学校におけるマスク着用強制は憲法違反との判決を下したドイツ人判事に警察の捜査
学校におけるマスク着用強制は憲法違反との判決を下したドイツ人判事に警察の捜査
<記事原文 寺島先生推薦>
German Judge Investigated by Police after Ruling Compulsory Mask-wearing in Schools Unconstitutional
2021年5月31日
ロザリンド・イングリッシュ(Rosalind English)
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年8月5日
2021年4月8日、ワイマール地方家庭裁判所(ワイマール地方裁判所内)は, 2021年4月8日の命令、参照:9 F 148/21で、ワイマールの2つの学校が、生徒に対して、
① いかなる種類のマスク(特にFFP2マスクなどの正規マスク)の着用、
② AHA(アメリカ心臓協会)が定める最低距離の遵守、
③ および/またはSARS-CoV-2迅速検査への参加、
を要求することを即刻禁止する判決を下した。同時に、同裁判所は教室での指導は維持されなければならないとの判決も下した。
コロナ対策の科学的合理性と必要性について、ドイツの裁判所に専門家の証拠が提出されたのは今回が初めてのことだ。専門家の証人として、衛生学教授のイネス・カプスタイン(Ines Kappstein)医学博士、心理学部教授のクリストフ・クーバンドネル(Christof Kuhbandner)博士、生物学部教授のウルリケ・ケンメラー(Ulrike Kämmerer)博士が出席した。ニュースサイト2020NewsDeは判決の要約を公開した。その重要な部分を以下に記述する(翻訳はDeepL)。
この判決に詳しく焦点を当てるのは、自分の判断を下した判事に対してその後いろいろなことが起こったことをニュースサイト2020NewsDeが報じたからだ。2020NewsDeによると、「ワイマール地方裁判所のクリスティアン・デットマー(Christiaan Dettmar)判事は、今日(2021年4月26日)、家宅捜索を受けた。彼のオフィス、私有地、車が捜索された。携帯電話は警察に押収された。この判事は2021年4月8日に政府の対策方針にとって非常に都合の悪いセンセーショナルな判決を下している。」さらに2020NewsDeは、「問題の判決を、ワイマール行政裁判所は不法としているが、納得できる正当な理由は何もない」 と傍注的に述べている。
<但し書き>:キングス・ロースクールの国際法・EU法教授であるホルガー・ヘスターマイヤー(Holger Hestermeyer)(@hhesterm)から、ドイツでは(ワイマール地方裁判所事案で問題となったような)行政行為を無効にする事案は行政裁判所に送られるとの情報を得た。ヘスターマイヤー教授は次のように述べている:
この事案が行政裁判所に持ち込まれたことは確かですが、裁判所はマスク強制着用などの行政行為を棄却しませんでした。そこで弁護士は(シュピーゲル誌の報道によれば)、テレグラムというメッセージシステムを使って、クリスティアン・デットマー判事の法廷に訴訟を提起する原告を探していました(その資格は姓の最初の数文字を基礎としているので、弁護士は適正な姓を持つ原告を探していました)。その後、デッドマー判事はその弁護士のこの事案に関する訴訟資格を認め(前例がない)、原告だけでなく学校のすべての子供たちのために判決を下し(異例)、口頭審理を排除し(うーん)、主流の科学的助言をすべて斥け、そのような行政措置をすべて拒否する少数の専門家の意見に判決の基礎を置き(これも、うーん)、上訴を認めませんでした。
(へスターマイヤー教授の話はここまで)
このように、この判決には手続き上の重要な問題があり、原判決と2020Deによる報告書の両方を抜粋した以下の私の要約を読む際には、それを念頭に置く必要がある。
この裁判は、ドイツ民法(BGB)第1666条第1項および第4項に基づく児童保護案件であり、母親が14歳と8歳の2人の息子のために、地方の裁判所に提訴したものである。彼女は、自分の子供たちが肉体的、心理的、教育的にダメージを受けているが、子供たちや第三者には何の利益もないと主張した。同時に、これは法律、ドイツ憲法(基本法)、国際条約に基づく子どもと両親のさまざまな権利の侵害であると主張した。
民法第1666条に基づく手続きは、誰かの提案があった場合でも、そのような提案がなくても、その子の最善の利益のために介入が必要であると考えた場合には、裁判所は職権で開始することができる(民法第1697a条)。
ワイマール家庭裁判所は、事実上および法律上の状況を検討し、専門家の意見を評価した結果、マスク着用強制等の行動規制措置で、子どもの幸福に対して精神的、身体的、または心理的な危険が生じていることははっきりしており、実質的な害が生じることは高度な確実性をもって予見されるほどである、と結論づけた。
判事は次のように述べた:
これは危機と言える。学校の授業時間中に着用し、お互いに他の人から距離を置くことを義務付けることで、子どもたちは精神的、肉体的、心理的に危険にさらされているだけでなく、すでに被害を受けている。同時に、法律や憲法、国際条約に基づく子どもたちとその親の数多くの権利を侵害している。特に、基本法第2条の人格の自由な発達と身体的完全性に対する権利、および基本法第6条の親による養育とケアに対する権利を侵害している....
