは全く影響を受けていない。ティファニー等、奢侈品小売店は売上高が15%伸びている。

国民の10%という最下層が最も損害を被り、2009-2010年の間に、収入が12.1%低下したが 一番収入の高い10%の層では、1.5%の減少だった。34のOCED加盟国中、メキシコ、チリ、イスラエル同様、アメリカは最悪の社会階層の不平等。オバマのトップ・ダウン刺激政策は、労働者と中流階級を犠牲にすることで、銀行家を救済した。

トップ・ダウン経済とボトム・アップ経済の政治的・経済的結果

オバマの“トップ・ダウン”と、チャベスの“ボトム・アップ”社会-経済政策の、政治的・経済的な結果は、あらゆる点で顕著な差がある。ベネズエラは、2011年前半、3.6%成長し、一方アメリカは、2%以下と停滞している。しかもなお悪いことに、下半期には、オバマと彼の顧問達は、アメリカが“二番底”不況、マイナス成長に向かう懸念を表している。対照的に、ベネズエラ大統領の中央銀行は、2012年の加速成長を予測している。

アメリカの失業率は9%を超えたままで、不完全雇用も加えれば、19%を超えるのに対し、ベネズエラの膨大な公共住宅およびインフラ投資は、仕事を生み出し、公式、非公式労働市場における、失業者や不完全雇用者の数を減らしている。オバマは、ウオール街銀行家や、赤字削減強硬論者に迎合し、海外での戦争と国内の治安維持機構への支出を大幅に拡大し、国庫を破産させた。対照的に、チャベスは、利益をあげている民間部門の鉱山、銀行、エネルギー会社を国有化し、軍事的緊張を緩和し、食料助成金等の社会福祉政策用の資源を増加させた。オバマの赤字削減は、教育と社会福祉分野での大量解雇をもたらしている。

チャベスの社会支出は、公立大学、小・中学校や病院の数を増大させている。オバマが住宅ローン取り扱い金融機関による強制立ち退きを無視する中で、何百万人もが家を失ったが、一方、チャベスは、百万戸の住宅建設によって、住宅不足問題の解決を開始した。

オバマは、金利の高い海外(ブラジル)債権への投機を好んで、仕事を生み出す生産的な企業には貸し損ねている民間銀行に、事実上、無利子で貸し出しをしている。チャベスは、生産的な労働集約型のインフラ計画や、農業の自給自足プロジェクトに直接投資し、下流の加工工場、精油所や製錬所を開発している。

彼が実行している、反動的なトップ・ダウン経済と、メディケア、メディケイドや社会保障等の基本的な社会福祉政策を削減するという、あからさまな脅迫の結果、オバマ支持率は、過去三年間で、80%から40%に下落し、更に低下傾向にある。しかも、彼の親ウオール街的な金融・軍国主義政策は、ブッシュとラムズフェルドの戦争とテロ作戦を深化、拡大し、アメリカの政治情勢を、更に極右の方向に進めた。2011年の最終四半期の時点では、オバマは、大統領選挙で敗北しやすいように見える。

対照的に、チャベス大統領は、社会的拡大という積極的政策と公共投資に基づいた景気回復の波に乗り、彼の支持率は、2010年3月の43%から、2011年9月7日時点での59.3%へと上昇した。アメリカが支援する野党は分断化しており、弱く、多数の労働者、建設会社や請負業者に利益をもたらす住宅とインフラ計画に対する大衆の圧倒的に前向きな受け止め方に、挑戦しかねている。

チャベスは、彼自身の健康と、官僚の腐敗と非効率といった問題が弱点だ。だが彼は、こうした問題のある分野を是正するための重要な措置を講じているとみなされている。新たな警察学校の卒業生達は、正直で、効率の良い、コミュニティーに結びついた警察活動を実現しており、パイロット計画では、凶悪犯罪を60%低下させた。官僚の腐敗と非効率を無くす努力は、まだこれからだ。

結論

チャベスとオバマの大統領職を比較すると、社会主義的で、国民に詳細な情報を知らせた上でのボトム・アップの景気回復政策の成功と、トップ・ダウン方式の資本主義的刺激策の失敗という顕著な対照となっている。民間銀行が国庫を略奪し、社会的セフティー・ネットの最後の名残を政府が脅かしており、オバマが、永続的に高水準な失業と不完全雇用を、引き下げ損ねていることに、アメリカ国民は敵意を表しているのに対し、五分の三の有権者が、大統領に積極的な“好感”を持ち、チャベスの人気は上昇している。もしチャベス政権が継続し、‘ボトム・アップ’経済刺激策政策を強化し、経済が拡張を続け、癌から回復すれば、2012年には圧倒的な勝利で再選される可能性が極めて高い。

対照的に、もしオバマが、大企業と金融界支配層にこびへつらって、社会福祉政策を削減・放棄し続ければ、彼は当然の敗北と忘却の彼方へと滑り落ち続けよう。

先進的な社会福祉政策によるベネズエラの経済回復は、アメリカ人にとって、説得力のあるメッセージだ。退行的な‘トップ・ダウン’経済政策には代替策があるのだ。それは民主社会主義と呼ばれるものであり、それを唱導しているのは、国民に向けて語るが、金持ちのために働く、ペテン師オバマとは対照的に、国民に向けて語り、国民のために働く、チャベス大統領だ。

記事原文のurl:http://petras.lahaine.org/?p=1873

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110919

9/19明治公園、さようなら原発1000万人アクション、主催者発表では6万人。警察発表で3万人。会場にたどり着くのさえ大変な、立錐の余地のない集会と大規模デモ。(パレードだそうだ。)

さようなら原発集会の前代未聞の規模は報じなくとも、「冷温停止を早めたい」というデマ発言はしっかり報じるのが、大本営広報部のお仕事。怒っても、エネルギーの無駄。

日本の経済政策も、貧乏人からむしるオバマの亜流。宗主国、属国支配層が押しつける、増税、原発推進政策の報道しかない日本では、民主社会主義的経済政策を進めているというベネズエラの実情にまつわる情報は皆無。「永久属国以外の選択肢がある」という情報自体がタブーなのだ。日本の首都東京での大規模集会・デモについて、マスコミで知ろうとすると、外国の大手新聞にたよらなければならない不思議。

昔、自民党より右翼的な、民社党という、右派労組を主力とした政党があった。民社党という名前、名ばかりで、民主社会主義とは無縁だった。

民主党税制調査会の藤井裕久会長、増税と議席削減を言い立てる。お主も悪よのう。そのまま報じる大本営広報部。政党助成金を無くせばよいだろうに。民主党、小選挙区制という筋肉増強剤による、あの党のバブルとしか見えない。

原発を推進する労働組合という存在は、不思議。そうした人々、1984年、Apple Macintosh発売にあたって流された伝説のコマーシャルで、大画面で演説する某国防長官風の独裁者の顔を呆然とみている群衆を連想する。

明治公園9/19集会、連合・電機労連の人々、多数おられたのだろうか。

先進的な社会福祉政策によるベネズエラの経済回復は、日本人にとって、説得力のあるメッセージだ。退行的な‘トップ・ダウン’経済政策には代替策があるのだ。それは民主社会主義と呼ばれるものであり、それを唱導しているのは、国民に向けて語るが、金持ちのために働く、TPP加盟派のペテン師野田とは対照的に、国民に向けて語り、国民のために働く、チャベス大統領だ。

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2011年9月17日 (土)

腰抜けと売女マスコミ

Paul Craig Roberts

2011年9月15日

"Information Clearing House"

経済学者として、私は、1940年代のケインズ学派の需要側重視経済学に縛られているポール・クルーグマンの経済学には我慢できずにいる。クルーグマンは、財政政策には、需要側のみならず、供給側の効果もあることを立証したとして、供給側経済学者を受け入れたことで、ロナルド・レーガンを糾弾しているのだと、私は時に結論したものだ。

しかし、クルーグマンは、時として道徳心を発揮する。今年の9月11日、ニューヨーク・タイムズの彼のコラム“The Years of Shame「恥辱の年月」”で、彼はそうした。クルーグマンは、9/11は、事件を“ネオコンがやりたがっていた無関係な戦争を正当化する”のに利用した“エセ英雄”に乗っ取られており、“アメリカの評論家連中”は、事件の不正利用を支持したと書いた。

ナイフで刺された豚は、もちろん大きな金切り声をあげるものだ。戦犯のドナルド・ラムズフェルドは、ニューヨーク・タイムズを、おおっぴらに購読を中止し、ワシントンの侵略戦争に加担した売女マスコミ連中は、犬釘や手おのを持って、クルーグマンに飛び掛かった。

おそらくクルーグマンは、複数形を使って“無関係な複数の戦争”と言いたかったのだろう。アメリカ政府は、全て何らかの嘘を根拠に、アフガニスタン、イラクと、リビアに戦争をしかけ、家、インフラ、民間人の生命を大量に破壊する結果をもたらしている。しかもアメリカ政府は、更に三つのイスラム国家、パキスタン、イエメンとソマリアの国民に対して軍事作戦を遂行し、アメリカの同盟国であるパキスタンで、多数の民間人の命が失われている。無人攻撃機が毎週毎週送り込まれ、学校、病院、農村共同体を吹き飛ばし、毎回ワシントンは、“過激派”“アルカイダ”“タリバン指導者”を殺害したと発表する。

クルーグマンが“アメリカの評論家連中”と呼び、ジェラルド・セレンテが“売女マスコミ=プレスティテュート”と呼ぶ連中のおかげで、ブッシュ/オバマ政権が“安全保障上の脅威”だとか、わずかな連中の居住地を、単一の超大国に対する“安全保障上の脅威”と見なしたりしている、この六ヶ国のイスラム教国における、無数の民間人殺戮についても、何百万人もが強制退去させられていることについても、アメリカ人はほとんど何も知らないままだ。

文章を続ける前に、内部結束も、空軍も、海軍も、近代的陸軍も、核弾頭ICBMも無い、こうしたイスラム教諸国が与えている脅威について、一分だけお考え頂きたい。これを、少なくとも潜在的には現実のものであった、ソ連の“脅威”と比較願いたい。

ソ連には、ヒトラーと、彼の高級な軍事機構を打ち破った赤軍があった。ソ連には、数々の見事な、単一、複数核弾頭を搭載した極めて強力なICBMや、核弾頭ミサイルを搭載した原子力潜水艦があった。

我々はこの脅威を、46年間、実際に戦争することなしに、なんとか生き延びた。だが現在、地上で最も愚鈍な連中を除けば、全員が“大量破壊兵器”など所有していないと考えていたイラクが、大変な脅威だったので、アメリカ政府は、どうしても侵略せざるを得ないと感じたのみならず、アメリカに対し、何もしておらず、いかなる脅威も与えていなかった国家を攻撃し、破壊するため、国連で嘘までつくことを正当化したのだ。

アフガニスタンも同じだ。タリバンは、アメリカ合州国も、ヨーロッパの同盟諸国も、いかなる脅威にもさらしてはいなかった。

パキスタンはアメリカの同盟国だ。ところが、ワシントンは何千人ものパキスタンの民間人を殺戮した。ワシントンの嘘つきどもと売女マスコミは、殺害された民間人は“アルカイダ テロリスト”だと、きまって主張する。ワシントンが、病院、農家や、学校を爆撃する度に、ワシントンは、何人かのアルカイダ指導者を殺害しただけだという報告書を発表する。こうした指導者連中の中には、何度も殺されたことになっているものがいる。

ポール・クルーグマンには、これがしっくりこなかったとしても、私は驚かない。ケインズ学派の美点は、おそらく、大恐慌を説明できない経済学より、ましであるとはいえ、その経済学にではなく、彼らの道徳心にこそある。ケインズ経済学者は、概して、人々のことや、彼らに何が起きるかを思いやっている。私は多くのケインズ学派の人々を知っており、少数のケインズ学派のノーベル賞受賞者とは、大学や専門家の聴衆を前に討論したこともある。彼らを同情心のない人々だと思ったことは決してない。彼らをなつかしむようになろうとは思いもよらなかった。

クルーグマンの話題に戻ろう。彼のメッセージは、彼に対する売女マスコミ評論家連中の強烈な反応に遭遇するところとなった。かつて、ミシェル・マルキンが書いた移民についての本を、私は遺憾ながら好意的に書評したことがあり、クルーグマンの勇気を腰抜けと誤解し、彼のことを“独り善がりの腰抜け”と呼んでしまったのだ。

売女マスコミ連中は“腰抜け”という悪口に飛びついた。ワシントン・ポストの記者、エリック・ウィンプルは、クルーグマンを“腰抜け”と断じた。

クルーグマンは“腰抜け”であると決めつけた後、六ヶ国の“ターバン連中”の殺害を楽しむ売女マスコミは、クルーグマン攻撃をエスカレートさせた。ピーター・ベラは、クルーグマンは“下劣”で“良心が無い”と断言した。

ベラが、道徳心を、その正反対のものとして理解しているのは、典型的な売女マスコミの反応だ。“腰抜けの”“あきれた”“傲慢で”“下劣な”“道義心のない”寄稿者を、コラムニストにさせておくと言って、ニューヨーク・タイムズを攻撃したのだ。

ワシントン・ポストのジェニフー・ルービンは、クルーグマンのコラムを掲載しているニューヨーク・タイムズは、“精神的な荒野”だと断言した。これが、多くの人々がCIAの手先と見なしている“新聞”の言いぐさだ。

言い換えればこうだ。クルーグマンを黙らせろ。奴のコラムを潰せ。真っ赤な嘘である“脅威”を理由にして、ワシントンが、人を殺戮し、不具にし、何百万人もの人々を強制退去されることに疑問を投げかけるような連中のセリフなど、我々は聞きたくもない。アメリカは例外的な国家だ。アメリカは世界のたいまつだ。我々は例外であり、通常の法は我々には適用されない。法律は下っ端連中のためのものだ。アメリカには“自由と民主主義”がある。我々を疑う連中はすべからく、悪で、テロリストで、左翼がかった-リベラル-共産党員だ。

クルーグマンの真実の発言コラムが生き残れるかどうかを見守るのは興味深いことだ。アメリカが、嘘つき連中の国であることに完全に屈服してしまったのか、それとも、道徳心のある人物にも発言権があるのかどうかがわかるだろう。

Paul Craig Roberts博士は、レーガノミックスの生みの親で、元財務省政策のトップ。彼はコラムニストで、元ウオール・ストリート・ジャーナル編集者。彼の新刊“How the Economy Was Lost: The War of the Worlds”は、なぜアメリカが崩壊しつつあるのかを詳述している。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29137.htm

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筆者には申し訳ないが、こと経済については、同じポールでも、筆者ではなく、クルーグマンの本を読みたいものだと思う。

世界で一番原発に依存している国、フランスの最大野党党首選挙、脱原発・減原発で競っているという。一方、知的ガラパゴス国では、原発・TPP推進派が、圧倒的多数。脱原発・減原発は圧倒的弱小野党が二党ほどあるのみ。

宗主国言論界、腐っても鯛か。太平洋のこちら側、属国では、放射能こそ大いに高いが、マスコミ論説の質はきわめて低い。

鉢呂経産大臣の首は切っても、宗主国侵略戦争に加担する傭兵強化、武器開発推進、TPP加盟を主張する前原は批判しない日本の「売女マスコミ」、クルーグマン発言を取り扱うはずもない。

ちなみに、「売女マスコミ」、マスコミはpress、売春婦はprostitute。ジェラルド・セレンテが、この両方を合成し、prestituteという単語を編み出したようだ。そういうわけで、とりあえず、「売女マスコミ」と訳している。

国会で旧党改悪の舛添要一がTPP推進を喚きたてると、野田首相、嬉しそうだった。

アメリカによる日本市場総乗っ取り作戦、TPPについて是非を論じる真面目な番組・記事を「売女マスコミ」が報道したことがあるだろうか?

