電子投票装置は改ざんが極めて容易 プリンストン大学研究所による報告書
ディーボルドAccuVote-TS投票機の安全性分析:要約
Ariel J. Feldman、J. Alex Halderman、and Edward W. Felten
本研究の詳細情報、全文は右記を参照。 http://itpolicy.princeton.edu/voting/
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ディーボルドAccuVote-TSと、より新型の類型装置AccuVote-TSxは、ともにアメリカ合衆国で最も広範に利用されている電子投票装置だ。2006年11月の本選挙で、こうした装置が、登録有権者数のほぼ10%にあたる357の郡で使用される予定だ。メリーランドとジョージアの全州を含む、こうした郡のおよそ半分がAccuVote-TSモデルを使用する。33,000台以上のTS装置が、全米で使用されている。
本論文は、非公開の関係者から入手したAccuVote-TSに関わる我々の研究についての報告である。我々は装置ハードウエアとソフトウエアを分析し、実験を行い、本当の選挙のやり方が、装置を適切に安全堅固なものとしているかどうかを検討した。我々は、装置が、それがもたらす票読みの正確さと信頼性を損なうような、多数の極めて深刻な攻撃に対して、弱いことを見いだした。
コンピューター科学者は、基本的には汎用コンピューター上で選挙専用ソフトウエアを走らせる、この種の投票システム、つまり直接記録電子装置 (DRE)にたいして懐疑的だ。あらゆるコンピューター・システムでの経験から、複雑なソフトウエアの信頼性と安全性を確保すること、またそうした問題が起きた場合、それを検知し、診断するのは極めて困難である。にもかかわらず、DREは、基本的に複雑なソフトウエア・プログラムの正しく安全な作動に依存している。簡単に言えば、多くのコンピューター科学者は、ペーパーレス直接記録電子装置DREを信頼性のある、安全なものにできることを疑問に思っており、そのようなシステムにおけるいかなる欠陥も、気づかれないままになってしまう可能性があると予想している。
直接記録電子装置DREの安全性についての先行研究は、この疑念を肯定するものであるが、我々の知る限り、我々のこの研究こそ、広範に用いられているDREのハードウエアとソフトウエア双方を含んだ最初の公的研究である。河野、スタブルフィールド、ルービン、およびワラクによる有名な論文は、ディーボルドAccuVote-TSソフトウエアの一部ソース・コードの漏洩版を研究したものであり、多数の設計ミスと脆弱性を発見しているが、それは我々の研究によっても基本的に確認された。我々の研究は、装置のハードウエアと、作動上の詳細をも対象にし、いくつかの新た、かつ深刻な脆弱性を見いだし、それを説明し、また機能するいくつかの安全性攻撃デモを作りだすことによって、彼らによる研究を深めるものである。
我々の研究で明らかになった主な点は以下の通り。:
1. 一台の投票機上で機能している悪質なソフトウエアは、ほとんど探知されるリスクなしに投票を横取りできる。悪質なソフトウエアは、投票機が保持するあらゆる記録、監査ログ記録、カウンターを改ざんすることができる為、そうした記録を入念に法的科学調査をしても、何もおかしなことは見つからない。この投票剽窃攻撃を実行するデモ用ソフトウエアを我々は作り上げた。
2. 物理的に、投票機、或いは、後で装置に挿入するメモリー・カードに触ることができる人なら誰でも、わずか一分程度しかかからない簡単な方法で、そうした悪意あるソフトウエアをインストールできる。実際、選挙関係者らは、人に監視されずに装置に触れる機会が多いものだ。
3. AccuVote-TS装置は、投票機ウイルス、つまり、通常の選挙前、選挙後の作業の間に、悪意あるソフトウエアを装置から装置へと人目につかぬよう自動的に蔓延させるコンピューター・ウイルスにやられやすいのだろうか?
我々は、そうした形で蔓延するデモ用ウイルスを作成した。感染したあらゆる装置に、そのデモ用投票横取りプログラムをインストールするものだ。
4. ディーボルドのソフトウエア改良によって、こうした問題のあるものは取り除けるが、装置ハードウエアを交換しないと直らないものもある。安全性確保の為には、選挙手順の変更も必要であろう。
以上は下記の翻訳
http://itpolicy.princeton.edu/voting/summary.html
我々の分析詳細は、本論文完全版PDFに掲載。
(PDFのアドレスは下記)
http://itpolicy.princeton.edu/voting/ts-paper.pdf
上記と同一内容のビデオ
http://itpolicy.princeton.edu/voting/videos.html
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上記は、2006年9月18日に翻訳した古い記事である。
2007年12月6日、日本の新聞を見てびっくりしたので、再度公開する。
日本では、自民党、公明党に加え民主党が国政選挙に電子投票を導入することに賛成。
次期衆議院選挙から導入するという。真の狙い、アメリカ政権のそれと同じだろう。
自民党・民主党、選挙民に、本当の選択肢を与えないアメリカ二大政党日本版に他ならないことが、再確認できたように思える。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007120601000159.html
属国は悲しからずや。
同社の装置についての関連記事選挙結果の操作も可能?
電子投票システムの危ういセキュリティー
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20030916202.html
電子投票装置によるインチキ選挙の実態については、以下もどうぞ。(装置の具体的なハード、ソフト分析はない)
グレッグ・パラスト著「金で買えるアメリカ民主主義」角川文庫 740円
グレッグ・パラスト(Gleg Palast)の最新刊Armed Madhouse(翻訳なし)
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