(判事のことばはここまで)
判決の中で、判事は原告の母親の見方を是とした:
子どもたちは身体的、心理的、教育的にダメージを受け、子どもたちの権利は侵害されている。それは、子どもたち自身にも第三者にも何のメリットもない。
(判事のことばはここまで)
裁判所は、学校の管理者や教師などに対して、生徒への行動規制措置の根拠となっている州法の規制は、法治国家に根ざした比例原則(基本法第20条、第28条)に反するため、違憲であり、無効であるとして、これを行使することを許さなかった。
(以下は判事のことば)
過剰の禁止とも呼ばれるこの比例原則によれば、正当な目的を達成するための措置は、狭義の意味で、つまりメリットとデメリットを比較検討した上で、適切かつ必要であり、比例したものでなければならないとされている。エビデンスに基づかない、IfSG(感染保護法)第1条第2項に反した措置は、それが追求する基本的に合法的な目的を達成したり、医療システムの過負荷を回避したり、あるいはSARS-CoV-2ウイルスへの感染率を低下させたりするにはすでに適性を欠いている。しかし、いずれにしても、この措置はさらに狭義の意味で比例原則に則っていない。なぜならそれによって引き起こされる相応のデメリットや付随的ダメージが、子どもたち自身や第三者にとって認識できるメリットによって相殺されていないからである。
(判事のことばはここまで)
判事が明言したのは、指摘しておかなければならないこととして、自分たちの権利が侵害されている違憲性を証明するのは権利が侵害されている当事者ではない、ということだ。それを行うのは、チューリンゲン自由州であり、同州が、自ら行った措置は意図した目的を達成するのに適しており、必要であればそれは比例原則に合致しているという科学的証拠を出さなければならない、としたことだ。しかし今のところ、同州にそんな動きは全くない。
判事は、(裁判に同席していた先述の)カプスタイン教授から、マスクを着用して距離規定を守ることは、子ども自身や第三者にとってメリットがないという専門的な証拠を聴取した。
カプスタイン教授は、マスクに関する国際的なデータをすべて評価した上で、「健康な人が公共の場でマスクをすることの有効性は、科学的根拠に裏付けられていない」と述べている。
判決文はこうだ:
意見書に書かれている妥当性、数学的推定値、主観的評価は、実際の人間を対象にした種々の臨床疫学研究に取って代わることはできない。マスクのフィルタリング性能に関する実験的研究や数学的推定は、実生活での有効性を証明するのには適していない。国際的な保健機関は、公共の場でのマスク着用を推奨しているが、科学的研究からはその証拠がないとも言っている。それどころか、現在入手可能なすべての科学的証拠を見ても、マスク着用が感染を抑える効果がゼロであることははっきりしている。公共の場でのマスクの有効性を示す証拠として引用されているすべての公表文書も、マスク着用が感染を抑えるという結論を認めていない。このことは、いわゆる「イエナ研究」にも当てはまる。これは他の大部分の研究と同様に、疫学的知識のないマクロ経済学を専攻する著者による、実際の接触経路を追跡しない理論的仮定に基づく純粋な数学的推定またはモデリング研究であった・・・2020年4月6日にイエナでマスク着用義務が導入される前に(ドイツ全体で導入されたのはその約3週間後)感染値がすでに大幅に減少しており、2020年3月末にはすでにイエナでは関連する感染の発生がなくなっていたという決定的な疫学的状況は考慮されていない。
(判決文はここまで)
マスク着用は何の役にも立たないばかりか危険だ、というのが判事の結論だ。
(以下も判決文から)
カプスタイン教授がさらに言うように、マスクはすべて、効果を発揮するために原則的に正しく着用する必要がある。マスクは触ると汚染リスクに晒される可能性がある。それなのに、人々はマスクを正しく着用せず、手で触ってしまうことが非常に多い。これは、テレビで見かける政治家にも見られる。人々はマスクの正しい使い方を教えられず、途中で手を洗う方法や、手の効果的な消毒方法の説明もなかった。また、なぜ手指衛生が重要なのか、手で目や鼻、口を触らないように注意しなければならないことも説明されなかった。人々にマスクを着用させれば、あとは事実上放置状態だった。感染リスクはマスク着用によって軽減されないばかりか、マスクを不適切に着用すれば感染は拡大する。(専門家はこの点を詳細に述べているし)また、人々がマスクを適切に着用するようになることは「ありえない」とも言っている。
判決文はこう続けている。
(以下は判決文から)
「SARS-CoV-2が「エアロゾル」を介して、つまり空気を介して感染するというのは、医学的にも確証がなく、科学的にも証明されていない。これは主にエアロゾル物理学者に基づいた仮説であり、専門家によると、彼らは当然ながら自分の専門分野から医学的な相関関係を評価することはできないという。「エアロゾル」理論は、人間の共存にとって非常に有害であり、人々はもはやどんな室内空間でも安心していられず、建物の外でも「エアロゾル」による感染を恐れる人さえ出てくるということになる。「エアロゾル説」は、「気づかないうちに」感染することと合わせて、すべて人間という仲間を感染リスクとみなすことにつながる。