小泉郵政破壊の時と全く同じ。中味の議論、皆無。インチキ手品。一方的に不利な交渉に参加すること自体が、既に敗北なのだ。交渉に参加したら抜けられない。交渉参加は、婚約も同じ。いや、ヤクザの杯を受けるようなものだろう。飛んで火にいる夏の虫。この秋、ハワイで、日本は最終的に完全沈没する。環太平洋とは名ばかり。実質は日米完全不平等乗っ取り協定。アメリカ先住民の現在が、日本人の近未来になる。

小泉郵政破壊当時、郵政破壊の是非を冷静に論じる番組・記事の報道皆無だった。マスコミは、うなされたかのように、郵政破壊を言い立て自民党の雪崩のような勝利が起きた。小選挙区制導入時も全く同じ。小選挙区制導入による二大政党政治改革なるもの、庶民にとっては、悲惨な失敗。支配階級にとっては、夢のような大成功。そして売国奴が跋扈する世になった。

民主党・自民党等、TPP推進論者は本物の売国奴!(もちろん各省庁も)

「庶民にとって不都合な話題は一切報じない。報じる場合は虚報を報じる。」というのが、この国の売女マスコミの一貫した方針。こうして、永遠植民地化は着々と進む。

大体カタカナや略語でろくなことがあった試しはない。目くらまし。簡単に説明できないものは、基本的にまやかしだ。

ところで、クルーグマン、2008年にノーベル経済学賞を受賞している。そしてロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授である。

日本人経済学者で世界的知名度がある人物の一人に、森嶋通夫という人がおられた。ノーベル経済学賞に近い人といわれていたと記憶している。彼もロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授だった。彼が亡くなった翌月、英タイムズ誌が紙面を半ページ割いて追悼記事を載せたという。しかし、森嶋通夫氏、日本には受け入れられなかった。

彼の数理経済学、素人の理解が及ぶところではないが、日本の経済・政策についての彼の著書、素人でも実に興味深いものとして読める。

毎回のように、「日本は終わりだ」と書くのを、知人がいぶかしがるので、実は、森嶋通夫説の受け売りであることを白状しておこう。

タネ本の一つは『なぜ日本は没落するか』岩波現代文庫 960円+税 2010年7月発行。(最初に読んだのは、1999年3月刊の元本。)世界的経済学者の発言、メタボ・オヤジの戯れ言と比較にならない重みがあるだろう。

陰鬱な結論、外部的な影響、天災は考慮にいれていないと116ページで明言しておられる。右傾、宗主国用傭兵準備の急な動き、全て予言通り。鉢呂氏が首になっても、前原が首にならないのは、宗主国・属国支配層がそう決めているからだ。まもなく、そうなる。周辺事態は、地域的概念ではない。

 最後に若干つけ加えておくべきことがある。それらについては後にも触れるが、その一つは没落が始まると国民の気質に変化が生じるということである。没落に際して、日本経済が二極分解すれば、組織された経済騒動や無組織の暴動が無秩序に起こり、国全体が一層深く没落していく。このことはマルクス以来周知のことである。それと同時に他方では国民の自信を高めるために、「心ある」人々による右傾化の動きが生じるだろう。すでにその徴候はある。後にもみるように私は、日本の現在の情況では前者より後者の方に気をつけなければならないと思っている。さらに付け加えれば、こういう動きは国際的に連動していることが多い。

 この点に関連してさらに言っておくべきことは、私の没落論では、外部からの影響を全く無視しているということである。一つの外生的要因は天災地変であり、もう一つは人為的災害─戦争─である。今もし、アジアで戦争が起こり、アメリカがパックス・アメリカーナを維持するために日本の力を必要とする場合には、日本は動員に応じ大活躍するだろう。日本経済は、戦後─戦前もある段階までそうだったが─を通じ戦争とともに栄えた経済である。没落しつつある場合にはなりふり構わず戦争に協力するであろう

そこに福島原発事故。この予測、一層深刻さを帯びる。太字は当方が加工

145-146ページを引用させていただこう。売国マスコミも批判しておられる。引退を発表したあの芸人の類がトップを占める番組・局・国民、質的に高度とは、決して言えまい。ともあれ、本書をお読み頂きたい。

 イギリス─特にスコットランド─では、教区牧師の家に生まれた子弟が立派な政治家になることが多いと言われている。これは宗教教育と家庭教育の重複した影響によるものであろう。(日本にもかすかながらそういう傾向がある。)しかし残念なことには、日本では政治教育の環境は絶望的に悪い。それは日本人が天皇制に支払った代価であるのかも知れない。天皇に対して異を唱えてはならないという至上命令の下で、案出し得る政治的プログラムは限られているからである。高等教育をどのように改革して、どのように才能の優れた官僚、会社員、文化人が育てられたとしても、政治家の質が悪ければ、その国は尊敬されることはない。しかもこれからの時代は、家庭教育は両親でなくテレビ局によって行なわれる。日本のテレビ番組は視聴率極大の原理によってつくられ、極めて娯楽的─しかも品の悪い─である。そのような状態の下で、立派な政治教育が、今後日本で行なわれるとは考えられ難い。

 徳川末期に欧米の使節が日本にきて日本人に下した採点は、文化的にも経済的にも程度は高いが、政治的には無能であるということであった。そして彼らは、朝廷も幕府もともに世襲だから日本はいつまでも政治的に幼稚なのだと判定した。幕府はつぶれた。朝廷もシンボルだけの役割しかしなくなった。そして徳川末期に世襲制であったものは、最大限に打破してしまった。にもかかわらず、日本は依然として、政治的に無能であることを世界にさらけ出している。そういう意味で一九九八年末は徳川末期とほとんど変わることはない。

 しかし人は言うかもしれない。今でも政界は、二世議員が示すように、世襲ではないか。

世襲だから悪いので、世襲でなくすればよくなるのではないか。確かにそうであるが、世襲状態が続いているのは制度の故ではなくて、そういう状態を打ち破る勢力が、既成政治グループの外に現われてこないからである。それは政治グループのせいではなくて、政治グループ外の人の政治的無気力のせいであろう。政治が悪いから国民は無気力であり、国民が無気力だから政治は悪いままでおれるのだ。

 こういう状態は、今後五〇年近くは確実に続くであろう。そのことから私たちが引き出さねばならない結論は、残念ながら、日本の没落である。政治が貧困であるということは、日本経済が経済外的利益を受けないということである。それでも「ええじゃないか。ええじゃないか」と踊り狂うしか慰めがないとしたら、私たちの子供や孫や曾孫があまりにも可哀想だ。

TPPの本質は、本格的なショック・ドクトリン。惨事につけこんで、資本家・権力者側の都合よく、日本の制度を完全破壊する作戦だ。日本の一般国民は何の利益も受けない。それでも「放射能も、TTPもええじゃないか。ええじゃないか」と踊り狂うしか慰めがないのだから、私たちの子供や孫や曾孫があまりにも可哀想だ。

現代日本の志士、京都大学准教授中野剛志氏の下記メッセージ、日本の庶民必見だろう。TPPの、恐ろしくも、不都合な狙いが巧みに説明されている。理解するのに複雑な経済的知識はいらない。約30分。

参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP問題:中野剛志・緊急メッセージ

参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP... 投稿者 HEAT2009

2011年9月15日 (木)

9/11真相究明運動の批判者達: 彼らの言い分に理はあるか?

Paul Craig Roberts

2011年9月13日

"Information Clearing House"

話題の疑問に対する簡潔な答えは、否だ。

9/11真相追求を批判する人々は、人身攻撃的な主張しかしていない。

テッド・ラール、アン・バーンハートと、アレクサンダー・コックバーンが提示している、真相追求を主張している人々に対する論拠を検証してみよう。

だが最初に、真相追求を主張している人々というのが誰かを定義しよう。

インターネットのおかげで、誰でもウェブ・サイトを作ることができ、好きなだけ、わめき散らし、憶測できるようになっている。多数の9/11陰謀論者がいる。

この問題についての双方の多くは、同様に無知だ。いずれの側も、無知をさらけ出すのを全く恥ずかしいと感じてはいない。

いずれの側にも、陰謀論がある。個人が、内部の者による犯行であるとか、あるいは、一握りのアラブ人が、西欧世界のあらゆる諜報機関や、NORADと米空軍の作戦対応を出し抜いた気だと信じるのであれ、9/11は、陰謀なのだ。

一方の側が、他方を陰謀論者呼ばわりするのは、目くそ鼻くそを笑うがごとしだ。

この問題は、中傷ではなく、証拠次第だ。

9/11真相追求運動は、自分のウェブ上で、わめきちらしているブロガー連中が作り出したものではない。鋼鉄の高層ビルを設計した実績で知られている人も含めた専門の建築家や技術者が作り出したのだ。60本もの科学論文を発表している、コペンハーゲン大学のナノ化学者ニールス・ハリットや、物理学者スティーヴ・ジョンーズのような一流科学者達が作り出したのだ。飛行機操縦の専門家、米空軍パイロットと民間航空機のパイロットによって作り出したのだ。ツイン・タワーの中に入っており、地下2階での爆発を含め無数の爆発を、直接、聞いたり、経験したりしている消防士たちが作り出したのだ。一体どのようにして、9/11のような、起こりそうにもない事件が起こり得たのかを知ろうと強く願っている 9/11の遺族達が作り出したのだ。

専門家や科学者達は、長年の経験と、専門家としての知識を基にして話をしているのだ。更に、科学者達は、存在している証拠の入念な研究を基にして語っている。科学者によって構成される国際的研究チームが、タワーの粉塵やコンクリートや鋼鉄の溶解した破片の成分研究を18ヶ月行った際、彼らは自分たちがしていることが何か知っていたのだ。発燃剤や爆薬の明確な証拠があると彼らが発表したのであれば、それには証拠があることに、人生を賭けることもできよう。

ある物理学者が、第7ビル(階は他のビルによって覆い隠されていない)が自由落下速度で崩壊したことを証明すると、NISTが、彼は正しいと認めたので、物理学者が正しいことに、人生を賭けることもできよう。

消防署の署長や、片づけチームが、溶融した鋼鉄を報告しており、彼らの証言は、写真でも裏付けられているので、ビル崩壊後の瓦礫中に、何週間も、何ヶ月も 溶融した鋼鉄がそこにあったと、人生を賭けることもできよう。まさに同じ当局が、溶融した鋼鉄に、火炎抑制剤や、膨大な量の水を注いでも効果がなかったと報告している以上、ビル崩壊からずっと後も、温度が極めて高かった。いかなるビル火事で起きる温度よりも遥かに高かったことに、人生を賭けることもできよう。

建築家、技術者や、科学者達が話す際、彼らは、誰が9/11の責任を負うべきかについては、何の説も提示していない。彼らは、既知の証拠は、NIST報告も、9/11委員会報告も裏付けてはいないと述べているだけだ。彼らは、政府が行った説明は明らかに間違っており、我々に、事件に関する真実を発見する意志があるなら、捜査が必要なのだ。

彼らの説は、証拠を検証する陰謀論ではなく、証拠は、政府が行った説明を裏付けてはいないと述べているだけなのだ。

それが、9/11真相追求運動の立場だ。

真相追求運動を批判している人々の立場はどうだろう? テッド・ラールはこう言っている。“真相追求運動をしている人々のサイトで、私が読んだり、見たりしたものは、物理学と建築の基礎知識がある人なら誰でも、ことごとく容易に、片づけられる。(私は工学部で三年学んだ。) http://www.informationclearinghouse.info/article29113.htm

ワオ! 何とご立派な資格だろう。ラールは高層鋼鉄ビルを設計したことがあるのだろうか?ラールは、ナノ化学の教授との論議に加われるのだろうか? 大学の物理学者達との論議で、彼はニュートンの法則に反論できるのだろうか? ラールは、飛行機の操縦について何か知っているのだろうか? 100人の消防士、清掃作業員や、警官が、なぜそれまで聞いたことも、経験したこともないような爆発を聞いたり、体験したりしたのかという報告を、彼は説明できるのだろうか?

明らかに、テッド・ラールは、彼の貧相な理解を遥かに上回る知識を持った専門家達の判断について、いかなる判断をする資格も持ち合わせていない。

アン・バーンハートはこう書いている。“お話ししなければならないことがある。9/11真相追求活動家連中に、私は別れを告げたところだ。もし、我々の実に病んだ文化の中に、人間としての我々が、どこまでひどく劣化し、決定的に破壊してしまったかを要約する一つの現象があるとすれば、それは9/11真相追求運動だ。これは、ほとんどすべてを包括している。自己嫌悪、反ユダヤ主義、初歩物理学についての知識がゼロで、論理的に思考することが全くできていない。”彼女は、以下で凋落の様を曝している。http://barnhardt.biz/

彼女には感嘆させられるではないか? 物理学教授が“初歩物理学に全く無知なのだ。” 国際的に認められている論理学者が“論理的に思考することが全くできていない”。科学的方法の訓練を受けた人々が、その手法を真実の追究に利用しようとするのは“自己嫌悪”なのだ。政府説明を疑う人は反ユダヤ主義だ。バーンハートは、読者に、物理学、構造工学や工学、熱とストレス下での鋼鉄の反応について講義をしてくれているが、想像できる限りの、全くのナンセンスだ。

明らかに、バーンハートは、自分が発言していることについて、全く何も分かっておらず、人身攻撃的な主張で、本物の科学者や専門家を片づける傲慢さに溢れている。彼女はその熱望を、自身でベーコンの切り身を、しおりにした、コーランのページを引きちぎり、そのページを燃やすビデオで飾っている。

そしてアレックス・コックバーンだ。彼は確かに愚か者というわけではない。私は彼を知っている。彼は気さくな人物だ。彼は興味深い、知的な会話ができる。私は彼が好きだ。しかし、彼も、9/11についての政府公式説明に反する証拠を提示している、極めて高く評価されている専門家達を傲慢にはねつけている。

アレックスは、実績を評価されている専門家が提示した証拠を避け、パロディに依拠している。陰謀論者は、ツイン・タワーが“ペッチャンコになったのは、ディック・チェイニーの工作員、しかも大人数が、解体用爆発物を入念に埋め込んだためだ。”と主張している、と書いている。 http://www.counterpunch.org/2011/09/02/the-911-conspiracists-vindicated-after-all-these-years/

広大なインターネット世界のどこかには、そういうことを言っているブロガーもいるだろうことに疑いの余地はない。しかし、それは公式説明は正しくないという証拠を提示した専門家達が言っているのは。専門家達は、単に証拠は公式説明を裏付けてはいないと言っているに過ぎない。最近では、科学者の国際的チームが、発燃剤や爆薬の明確な証拠を発見したと報告している。誰がそれを仕込んだのかについては、彼らは何も語っていない。実際、彼らは、自分達以外の科学者達が、この研究を繰り返して、彼らの結論を検証すべきだと言っている。専門家達を“陰謀論を主張する変わり者”呼ばわりした後で、アレックスは“陰謀とされるもののシナリオ”を提案していないと言って、彼らを非難している。

