ジュリアン・アサンジの迫害は、西欧的価値がもはや存在しないことの証明だ
The Persecution of Julian Assange Proves that Western Values No Longer Exist
ポール・クレーグ・ロバーツ博士
グローバル・リサーチ 2018年6月24日
西欧は、決して「民主的価値」について語ることをやめない。西欧の政治的論理では、民主主義が機能するのは、言論の自由と報道の自由によってである。市民とメディアは、しっかり発言することによって、政府に説明責任を果たさせることだ。
このリベラルな伝統とは、ある「犠牲者団体」と指定された者が、傷つけられたと訴えることができるからと言って、使えない言葉や用語がないことを意味する。政治的矯正と銘打ってなされる言論の自由への侵害は、今や大学や公立学校システムやグーグルのようなアメリカ企業やアメリカ人の文化適応習慣に制度化されていて、言論の自由の衰退を示している。政府も「テロ戦争」で、令状なしのスパイ活動や大量の監視や反対派への取り締まりを正当化して、言論の自由を侵害した。
報道の自由は、言論の自由よりもさらに劇的に衰退した。ペンタゴン・ペーパーのニューヨークタイムズが消え去ったのは第1期ジョージ・W・ブッシュ政権の時で、ブッシュ政権が令状なしのスパイ活動をしているという話を、新聞が握りつぶした時だった。ニューヨークタイムズは1年間その話を握りつぶし、ブッシュが難なく再選を果たし、政府にスパイ活動を既成事実として合法化する時間を与えた。
(さらに読む)「ウラジミール・プーチンは正直に語る。『世界を戦争へと導く』西欧の政治的嘘とは好対照」
https://www.globalresearch.ca/vladimir-putin-speaks-honestly-refreshing-contrast-to-western-political-liars-who-drive-the-world-to-war/5486141?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles
今日メディアはロシアやトランプを悪魔化し、ワシントンやその属国の戦争犯罪を正当化する宣伝省だ。
だから、ロンドンのエクアドル大使館にジュリアン・アサンジを6年間監禁していることにメディアは何の騒ぎも起こさないのだ。
ウィキリークスはニュース組織であり、他の自由報道となんら変わるところがない。ジュリアン・アサンジはオーストラリアとエクアドルの市民だ。彼はアメリカ人ではない。だから反逆罪は当たらない。しかし、ワシントンは彼に対してそのような事件をでっち上げるために、陪審を使ったと考えられる。
エクアドルの新大統領は、前任者ほど強力でも、善人でもない。モレノはワシントンの圧力でエクアドル大使館の生活をできるだけ耐えがたいものにしている。イギリス政府はアサンジを引き出して、イギリスの手に取り戻そうとしている。イギリス政府は、ワシントンの圧力に応えて、彼の保護施設を認めず、彼が大使館から離れることを阻止している。
この事件に「民主的価値」は存在しない。それはミンツェンティ枢機卿に対するソ連の扱いと同じである。自由を踏みにじっているのはモスクワではなくワシントンなのだ。
オーストラリア政府は他の全ての属国と同様、ワシントンに従ってアサンジ救出に何もしていない。ワシントンの利益を法や市民の利益より優先しているのだ。
今週オーストラリアでアサンジを支援して抗議行動が行われた。しかし西欧政府は今のところ市民の行動を無視している。革命とはほど遠いものが、西欧政府に説明責任を回復させることはあり得ないことを示している。
「西欧民主主義」は矛盾語法となった。マイクヘッドのこの記事は、西欧エリートが言論の自由や報道の自由や真実や市民的権利を軽蔑していることを示している。
*
この記事は元々ポール・クレイグ・ロバーツ政治経済研究所で発表されたもの。
ポール・クレイグ・ロバーツ博士はグローバル・リサーチの常連寄稿者である。
(翻訳:新見 明)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/the-persecution-of-julian-assange-proves-that-western-values-no-longer-exist/5645184
<新見コメント>--------------------------
ポール・クレイグ・ロバーツの「ジュリアン・アサンジの迫害は西欧的価値がもはや存在しないことの証明だ」をアップしました。
前回RT記事「ジュリアン・アサンジの救出に動く人気女優 」をブログに掲載しましたが、今回のPCRの記事はジュリアン・アサンジの状況をさらに詳しく論じたものとして重要なので翻訳しました。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
エクアドル新大統領モレノがワシントンの圧力に屈していること、アサンジの出身国オーストラリは救出に何もしていないこと、そしてアメリカ人ではないのにアメリカで反逆罪が訴えられていることなど矛盾に満ちた状況が書かれています。