2020年には布製マスク、2021年初頭からはOPマスクかFFP2マスクという、マスクに関する方針の変更は、明確な線引きがない。OPマスク(標準的な青色のマスクで、ろ布と3層の浄化用ダストが付いている)とFFPマスクは同じ医療用マスクであっても、機能が異なるため、互換性はない。この決定をした政治家自身が、どのタイプのマスクが基本的に何に適しているのかを理解していないか、あるいはそんなことは気にせず、マスクの象徴的価値だけを重視しているかのどちらかだ。カプスタイン教授の視点から見ると、政策立案者のマスクの決定は理解不能、控えめに言えば、ありえない、となる。
カプスタイン教授はさらに、医療患者のケア以外では、適正な対人距離に関する科学的な研究は行われていないと指摘する。要約すると、彼女の意見とそれに納得した裁判所の立場では、以下のルールしか成立しない。
1. 2人のうちどちらかに風邪の症状があるときには、対人接触時に1.5m程度(1~2m)の距離を保つというのは、賢明な対策と言える。しかし、科学的に証明されているわけではない。接触者に風邪の症状がある場合に、呼吸器の分泌物の飛沫を介した病原体との接触を防ぐために互いの距離を保つことは有効な対策であるらしいと言える程度。一方、全方位的な距離の取り方は、接触者が風邪をひいている場合身を守るための有効な防御策とは言えない。
2. 誰も風邪をひいていないのに、1.5m程度(1~2m)の全方位的な距離あるいはささらに対面の距離をとることも、科学的データに裏付けられたものではない。それどころか、これでは一緒に生活している人たち、特に子供たちの気楽な接触を大きく損なうことになる。感染予防という点でも何のメリットもない。
3.濃密な接触、つまり1.5メートル以下、生徒同士、教師と生徒、職場の同僚,等々の間で、たとえどちらかが風邪の兆候を持っていたとしても、リスクにはならない。なぜなら、学校や公共の場での大人同士のこのような接触時間は、飛沫感染が起こるにはあまりにも短いからだ。このことは、家庭を事例にした研究でも明らかになっている。多くの皮膚や粘膜の接触がある密な生活をしているにもかかわらず、1人が呼吸器系の感染症にかかっても、ほとんどの家族成員は病気にならなかった。
(判決文からの抜粋はここまで)
また、裁判所は、症状のある人、症状前の人、無症状の人の感染率に関するカプスタイン教授の見方に従った。
(以下は判決文から)
症状が出る前に感染する可能性はあるが、避けられないわけではない。いずれにしても、実際の接触シナリオを評価した場合の感染率は、数学的モデルを用いた場合よりも著しく低い。
2020年12月に発表された家庭内でのコロナ感染に関するメタ分析を用いた組織的検討から、カプスタイン教授は、症状のある初発症例の感染率が18%と高いがそれでも過剰ではないことと、無症状例の感染率がわずか0.7%と極めて低いことを対比させている。したがって、かつて健康だった人で現在は無症状の人のウイルスを伝播する可能性は、考えることすら無意味である。
(判決文からの抜粋はここまで)
裁判所のまとめ:
様々なタイプのフェイスマスクがSARS-CoV-2による感染のリスクを全く、あるいはかなり軽減できるという証拠はない。当裁判所のこの言明は、小児や青年を含むあらゆる年齢層の人々、ならびに症状のない人、症状が出る前の人、症状のある人に適用される。
それどころか、マスク着用時の手と顔の接触がさらに頻繁になることで、自分自身が病原体に接触したり、仲間を病原体に接触させたりするリスクが高まる可能性がある。普通の人々にとっては、公の場でも私的空間でも、フェイスマスクの着用(または他の対策)によって減少するような感染のリスクは存在しない。また、対人距離を遵守すれば感染リスクを低減できるという証拠もない。このことは、子供や青年を含むあらゆる年齢層に当てはまる。
(裁判所のまとめはここまで)
裁判所は、もう一人の専門家である心理学部教授のクリストフ・クーバンドネル博士の広範な調査結果を参考にして、「フェイスマスクの着用によって感染のリスクを大幅に低減できるという質の高い科学的証拠はこれまでに存在しない」という結論を下した。
判事の言葉は続く:
また、学校ではマスクをしていなくても感染することはほとんどないので、学校でのマスク着用による感染リスクの低減の達成可能範囲はそれ自体小幅だ。だから、こんな絶対的危機削減幅の小さい対処法でパンデミックと闘うことはできない。クリストフ・クーバンドネル博士の説明によると、現在増加していると言われている子どもの感染者数は、ここ数週間で子どもの検査数が大幅に増加したことに起因する可能性が非常に高いとのこと。学校での感染リスクは非常に低いため、新しいウイルスであるB.1.1.7の感染率が諸研究で想定された大きさの規模で増加する可能性があっても、学校でのウイルスの蔓延を大幅に増加させるとは考えられない。このわずかなメリットも、子どもたちの身体的、心理的、社会的な幸福に関して起こりうる数多くの副作用によって帳消しされている。たった1つの感染を防ぐためには多くの子どもたちがその影響を受けなければならないということになるだろう。クーバンドネル博士は、科学雑誌Monatsschrift Kinderheilkundeに掲載された副作用登録事例に基づいて、これらの詳細を紹介している。
(判事のことばはここまで)
裁判所は、また、PCR検査や迅速検査が感染率の測定に適していないというカプスタイン教授の専門家としての意見も参考にした。
PCR検査について、裁判所はカプスタイン教授の言葉を引用し、使用されているPCRテストは遺伝物質のみを検出することができるが、検出されたRNAが感染能力のある、したがって複製能力のあるウイルスに由来するかどうかは検出できないという趣旨のことを述べている。