更に、専門家の一人として、タワーが“ペッチャンコ”になったと信じてはいない。これは、NISTが一時的に提示はしたが、ビルの崩壊速度や他の問題のために、放棄せざるを得なくなった初期の説明だと私は思う。

ラールやバーンハートとは違って、アレックスは証拠に言及しているが、それは、また聞きか、2人の仲介者を経た人づての証拠で、そもそも馬鹿げている。例えば、アレックスは、チャック・スピニーが“私に‘突入場所のすぐ隣にある、ペンタゴンのヘリポートにある監視カメラで撮影された、ペンタゴンに突入した757便の飛行機について撮影されたAREの画像がある。私は静止画と動画の両方を見た。私自身は見損ねたのだが、南駐車場の外で出会った小型トラックの運転手は、非常にしっかり見たので、窓に乗客達のおびえた表情が見えたと言っていた。’”と書いている。

もしも、ペンタゴンに突入した飛行機の写真かビデオが何かあれば、何年も前に公開されていただろう。9/11委員会に提供されていたはずだ。一体、政府に、10年間も自分たちの主張を証明する画像の公表を拒否する理由があろうか? FBIは、あらゆる監視カメラのすべての映像を没収した。誰もそれを見た人物はおらず、ましてスピニーのごとき、ペンタゴン評論家が見られたはずがない。

もし、彼が時速約800キロで飛行している飛行機のあの小さな窓を通して、乗客の顔の表情が読み取れたのであれば、その小型トラック運転手は、ワシよりも良い目の持ち主に違いないと言うしかない。お試し頂きたいものだ。ご自宅の玄関先に座って、時速60キロで通りを過ぎて行く自動車の、ずっと大きく見やすい窓を通して、自動車に乗っている人々の表情を識別しようとお試し願いたい。それから、速度を13倍の時速約800キロにあげて、ぼやけたもの以外の何が見えるか、ご報告願いたい。

9/11真相追求活動家達が変わり者だという、アレックスのもう一つの証拠は、元構造工学技術者と称するハーマン・ソイファーが、“第1、第2ビルの崩壊を簡潔に”要約して彼宛てに書いた手紙だ。これは“建設中のタワーの図面と作業を調査した”ソイファーがアレックスに書いてきたことだ。“タワーは、基本的に、チューブ状であり、本質的に空洞だ。”この作り話は、もう何年も前に打ち破られている。もしも、アレックスが、ビルの図面をグーグルで検索さえしていれば、壁の薄い空のチューブなどは存在せず、莫大な数の、とてつもなく太い鋼鉄の梁を発見していただろう。

時速約800キロで動いている乗客達の、おびえた顔を見たという、小型トラック運転手の主張やら、ビルの構造的な完全性について全く何も知らない人物からの手紙にあった、とてつもないたわごとに依拠して、無数の定評ある専門家を、変わり者だと片づけるのをいとわないアレックスを見ると、彼は私より遥かに大胆な人物であるようだ。

鋼鉄の高層ビル建築を長らく専門としてきた建築家を、変わり者と呼ぶ前に、私だったら、話題に関して自分が現在知っている以上に、もっと知りたいと思うのだが。ナノ化学者や物理学者をからかう前に、少なくとも、彼らの論文を読んで、その主張の中に、科学的な欠点を見つけられるようになりたいものだと思う。

ところが、9/11事件を懐疑的に思っている人々をあざ笑っている連中の誰一人として、これが出来てはいない。例えば、ラール、バーンハートや、コックバーンは、40年間の経験や、60本の科学論文があるナノ化学者を、どうして批判することができようか?

連中にはそれはできないのだが、それにもかかわらず、判断をしているのだ。自分たちに全く知識がなかったり、理解できていなかったりする物事についての判断を、彼らはためらわない。これは研究と分析に値する興味深い心理現象だ。

もう一つの興味深い現象は、ほとんど情報も持っていない事件である、9/11に対して、彼らが抱いている、強い情緒的反応だ。9/11委員会自身の主要メンバーすらもが、彼らへの情報提供は抑制され、委員会は失敗すべく設置されたと語っている。大挙してNIST擁護をしている人々は、NISTが結論を出す上で依拠しているシミュレーションの詳細公表を拒否している以上、自分たちが一体何を擁護しているのかさえ分かっていないのだ。

9/11論議など存在していない。一方の側には、公式説明中の問題点を論証した実績を認められた専門家がおり、もう一方の側には、専門家を、陰謀論を主張する変わり者だとして非難する非専門家がいるのだ。専門家達は、発言することについて、注意深く慎重であり、彼らを誹謗する連中は慎重さや配慮など、かなぐり棄てている。それが論争の現状なのだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29114.htm

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9・11テロ完全解析]10年目の「超」真実 菊川征司著 ヒカルランド刊。2000円+税を昨日購入。

911kanzenkaiseki

 死せる新聞が死せる記事を載せ、死せる社説を掲げます。ただ「全面広告」のページのみが、活き活きと経済の「現在神」の花の顔容(かんばせ)の輝きを見せている─。すでにその「現在神」の祠(ほこら)として、すべての「家族」が眠りに就いた後も青白い輝きを放っている、消し忘れられたTV受像機に……また"分割・民営化"された国鉄電車の中吊り広告に─その新聞のコマーシャル・メッセージが犇(ひし)めき、溢れます。ああ、知里さん─"言論の自由"とは、すなわち私たちの国にあっては「言論の無力」「言論の無意味」と表裏一体となった─"その場合にのみ流通可能な概念なのではないでしょうか?

手元にある本『テレビと戦う』山口泉著の236ページ冒頭にある文章。1992年6月号「世界」初出。『「新しい中世」がやってきた!』として94年12月刊行。

病気の治療は、病気を正しく診断し、適正な処方、手術をすることで行う。

対処の余地がある癌患者に、風邪や頭痛ですと言って、風邪や頭痛の薬を処方しても、治療にならない。告知するか否かはまた別の話だろうが。ところが、この国、本当の診断を、本人ならぬ、被災地について言うと、当人ならぬ周囲の連中が起こりだし、本当の診断をしている医者を追い出す国だ。馬を見て鹿と言え、という国。

本当のことを言うと、大臣が辞任させられる国は、本当の意見を言うと、国民が逮捕される国だ。マスコミは腐敗の極み。警察権力も腐敗の極み。マスコミ記事を読むと、平穏な反原発デモをした人々、不逞の輩のごとし。反原発デモをした人々を非難する連中を、警察、あたかも保護するがごとし。

スターリンのロシア、金正日の北朝鮮より、顔のない官僚主義日本の方が重病だろう。最高支配者が死んでも、代わっても、独裁官僚主義という制度は無傷で無限に永続する。

北朝鮮から、亡命希望の漁船が流れ着いた。人ごとではないだろう。久しぶりに会った友人、「家族は、日本以外の国で暮らさせたい」と真顔で言っていた。

報道されない重大事』『非国民のすすめ』『「心」と「国策」の内幕』を購入した。『非国民のすすめ』の一から五章の題目を列記しよう。全く同感。

    • 第一章 なぜこんな国になってしまったのか
    • 第二章 あなたは国家に監視されている
    • 第三章 あなたも参加している戦時国家ニッポン
    • 第四章 あなたも差別されている
  • 第五章 権力のプロパガンダに堕したマスメディア

『非国民のすすめ』の25ページに下記文章がある。

反対運動への態度

 二〇〇三年の、クリスマス前の買い物日和。家族連れで賑わう銀座のデモには少しずつ飛び入りが加わり、先頭が目的地の日比谷公園に近づく頃には総勢七百人ほどの人の波へと膨らんでいた。 

これだけの集団が動けば当然、道路交通は通常通りには動かない。歩行規制に苛立ったサラリーマンが振り向きざまデモ隊に、

「迷惑なんだよう」

 と吐き捨てた。言われた側の一人がすかさず、

「恥を知れ!」

 とたん、「警視庁」と背中に縫いこまれたユニフォームに身を包んだ、機動隊員とおぼしき一人の警察官が突進してきて、

「検挙!」

 叫ぶが早いか、デモ隊側の声の主の胸倉に掴みかかった。いくらなんでも、これだけのやり取りでそれはない。

岩上安身氏がレポートされている、今回の反原発デモ参加者逮捕のケースそのまま。



Video streaming by Ustream

ただ上記文章には、下記が続いている。昔は良かった!

デモの実行委員たちはもちろん、他の警察官らも駆け寄って、その場はなんとか収まったという。

2011年9月12日 (月)

リビアにおける反乱はチャベスに対するメッセージ

Nil NIKANDROV | 2011年9月3日| 12:56

8月23日の、在トリポリ・ベネズエラ大使館と敷地に対する、リビア反体制派による攻撃は、ベネズエラ大使アフィフ・タヘルディンと大使館員達が、最後の瞬間に安全な場所に移動し、間もなくリビアをたったため、死亡者はかろうじて避けられたものの、ほとんど報道されないままだ。近隣中で、唯一略奪されたベネズエラ大使館の出来事を受けて、目撃者の証言によれば、ヨーロッパ人風の容貌で、軍人の様な態度の連中が先導していた攻撃は、明確にベネズエラの派遣団を標的としたものであることが明らかになった。

ベネズエラ外務副大臣で国連特命使節のホルヘ・ヴァレロ・ブリセノは、この攻撃を国連安全保障理事会で非難した。当面、中南米の解説者達は、ベネズエラの在トリポリ外交施設に対する反体制派攻撃を、打倒されたカダフィの次にブラック・リストに載っている指導者は、お前だと脅す、チャベスへのメッセージだと解釈している。リビアとシリアを不安定化させるために使われた、帝国の手口は、予見しうる将来、ベネズエラでも使用されるものと広く憶測されている… 8月17日、“ウゴ・チャベス大統領が、新たな6年の任期を獲得できるか否かという来年の選挙結果を、ベネズエラにおける政治的暴力が、台無しにする恐れがある”と報じ、ロイターはこの計画を示唆した。ベネズエラで、抗議デモが大発生する際には、BBC、ユーロニュース、CNN、Fox、アル・ジャジーラ等々がたちあげる、マスコミの騒々しいキャンペーンによって支援され、他国からベネズエラに潜入するテロリスト集団が実行する、公共物破壊や、街頭での殺人等の行動が同時並行する可能性が高い。全体的に見て、ベネズエラが直面するであろう事態は、これまでよりずっと激しい、武器を用いた暴力行為を伴う、改良型カラー革命というブランドなのだ。ペンタゴン、米国の諜報組織、米国務省、そして、イギリス、スペイン、イスラエル、カナダや、他の国々のこれに相当する諸機関は、2012年に、チャベス再選を阻止するという任務を、きっと連中の政治課題に書きこんであるのだ…

やがて破壊実験が行われるのが分かっている、タフで老練な政治家チャベスは、そう遠くない選挙に先立ち、自信を示したのみならず、2018年に再選を勝ち取るとまで約束した。彼の計画は、本質的に実務的で、最大限の明快さで、詳しく説明された。大衆の支持と忠実な軍に依存することが、どんな陰謀であれ、無力化させるのに役立つはずであり、帝国の支配が無限に続くわけではないのだ。チャベスの楽観主義は、21世紀中期までには、頻発する経済危機と、政治派閥や、民族集団、大企業同士間での国内対立は、逆転できない形で、帝国の力を蝕み、現行の帝国という姿のアメリカは消える運命にあるという理解に基づいている。着実に、流血や人的被害を犠牲にしながら、アメリカは世界の憲兵と世界の寄生虫という役割を投げ出さざるをえなくなる。向こう見ずな外交政策や、反抗的な政権を押しつぶそうという企みは増殖し続け、結局、アメリカ苦悶の時代を早めることにしかならない。歴史的に消える運命にある帝国主義体制の解決策を求めてきた長い模索に対して、帝国の終焉が、終止符を打つことになると、チャベスは確信している。

このベネズエラ指導者は、アメリカや他の西欧諸国における社会・経済的緊張の高まりについて、頻繁に言及している。西欧では、苦境は対処されぬままになりがちで、中流階級の大半を含め、不利な立場におかれた社会階層による抗議は抑圧されているものの、そうした状況を、政権が、伝統的な抑圧手段によっておさえ続けて対処するのは、益々不可能な課題となりつつある。結果的に、各国の軍隊を国民に対して用いるという計画が浮上し、軍隊は既に、しかるべく訓練済みだ。アメリカ軍が日常的に民間人と対決している“対テロ戦争”は、イスラム過激派、人気とりの指導者、アカ、反体制派連中、等々が仕組んだとされる陰謀を壊滅させる作戦に対する、あらゆる抑制を失ってしまったかのように見える程にまで、アメリカ人将校団の考え方をゆがめてしまった。

アメリカの軍事化は、アメリカ経済を、より民生方向に切り換えれば、必然的に大きな痛みを伴うような規模に達している。現時点では、最小限の国防予算削減でさえ、アメリカ経済全体を狂わせるし、肥大化した軍産複合体を破綻させずに維持するには、世界中のあちこちで、武装対立が必要だ。アメリカの選挙民が、シリア、イラン、カフカスや他の場所での紛争に取り組むことに慎重な状況では、国民の好戦性を回復させるには、9月11日に匹敵するような劇的事件しかない。9月11日のテロ攻撃は、アメリカとイスラエルの諜報組織によって、陰であやつられていたと、チャベスは確信している。CIAのエリート連中、アメリカの国防諜報機関、他の西欧諸国の諜報機関やモサドが、反ベネズエラ工作に携わっていることを知っているので、チャベスは頻繁に、この話題を取り上げ、ボリビア政権の弱体化を狙う、ありそうな挑発行為を警告する番組を放送するよう、ベネズエラTV局を促している。

帝国の侵略的な発作、国際法無視、ワシントンにおける政策決定や政策の変動、更には、アメリカの支配に反抗する国々で、裏切り者集団と結びつこうとするアメリカの傾向が、地球上至る所で、防衛反応を引き起こし、アメリカ支配の外にとどまっている国々を、主権強化の方向へと向かわせている。地域的な権力中枢の勃興は勢いを増し、結果的に、様々な口実で、NATOよって打ち負かされた国々でさえ、国内政治では、次第に反米勢力が優勢となりつつある。現代世界では、あらゆる侵略は必ずや抵抗運動に見舞われる。

ベネズエラで体制転覆をひき起こそうという、2002-2003年の失敗したアメリカの企み以来、ベネズエラの軍隊と経済、特にエネルギー部門を、アメリカの影響から隔離するというのがチャベスの戦略だ。アメリカとベネズエラとの間の明らかな格差を考えれば、対決のための対決が、チャベスの意図であるはずはなく、ベネズエラは、国際関係を多角化し、チャベス以前の時代に、ベネズエラが帝国の準独立国家で、もう一つのプエルトリコのように存在することに“進んで”同意した当時、おかれていた状態に対する、実行可能な代案を探し求めているのだ。当時、ベネズエラの上流階級は、ベネズエラをアメリカと完全統合することさえ考えるほど、極めてアメリカ化していた。とんでもない価格で、石油をグローバル市場で叩き売りして、黄金の百万人(富裕層を意味するロシアの新しい慣用表現)だけが享受できる、あらゆる種類の快適さを味わうというのが、ベネズエラ革命によって押し退けられて、チャベスの主敵となったリベラル派の夢だった。これが、ベネズエラが独立を強化することを狙って、チャベスが実施するあらゆる取り組みを非難する連中なのだ。彼らにとっては、石油部門の国有化や、ベネズエラがロシアや中国とのかかわりを深めていること、ALBAブロック創設や、中南米で経済原動力を持つ国へと成長したブラジルとの絆の育成は、野党再起の機会を圧殺する手段であり、容認できないのだ。