アサンジの窮状に対して西欧のメディアが何も伝えない。西欧の言論の自由や報道の自由が衰退していることを訴えている。
ポール・クレーグ・ロバーツ博士
グローバル・リサーチ 2018年6月24日
西欧は、決して「民主的価値」について語ることをやめない。西欧の政治的論理では、民主主義が機能するのは、言論の自由と報道の自由によってである。市民とメディアは、しっかり発言することによって、政府に説明責任を果たさせることだ。
このリベラルな伝統とは、ある「犠牲者団体」と指定された者が、傷つけられたと訴えることができるからと言って、使えない言葉や用語がないことを意味する。政治的矯正と銘打ってなされる言論の自由への侵害は、今や大学や公立学校システムやグーグルのようなアメリカ企業やアメリカ人の文化適応習慣に制度化されていて、言論の自由の衰退を示している。政府も「テロ戦争」で、令状なしのスパイ活動や大量の監視や反対派への取り締まりを正当化して、言論の自由を侵害した。
報道の自由は、言論の自由よりもさらに劇的に衰退した。ペンタゴン・ペーパーのニューヨークタイムズが消え去ったのは第1期ジョージ・W・ブッシュ政権の時で、ブッシュ政権が令状なしのスパイ活動をしているという話を、新聞が握りつぶした時だった。ニューヨークタイムズは1年間その話を握りつぶし、ブッシュが難なく再選を果たし、政府にスパイ活動を既成事実として合法化する時間を与えた。
(さらに読む)「ウラジミール・プーチンは正直に語る。『世界を戦争へと導く』西欧の政治的嘘とは好対照」
https://www.globalresearch.ca/vladimir-putin-speaks-honestly-refreshing-contrast-to-western-political-liars-who-drive-the-world-to-war/5486141?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles
今日メディアはロシアやトランプを悪魔化し、ワシントンやその属国の戦争犯罪を正当化する宣伝省だ。
だから、ロンドンのエクアドル大使館にジュリアン・アサンジを6年間監禁していることにメディアは何の騒ぎも起こさないのだ。
ウィキリークスはニュース組織であり、他の自由報道となんら変わるところがない。ジュリアン・アサンジはオーストラリアとエクアドルの市民だ。彼はアメリカ人ではない。だから反逆罪は当たらない。しかし、ワシントンは彼に対してそのような事件をでっち上げるために、陪審を使ったと考えられる。
エクアドルの新大統領は、前任者ほど強力でも、善人でもない。モレノはワシントンの圧力でエクアドル大使館の生活をできるだけ耐えがたいものにしている。イギリス政府はアサンジを引き出して、イギリスの手に取り戻そうとしている。イギリス政府は、ワシントンの圧力に応えて、彼の保護施設を認めず、彼が大使館から離れることを阻止している。
この事件に「民主的価値」は存在しない。それはミンツェンティ枢機卿に対するソ連の扱いと同じである。自由を踏みにじっているのはモスクワではなくワシントンなのだ。
オーストラリア政府は他の全ての属国と同様、ワシントンに従ってアサンジ救出に何もしていない。ワシントンの利益を法や市民の利益より優先しているのだ。
今週オーストラリアでアサンジを支援して抗議行動が行われた。しかし西欧政府は今のところ市民の行動を無視している。革命とはほど遠いものが、西欧政府に説明責任を回復させることはあり得ないことを示している。
「西欧民主主義」は矛盾語法となった。マイクヘッドのこの記事は、西欧エリートが言論の自由や報道の自由や真実や市民的権利を軽蔑していることを示している。
*
この記事は元々ポール・クレイグ・ロバーツ政治経済研究所で発表されたもの。
ポール・クレイグ・ロバーツ博士はグローバル・リサーチの常連寄稿者である。
(翻訳:新見 明)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/the-persecution-of-julian-assange-proves-that-western-values-no-longer-exist/5645184
<新見コメント>--------------------------
ポール・クレイグ・ロバーツの「ジュリアン・アサンジの迫害は西欧的価値がもはや存在しないことの証明だ」をアップしました。
前回RT記事「ジュリアン・アサンジの救出に動く人気女優 」をブログに掲載しましたが、今回のPCRの記事はジュリアン・アサンジの状況をさらに詳しく論じたものとして重要なので翻訳しました。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
エクアドル新大統領モレノがワシントンの圧力に屈していること、アサンジの出身国オーストラリは救出に何もしていないこと、そしてアメリカ人ではないのにアメリカで反逆罪が訴えられていることなど矛盾に満ちた状況が書かれています。
アサンジの窮状に対して西欧のメディアが何も伝えない。西欧の言論の自由や報道の自由が衰退していることを訴えている。
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