ウルリケ・ケンメラー博士も、分子生物学に関する専門家意見の中で、PCR検査は、たとえ正しく実施されたとしても、その人が活動中の病原体に感染しているかどうかに関する情報を提供することはできないとしている。これは、PCR検査では、風邪やインフルエンザに対する体の免疫システムの戦いの名残としての全く無害なゲノム断片(このようなゲノム断片は、免疫システムが問題を「処理」した後、何ヶ月も経ってからも見つかることがある)などの「死んだ」物質と、繁殖可能な「新鮮な」ウイルスなどの「生きた」物質を区別することができないためだ。
176ページの判決文の120ページからは、PCR検査について上述したことよりはるかに興味深い内容が書かれている。ケンメラー教授によれば、SARS-CoV-2の活動的な感染を判断するためには、複製可能なウイルスの分離など、さらに具体的な診断方法を用いなければならないという。
ケンメラー教授の報告によると、大量検査に使用される迅速抗原検査は、無傷で再現性のあるウイルスかどうかは関係なしにタンパク質成分を検出するだけなので、感染性に関する情報を得ることができない、とのことだ。
(以下は判決文から)
最後に、ケンメラー教授の指摘では、この検査はウイルスを特定する診断力が低いために偽陽性率が高くなる。そして不必要な個人(隔離)や社会的波及(学校閉鎖、「感染爆発報道」)などに連なり、最後は誤警報だと判明することになる、とのことだ。誤差効果、すなわち偽陽性の多さは、症状のない人を対象とした検査では特に顕著である。
(判決文からの抜粋はここまで)
続いて判事は、基本法第2条第1項の人格権の一部を構成する情報に関する自己決定権に注目した。これは、個人が自分の個人データの開示と使用の是非を原則的に自分で決定する権利である。このような個人データには、検査結果も含まれる。さらに、このような結果は、データ保護規則(DSGVO)上の個人の健康「データ」にあたり、原則として誰にも関係のないものである。
このような基本的権利の侵害は、やはり違憲である。なぜなら、学校でのPCR検査プロセスの具体的な手順を考えると、例えば「陽性」のテスト結果を多数の他の人々(仲間の生徒、教師、他の保護者)が知ることは避けられないと思われるからである。
クリスティアン・デットマー判事は、ドイツの感染保護法が憲法上の問題を相当抱えているにもかかわらず、ランド法に基づく学童の強制検査は、ドイツの感染保護法の対象外であると判断した。
同法第28条によれば、「病気の人、病気の疑いのある人、被感染の疑いのある人、つまり感染させる能力がある人」が見つかった場合、管轄当局は同法に規定された方法で必要な保護措置をとることができる。IfSG(感染保護法)第29条によると、これらの人々は観察対象になる可能性があり、その後、必要な検査を甘受する義務がある。
バイエルン行政裁判所は、2021年03月02日の判決(Ref.:20 NE 21.353)において、老人ホームの従業員を最初から病人、病気の疑いのある人、つまり病気をうつす可能性がある人とみなすことをしなかった。これは児童生徒にも適用されるべきである。しかし、被感染の疑いがある人という分類はこの判決においても論外とされている。
連邦行政裁判所の判例法によれば、感染につながると思われるほど密に感染者と接触した者は、§2 No.7 IfSG上で感染の疑いがあるとみなされる。感染につながらないような距離をとった接触ではそれにはあたらないのだ。関係者が病原体を摂取したという仮定が、その反対の場合よりも確率が高いことが必要である。感染の疑いの決定的な要因は、もっぱら過去においてどのようなプロセスで感染が起こったか、である。(参照:2012年3月22日の判決-3 C 16/11 - juris marginal no. 31 et seq.) バイエルン憲法裁判所は、看護職の従業員についてこれを否定している。ワイマール家庭裁判所のクリスティアン・デットマー判事は、「学童に適用されるものは他にない」との見解だ。
子どもの教育権についてデットマー判事は次のように述べている:
学童は、ランド法の下、義務教育の対象となっているだけでなく、教育や学校教育を受ける法的権利がある。このことは、国連子どもの権利条約の第28条および第29条から導き出されるものであり、ドイツの法律にも適用される。
これによると、すべての締約国は、初等教育への出席を義務化し、すべての人に無償で提供するだけでなく、一般教育および職業教育などを含んださまざまな形態の中等教育の発展を促進し、すべての子どもたちが利用でき、アクセスできるようにし、無償教育の導入や必要な場合の経済的支援の提供などの適切な措置を講じなければならないとしている。国連子どもの権利条約第29条の教育目標は遵守されなければならない。
(判事のことばはここまで)
デットマー判事は自らの結論を次のようにまとめている:
学校の子どもたちにマスクを着用させ、お互いに、そして第三者から距離を置くことを強いることは、子どもたちの身体的、心理的、教育的、そして心理社会的な発達に悪影響を与え、それを相殺するメリットも子どもたち自身や第三者にとってせいぜいわずかなものでしかない。学校が、「パンデミック」において果たして役割は大したものではない。