ロシアを含めBRICS諸国における、ベネズエラの通貨資産の一部を活用し、ベネズエラの海外における金準備を回収するという、チャベスが最近行った決定を、ワシントンは明らかに激怒している。チャベスは、アメリカとヨーロッパ経済が沈み行く中、中国、ロシアやブラジルのような国々の潜在力を活用する時がやってきたと語り、“資本主義の危機を前にして”ベネズエラにとっての"健全政策”として、資産をアメリカやヨーロッパから引き上げると述べた。西欧の銀行から資産を移転する背後にある戦略は、上記観点のみに限らず、“カダフィの黄金”として知られていたリビア準備金の事実上の没収をも、ベネズエラが考慮に入れているに違いないことは確実だ。ある条件の下で、例えば、西欧の大企業が押しつける、ベネズエラでの国有化に関連した補償要求といった口実で、西欧に置いてあるベネズエラの資産が凍結される可能性があると、ベネズエラ政府が考えて不思議はない。金準備の本国返還も、もしもドルとユーロが大幅に下落した場合、ベネズエラが経済的回復力を維持するのに役立つに違いない。

チャベスは、北米の銀行に約5700億ドルを預けている他の中南米諸国にも助言しており、発展段階にある、そうした投資も、これに習う可能性がある。1980年以来、99トンのベネズエラの金を保管しているイングランド銀行が、最初に回収要求を受け取った。アメリカ、カナダ、スイス、そして、フランスの銀行にある金も、同様にベネズエラに移送される。現時点では、総計365トンのベネズエラ金準備のうち、58%よりやや少ない量がベネズエラ国外に保管されている。ALBA諸国は、資産を本国に返還するようにというチャベスの呼びかけを受け入れる方向に見える。2011年8月にカラカスを訪問したロシア外相のS.ラヴロフは、ベネズエラの資産を保管するという、ベネズエラの提案を、モスクワは喜んで受けることを検討したいと述べ、事実上、チャベスが進めている方向を支持する意図を示したことも留意すべきだ。北京の対応も本質的には、モスクワと同じだった。

中南米の金融構造を、西欧から独立させようというチャベスの動きを、専門家達は、危険な企みだと見なしている。リビアが所有するかなりの外貨資産を、西欧の銀行から中国の銀行に移そうしたカダフィの計画は、彼が人狩りの標的になった理由の一つだ。アメリカとヨーロッパにおける経済回復の神話を、チャベスがどのようにして消散させたかを、西欧が決して忘れないだろうことは明らかだ。アメリカとヨーロッパ経済は沈下しつつあるという、ベネズエラ指導者の過激なメッセージは、聴く能力がある人々の共感を呼んだに違いない。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2011/09/03/revolt-in-libya-a-message-to-chavez.html

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在リビア・ベネズエラ大使館襲撃事件、マスコミは全く報じない。ホンジュラスの法外なセラヤ拉致クーデターもそうだった。この国の商業マスコミ、一般国民にとって、本当に重要なことは、これまでも報じてこなかった。そして、未来永劫そうだろう。

ベネズエラの資産確保対策と逆に、この国、宗主国の価値が下がり続ける印刷物を、膨大な額、購入し続けている。それだけの資金を、復興用に、現地の皆様に回せば、復興速度は加速するだろう。為政者には「そんなの関係ねぇ」。宗主国との関係がすべて。

9/11、マスコミは、想像通り、総力をあげて、宗主国の9/11の公式物語と3/11回顧放送。万一総力をあげて原発廃止に取り組めば、マスコミを信用するのは、やぶさかでないのだが。

原発に関するあらゆる嘘を言い続けた三百代言官房長官を、大本営広報マスコミは追求せず、経産大臣になると称賛する。経産省の思い通りに振る舞う「傀儡」、いや確信犯かも知れないだろうに。本記事に、下記の文章がある。

ベネズエラでの国有化に関連した補償要求といった口実で、西欧に置いてあるベネズエラの資産が凍結される可能性があると、ベネズエラ政府が考えて不思議はない。

これすなわち、TPPの狙いの一つ。

ニュージーランドという視点から、TPP問題を検証する本、ジェーン・ケルシー編著『異常な契約 TPPの仮面を剥ぐ』14章にも、「投資家と国家との間の紛争」という項目がある。245ページ。冒頭の文章はこうだ。

米国はTPPの交渉のなかで、投資家と国家との紛争解決手続きが示されることを期待している。

以前翻訳した記事TPPAとは何か?TPP Watch、には以下の文章がある。

3. もし政府が、投資家が連中の投資の価値に影響を及ぼすと主張する新たな政策、あるいは法律を推進すれば、(ニュージーランド国内法に打ち勝つ)TPPAの下では、彼等の権利を侵害したかどで、連中は、何百万ドルも要求して、政府を訴えることが可能です。訴訟は、わが国の裁判所ではなく、国連や世界銀行が運営する秘密国際裁判所で行われます。

むしられるためのTPP加盟を推進する、売国奴政治家と売国奴マスコミ。陰謀ではなく、単なる計画。

原発・植民地化推進のためのTPP加盟も万全と、売国支配層はほくそえんでいる。

原発事故という、世界最大の人災を引き起こした企業、メーカー、労組、官僚、御用学者、裁判官、ジャーナリスト達は決して逮捕されない。そうした事故の再発を防止しようと、デモをするごく普通の国民は無理やり逮捕される。宗主国と同じ、一流のファシズム国家。

今年9/11、この国の現実として、我々が見るべき映像は、3/11回顧録ではない。まして、宗主国の911式典ではない。これを報じないマスコミ組織が、正真正銘の大本営広報部隊であることを証明する下記映像だ。

2011.9.11新宿反原発デモ 警察のすさまじい暴力・不当逮捕の瞬間

 

政府、民主党・自民党・公明党、経産省や文科省等々、昔から疑っていた。もちろん、都庁、石原知事、そして機動隊も。

不当逮捕をする機動隊員諸氏、自分や、妻子、両親などを、放射能で悩ませたいのだろうか?支配者、経営者、国民を総棄民にするつもりだ。無人ロボット不沈空母にしたいのだろうか?北朝鮮指導部さえ、うらやむに違いない。世界に冠たる弾圧国家。日本良い国、強い国。ヒステリー精神異常支配者が「ショック・ドクトリン」実施中の「死の灰の国」!

宗主国同様、日本では、大本営広報部の活躍のおかげで、苦境は対処されぬままであり、中流階級の大半を含め、不利な立場におかれた社会階層による抗議は抑圧されており、そうした状況を、政権が、伝統的な抑圧手段によっておさえ続け、対処するのは、益々容易なことと化している。

2011年9月 9日 (金)

公式の9/11説明を信じているのは、公式の9/11説明を知らないせいだ

Jesse Richard

2011年9月2日

TvNewsLIES.org

(リンク先は、ほとんどが英語ページであることをお断りしておく。)

9/11の公式説明を知っているからこそ、私は9/11の公式説明を信じない!

この主題について調べた後で、2001/9/11の出来事について疑問を呈する立場から、出来事についての公式説明公式説明を信じる側に変わった人には、過去10年間、一人たりとも出会ったことはない.. いつも、その逆だ。どうしてそうなると、お考えだろう? それには、当然の理由があり、これからこの現象について、ご説明を差し上げたいと思う。

"陰謀論者"という言葉は、我々の言語の中でもおそらく最も誤用されている表現だが、9/11の真実を追究しようとしている人々を表現するのに使われることが多い。おそらく、この言葉は、9/11真実追究運動の一部にはあてはまるだろう。だが、大半の場合、9/11の真実を追究しようとしている人々に対する、より正確な記述は、おそらく "専門家"や、"学者"や、"研究者"だ。9/11の出来事にまつわる公式説明について投げかけられている疑念の大半は、憶測による非難やら、"理論"という形のものではない。実際、公式の、議論の余地がない出来事や詳細を入念に検討した後に提起された疑問の形で、なされている。

2001年9月11日の、いまわしい出来事が起きて以来10年たったが、大多数の人々は、あの出来事の実際の詳細について、いまだに全く何もご存じでない。あの日、アメリカで、アメリカ軍に一体何が起きていたのかを人々は知らないのだ。あの日、あの週の間、そして、場合によっては、あの日に至るまでの数年間に、アメリカ政府の主要メンバーや、国防関係の支配者集団や、諜報関係者の経歴や活動を、人々は知らない。あの日の出来事の間に、あるいはその直ぐ後に起きた事を、人々は知らない。あの出来事の後、そうした主要な連中がとった行動も、人々は知らないのだ。

非常に多くの出来事と同様に、9/11のような出来事に関しても、人は断固とした態度をとったり、ある立場を主張したり、意見を述べたりしがちなものだ。だが、あの出来事を取り巻く多くの詳細について尋ねられると、そうした人々は答えられない。お手上げになる。そして最後には、ぼうぜんとする。

偽装作戦を実行するなどという恐ろしいことを言って、私が"アメリカ政府を糾弾する"ことなど信じられないと怒った市民と、9/11の出来事について議論をし、最後に"いや、それは知らなかった。本当ですか?"と言われたことが、一体何度あったことだろう。詳細といわれる些細な事柄を教えて、彼らを"教育する"ことを、何度繰り返したことだろう。決して疑いもせず、決して知らなかった"公式事実"のいくつかを教えた際に、人々の表情に浮かぶ、真っ青な、ぼうぜんとした表情を一体何度拝んだことか。連中が再びきちんと呼吸が始められるかどうか心配な余りに、ほやほやの"愛国的アメリカ人"との対決から何度歩き去ったことか。

連中がそんなことをするはずがない

9/11の出来事に関する、あらゆる知的な論議の、よくある始めと終わりは、アメリカ人に対する攻撃を許したり、実行したりして、アメリカを裏切るようなアメリカ人など存在しないという前提に基づいている。こういう立場をとる人々は、歴史も、人間の本性も何も知らないのだ。あの日、わが国を運営していた連中によって書かれた建前、声明、演説や刊行物のことも、彼らは知らないのだ。

偽装作戦(偽旗作戦)は、アメリカでも、世界中の国々でも、何世代にもわたって行われてきた。こうした作戦の多くは暴露されているが、こうした活動の多くの証拠は、おそらく、いつの日か明らかになるかも知れない秘密文書の中に隠されてしまう。アメリカが自分自身に課そうとしたテロで、皆に知られる所となった計画、ノースウッズ作戦を調べることから、この話題についての調査を開始して頂くことが可能だ。これで"それは知らなかった。本当だろうか?"とは思われなかっただろうか。2001年に起きた"新たな真珠湾"の時期に、アメリカ運営に関与していたネオコンの教義を覗かれるよう提案させて頂きたい。

しかし、9/11委員会は、何もおかしなことは発見しなかった

一体どれだけ多数の人々が、9/11 キーン委員会の起源や、任務をご存じないままなのか、信じられないほどだ。最初に、アメリカで最も極悪な政界実力者の一人であるヘンリー・キッシンジャーを大本の指導者として、国家的神話をつむぎだし、維持する専門知識と学歴を持った、フィリップ・D・ゼリコウを事務局長として、任命した所から始まって、誰がこの委員会を構成し、この委員会への指令が何であったについて、人々は何も知らないのだ。

9/11という話題の、いかなる事実を裏書きするためにも、なぜこの委員会の"所見"が使えないのかという考え方をご紹介するために、この委員会の公的任務が何であるかを、指摘させて頂こう。キーン委員会は、公式説明を文書化し、その話に基づいて、国家安全保障勧告を出すように命じられていたのだ。公式報告書に収載すべき情報は、公式説明に一致しなければならなかったのだ。もしも委員会の誰か一人が、どれかの証言や所見に反対すれば、その情報は報告書から外されるべきなのだった。この一例として、自分たちの証言が、最終報告書から割愛され、否定された結果、9/11真実追究活動家となった何千人もの人々と話をすることが可能だ。

WTCで働いていて、WTCを最後に脱出した人物とされている、ウイリアム・ロドリゲスから始めよう。なぜ、ホワイト・ハウスに招待され、ジョージ・W・ブッシュと会った後、最初の飛行機がビルに突入する以前の瞬間に、WTCの地下2階で、爆発に見舞われたという彼の証言が、キーン報告から除外されたのかという彼の説明が通じるか見てみよう。より詳細については、デヴィッド・レイ・グリフィンの著書、9/11 Commission Report: Omissions And Distortions「9/11委員会報告:遺漏と歪曲」をお読み頂きたい。この本は、キーン報告を、むしろ辛辣に、ほとんど無用なトイレット・ペーパーの山へと翻訳してくれている。既に何度も"それは知らなかった。本当だろうか?" という反応をしておられるだろうか?

読者は、この問題を論じる資格があるのだろうか?

9/11のような話題について議論する際に、誰にでも論議に加わる資格があるわけではなく、まして、この話題について"意見"を押しつけるなど、とんでもないということを、人々はなかなか理解できない。9/11というのは、実際、意見を受け入れる余地があるような話題ではない。事実から、あなたが引きだす結論なら、他の意見を受け入れる余地はあろうが、9/11真実追究運動について、そうした意見が事実に基づいており、そうした運動のメンバー達は、普通の人よりも、もっと多くの事実を知っているという現実に根ざしていることを、多くの人々は理解できていない。もし読者が、医学について、医師と議論した場合、その話題に対する読者の意見や見解は、かならずしも、医師集団のそれと同等な値を持っている訳ではないように..

同様に、私のように(また多くの9/11真実追求論者同様に)、9/11の様な話題に関して、3つの博士号と同等のものをお持ちの方がおられるだろうか。私は専業のジャーナリストだ。この種の事柄を、私は毎日調査しており、しかも2003年以来、調査してきた。誰もが、私と9/11のような問題について論議する資格があるわけではない。我々は論議することはできる。読者は膨大な数の質問をすることができるし、私が気がつかなかった、問題の側面を示唆していただけよう。しかし、あなたの"意見"を私や大半の9/11真実追求論者に対して、押しつけることはできない。ちなみに、意見対事実ということになると、事実が勝つ。FOXニューズの視聴者の方々が、この概念を把握することが可能とは思われない。

疑いを抱かない主流派の大衆と、9/11真実追究活動家の人々との違いは、事実情報と詳細であることを、皆が認識することが必要だ。個々の主張や非難は無視頂きたい。何か胡散臭いことが起きていることを理解するのに、そこまで気にしていただく必要はない。公式の多数の証拠をご覧頂きたい。既に皆揃っているので、頭がクラクラされるはずだ。主張には耳を傾けないように。証拠を検討頂くだけだ。実際に、しっかりとご覧になれば、色々とご理解されよう。やがて、もし自分で徹底的に調査をされれば、9/11真実追求派の多くの人々同様に、容疑者リストを作り上げられるかも知れない。私はそうだった。だが、我々はまだそこまでは至っていない。かなりの人数の刑事告発をするだけの十分な公式証拠が我々にはある。私はこの件で冗談を言っているわけではない。だが、ここでは事実についてのみ語り、いつの日か、法廷で陪審員が本当の答えを宣言するようになることを願うとしよう。多数の真実追究を主張する人々の意見が、正しいことが証明される可能性が高かろう。しかし、またもや、とりあえずは、まず事実を見て、はっきりさせるべき多数の疑問があることを理解頂きたい。そして、"それは知らなかった。本当だろうか?"と言ってもかまわないことに気づいて頂きたい。

それで読者には、9/11真実追究活動家との議論に参加する資格はあるのだろうか?

