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トニー・アボット前豪州首相は、「新型コロナの都市封鎖は独裁的な医療政策だ」と一喝。「病気になるぞという恐怖政策で全く健康な人も病気にしてしまう」。

<記事原文 寺島先生推薦>
Tony Abbott slams ‘health dictatorship’ of Covid-19 lockdowns, says ‘fear of falling sick’ cancels out ‘being fully alive’

2020年9月1日
RT ワールドニュース

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年10月16日

 

 前豪州首相は、新型コロナウイルス流行対策を個人の自由を喪失させていると批判した。前首相が批判の矛先を向けたのは、都市封鎖や、政府による持続不可能な給付金制度や、死を防ごうとする「独裁的な医療措置」についてだった。

 前首相が政治家たちに求めたのは、「トラウマを持つ医師」のような考え方をやめることだった。その医師とは医療資源を無限に投入して全ての人の命を維持しようとし、人名よりも儲けを優先する「医療経済学者」たちのような考え方をし始めてしまうような医師のことだと、9月1日、前首相は英国の政策立案機関ポリシー・エクスチェンジに対する演説で語った。 「都市封鎖措置の期間が引き延ばされている中、国内経済を維持させるための必要経費は持続できる程度を超えている」と彼は主張し、「財政的負担が破綻しているので、社会で最も脆弱な人たちを守ろうという善意のためになされた決定が逆効果を招くことになるだろう」と指摘した。

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 「医療面から見れば、この流行は深刻だ。そして経済面から見れば悲惨だ」と前首相は述べた。「しかし、私から言わせてもらえば、包括的に全てを良い状態にしようとすれば、逆に全てにとって最悪の結果を招くだけになるのだ」。

 
「長い目で物事を考えないといけないのに、目先のことだけで考えてしまうとこんなことがよく起こる。だからこそ、 病気になるかもしれないという恐怖のせいで健康的な生活を満喫することができなくなる、という状況が生まれているのだ」。


 アボット氏の主張によると、「6ヶ月経ったのだから、政府は決まりを緩めて、危険を回避するための負担を人々が受け入れられるくらいの負担に抑えるべきだ。全ての市民に同一の厳しい規制をどんどん掛けていくような政策は取り続けるべきではない」とのことだ。さらに同氏は、「自由な市民たちにとっては、個人が自分でどう行動すべきかを選びとることと、政府にどんな行動をとればいいか指示されることの間には大きな違いがある。大多数の市民たちが最終的には政権が示した指示に従うことを選択する(これはスウェーデンでも見られたことだが)ことになるとしても、だ」と語った。

 同氏は語った。「そうすべきだったのに、政府は緊急事態を利用して権力を行使することに凝り固まってしまい、恐怖におおのく市民たちが求める感情に流され、到底考えられないような目標を設定してしまった。例を挙げると、コロナウイルスを誰一人にもうつしてはいけないというような目標だ。そんな目標をたてることで、“危険な状態”をあえて維持させたのだ」

 アボット氏はオーストラリアのビクトリア州のダニエル・アンドリュース知事を斬り捨てた。同知事はビクトリア州でのコロナウイルス流行対策の「非常事態」をまる一年引き伸ばすことを求めたばかりだったのだが、アボット氏は「こんなことを課すなど独裁的な医療政策だ」と批判したのだ。

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 前首相は、オーストラリアが十分な対策をとって老人ホームにいる人たちを守ることができなかったことに言及しつつ、「現状は、ほとんど全ての国民に犠牲を払わせて、ほとんど全ての国民の命を守る政策になっている。こんな状況は明らかに維持できるものではない。流行発生の初期段階ではそのよう措置は意味があったかもしれないが」と述べた。

 「ある時点で、このウイルスと共存する方法を模索し始めるべきだ。このウイルスとは半永久的に付き合っていかないといけないのだから」とアボット氏は述べた。同氏はさらに「魔法の膨らまし粉を使った経済政策」をやめるよう求めた。その魔法のおかげで、政府は際限なく紙幣を印刷し続け、閉鎖された会社からの給料を肩代わりし、賃貸料や住宅ローンを凍結させ、失業手当を支給し続けることを、資金不足になることなしにできている。しかアボット氏の主張によれば、こんな政策は「なんでもないことに対して何かあると思わせる」政策であり、人々を恐怖で固めることにより「新しい通常」を導入し、以前はしっかりと自立していた市民たちから個人の責任を放棄させ、かわりにオーウェルの『1984』の登場人物であるビッグ・ブラザーに身を任せさせようという政策だ、とのことだ。

 アボット氏はオーストラリア政府と大手メディア両者を激しく批判した。同氏は、政府とメディアが「信頼できない専門家たち」の予見を崇め奉って、メディアによる「ウイルス狂想曲」に拍車をかけ、「世界の終わりを迎えている状況だ!」という主張をやめようとしない為政者たちを糾弾している。「政治家たちが電波を使い、我々が破滅するかもしれないという恐怖をがなり立てることが無くなるのが早ければ早いほど、我々がもとの暮らしに戻れる規模は大きくなるだろう」とアボット氏は予言した。

 わざと煽るような表現を使って、アボット氏は第2次世界大戦時と今の世界をこう比較した。「第2次世界大戦時は、命を犠牲にしてでも自由を守るという風潮だったのだが、今は自由を犠牲にしてでも命を守るという風潮だ」。

 オーストラリアは世界で最も厳しい対策措置を取っている国の一つだ。9月1日の時点でたったの657名の死者しか記録していないのに、だ。アボット氏はそのような措置を「新型コロナウイルスの発祥地である中国武漢市以外で、世界で最も厳しい措置を取っている」と批判した。州間の移動は制限されており、新たに州を訪問したものたちは14日間隔離され、「健康診断」を必ず受けさせられる。さらに西オーストラリア州では、例外として特別認められた場合を除いては、州境を無期限に封鎖している。


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 今月(2020年9月)初旬、ビクトリア州は、流行開始からウイルスによる死者が229人しか出ていない中で、緊急事態宣言を発令し、門限を午後8時にするという条例を課し、逮捕状がなくても家宅侵入できる権限を警察に与えたところだ。

 さらにアボット氏は、ニュージーランドがたった4名の感染者のために首都を完全に都市封鎖し選挙を延期したことに対して、「自国が民主国家であると考えているいかなる国にとっても危険な先例になる」と述べた。「数多くの国々が、科学的根拠に欠けるマスク着用を義務化させている状況では、なおのこと」 だと。


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