使用されているPCR検査や迅速検査は、原理的にそれだけではSARS-CoV-2ウイルスへの「感染」を検出するのに適していない。このことは、専門家の種々の報告書で説明されているように、ロベルト・コッホ研究所(RKI)の独自の計算からもすでに明らかである。専門家であるクーバンドネル教授が説明しているように、RKIの計算によると、症状にかかわらず、迅速検査による集団検査で陽性結果を得たときに実際に感染している確率は、発症率50の場合でわずか2%である(検査特異性80%、検査感度98%)。つまり、迅速検査の真の陽性反応が2回出るごとに、迅速検査の偽陽性反応が98回出ることになり、そのすべてをPCR検査で再検査しなければならないことになる。
無症状の人、つまり健康な人に医学的な適応がないのに(定期的な)一斉検査を強制するのは、期待される効果とのバランスが違いすぎる。同時に、定期的に検査を受けさせることは、子どもたちに心理的なプレッシャーを与える。なぜなら、こんな風にして、学校に行けるのか、行けないのか、が常に試されることになるからだ。
(判事のことばはここまで)
最後にデットマー判事はこんな風に述べている:
小学校ではマスクを着用していないが、週に3回、全国で迅速検査を実施しているオーストリアでの調査をもとにして以下のような結果が得られたと、専門家であるクーバンドネル教授は説明している:
1週間にたった一人の感染症患者が出るのを防ぐために、10万人の小学生が、1週間マスクを着用してあらゆる副作用を我慢しなければならなくなる計算になる。
この結果を単に比例原則に則っていないというのは、全く不十分な表現である。そうではなく、この分野を規制する州議会が、歴史的ともいえるほど事実から遠ざかっていることを示しているのだ。
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この判決に詳しく焦点を当てるのは、自分の判断を下した判事に対してその後いろいろなことが起こったことをニュースサイト2020NewsDeが報じたからだ。2020NewsDeによると、「ワイマール地方裁判所のクリスティアン・デットマー(Christiaan Dettmar)判事は、今日(2021年4月26日)、家宅捜索を受けた。彼のオフィス、私有地、車が捜索された。携帯電話は警察に押収された。この判事は2021年4月8日に政府の対策方針にとって非常に都合の悪いセンセーショナルな判決を下している。」さらに2020NewsDeは、「問題の判決を、ワイマール行政裁判所は不法としているが、納得できる正当な理由は何もない」 と傍注的に述べている。
<但し書き>:キングス・ロースクールの国際法・EU法教授であるホルガー・ヘスターマイヤー(Holger Hestermeyer)(@hhesterm)から、ドイツでは(ワイマール地方裁判所事案で問題となったような)行政行為を無効にする事案は行政裁判所に送られるとの情報を得た。ヘスターマイヤー教授は次のように述べている:
この事案が行政裁判所に持ち込まれたことは確かですが、裁判所はマスク強制着用などの行政行為を棄却しませんでした。そこで弁護士は(シュピーゲル誌の報道によれば)、テレグラムというメッセージシステムを使って、クリスティアン・デットマー判事の法廷に訴訟を提起する原告を探していました(その資格は姓の最初の数文字を基礎としているので、弁護士は適正な姓を持つ原告を探していました)。その後、デッドマー判事はその弁護士のこの事案に関する訴訟資格を認め(前例がない)、原告だけでなく学校のすべての子供たちのために判決を下し(異例)、口頭審理を排除し(うーん)、主流の科学的助言をすべて斥け、そのような行政措置をすべて拒否する少数の専門家の意見に判決の基礎を置き(これも、うーん)、上訴を認めませんでした。
(へスターマイヤー教授の話はここまで)
このように、この判決には手続き上の重要な問題があり、原判決と2020Deによる報告書の両方を抜粋した以下の私の要約を読む際には、それを念頭に置く必要がある。
この裁判は、ドイツ民法(BGB)第1666条第1項および第4項に基づく児童保護案件であり、母親が14歳と8歳の2人の息子のために、地方の裁判所に提訴したものである。彼女は、自分の子供たちが肉体的、心理的、教育的にダメージを受けているが、子供たちや第三者には何の利益もないと主張した。同時に、これは法律、ドイツ憲法(基本法)、国際条約に基づく子どもと両親のさまざまな権利の侵害であると主張した。
民法第1666条に基づく手続きは、誰かの提案があった場合でも、そのような提案がなくても、その子の最善の利益のために介入が必要であると考えた場合には、裁判所は職権で開始することができる(民法第1697a条)。
ワイマール家庭裁判所は、事実上および法律上の状況を検討し、専門家の意見を評価した結果、マスク着用強制等の行動規制措置で、子どもの幸福に対して精神的、身体的、または心理的な危険が生じていることははっきりしており、実質的な害が生じることは高度な確実性をもって予見されるほどである、と結論づけた。
判事は次のように述べた:
これは危機と言える。学校の授業時間中に着用し、お互いに他の人から距離を置くことを義務付けることで、子どもたちは精神的、肉体的、心理的に危険にさらされているだけでなく、すでに被害を受けている。同時に、法律や憲法、国際条約に基づく子どもたちとその親の数多くの権利を侵害している。特に、基本法第2条の人格の自由な発達と身体的完全性に対する権利、および基本法第6条の親による養育とケアに対する権利を侵害している....