もしも、2001年9月11日に"同時に" 行われていた軍事演習について、あるいは、PNAC、アメリカ新世紀プロジェクトとして知られている興味深い小さな政治徒党、あるいは、WTC7が、一体どういうもので、あるいは、いかにして、また、なぜ、9/11に、WTC7がぺちゃんこに潰れたのかに関する、重大な疑問を抱いている1,500人以上の建築家や技術者を、あるいは、彼が殺害されたということになっている日まで、FBI自身の言葉で、彼が関与していた証拠が何もないので、オサマ・ビン・ラディンを、9/11の出来事の件でFBIが指名手配していない事実を、ご存じないのであれば、読者は出来事についての論議に加わる資格はお持ちではない。議論に加われるようになるまでには、たっぷり準備していただかねばならない。そこで読者には早速研究頂きたいが...ともあれ、この記事を終わらせよう。皆様が、何度となく、"それは知らなかった。本当だろうか?"とおっしやるだろうことに私は全財産を賭けてもよい。

我々は、なぜ公式説明を受け入れないのか?

皆様に真剣に考えて頂きたい疑問は以下の通りだ。この疑問に対する答えはお教えするので、情報不足なままの読者ご自身のご意見で、議論に加わろうとはしないで頂きたい。本当の答えをお教えする。TvNewsLIES.org創設者である私、ジェス・リチャードが、なぜ、9/11の出来事についての公式説明がたわごとだという結論に至ったかと、読者はお考えだろう? その答えはこうだ...私はいつも、こういうふうに感じるわけではないのだが。実際問題として、事件が起きてから数時間の内に、友人全員に、イスラム教原理主義に対する攻撃を非難する電子メールを送った。あの日に起きた、あるいは、あの日におきなかった(あの週と言うべきだろう) 何かが、奇妙に見えるにもかかわらず、出来事に関してTVで報じられている"物語"を、私はすぐに疑うことはしなかった。

何か、というより、実際には、非常におかしな多くの物事があると気がつくまで、十分な"公式"情報を得るのに、私はほぼ二年かかった。非常に多くの気掛かりな、公式の、議論の余地のない事実に出くわしたので、私は、他の人々に質問し始めた。大半の方々は、私が話していることをご存じなかった。詳細を知っている人は皆無だった。だから、読者へのお答えはこうだ...公式説明を、私は知っているので、私は公式説明を信じない! 私は、結論も、アメリカの国防を、彼らだけの力で超えた、19人の無教養な連中の小話も信じない。ちなみに、これに関する公式の立場は、連中FBIには、いわゆる乗っ取り犯達の正体やら、一体、乗っ取り犯達はいたのだろうかどうかに関して何の証拠もない。乗っ取り犯人は乗客名簿に載っておらず、それも読者はご存じではあるまい。

だが...公式説明と事実から、あの日に起きたことに関する一般大衆の認識は、何かが非常にあやしいことに、そして、あの日起きたことに対して誰に責任があるのかに、私は気がついた。受け入れられ、信じられている公式説明は、論理から、全くの完全なでっち上げへと変身した!

読者が、公式説明の結論を信じておられるのであれば、公式説明の最初から最後までを知って頂くべきだ。公式説明に対し、説明を真実として受け入れることから始めるという、キーン委員会がとった方法で取り組んではならない。出来事を詳しく調べ、公式に認められている多数の証拠を詳しく調べ、そもそも、その話を読者に語った人物を詳しく調べるのだ...そうすれば、まもなく、私同様に、あのいまわしい日と、アメリカ政府を支配していた人々に関して、あっと言う間に、多数の疑問を抱かれるに違いない。そして、もちろん、読者は、"それは知らなかった。本当だろうか?"とおっしゃるだろう。

わかったが、一体誰が、実際、9/11の攻撃の背後にいたのだろう?

9/11の真実を追究する人達は、論議を結論から始めるという間違いをしているが...私はそれはしない。公式の結論や説明では答えになっていない、あの日に起きた出来事にまつわる多数の疑問があると、私は申しあげているに過ぎない。何か納得がいく答えが欲しいのだ。私自身、考えており、私自身の"理論"もあるのだが、私はジャーナリストで、寓話ではなく、事実を扱うのが仕事だ。

アメリカ国民に与えられている公式説明は、だまされやすい国民を、質問などしてはならず、指導者達を信頼して、我々の自由ゆえに、我々を憎悪した連中に、復讐するのだと納得させるように作られた、裏付けの無い、信じがたい説明に満ちている。そうしたものについて、非常に大量の文書が書かれている。大方、読者は、そのどれもお読みになっておられない。

この記事では、十年前に起きた攻撃に関して、我々が聞いていないことが山のようにあるということを、更にはっきりご理解頂けるよう、私は多くの疑問を提示し、その答えへのリンクをつけてある。しかし、いまだに、うやむやのままな余りに多くの疑問があるのでこれらの事実は、極めて巧妙に隠された氷山の一角に過ぎない。

だから、うやむやのままの疑問の例、あるいは、少なくとも公平な真実探求活動家達によって調査されたもので、この記事を締めくろう.. これらの疑問は無視されてはならず、単に、恐怖を感じた国民に、嘘で固めた政権によって提供されたというだけで受け入れてはならない。皆、正統な疑問に基づく、正統な疑問だ。いずれも、一瞬たりとも、陰謀論などではない。"

    1. 飛行機が衝突したわけではなく、わずか数階が火事になっただけで、何ら深刻な危機にある兆しも見せなかったWTC 7の崩壊を、一体なぜ報道機関は、実際の崩壊より約1/2時間前に報じたのだろう
    2. 乗っ取り犯達だと疑われている連中の多くが事件から数日後に生きて現れたのに、19人の乗っ取り犯達の話を我々がまだ信じているのは一体なぜだろう?乗っ取り犯達の正体が良くわからず、あるいは、乗っ取り犯達がそもそも、いたかどうかもわからないとFBIが認めているのに、我々は一体なぜ、19人の乗っ取り犯達の寓話を信じているのだろう?
    3. なぜWTC 7は、マスコミが全く報じぬまま、再建され、再開され、再び店子が入った のだろうか? これは、アメリカの決意と粘り強さの、重要な勝利ではあるまいか?
    4. 一体なぜ、9/11に先立つ数週間前、初めてNORAD規則が変更されたのだろう?乗っ取られた飛行機を撃墜する責任/権限を、史上初めて、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)から取り上げ、一民間人のドナルド・ラムズフェルドに与え、9/11後、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)に戻したのだろう?
    5. 一体なぜ、ニューヨークとワシントン DC攻撃を計画している乗っ取り犯達が、フロリダ州から車を出発させ、DCとNYを通りすぎ、はるばる、メインまでドライブし、連中が乗っ取ったと我々が聞かされている、メインからボストンへの連絡便という、この巨大な作戦に依存したのだろう? 一体なぜ連中は、ニューアークや、ラガーディアや、JFKの様な、標的から見える空港のどれかから出発しようとしなかったのだろう...あるいは、標的に向かう明快で容易な経路が得られ、アメリカの防空システムが連中を制止するであろう時間も短縮できたはずの、小規模地方空港のどこかから?
    6. 特定航空会社の株価が、膨大な価値を失うことを、まるで知っていたかのように、出来事の直前に、航空会社株の売り付け選択権を行使したのは一体誰なのだろう
    7. 一体なぜ、ジョージ・W・ブッシュ大統領のシークレット・サービス選抜部隊は、国家が攻撃されているのが明らかな時に、大統領を急きょ安全な場所に移さなかったのだろう?もし国が攻撃されていたのであれば、連中は攻撃の全容を知らず、大統領の居場所が知られているのに、フロリダ州で攻撃されてしまうことを、一体なぜ心配しなかったのだろう?一体なぜ、あたかも脅威などないことを知っているかのように行動したのだろう? また、アメリカが攻撃されている時に、大統領が早急に対応しなかったのは一体なぜだろう? 彼は子どもたちを動揺させるのを懸念したのだとおっしゃるのであれば、あなたは言い訳がましい人の究極だ。母親から電話がかかっており、彼女の要求を聞かないといけない、と言うことだってできただろう。アメリカが攻撃されたことになったいたのに、彼らは移動せず、20分間もじっとしていた。これは、明白な証拠中の明白な証拠だ。
    8. 一体なぜ、FBIは、オサマ・ビン・ラディンを、9/11の件で指名手配として、決してリストに載せなかったのだろう? 実際、我々は知っているのだが...この出来事と彼を結びつける証拠が無いと、彼ら自身、認めているのだからだが。
    9. 一体なぜ、WTCの残骸の下部に流れ落ちた溶融金属が、何ヶ月も残っていたのだろう? ジェット燃料が金属を溶解することはできず、あれだけの量の金属を溶融させ、一カ月間も灼熱状態で溶融させておける原因として、説明できるものは何一つない。
    10. いわゆる乗っ取り犯達の一人のパスポートは、一体どうやって巨大な火の玉を生き延びて、道路上に出現できたのだろう?
    11. ペンタゴンで没収された80台以上のカメラの写真は、一体なぜ公開されないのだろう?シャンクスビルで墜落したとされている飛行機は、なぜ雲散霧消し、遺体も、手荷物も、金属も、何一つ残っていないのだろう。航空の歴史、始まって以来? ところが、シャンクスビルで、飛行機は蒸発してしまったにもかかわらず、乗っ取り犯の手描きノートは発見されたと聞かされている。

もちろん、まだまだ疑問はある。我々は答えてもらって良いはずなのだ。商業マスコミのような公開討論の場で、これらの疑問を問う資格が我々にはあるのだ....連中は、もう絶対に触れようなどとはしないが。インターネット上には、こうした疑問をあえて問う人々を、ことごとく、あざわらい、はねつける門番連中がいる。読者もその一人になられるおつもりだろうか? それとも、じっくりと考えられた後で、いつの日か、9/11攻撃の前、攻撃の間、そしてその後、一体何が起きたのかを、我々が知り、全員で "それは知らなかったが、今は、それが本当だと、固く確信している。"と言えるように期待されるのだろうか。

お考えいただきたい。...実際、考えるべき頃合いなのだから。

Jesse Richard is Founder of  TvNewsLIES.org

記事原文のurl:tvnewslies.org/tvnl/index.php/news/911-related/20583-you-only-believe-the-official-911-story-because-you-dont-know-the-official-911-story-.html

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いまわしい日付の911、個人的には三度ある。

    • 1973/9/11
    • 2001/9/11
    • 2005/9/11

2001/9/11:

新聞に当時の要人のコメントが載ったり(今日はコンドリーサ・ライスだった。もちろん読んでいない。)、テレビで追悼番組が放送されたりするが、見る気力はおきない。いずれもプロパガンダの上塗り。事件そのものの不思議さを検証する番組・記事は皆無のようだ。

半年にわたる原発問題報道管制、あるいは虚報をし、原発推進プロパガンダである、二酸化炭素温暖化詐欺の事実に触れないマスコミを見ていれば、マスコミが911内部犯行説に触れないことが、911内部犯行説が「陰謀論」であることを意味するわけではないのは想像できる。

英語圏では、イベントが開催され、書籍も多数刊行されているが、文化ガラパゴス列島では、イベント皆無。さすがに3/11から半年ということで、反・脱原発イベントは多数。

関連書籍の一部をあげておく。アメリカの歴史学者、ハワード・ジンは、「でっちあげた事件で、無数の戦争を始めたアメリカの歴史」を語る講演「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」で言っている。「皆さんが歴史を知れば、I・F・ストーンが言ったように政府は嘘をつくものだということが分かります。」

当ブログの「911関連」記事をご覧いただければ有り難い。興味深い記事を多数翻訳してある。順不同で、ごく一部をご紹介する。

他ブログでは、例えば、「ジェラス・ゲイ」の翻訳記事が詳しい。

やっと翻訳が出た、ナオミ・クラインの傑作『ショック・ドクトリン-惨事便乗型資本主義の正体を暴く』上・下購入。この本を読むと、宗主国そのものが、経済テロを仕掛ける世界最大のテロ国家であるとわかる。そして、アメリカに留学し、シカゴ学派の教義に凝り固まった、各国のシカゴ・ボーイズ、バークレー・マフィアがお先棒を担ぎ、宗主国の先生に呼応して、自国経済の破壊に勤しむ姿もわかる。暴力的なショック、殺戮・政治弾圧と、野放図な民営化による経済的搾取を並行して行うのが、ショック・ドクトリン。イラク侵略をしたブッシュ政権の幹部、いずれも、戦争で儲ける事業に関係している。利益の衝突。

軍事契約業者のビジネスは、原発を作れば儲かる日本の電力会社と同じ、原価加算方式。戦争をすればするほど、ブッシュ政権幹部は大いに儲かる仕組みだ。「対テロ戦争」なぞ真っ赤な嘘。自分たちの金儲けのための戦争にすぎない。恐怖のマーケティング戦略。

14章 米国内ショック療法、15章 コーポラティズム国家、16章 イラク抹殺、を読まれたい。

日本という国の政治家・高級官僚、こういう連中と、価値観が本当に共通なのだろうか?

