東ヨーロッパを裏切っているのは誰か?
Pyotr ISKENDEROV | 25.09.2015 | 00:00
Strategic Culture Foundation
ウクライナへのガス輸出の“ウインター・パッケージ”の条件を巡るロシアと欧州連合の最近の合意は、中央ヨーロッパと南東ヨーロッパの国々にとって、ある種絶好のチャンスとなっている。この新たな環境において、彼らは自らの需要にも、更にEUへ輸送するのにも役立つ、ロシア・ガス輸送のためのより広範な種類のプロジェクトを企画し、これらのプロジェクトを、お互いでも、モスクワとブリュッセルとも、調整することも可能になる。
しかしながら、こうした新たな機会を生かすためには、ベオグラードや地域の他首都は、ヨーロッパへの主要エネルギー供給源としてのロシアとの協力に関する優先順位を確認しなければならない。
ロシアのアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相が、欧州委員会のマロウシュ・シェフチョビッチと副委員長との交渉後に繰り返した通り、ウクライナと、ヨーロッパ全体のエネルギー安全保障に関する紛争を即座に解決するため、ロシアはできる限りのことをしている。ロシア・エネルギー相は、主な問題は、いかにして無事に“冬を越すか”だと述べた。ロシアは、ポーランドなどの近隣諸国に売られている価格しか請求せずに、ウクライナに冬期ガス割引価格を申し出る用意があると彼は述べた。
次に、ガスプロム最高経営責任者アレクセイ・ミレルは、同社は、現在の契約が満了する2019年以後も、ウクライナ経由でのガス輸送を、ウクライナと交渉する用意はあるが、ガスプロムは、会社として受け入れ難い条件で妥協するつもりはないと述べた。
同時にロシアは、ノルド・ストリーム・パイプラインの最初の区間と第二区間を通して、ガス輸送の北ルートを最大活用することを狙っている。この燃料経路の既存能力のわずか半分しか使用していない、ヨーロッパの消費者自身がした選択のために、ガス・パイプライン二番目の分岐を建設することが必要となったのだ。ロシアは、これで責めを受けるいわれはない。ノルド・ストリーム-1は、能力の80%のロシア・ガスを輸送しているが、以前は、100%で稼動していた。
この事実も、関与している当事者たち、ガスプロムとヨーロッパの主要エネルギー企業に、オーストリアのバウムガルテンでガス・ハブが止まる予定のガス・パイプラインの第二区画を建設する契約に調印するよう促したのだ。欧州連合へのガス輸出を増やすためのノルド・ストリーム-2 ガス・パイプライン・システム建設の契約が、ウラジオストックでの第一回東方経済フォーラムで調印された。プロジェクトは、ロシアからバルト海底経由でドイツに向かう、年間総計550億立方メートルのガスを輸送する能力の沖合ガス・パイプライン分岐二つの建設を伴っている。
ガスプロム最高経営責任者が述べたように、“ノルド・ストリーム-2は、わが社最新のバルト海経由の‘他国を経由しない’ガス送付経路の能力を倍増する。こうした輸送の対象は、基本的に、彼ら自身の産出減少のおかげで、ヨーロッパで大いに必要とされている新たな量のガスだ”。アレクセイ・ミレルは更に述べた。“世界エネルギーの巨大企業が監督する、このプロジェクトへの参加は、ヨーロッパ消費者への安定したガス供給を保障する上での重要性を強調している”。
利点は明白に思われるのだから、関与する全ての国々は、地域プロジェクトと、“リンク”構築を通して、この新たに作り出されたヨーロッパのエネルギー安全保障構造をすぐにも活用だろうと皆思うだろう。ところが逆に、この新たな合意に、自分たちの権益に対する“裏切り”を見いだす国々があった。
もちろん、ヨーロッパ大衆は、角の立たない言葉で、ウクライナ首相アルセニー・ヤツェニュクの力不足と表現するしかないものに、長いこと慣れている。この時期、まさに、ウクライナによる再三のロシア・ガス窃盗こそが、こうした輸送の“安全保障と継続性”を損なっていることには決して触れず、ノルド・ストリーム-2 ガス・パイプライン建設は、南東ヨーロッパ諸国へのガス送付の安全保障と継続性を危険にさらすと、彼が急いで主張したのも決して驚くべきことではない。
しかしキエフ訪問時に、スロバキアのロベルト・フィツォ首相は、全く突然、ロシア批判に加わった。しかも彼の憤りは、とどまるところを知らなかった。“欧州理事会は、ウクライナが通過国であり続けるよう助け、困難な冬の月日を乗り切るのを助ける必要性を何カ月間も交渉してきた。そして突然出し抜けに、ガスプロムが、西ヨーロッパ企業と、ノルド・ストリームに新たな分岐を建設する契約を調印するという発表だ。彼らは我々をばかにしたのだ! ...彼らはEU加盟国のスロバキアを裏切り、ウクライナと欧州理事会との政治論議に違反した”とスロバキア首相は述べた。
ある程度まで、これも理解できる。欧州委員会の反ロシア姿勢は、既にしっかり標準になっているので、このパターンに合致しない、主要ヨーロッパ企業のいかなる動きも、ショックを引き起こす可能性がある。しかしながら、ノルド・ストリーム-2 ガス・パイプラインが確実にするであろう、ヨーロッパのエネルギー安全保障は、欧州委員会の範囲を超えており、確実にウクライナの範囲を超えている。東ヨーロッパの人々が、この単純な真実を理解すれば、すぐに彼らの家庭に、より多くのガスが来るようになるだろう。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/25/who-is-betraying-eastern-europe.html
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朝刊に「ウクライナへガス輸出合意」という新聞記事。
日刊ゲンダイ記事反安保の学生に警察が…土足でズカズカ“横暴捜査”実況中継
そして、「維新、連合幹部が会談」というオンライン・ニュース見出し。全く驚かない。
維新の党の松野頼久代表と連合の古賀伸明会長は26日夜、東京都内で会談し、来年夏の参院選へ野党勢力の結集が必要との認識で一致した。関係者が27日明らかにした。
国民を裏切っているのは誰か?
ある程度まで、これも理解できる。大手労組の反共産党姿勢は既にしっかり標準になっているので、このパターンに合致しない主要エセ野党のいかなる動きも、ショックを引き起こす可能性がある。
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