(判事のことばはここまで)
判決の中で、判事は原告の母親の見方を是とした:
子どもたちは身体的、心理的、教育的にダメージを受け、子どもたちの権利は侵害されている。それは、子どもたち自身にも第三者にも何のメリットもない。
(判事のことばはここまで)
裁判所は、学校の管理者や教師などに対して、生徒への行動規制措置の根拠となっている州法の規制は、法治国家に根ざした比例原則(基本法第20条、第28条)に反するため、違憲であり、無効であるとして、これを行使することを許さなかった。
(以下は判事のことば)
過剰の禁止とも呼ばれるこの比例原則によれば、正当な目的を達成するための措置は、狭義の意味で、つまりメリットとデメリットを比較検討した上で、適切かつ必要であり、比例したものでなければならないとされている。エビデンスに基づかない、IfSG(感染保護法)第1条第2項に反した措置は、それが追求する基本的に合法的な目的を達成したり、医療システムの過負荷を回避したり、あるいはSARS-CoV-2ウイルスへの感染率を低下させたりするにはすでに適性を欠いている。しかし、いずれにしても、この措置はさらに狭義の意味で比例原則に則っていない。なぜならそれによって引き起こされる相応のデメリットや付随的ダメージが、子どもたち自身や第三者にとって認識できるメリットによって相殺されていないからである。
(判事のことばはここまで)
判事が明言したのは、指摘しておかなければならないこととして、自分たちの権利が侵害されている違憲性を証明するのは権利が侵害されている当事者ではない、ということだ。それを行うのは、チューリンゲン自由州であり、同州が、自ら行った措置は意図した目的を達成するのに適しており、必要であればそれは比例原則に合致しているという科学的証拠を出さなければならない、としたことだ。しかし今のところ、同州にそんな動きは全くない。
判事は、(裁判に同席していた先述の)カプスタイン教授から、マスクを着用して距離規定を守ることは、子ども自身や第三者にとってメリットがないという専門的な証拠を聴取した。
カプスタイン教授は、マスクに関する国際的なデータをすべて評価した上で、「健康な人が公共の場でマスクをすることの有効性は、科学的根拠に裏付けられていない」と述べている。
判決文はこうだ:
意見書に書かれている妥当性、数学的推定値、主観的評価は、実際の人間を対象にした種々の臨床疫学研究に取って代わることはできない。マスクのフィルタリング性能に関する実験的研究や数学的推定は、実生活での有効性を証明するのには適していない。国際的な保健機関は、公共の場でのマスク着用を推奨しているが、科学的研究からはその証拠がないとも言っている。それどころか、現在入手可能なすべての科学的証拠を見ても、マスク着用が感染を抑える効果がゼロであることははっきりしている。公共の場でのマスクの有効性を示す証拠として引用されているすべての公表文書も、マスク着用が感染を抑えるという結論を認めていない。このことは、いわゆる「イエナ研究」にも当てはまる。これは他の大部分の研究と同様に、疫学的知識のないマクロ経済学を専攻する著者による、実際の接触経路を追跡しない理論的仮定に基づく純粋な数学的推定またはモデリング研究であった・・・2020年4月6日にイエナでマスク着用義務が導入される前に(ドイツ全体で導入されたのはその約3週間後)感染値がすでに大幅に減少しており、2020年3月末にはすでにイエナでは関連する感染の発生がなくなっていたという決定的な疫学的状況は考慮されていない。
(判決文はここまで)
マスク着用は何の役にも立たないばかりか危険だ、というのが判事の結論だ。
(以下も判決文から)
カプスタイン教授がさらに言うように、マスクはすべて、効果を発揮するために原則的に正しく着用する必要がある。マスクは触ると汚染リスクに晒される可能性がある。それなのに、人々はマスクを正しく着用せず、手で触ってしまうことが非常に多い。これは、テレビで見かける政治家にも見られる。人々はマスクの正しい使い方を教えられず、途中で手を洗う方法や、手の効果的な消毒方法の説明もなかった。また、なぜ手指衛生が重要なのか、手で目や鼻、口を触らないように注意しなければならないことも説明されなかった。人々にマスクを着用させれば、あとは事実上放置状態だった。感染リスクはマスク着用によって軽減されないばかりか、マスクを不適切に着用すれば感染は拡大する。(専門家はこの点を詳細に述べているし)また、人々がマスクを適切に着用するようになることは「ありえない」とも言っている。
判決文はこう続けている。
(以下は判決文から)
「SARS-CoV-2が「エアロゾル」を介して、つまり空気を介して感染するというのは、医学的にも確証がなく、科学的にも証明されていない。これは主にエアロゾル物理学者に基づいた仮説であり、専門家によると、彼らは当然ながら自分の専門分野から医学的な相関関係を評価することはできないという。「エアロゾル」理論は、人間の共存にとって非常に有害であり、人々はもはやどんな室内空間でも安心していられず、建物の外でも「エアロゾル」による感染を恐れる人さえ出てくるということになる。「エアロゾル説」は、「気づかないうちに」感染することと合わせて、すべて人間という仲間を感染リスクとみなすことにつながる。
2020年には布製マスク、2021年初頭からはOPマスクかFFP2マスクという、マスクに関する方針の変更は、明確な線引きがない。OPマスク(標準的な青色のマスクで、ろ布と3層の浄化用ダストが付いている)とFFPマスクは同じ医療用マスクであっても、機能が異なるため、互換性はない。この決定をした政治家自身が、どのタイプのマスクが基本的に何に適しているのかを理解していないか、あるいはそんなことは気にせず、マスクの象徴的価値だけを重視しているかのどちらかだ。カプスタイン教授の視点から見ると、政策立案者のマスクの決定は理解不能、控えめに言えば、ありえない、となる。
カプスタイン教授はさらに、医療患者のケア以外では、適正な対人距離に関する科学的な研究は行われていないと指摘する。要約すると、彼女の意見とそれに納得した裁判所の立場では、以下のルールしか成立しない。