1973/9/11:

チリのアジェンデ政権に対する、アメリカが支援したピノチェット軍事クーデター、最初の本格的なショック・ドクトリン適用例は、1973/9/11に起こされた。アジェンデの遺言、メッセージ、訳したことがある。本書の中でも触れられているが、以下の様に、「種は実を結ぶ」と彼は言っていた。中南米では、確かに実を結びつつあるようだ。

私たちが植えた種子は、永遠にしぼんだままではいないと確信していることを国民に申しあげます。彼らには武力があり、私たちを支配することができるでしょ
うが、社会的な過程というものは、犯罪や武力によって押しとどめることはできません。歴史は我々のものであり、人々が歴史を作るのです。

2005/9/11:

日本の金融制度、郵政を見事に破壊した竹中教授、本書で、各国(ボリビア、ポーランド、ロシア等)に経済破壊政策を授けた顧問として登場するジェフリー・サックスのオトモダチ。ジェフリー・サックス、Wikipedia英語版では、各国でショック・セラピーを指導した人物とあるが、日本語版では、ショック・セラピーの言葉がなく、まるで聖人君子。不思議な記事。

小泉郵政破壊選挙、2005/9/11に実施された。

「震災復興はまさに千載一遇のチャンスだ」という野田発言、典型的ショック・ドクトリン信者のものだと、つくつく感じる。

自民、民主、二派閥(二党だというが、実態は二大派閥)続けて、ショック・ドクトリンを延々と実践し続ける日本、経済回復するはずがない。日本の支配層、第二次大戦当時の愚昧な政策・戦略に固執し続けて、完敗した支配層と、全く同じ知的DNAの持ち主。完敗するまで、明白な失敗戦略を、断固継続するのが特徴。国民ではなく、国体こそ大切。ショック・ドクトリン、民衆にはつらいだけの経済破壊なので、「破壊した後、やがて、よくなる」というエセ呪文だけでは、実行不可能。通常、極端な弾圧をともなう。弾圧なしで、簡単にショック・ドクトリンを実施できる日本、中南米より30年か40年、遅れているだろう。

松下政経ショック・ドクトリン塾の代表的欠陥製品、前原政調会長日米同盟深化で、戦地での武器使用基準緩和、武器三原則の見直しを、宗主国で発言。想定内。究極の売国政治家代表の一人。本格的傭兵化。汚染不沈空母の中ではなく、海外の侵略先で。

ところが、前原暴言をそのまま、既定の認識であるかのごとく、大本営広報部隊マスコミは報道し、「鉢呂経済産業相の辞任論が広がっている」とする。馬鹿な発言と書いたが、いずれも事実を言っている。衣服についた放射能粒子、なめらかな繊維から、表面が複雑な繊維には移るだろう。事実を言って、失礼であったり、人を傷つけることはあり得るだろう。しかし、前原の戦争推進発言と比較にはなるまい。「死の町」を生み出した偽善自民党連中が言葉狩りをしてどうする?言葉を消しても、放射能は消えず、事故は終息しない。

ゆゆしきは、前原発言。売国奴、前原に非難されるいわれは全くない。

鉢呂の単なる馬鹿発言・失言と、国の方針を大きゆがめる意図をもって行われた前原発言、悪質さが三桁はちがうだろう。辞任すべきは前原政調会長

マスコミと与党政治に関しては、既に日本全部沈没。メルトダウン。放射能のようなエセ情報だけ垂れ流す人々。邪魔な脱原発勢力を叩き潰すために。

日本はイスラム・テロリストに襲われたわけではない。政界・官庁・学界・労組・マスコミ・原発・電力業界という、支配層自ら引き起こした世界最大の人災に襲われている。武器三原則を壊して、宗主国の手先になって、海外侵略に加担をしても、国内の人災は決しておさまらない。日米侵略・搾取同盟を強化しても、おさまらない。

個人的には、松下製品非買運動をしているつもりだが、冷静に考えると、元サンヨーのエネループとゴパン、現在はパナソニック製品だ。今から棄てるわけにもいかない。

惨事の例として、当然9/11が出てくるが、イスラム教過激派によるテロという米公式発表そのまま。内部犯行説は否定している。好機に乗じる権力側が、あまりに準備が良すぎることに、何ら疑問を提示していない。9/11本ではないので、期待する方が無理だろう。

一方、ロシアのショック・ドクトリン適用例では、プーチンへの権力移行時期に、アパート爆破事件が何度も起き、犯人をたたくということで、チェチェン攻撃が行われた件については、ロシア当局による内部犯行説に触れているのに、残念。

TPP亡国論」の中野剛志准教授が、日本におけるショック・ドクトリン政策の継続に触れておられるビデオがある。6分頃。ショック・ドクトリン、橋本、小泉、民主と、連綿と続いていることを指摘。そして、極めつけがTPP。こういう真っ当な主張の論者、TPP推進プロパガンダ装置であるテレビや新聞には決して登場されない。そもそも、知ればしるほど、とんでもない植民地化、乗っ取りツールでしかないTPP、詳しく報じるわけには行かない。原発や安保神話詐欺と同じ、TPP復興神話で、強引に参加、究極の沈没を狙っているのだ。

自滅願望のおかしな連中ばかり支配者にいただくとは、なんとも不幸な限り。日本にアジェンデがいたら、こう言っただろうか?

彼らには武力があり、私たちを支配することができるでしょ
うし、社会的な過程というものは、犯罪や武力によって押しとどめることができるのです。歴史は彼らのものであり、彼らが歴史を作るのです。

2011年9月 7日 (水)

CIAかCKA"中央殺人局"か

ボリス・ヴォルホンスキー

2011年9月2日

ヴォイス・オブ・ロシア

9月6日、デービッド・ペトレイアス大将が、公式に新CIA長官として就任する。彼は一体どのような財産を受け継ぐのだろう?

偶然か否か、9月1日木曜、ワシントン・ポストは、中央情報局(CIA)の新たなプロフィール概要を詳細に書いた長大な記事を掲載した。世界のあらゆる場所、特にイエメンに特に焦点を当てた中東の、無数の例を分析し、諜報情報を収集するのではなく、現在、CIAは主として、容疑者を見つけ出し、裁判無しで殺害することに従事していると同紙は結論している。

中央情報局は、機関の中の機関、世界中のテロリストを追跡し、抹殺する任務を課された特殊部隊「対テロ・センター」を設置した。

同紙によると、変化は“その規模を把握するのが困難な程、緩やかだった”だが、事実そのものが物語っている。

創立時、CTCの職員は、およそ300人だったが、現在は総員約2,000人(CIA総職員数の約10パーセント)で、アルカイダの全人員を超えている。

CTCができた当初の段階に用いられた戦術は、思いも寄らぬ、未来的なものに思われていたが、今や日課のようなものとなった。これは主として、2,000人以上の戦闘員と民間人を殺害し、パキスタンのような、過去のものとなった同盟国とアメリカの関係を、取り返しがつかないほど駄目にしてしまった、悪名高い無人機攻撃にかかわる。

実際、公式的に、CIAの主な狙いは、データを収集し、為政者の用の助言を作り上げるというものだったが、今や“勝手気ままな実施”官庁と呼べるような、人狩りを主要業務とする、ある種、準軍事部隊へと変化している。

変容は、国内的にも世界的にも、既に影響を与えている。

“典型的な”諜報職員達は、CIA業務が純粋に分析的なものだった頃を懐かしんでいる。

人権活動家達は、無数の人権侵害と無差別殺人を指摘している。

アメリカ、そして海外の非常に多くの人々が懸念しているのは、 監督当局に対する、いかなる透明性のある報告も無い方法で、CIAが“殺人装置”として機能しているという事実だ。二十世紀SF最悪の悪夢の実現だ! しかも、CTCの幹部たちは、その事実を誇りにしているかのようだ。ワシントン・ポストは、CTCのトップが、“我々は今、こいつらを、連中が育てられるよりも早く、殺害している。”と語っているのを引用している。

グローバル地政学からして、最も深刻なことは、最近のCIAの活動が、世界の指導者としてのアメリカの立場を台無しにしたという事実だ。中央情報局は、パキスタンとの関係を駄目にしてしまった。多数の死傷者を出しているにもかかわらず、アフガニスタン国内では、なんの目的も達成できていない。逆に、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退する前に、事態は悪化しつつあり、8月は、10年戦争全体の中でも、最悪の月となった。主要な焦点であるイエメンを含めた、民主的というよりは、過激なイスラム教的な革命が、今や、不可避に見えるアラブ世界における、広範な党派と、CIAは疎遠になってしまった。

移行が可能となった理由の一部には、元CIA長官レオン・パネッタが、こうした制度の部外者であり、諜報には経験がさほど詳しくなかったという事実もありそうだ。従って、情報部員達が、文民統制を超えるようなシステムを構築しても構わないと思えたのだ。

ここで新長官が着任する。37年の軍経験を持ってはいるが、諜報という点では、ごくわずか、または、全く経験がない。次第に変身しつつある準軍事的な怪物にとって、それは一体どのような意味をもつだろう?

一方では、CIAと軍とのより密接な協力ということも意味し得る。だがそれは、やがて、外国領土での、無人機攻撃や、特殊部隊の急襲(2011年5月、パキスタンでネイビー・シールズが実行した)等の作戦範囲を、強化、拡張し、何であれ新たな方法が今後開発されるだけのことにもなりかねない。しかし、それで文民統制が強化されるのだろうか? 答えられる人がいるだろうか?

CIAを、CKA(中央殺人局)と改名する頃合いではなかろうか。

記事原文のurl:english.ruvr.ru/2011/09/02/55566607.html

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時事ドットコム 東アジア共同体「必要ない」=野田首相が論文

野田佳彦首相が10日発売の月刊誌「Voice」に、外交・安全保障や財政に関する基本的な考えを記した「わが政治哲学」と題する論文を寄稿していることが6日分かった。外交面では「日米同盟を堅持していく」と重ねて強調した上で「いま、この時期に東アジア共同体などといった大ビジョンを打ち出す必要はない」として、鳩山由紀夫元首相が掲げた「東アジア共同体」構想に否定的な見解を表明している。(2011/09/06-18:37)

手回しのいいことだ。結局、我々は、政界、財界、官界、マスコミ総ぐるみの、下手な茶番芝居を見せられているだけのこと。ねじれは支配階級と支配される国民との間にあり。日本は二つ、売国二大政党と属国奴隷。ただし、奴隷が暴動など起こさず、進んで売国奴を支持する美しい属国日本。

現総理、財務省、つまり宗主国東京派出所の傀儡であることを益々露骨にしている。先のことを想像するだけで、つらくなる。

増税、TPP、電力値上げ、そして、水、魚、米を含め汚染食品まみれの生活が、ほぼ永遠に続く。汚染不沈空母の片隅で暮らす庶民の生活、益々困難になる。決して暴動がおきないこの国の為政者、世界で一番幸せな為政者に違いない。

それでも、二大政党なる虚構に夢を見続けられる皆様がおられる。うらやましいことだ。

外では、宗主国、内では、松下の二重傀儡。

本澤二郎の「日本の風景」(871)<松下政経塾内閣の二重権力>

政治改革の失敗によって自縄自縛となった日本政治 (五十嵐仁の転成仁語)というだけのこと。もちろん、小選挙区・二大政党プロパガンダを推進したマスコミ、永遠にこの話題にはふれない。小選挙区制度の悪に触れないことこそ、彼らの仕事。

原発安全神話の修復と、米日安保・同盟神話の維持・強化が大本営広報部の本務。

ヴォルホンスキー氏の文章にある通り、無法な組織的侵略・殺害をすすめる宗主国と「同盟を堅持していく」国、イスラム原理主義者による原発テロではなく、オウン・ゴール国家テロによって、決定的な国家衰退を開始した。国というもの、いつかは衰退・滅亡するのだろうが、この国では、属国化の程度が激化すると同時に、衰退・滅亡の速度が劇的な超高速早回しとなった。愛国教科書という、宗主国に跪きながら、歪んだ民族主義を煽る売国洗脳教科書で、いくら子どもをゆがめても、なだれのような衰退の勢いは止まるまい。

参勤交代ででかける宗主国とこの属国、どういう共通価値を持ち得るのだろう。

宗主国支配者と属国支配者であれば、国民から一層搾取し、自分たちの懐に入れるという共通価値、確かにあるだろう。

もちろん搾り取った金の多くは宗主国に献上し、残りを、悪代官・悪徳商人連中が「お主も悪よのう」と山分けする。

宗主国と属国の庶民にも、さんざん搾り取られ、最後は棄てられる、という共通の運命はあるだろう。決して共有したいものなどでは無いのだが。

そこで、とりあえず、一句。

一筆啓上火の用心汚染撒かすな馬肥やせ

2011年9月 4日 (日)

気候変動とエネルギー問題─CO2温暖化論を超えて

マスコミが世論調査をする場合は、自分のプロパガンダ・洗脳効果を検証して、プロパガンダを強化するために行うのだろうと思っている。

他の団体の調査結果を利用する場合は、自社の洗脳方針に沿うものを掲載して、後光効果を狙うのだろう。と、ひねくれものは思っている。ともあれ、最近の例。

YOMIURI ONLINE 読売新聞(2011年9月4日)

語り部ら「原発廃止望む」9割超 長崎平和推進協会アンケート

エネルギー政策に関する質問(複数回答)では、「自然エネルギーの開発と原発廃止」を求める人が93・8%で最も多かった。「原発の即時停止と廃炉」は31・3%で、「原発の安全強化と従来の政策の推進」は6・3%だった。

調査に当たった広報班の広瀬方人(まさひと)班長(81)は「原子力依存からの脱却を求める意見がほとんどだが、代替エネルギー技術の確立の必要性を訴える慎重論もあった。被災者への共感や行動を起こしたいという思いの強さは表れていた」と分析した。

とある。なぜか「原発の即時停止と廃炉」が、大多数というわけではないようだ。

原発は、地震だけで破壊されてしまう脆弱な危険物だという事実、中越沖地震時の柏崎刈羽原発事故で、そして今回の福島第一で、証明されている。

田中三彦氏は、以前から地震による事故を警告しておられ、また「老朽化、脆化している原発は、地震がなくとも危ない」とおっしゃっている。

「即時全停止」という声、多数にならないことを不思議に思う。地震活動が活発化している現在、原発をゆっくり減らしている余裕はないだろう。フクシマ事故の深刻さ、北朝鮮顔負けの報道管制をされているだけ。もう一件、事故が起きれば日本完全壊滅。

「即時全停止」という声が多数にならず、大半が「減らすべき」程度でとどまっている大きな理由として思いつくものがある。表題の、気候変動をかたる大規模「地球温暖化詐欺」。

「化石燃料使用による、空気中の二酸化炭素増加で、地球は温暖化してきた。だから化石燃料は止めて、地球にやさしい原発と自然エネルギーに変えよう」というアレだ。

アル・ゴアの「不都合な真実」は、実際は「不都合なプロパガンダ」であること、既に世界的には周知の事実。いわゆる「クライメート・ゲート」

ところが、世界の知的ガラパゴスたる日本では、その事実を、マスコミは全く報道しない。日本では、「地球温暖化」問題が宣伝され、洗脳されたまま化石化している。

そのため、

「原発を急に廃止して、化石燃料使用に変えれば、空気中の二酸化炭素増加で、地球は温暖化してしまう。だから原発廃止はゆっくり進め、自然エネルギーに変えてゆこう」

と、思いこまされているのではあるまいか。

先々月「不都合なプロパガンダ」に関する素晴らしい本が刊行された。

「気候変動とエネルギー問題」CO2温暖化論を超えて 深井有著 中公新書2120

第一章、ミステリーか探偵小説のようだ。

以下、いいかげんな要約を書いておくが、本そのものをお読みいただきたい。わずか860円で目からうろこが落ちる。目次は下記の通り。

    • 序章 クライメートゲート事件─暴かれた二酸化炭素原因説の陰謀
    • 第一章 気候変動はどうして起こるのか
    • 第二章 「地球温暖化」から「エネルギー問題」へ
    • 第三章 未来のエネルギー源─核融合
    • 第四章 これからどうするか?

まず、はしがきの一部をご紹介しよう。

地球の気候はたしかに温暖化してきた。しかしそれは一七〇〇年頃の寒冷期から徐々に起こってきたことであって、最近一〇年間はほぼ頭打ちになっている。大気中の二酸化炭素は確実に増加し続けているにも拘わらず、である。温暖化防止キャンペーンは費用対効果が疑問であるだけでなく、その科学的根拠も、実は極めて薄弱なのだ。それなのに、日本はこのキャンペーンの先棒を担いで自滅への道を突き進んでいる。

この国を自滅への道から踏み止まらせるにはどうすれば良いのか、人々を「地球温暖化防止」の集団パラノイアから目覚めさせるにはどうすれば良いのか。こと、ここに到っては、ひどく難しいに違いない。何しろ、この「地球温暖化防止」キャンペーンは、あろうことか国連機関IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)によって演出され、ノーベル平和賞というお墨付きまでもらっているのだから。そして、とくに日本では、マスコミがその旗振り役しかしようとしないのだから。

IPCCは空中楼閣となり、いずれは崩壊するだろう。そして地球温暖化防止のキャンペーンは世紀の科学スキャンダルとして記憶されることになるに違いない。

諸外国では、この状況が次第に広く認識されるようになってきて、多くの先進国で政策が大きく転換されようとしている。先進国で人為的温暖化論を信じる人は激減し、これを受けて温暖化防止法案は、最近、相次いで否決された。二酸化炭素削減を定めた京都議定書の国際的な枠組みも遠からず崩れ去るのではないかと考えられる。ところが、日本にはこのような世界の動きがまったく伝わっていない。これではいけない。人々が「CO2温暖化」の悪夢をふり払い、政府に無意味な支出を止めさせなくてはならない。そうすれば.一〇年間で一〇兆円以上のお金を震災復興に回せるではないか。

「化石燃料使用による、空気中の二酸化炭素増加で、地球は温暖化してしまう」論をふりまいていた組織IPCCのコンピューターが何者かにアクセスされ、13年間にわたるメールとデータが流出した。その流出データから、IPCCの有名な、いわゆるホッケー・スティック曲線が、捏造されたものであったことがばれてしまう。

ホッケー・スティック曲線、1900年ころから、気温が急にあがる(ホッケー・ステッキの先端のように)という図だ。

「何者かにアクセスされ、13年間にわたるメール・データが流出した。」というが、重要なものが流出していることから、筆者は関係者の関与を示唆する。

気温があがると、二酸化炭素が増加するという事実はあっても、二酸化炭素が増加すると、気温があがるという因果関係は証明できていない。

そもそも、IPCCという組織、もともと、温室効果による地球温暖化を前提にして作られた組織なので、科学的根拠については中立的ではありえなかった。30ページ。

いわく、

    • 温暖化が今のまま進むと、2035年には、ヒマラヤ氷河は消失する。
    • 温暖化によって、ハリケーンがふえる。
    • 温暖化による雨量減少で、北アフリカの食糧生産が50%減少する。

等という数々のIPCCによる虚報。

そして、きわめつけとして、地球温暖化を種とした商取引が出現する。排出権取引だ。

温暖化防止を大義名文に、世界経済のヘゲモニー把握を狙うヨーロッパの意図が、IPCCを動かす影の力ではないか、と著者は言う。

また、IPCCは、原発推進の隠れ蓑になっているという説も紹介する。

ともあれ、IPCCは、空気を種に、排出権取引での大儲けを狙った詐欺師だった。

47ページで、著者は言う。

ところがわが国では、2011年4月の時点で、まだIPCC信仰は崩れておらず、国民は依然として二酸化炭素の排出削減を崇高な目標と信じ込まされている。これではいけない。

少なくとも諸外国並みに、国民が地球温暖化論の真実を知り、政府が正しく対応できるようになるべきなのだ。

このように日本が世界から取り残されていることについては、マスコミの責任も大きい。

ここで述べたようなIPCCへの疑問を日本のマスコミはまったく報道していない。2009年9─10月に外国のメディアが気候温暖化への疑問に取り組み始めたとき、日本のメディアの反応は皆無だった。そして、クライメートゲート事件が起こった後も、長いこと沈黙を守っていた。IPCCの旗を担いで地球温暖化の危機感を煽ることに終始してきたメディアは、ことの重大さに気付かなかったのか、あるいは気付いていながら目を瞑(つむ)ったのか、分からない。いずれにせよ、今に到るまで、マスコミは事件の持つ意味を正しく伝えていないのだ。日本のマスコミに「社会の木鐸たれ」などとないものねだりをする気はない。むしろ身に合わぬことはしないで欲しいのだが、せめて世界で起こっていることを正確に伝えるのが使命であるくらいの見識は持って欲しいものだ。

そこで、「一章 気候変動はどうして起こるのか」となる。

地球温暖化や冷却化の要因、実は、地球内部のちまちました変動ではない。現在より、もっと暖かい時期もあった。北極圏にワニのような変温動物がいた。

要因は、銀河系の中の太陽の動き。

雲のでき方は、宇宙線の強度と深い関係がある。宇宙線強度が弱まると、エアロゾルができにくくなる、雲量が減る。

雲が減れば、地上に降り注ぐ太陽光は増し、温度は上昇し、雲が増えれば、雲は太陽光を反射し、地上に降り注ぐ太陽光は減少し、温度は下降する。

銀河系の中には、星がより密集した渦状腕が存在している。太陽も公転しているが、銀河系も回転しており、太陽は、公転する中で、時折、その密集した渦状腕を通過する。この渦状腕の中では、超新星の爆発に遭遇する確率が大きく、平均して宇宙線強度が増し、地球は寒冷化する。

宇宙線強度の増大は、生物大絶滅の原因でもあった。

ところで、雲の種となる微粒子、エアロゾルには、硫酸が含まれる。そして、その硫酸の由来は、植物性プランクトンから放出される硫化ジメチル。銀河系内での太陽の動きによる宇宙線の変化と、小さな植物性プランクトンが、雲の生成、地球の気候を左右しているのだ。発電に使う化石燃料による二酸化炭素が、気候を左右しているのではない。

年々暑くなっていると我々が感じるのは、都会の「ヒートアイランド現象」というローカルな理由による。狭いところに集まって、大量の熱を放出するためだ。そもそも、気温測定が正しく行われているか?という基本的な測定環境の問題がある。夏の暑い日、芝生の上で、25度である時に、コンクリートの上では、10度以上も高くなる。アメリカの観測ステーションを調べたところ、測定誤差が1度以下のもの、わずか10%。

アメリカは京都議定書を批准していないのは、アメリカの科学者がまともで、科学アカデミー会長が、IPCC批判の先頭に立っているという背景もあるのだ。

アラスカ大学名誉教授、赤祖父俊一『正しく知る地球温暖化─誤った地球温暖化に惑わされないために』

学会誌は学者しか読めないが、ブログなら世界中誰でも読めるので、IPCC一派も、ブログを、批判派対応と、温暖化の啓蒙に利用しようとした。

「真の気候」realclimate.org

仲間へのメールで、「どんなコメント、批判、提案も歓迎する。」と書いたが、同時に「雑音を減らすために、書き込みは必ず検閲する」とも書いていた。

IPCC一派が学会誌に手を回し、異論・反論を排除する中、果敢に戦って、状況を動かしたのは、批判派のブログだ。

マッキンタイアの「気候監査」

統計数学の知識を駆使したマッキンタイアは、IPCCチームとマッキンタイアとのやりとりを丸ごと公開し、批判封殺を続けようとしたチームの所業を白日の下にさらした。2007年にベスト科学ブログ賞を受賞。

ワッツとモンフォードのWUWT

全米の気象観測ステーションの実態を調べ、温度計のおかれたミクロ環境の影響がきわめて大きいことが明らかになった。同時に、測温データ自体が、近年の上昇を強調する「補正」をされていることも発見した。2008年にベスト科学ブログ賞を受賞。

アンドリュー・モントフォードのビショップヒル

IPCC報告書の古気候学部分の作られ方を追跡し、IPCC報告書の偏向ぶりを明らかにした。

著者は144ページで、書いている。

しかし、まだ大きな問題が残っている。IPCCの活動が科学を離れて一人歩きし始めてしまった今、その流れを止めるためにインターネットのような情報伝達手段が果たすべき役割はますます重要になっている。日本のようにマスコミが正しい情報を伝える役を果たしていない国では尚更のことである。インターネットを通しての草の根運動が、やがては科学的根拠のない人為的温暖化論を駆逐することを願っている。

第二章 「地球温暖化」から「エネルギー問題」へ、は省略させていただく。

第三章、「未来のエネルギー源─核融合」も省略させていただく。

第四章 これからどうするか?

結論だけ。

温暖化対策費のすべてを災害復興へ

 

Kikouhendoutoenergymondai

田中康夫のにっぽんサイコー!の下記放送、この文脈で考えると、実に的確。

11/08/06 喜ぶのは孫さんだけ?民主党の脱原発政策 guest町田徹氏(経済ジャーナリスト・ノンフィクション作家

2011年9月 3日 (土)

日本の新首相、緊縮政策を約束

wsws.org

Peter Symonds

2011年8月30日

昨日、野田佳彦財務相が、与党民主党のトップの座を勝ち取り、今日国会で正式に次期首相になる予定だ。2009年9月、民主党が政権について以来、三人目だ。

3月11日の地震と津波の後に起きた原発事故に対する、政権による対処の失敗と、復旧作業に対する国民の反感が広まる中、金曜に辞任した菅直人に、野田が取って代わる。菅は、6月早々、主要派閥が、野党が提出した不信任案決議を支持すると脅した際、民主党議員の反乱を避けるため、辞任するつもりだと約束した。

緊縮政策の唱道者として知られる野田は、即座に“円高とデフレ、災害復旧と再建、[そして] 原発事故という、紛れもない国家的危機に対処すべく”党の結束を呼びかけた。ところが彼は、基本的な経済と外交政策問題の点で、ひどく分裂した党を引き継ぐのだ。

野田は、党の実力者小沢一郎が支持する候補、海江田万里経産相を、二回目投票で、215票対177票で破った。一回目の投票では、5人の候補者の誰も、過半数を獲得できなかった。海江田は143票対102票で野田に先行し、元外務大臣前原誠司は74票で、三位だった。

評論家連中は、第2回投票を、親・反小沢の各派閥の対決として、宣伝したが、sharp差異は、日本の支配階級が直面する広範なジレンマを反映している。グローバル金融危機が深化する中、日本の経済的衰退を、どうやって食い止めるか、二国間で、競争意識が激化しつつある中、日本の最大の経済パートナーである中国と、長年にわたる戦略的同盟国アメリカとの間で、どうバランスをとるか。

小沢は、日本と中国の間の関係の親密化を支持し、経済を不況から脱出させるという、民主党の2009年選挙のマニフェストの実施を含め、景気刺激策を唱導していることで知られている。2009年に圧勝し、民主党を政権につけ、半世紀にわたる自由民主党による、事実上の連続支配を終わらせた、鳩山由紀夫から、彼は多少の支持を得ている。

ところが鳩山の首相職は一年も続かなかった。社会的支出を拡大するという民主党の約束は、悪化しつつある国家債務危機に対処するために、緊縮政策をとるようにという増大しつつある、世界的な要求と、衝突することになった。日本は、国内総生産の約210パーセントという公債をもつ、世界で最も借金を負った先進国なのだ。

外交政策では、鳩山の中国とのより緊密な関係という呼びかけが、ワシントンでの反対を招いた。沖縄に米海兵隊空軍基地を維持するという、自民党政権との間で合意した協定の再交渉を拒否し、オバマ政権は、効果的に鳩山を断念させた。鳩山は、民主党の選挙時の主要な約束を破り、沖縄に基地を維持することに合意した後、沖縄での大衆抗議のさ中に辞任した。

2010年6月に首相となった菅は、緊縮経済と、不評な消費税の増税を巡る論議を訴えた。消費税への反対は、昨年の選挙で、民主党が参議院の支配権を失う上で、重要な因子となった。菅は、アメリカとの戦略的同盟も、あらためて強調し、昨年9月、東シナ海の係争水域における中国トロール漁船船長逮捕を巡り、中国との外交的対決を引き起こした。

54歳の野田は、民主党が2009年に政権を握った際に財務次官となり、昨年、菅により、財務相に任命された。彼は、緊縮政策をあからさまに支持していることで良く知られている。ジャパン・タイムズによると、地方紙で“財務省の公式候補”とあだ名をつけられたという。先週、彼はマスコミに、こう語った。“日本国内にも、海外にも、日本の財政規律は浸食されていないという日本のメッセージを送りたい”

日曜の候補者討論会で、野田は、壊滅的な地震と津波後の再建用の膨大な支出をまかなうために、暫定的な増税、および支出削減と資産売却を、公然と主張した唯一の人物だった。“もし財源が、それでも不足なら、国民に負担をしてもらうよう依頼することが必要になる可能性がある”と彼は述べた。小沢の候補、海江田は増税に熱心に反対した。

日本の財界人達は野田の勝利を素早く歓迎した。日本経済団体連合、いわゆる経団連の米倉弘昌会長は、“税、財政と社会保障政策に精通した安定した指導者であり、日本の政治が困難な時期に直面する中、[彼が選ばれたことで]元気づけられる。”と彼を称賛した。債券市場の反応は前向きで、10年物国債の利回りは、0.025パーセント下がった。

ウオール・ストリート・ジャーナルのコメントは、野田の市場志向資格について、より批判的だ。“彼の‘タカ派性’も、新たな、ケインズ流の豪勢な散財が、地震で荒廃させられた地域を再建するのに最善の方法なのかどうかを問うまでには至っていない。郵政民営化を元の軌道に戻したり、経済の大きな部分を規制緩和したり、移民政策改革等々の他の成長志向改革に関しては、「そんなことはどうでもいい」。

先週、国債格付け機関ムーディーズは、日本の格付けを、Aa2からAa3に引き下げ、次期政権に厳しい警告を送った。

昨日の世論調査では、多少とも人気を持っていたはずの唯一の候補者?元外務大臣前原?は一回目投票で破れた。先週末の読売新聞世論調査では、前原が48パーセントの支持率を獲得し、海江田は12パーセントで、野田は9パーセントと後れをとっている。ところが、民主党内部で、最大の票を支配している小沢が、前原が中国に対してタカ派的な為、前原に反対した。外務大臣として、昨年、漁船船長の逮捕を巡る中国との対立において、前原は決定的な役割を演じた。

外交政策については、前原ほど知られてはいないが、野田はアメリカのバラク・オバマ大統領の、中国に対する攻撃的な姿勢を支持する可能性が高い。最近、文藝春秋に掲載されたエッセイ中で、ワシントンの北京批判に同調し、こう書いている。“軍事能力に裏付けられて、南シナ海や他の場所で最近展開されている、中国の高圧的な外交姿勢は、中国が、地域内の秩序を崩壊させるのではないかという懸念をかき立てている”実際、アメリカは、海に関し、中国と対抗する主張を持つ、フィリピンやベトナムのような国々を支援して、南シナ海での緊張をかき立ててきた。

自衛隊員の息子である野田は、国際紛争を解決する手段としての、武力行使の権利を放棄する、いわゆる戦争放棄条項を削除する、日本憲法の改訂を支持している。アメリカが率いたアフガニスタンとイラク侵略を日本が支持する中、過去十年間、この九条は益々空文化しつつある。とはいえ、支配層は、依然それを、日本軍の拡張と、日本帝国主義の権益を追求するための日本軍海外派兵にとっての憲法上の障害だとしてみなしている。

野田は、今月始め、靖国神社に祀られているA級戦犯は、実際には戦犯ではなかったという2005年の発言を挑発的に繰り返した。この発言は、最初、議論の的となっている戦没者記念施設を、小泉純一郎首相が公式参拝し、中国と韓国からの批判を引き起こした行為を支持し、東京と北京との関係が著しく悪化させた。両国は、アジアで日本が行った、戦時の残虐行為を否定する日本の政治家の発言を利用して国内で、国粋主義感情を煽り立てた。

野田の最近の発言にも、韓国と中国は注目した。国営の新華社通信は警告した。“日本の新政権は、深刻な問題を抱えた中日関係や、極度の不信は、決していずれ側の利益にも、地域や世界全体の利益は言うまでもないという、議論の余地のない事実を認めることから始める必要がある。”