1. 2人のうちどちらかに風邪の症状があるときには、対人接触時に1.5m程度(1~2m)の距離を保つというのは、賢明な対策と言える。しかし、科学的に証明されているわけではない。接触者に風邪の症状がある場合に、呼吸器の分泌物の飛沫を介した病原体との接触を防ぐために互いの距離を保つことは有効な対策であるらしいと言える程度。一方、全方位的な距離の取り方は、接触者が風邪をひいている場合身を守るための有効な防御策とは言えない。
2. 誰も風邪をひいていないのに、1.5m程度(1~2m)の全方位的な距離あるいはささらに対面の距離をとることも、科学的データに裏付けられたものではない。それどころか、これでは一緒に生活している人たち、特に子供たちの気楽な接触を大きく損なうことになる。感染予防という点でも何のメリットもない。
3.濃密な接触、つまり1.5メートル以下、生徒同士、教師と生徒、職場の同僚,等々の間で、たとえどちらかが風邪の兆候を持っていたとしても、リスクにはならない。なぜなら、学校や公共の場での大人同士のこのような接触時間は、飛沫感染が起こるにはあまりにも短いからだ。このことは、家庭を事例にした研究でも明らかになっている。多くの皮膚や粘膜の接触がある密な生活をしているにもかかわらず、1人が呼吸器系の感染症にかかっても、ほとんどの家族成員は病気にならなかった。
(判決文からの抜粋はここまで)
また、裁判所は、症状のある人、症状前の人、無症状の人の感染率に関するカプスタイン教授の見方に従った。
(以下は判決文から)
症状が出る前に感染する可能性はあるが、避けられないわけではない。いずれにしても、実際の接触シナリオを評価した場合の感染率は、数学的モデルを用いた場合よりも著しく低い。
2020年12月に発表された家庭内でのコロナ感染に関するメタ分析を用いた組織的検討から、カプスタイン教授は、症状のある初発症例の感染率が18%と高いがそれでも過剰ではないことと、無症状例の感染率がわずか0.7%と極めて低いことを対比させている。したがって、かつて健康だった人で現在は無症状の人のウイルスを伝播する可能性は、考えることすら無意味である。
(判決文からの抜粋はここまで)
裁判所のまとめ:
様々なタイプのフェイスマスクがSARS-CoV-2による感染のリスクを全く、あるいはかなり軽減できるという証拠はない。当裁判所のこの言明は、小児や青年を含むあらゆる年齢層の人々、ならびに症状のない人、症状が出る前の人、症状のある人に適用される。
それどころか、マスク着用時の手と顔の接触がさらに頻繁になることで、自分自身が病原体に接触したり、仲間を病原体に接触させたりするリスクが高まる可能性がある。普通の人々にとっては、公の場でも私的空間でも、フェイスマスクの着用(または他の対策)によって減少するような感染のリスクは存在しない。また、対人距離を遵守すれば感染リスクを低減できるという証拠もない。このことは、子供や青年を含むあらゆる年齢層に当てはまる。
(裁判所のまとめはここまで)
裁判所は、もう一人の専門家である心理学部教授のクリストフ・クーバンドネル博士の広範な調査結果を参考にして、「フェイスマスクの着用によって感染のリスクを大幅に低減できるという質の高い科学的証拠はこれまでに存在しない」という結論を下した。
判事の言葉は続く:
また、学校ではマスクをしていなくても感染することはほとんどないので、学校でのマスク着用による感染リスクの低減の達成可能範囲はそれ自体小幅だ。だから、こんな絶対的危機削減幅の小さい対処法でパンデミックと闘うことはできない。クリストフ・クーバンドネル博士の説明によると、現在増加していると言われている子どもの感染者数は、ここ数週間で子どもの検査数が大幅に増加したことに起因する可能性が非常に高いとのこと。学校での感染リスクは非常に低いため、新しいウイルスであるB.1.1.7の感染率が諸研究で想定された大きさの規模で増加する可能性があっても、学校でのウイルスの蔓延を大幅に増加させるとは考えられない。このわずかなメリットも、子どもたちの身体的、心理的、社会的な幸福に関して起こりうる数多くの副作用によって帳消しされている。たった1つの感染を防ぐためには多くの子どもたちがその影響を受けなければならないということになるだろう。クーバンドネル博士は、科学雑誌Monatsschrift Kinderheilkundeに掲載された副作用登録事例に基づいて、これらの詳細を紹介している。
(判事のことばはここまで)
裁判所は、また、PCR検査や迅速検査が感染率の測定に適していないというカプスタイン教授の専門家としての意見も参考にした。
PCR検査について、裁判所はカプスタイン教授の言葉を引用し、使用されているPCRテストは遺伝物質のみを検出することができるが、検出されたRNAが感染能力のある、したがって複製能力のあるウイルスに由来するかどうかは検出できないという趣旨のことを述べている。
ウルリケ・ケンメラー博士も、分子生物学に関する専門家意見の中で、PCR検査は、たとえ正しく実施されたとしても、その人が活動中の病原体に感染しているかどうかに関する情報を提供することはできないとしている。これは、PCR検査では、風邪やインフルエンザに対する体の免疫システムの戦いの名残としての全く無害なゲノム断片(このようなゲノム断片は、免疫システムが問題を「処理」した後、何ヶ月も経ってからも見つかることがある)などの「死んだ」物質と、繁殖可能な「新鮮な」ウイルスなどの「生きた」物質を区別することができないためだ。
176ページの判決文の120ページからは、PCR検査について上述したことよりはるかに興味深い内容が書かれている。ケンメラー教授によれば、SARS-CoV-2の活動的な感染を判断するためには、複製可能なウイルスの分離など、さらに具体的な診断方法を用いなければならないという。
ケンメラー教授の報告によると、大量検査に使用される迅速抗原検査は、無傷で再現性のあるウイルスかどうかは関係なしにタンパク質成分を検出するだけなので、感染性に関する情報を得ることができない、とのことだ。