野田の首相としての任期は、菅や鳩山の任期同様、短いものとなる可能性がある。彼は、緊縮政策を加速するよう大企業から圧力を加えられ、分裂して、不人気な政権の指揮をとり、有権者達を更に疎外することになろう。先週末の読売新聞の世論調査では、自民党の23パーセントとは対照的に、民主党は、わずか21パーセントの支持だった。回答者の最大部分である、46パーセントは、どの党も支持しないと主張しており、特に若者の間での、既存政治体制全体に対する、深刻な疎外感を示している。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/aug2011/japa-a30.shtml

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「文藝春秋」引用部分、雑誌そのものには当たっておらず、引用ならぬ、勝手な翻訳。読む気力がおこらない準政府広報誌の原文、ご教示頂ければ有り難い。

新聞・テレビの大手商業マスコミの政治記事、真面目に読む気になれないが、下記のブログは熱心に拝読している。

リベラル21  松下政経塾内閣の誕生 ―新自由主義体制の再構築へ― 半澤健市

そして、

2011年09月02日 本澤二郎の「日本の風景」(865)<パナソニック内閣の課題>

本澤二郎氏の本、何冊か拝読している。例えば、『小選挙区制は腐敗を生む』や、この記事の話題に直結する『改憲陰謀』。1997年11月刊行。

Kaikeninbou

「はじめに」の一部を転載させていただこう。(4-5ページ)

復活した日本兵器産業は、戦前同様、財閥系企業によって担われている。米国やロシアの産軍複合体制は有名だが、わが国にも同様の危険な機構がすでに誕生しているとみていい。政治・軍事大国論は、相当根っ子が深いのだ。
 従って、隣国の学者たちが「日本軍国主義の復活」の懸念を表明するのは、あながち的はずれとはいえない。政財官内における右翼・民族派の台頭は、いわば改憲派の牙城といっていいだろう。
 憲法第九条の改悪運動は、戦後を生きのびた戦争責任者らによって、執拗に繰り広げられてきた。
その代表格は日米開戦時の商工大臣(東條英機内閣)だった岸信介である。彼には右翼の児玉夫誉士夫がぴったりつき従っていたが、この児玉と交流が深かった政治家が中曾根康弘元首相である。
 中曾根も岸同様、改憲を生涯の目標と定めている戦前派だ。旧内務省官僚、旧日本海軍将校の経歴が、第九条改悪に執念をたぎらせるのだろう。
 こうした岸、中曾根の国家主義に共鳴している若手政治家の代表格が、新進党の小沢一郎党首だ。
改憲派の指導者がこれら戦前派、民族派、国家主義信奉者であるというまぎれもない事実に、アジア諸国民は不安と不信を募らせるのだ。
 彼ら改憲派は愚かな社会党や連合の指導者を巧みに操って、改憲に都合のよい小選挙区制を強行した。当時、大半のマスコミが推進ラッパを吹いたことは特筆に値する。
 戦争犯罪者である岸政権誕生にノーといえなかった日本マスコミは、またもや脳死状態に陥ったのか。
 小選挙区制導入は勿論、保・保連合論も改憲への道程なのだが、これさえもメディアは詳しく解説しないし、批判も加えていない。むしろ宣伝に一役買ってさえいる。
 そして遂に、九七年五月に五十歳を迎えた平和憲法に挑戦するかのように改憲議連が旗揚げし、改憲へ向けた常設機関を国会に設けるのだとわめき始めた。正にいま、世界に誇る日本の、平和憲法が、右翼・民族派の政治家、官僚、財界人、ジャーナリズムによって踏みにじられようとしている。
これに警鐘をならすのが本書出版の動機である。

2011年9月 1日 (木)

なぜ福島の事故は、チェルノブイリよりひどいのか

日本は、メルトダウンの規模を、なかなか認めようとしてこなかった。しかし、今、真実が明るみに出つつある。David McNeillが、相馬市から報告する。

The Independent

月曜日、2011年8月29日

写真のキャプション:科学者の中には、福島は、原子力発電所災害評価で、同じ最高レベル7である、1986年のチェルノブイリ事故よりひどいという人々もいる。AP

市田良夫さんは、53年の生涯で最悪の日をこう思い出す。3月11日、海が自宅を呑み込み、友人も亡くなった。大地震が起きた際、福島の漁師が風呂に入っていて、15メートルの津波が襲う40分前に、かろうじて自分の船で沖合に出られた。港に戻ると、近隣から何から、ほとんど消えていた。"あんなことを思い出せる人などいません"と彼は言う。

現在は、破壊された沿岸の都市、相馬の避難所に暮らしている、市田さんは、災害で亡くなった100人の地元漁師を悼んだが、仲間たちと生活再建に取り組んでいる。毎朝、相馬港にある破壊された漁業協同組合ビルにでかけて、仕事の準備をしている。そして、皆で放射能に汚染された海をじっと眺め、待っている。"いつかは、また漁にでられるようになります。我々は皆、それを信じたいです。"

この国は、自然や、人為的な大災害から何度も回復してきた。しかし、相馬沿岸から40km南の福島原子力発電所における、三つのメルトダウンと、その影響が、日本を、未知で不可知の環境へと追い込んだ。北東部中の何百万人もの人々は、事故後の環境で暮らしており、存在していない、安全な放射能レベルについての合意を探し求めている。専門家達は、危険性については、まごつくほど様々な評価をしている。

科学者の中には、福島は、原子力災害評価で、同じ最高レベル7である、1986年のチェルノブイリ事故よりひどいという人々もいる。そうした人々の中でも、最も著名な一人、オーストラリア人医師で、長年の反核運動家、ヘレン・カルディコット博士は、福島に"訪れるはずの恐怖"を警告している。

人騒がせな見解で有名なアルスター大学のクリス・バズビー教授は、先月の日本訪問時に、災害は100万人以上の死亡を招くと語って、論議を呼んだ。"福島は、放射性核種を、いまだに日本中に、茹で出しています"と彼は言う。"チェルノブイリは一回だけの爆発でした。ですから、福島の方がもっとひどいのです。"

核という壁の反対側には、危機は制御されており、放射能レベルは、ほぼ安全だと主張する業界に好意的な科学者達がいる。"政府と東京電力は最善を尽くしていると思います"と東京大学大学院工学系研究科の関村直人教授は語る。関村教授は当初、原発周辺の住民達に、放射能災害は、"ありそうもない"ので、"落ち着いて"とどまるべきだと助言しており、その判断を後に覆さざるを得なくなった人物だ。

かなり立ち遅れていることが多いのだが、政府は、ゆっくりと、着実に、災害評価を、重くしてきた。先週金曜、原子力安全・保安院に所属する科学者が、原発は、核時代の到来を告げた出来事である、1945年広島原子爆弾爆撃の約168倍に等しい、15,000テラ・ベクレルの、発癌性のセシウムを放出したと述べた。(バズビー教授は、放出量は、広島より、少なくとも72,000倍多いと言う)。

矛盾していることが多い情報が殺到する中、多くの日本人は、本能的に、手さぐりで、自分たちになじみの指標を探そうとしている。市田さんも仲間たちも、福島原発は安全だと保証した原子力産業や役人たちはもはや信じないという。だが、彼らは、放射能検査では、政府を信じており、まもなく海で仕事が再開できるものと信じている。

お上の嘘や、動きの遅さ、隠蔽という、おきまりのパターンが分かっている懐疑派の人々は、これは誤りだという。先週、当局は、批判する人々によって、長らく議論されてきた事実をとうとう認めた。損傷した原発の近くに自宅がある何千人もの人々は、一世代、あるいはそれ以上の間、帰れない可能性があるのだ。"住民の方々が、長期間、自宅に帰られるのが困難な地域があるという可能性は否定できない" 政府広報担当者である、枝野幸男官房長官は言った。"大変申し訳ない。"

先週金曜、原発に一番近い双葉町と大熊町の元住民数百人が自宅に戻ることを認められた。おそらくこれが最後だろう。所持品を持ち帰るために。マスクを着け、放射能汚染防止スーツを着て、原発周辺20kmの汚染地域の中を車で通ったが、何百頭の家畜が、野ざらしのまま、死んで、腐敗しており、台所と居間の一部は、自然によって埋め立てられていた。"あそこに住んでいたなんて信じられません"と元住民の一人はNHKに語った。

原発の北西にある他のいくつかの地域は、避難命令を受けた後、放射能によるゴースト・タウンになった。事故後の、数週間に、危険な量の放射能を取り込んでしまったと考えている多くの住人は、遅すぎたと言う。"帰れるかどうか、全くわかりません" 原発から約40kmの絵のように美しい飯舘村の近くで、米とキャベツを栽培し、家畜を飼っていた庄司勝三さんは言う。

立ち入り禁止区域外ではあるが、山がちな村の地勢のため、放射能は風や雨で運ばれ、いつまでも残り、作物、水、学校の校庭を汚染するのだ。

若く豊かな母親や妊婦たちは東京や他の場所へと去った。政府が、安全な放射能限界を超えたことを認めた後に、残る6000人の大半も避難した。

75歳の庄司さんは、ショックが怒りに変わり、更に失望した。政府に、野菜を潰し、六頭の牛を殺し、73歳の妻フミさんと、およそ20km離れた郡山のアパートに引っ越すように言われたのだ。"5年、あるいは10年だかと言われたが、余りに楽観的に過ぎるという連中もいます"彼は泣きながら言った。"帰って、家で死ねるかもしれません。" 政府からの350,000円に加え、東京電力から第一次補償の100万円(7,900ポンド)を受け取った。

しかし、避難地域外の人々の運命が、非常に激しい論争を引き起こしている。原発から63km離れた福島市の親たちは団結して、約100,000人の子どもたちを守るために、政府はもっと対策をして欲しいと要求している。学校では、サッカーや他の屋外スポーツは禁じられている。窓は閉じられたままだ。"私たちは、自力でやりくりするよう放り出されたのです"福島市に暮らす祖母の佐藤真知子さんは言う。"本当に腹がたちます。"

多くの親は、何百キロも離れた親戚や知人と暮らすように既に送り出している。政府が200万人の福島県民全員を避難させて欲しいと願う人々もいる。"彼らは避難できる権利を要求しているのです"と、親たちに協力している、反原発活動家のアイリーン・美緒子・スミスさんは言う。"言い換えれば、避難した場合は、政府に支援して欲しいのです。"

これまでのところ、少なくとも当局は、それは不要だと言っている。公式説明は、原発事故は静まりつつあり、立ち入り禁止区域と、指定されたホット・スポット以外の放射能レベル"は安全だというのだ。

だが、多くの専門家は危機は始まったばかりだと警告する。十年以上、チェルノブイリ周辺での放射能の遺伝学的影響を研究している生物学者のティム・ムーソウ教授は、福島の多くの人々は"砂に頭を埋めている(現実を見ようとしていない)のでは"と懸念を語っている。チェルノブイリを研究した結果、放射線を浴びている地域の内部では、生物学的多様性と、昆虫や蜘蛛の数が減少しており、脳の寸法が、より小さくなったことを含め、鳥の数は遺伝子異常の証拠だ。

"真実は、長期的な影響について正確な情報を提供できるほどの十分なデータはないということです"と彼は言う。"それでも、長期にわたる被曝による、非常に重大で、長期的な、健康への影響の可能性は非常に高いということは言えるでしょう。"

相馬の市田さんは、放射能にまつわる、あらゆる話が分かりにくいと言う。"我々はただ仕事に戻りたいだけです。死に方は色々ありますが、何もすることがないというのも、その一つです。"

経済的損害
福島: 日本は、地震、津波と、原発事故の後の再建には、23.4兆円はかかると推計している。
チェルノブイリ: 経済的損害の推計は多数あるが、総額約17.9兆円とみなされている。

安全性
福島: 作業員は、損傷した原発の中で、被曝量250mSv (ミリシーベルト)まで、作業することが認められている。
チェルノブイリ: 350mSvを被曝した人は配転された。大半の国では、作業員の最大許容年間被曝量は20mSv。原発近くで暮している人々に対して許容されるのは、年間1mS。

死者数

福島: 原発内で作業員が二名死亡。100万人が癌で亡くなるだろうと予測する科学者もいる。
チェルノブイリ: 国家安全保障上の理由から、事故の日に、一体何人亡くなったのかをあげるのは困難だが、グリーンピースは、事故から25年の間に、放射能に起因する癌で、200,000人が亡くなったと推定している。

立ち入り禁止地区
福島: 政府は、当初、原発周囲半径20kmを、立ち入り禁止地区とした。
チェルノブイリ: 当初のチェルノブイリの立ち入り禁止地区半径は30km – 25年後の今も、ほとんどそのままだ。

補償
福島: 主として同社が支払うべき、一人あたり約1,247,000円という金額が理由で、東京電力の株価は、事故後、暴落した
チェルノブイリ: さほどではない。アルメニア人被害者は、1986年に、一人あたり約748円を提示されたと報じられている

支援
福島: 国連人道問題調整事務所は二国間援助は73億1500万円にのぼると報じている。
チェルノブイリ: 事故から12年後、当時のウクライナ大統領レオニード・クチマは、ウクライナは、依然として国際援助を待っていると、こぼした。

記事原文のurl:www.independent.co.uk/news/world/asia/why-the-fukushima-disaster-is-worse-than-chernobyl-2345542.html

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元記事には、冒頭に津波の動画がある。二つの事故比較、金額は本日為替レートで換算。誤りのご指摘をお願いしたい。

文中のお名前、カタカナでは落ち着かないので、失礼とは思いながら、勝手に漢字を当てた。正しいお名前をご存じの方は、ご教示いただきたい。

御承知の通り、チェルノブイリ、激しく汚染された地区、25年たっても戻れていない。

ところで、「どじょう」、相田みつをからの引用だそうだ。

相田みつをの魅力、無粋な小生、全くわからない。

ぱくったって、いいじゅないか、かいらいなノダもの。

うばうから足りる わけ合わないからあまる

新首相に期待を抱かれている皆様の、夢をみられる力が、うらやましい。

講読している新聞に、数日前、マイケル・グリーン氏の期待のお言葉があった。彼の気にいられるのであれば、日本の庶民にとって有り難いはずはないと思えるのだが。

この新聞社、ガン大賞とやらを、福島で体外・体内被曝の調査を国費で行うナチスばり御用学者に授与した。両方の正体が浮かびあがる「ノーベル平和戦争賞とオバマ」並のトンデモな組み合わせ。わざわざ自分の顔に泥を塗る新聞社の気が知れない。ゴロツキが同社政治記者のトップなのだから不思議はない、とはいうものの、あきれたオウン・ゴール。

考えて見ると、彼の受賞紹介があったのは、「ひと」といったか、つい最近、被災地で医師をかたり逮捕された、詐欺師誤報があった欄。あるいは、詐欺師用の欄なのだろうか。数十人か数百人をだますと、逮捕されるが、数万、数十万人をだませば、逮捕されず、褒賞を受ける。世界共通の、深遠な巨悪推進哲学。

ともあれ、下記の本澤二郎氏の8/31付け記事をお勧めしたい。

本澤二郎の「日本の風景」(863)<幸之助70億円の野田政権>

さらに下記も。

リベラル21
2011.09.02 松下政経塾内閣の誕生
新自由主義体制の再構築へ
半澤健市

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