(以下は判決文から)
最後に、ケンメラー教授の指摘では、この検査はウイルスを特定する診断力が低いために偽陽性率が高くなる。そして不必要な個人(隔離)や社会的波及(学校閉鎖、「感染爆発報道」)などに連なり、最後は誤警報だと判明することになる、とのことだ。誤差効果、すなわち偽陽性の多さは、症状のない人を対象とした検査では特に顕著である。
(判決文からの抜粋はここまで)
続いて判事は、基本法第2条第1項の人格権の一部を構成する情報に関する自己決定権に注目した。これは、個人が自分の個人データの開示と使用の是非を原則的に自分で決定する権利である。このような個人データには、検査結果も含まれる。さらに、このような結果は、データ保護規則(DSGVO)上の個人の健康「データ」にあたり、原則として誰にも関係のないものである。
このような基本的権利の侵害は、やはり違憲である。なぜなら、学校でのPCR検査プロセスの具体的な手順を考えると、例えば「陽性」のテスト結果を多数の他の人々(仲間の生徒、教師、他の保護者)が知ることは避けられないと思われるからである。
クリスティアン・デットマー判事は、ドイツの感染保護法が憲法上の問題を相当抱えているにもかかわらず、ランド法に基づく学童の強制検査は、ドイツの感染保護法の対象外であると判断した。
同法第28条によれば、「病気の人、病気の疑いのある人、被感染の疑いのある人、つまり感染させる能力がある人」が見つかった場合、管轄当局は同法に規定された方法で必要な保護措置をとることができる。IfSG(感染保護法)第29条によると、これらの人々は観察対象になる可能性があり、その後、必要な検査を甘受する義務がある。
バイエルン行政裁判所は、2021年03月02日の判決(Ref.:20 NE 21.353)において、老人ホームの従業員を最初から病人、病気の疑いのある人、つまり病気をうつす可能性がある人とみなすことをしなかった。これは児童生徒にも適用されるべきである。しかし、被感染の疑いがある人という分類はこの判決においても論外とされている。
連邦行政裁判所の判例法によれば、感染につながると思われるほど密に感染者と接触した者は、§2 No.7 IfSG上で感染の疑いがあるとみなされる。感染につながらないような距離をとった接触ではそれにはあたらないのだ。関係者が病原体を摂取したという仮定が、その反対の場合よりも確率が高いことが必要である。感染の疑いの決定的な要因は、もっぱら過去においてどのようなプロセスで感染が起こったか、である。(参照:2012年3月22日の判決-3 C 16/11 - juris marginal no. 31 et seq.) バイエルン憲法裁判所は、看護職の従業員についてこれを否定している。ワイマール家庭裁判所のクリスティアン・デットマー判事は、「学童に適用されるものは他にない」との見解だ。
子どもの教育権についてデットマー判事は次のように述べている:
学童は、ランド法の下、義務教育の対象となっているだけでなく、教育や学校教育を受ける法的権利がある。このことは、国連子どもの権利条約の第28条および第29条から導き出されるものであり、ドイツの法律にも適用される。
これによると、すべての締約国は、初等教育への出席を義務化し、すべての人に無償で提供するだけでなく、一般教育および職業教育などを含んださまざまな形態の中等教育の発展を促進し、すべての子どもたちが利用でき、アクセスできるようにし、無償教育の導入や必要な場合の経済的支援の提供などの適切な措置を講じなければならないとしている。国連子どもの権利条約第29条の教育目標は遵守されなければならない。
(判事のことばはここまで)
デットマー判事は自らの結論を次のようにまとめている:
学校の子どもたちにマスクを着用させ、お互いに、そして第三者から距離を置くことを強いることは、子どもたちの身体的、心理的、教育的、そして心理社会的な発達に悪影響を与え、それを相殺するメリットも子どもたち自身や第三者にとってせいぜいわずかなものでしかない。学校が、「パンデミック」において果たして役割は大したものではない。
使用されているPCR検査や迅速検査は、原理的にそれだけではSARS-CoV-2ウイルスへの「感染」を検出するのに適していない。このことは、専門家の種々の報告書で説明されているように、ロベルト・コッホ研究所(RKI)の独自の計算からもすでに明らかである。専門家であるクーバンドネル教授が説明しているように、RKIの計算によると、症状にかかわらず、迅速検査による集団検査で陽性結果を得たときに実際に感染している確率は、発症率50の場合でわずか2%である(検査特異性80%、検査感度98%)。つまり、迅速検査の真の陽性反応が2回出るごとに、迅速検査の偽陽性反応が98回出ることになり、そのすべてをPCR検査で再検査しなければならないことになる。
無症状の人、つまり健康な人に医学的な適応がないのに(定期的な)一斉検査を強制するのは、期待される効果とのバランスが違いすぎる。同時に、定期的に検査を受けさせることは、子どもたちに心理的なプレッシャーを与える。なぜなら、こんな風にして、学校に行けるのか、行けないのか、が常に試されることになるからだ。
(判事のことばはここまで)
最後にデットマー判事はこんな風に述べている:
小学校ではマスクを着用していないが、週に3回、全国で迅速検査を実施しているオーストリアでの調査をもとにして以下のような結果が得られたと、専門家であるクーバンドネル教授は説明している:
1週間にたった一人の感染症患者が出るのを防ぐために、10万人の小学生が、1週間マスクを着用してあらゆる副作用を我慢しなければならなくなる計算になる。
この結果を単に比例原則に則っていないというのは、全く不十分な表現である。そうではなく、この分野を規制する州議会が、歴史的ともいえるほど事実から遠ざかっていることを示しているのだ。
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