2014年、益々多くの社会的崩壊がおきる
Paul Craig Roberts
2013年12月30日
2014年がやってくる。卒業記念指輪を正しくつけても、逆にしても、同じ年になる1961年にジョージア工科大学を卒業したものにとって、21世紀はスタンリー・キューブリックの1968年の映画“2001年: 宇宙への旅”と繋がる空想科学的概念だった。我々にとって、ジョージ・オーウェルの『1984年』は余りに遥かな未来で、決してそこまで行かないものの様に見えた。今やそれから30年過ぎた。
オーウェル的な意味で、我々はそういう状態に至っただろうか? 監視技術という点では、我々はオーウェルの想像を遥かに超えている。政府が責任を負わないという点では、例外的で必要欠くべからざる我々国民は、今や『1984年』並の生活を送っている。女王のクリスマス演説に代わる発言で、エドワード・スノーデンは、21世紀に生まれた人々は、プライバシーを決して経験できないと指摘した。新世代の人々にとって、プライバシーという言葉は、一角獣の様な、何か神話上のものを指すことになるだろう。
多くのアメリカ人は、決して気付かないか、気にしない。電話会話が私的なものだと見なされていた頃を覚えている。1940、1950年代、電話会社は必ずしも専用回線を提供することができなかった。当時は二軒以上の客が同じ電話回線を共有する“共同回線”というものがあった。人の電話会話を盗み聞きしたり、回線を長電話で独占したりするのは、極めて不作法で不適切な事だと見なされていた。
電話会話のプライバシーは、街角や、様々な公共の場所や、接客係がガソリンを自動車のガソリン・タンクに注ぎ、ラジエーターの水と、エンジンのオイルと、タイヤの空気をチェックし、フロントガラスを拭いてくれる“ガソリンスタンド”にあった電話ボックスが典型的に示していた。1ドルで、3ガロンの石油が買え、5ドルで満タンになった。
1980年代や1990年代の一部の時期でさえ、空港待合室の壁には電話がずらり並んでいて、それぞれ吸音パネルで仕切られていた。パネルで会話の声が吸収されようと、されまいと、パネルは電話会話は私的なものだという考え方を伝えていたのだ。
電話通話は私的なものだという意識は、NSA盗聴以前に、アメリカ人の意識から消えていた。記憶が正しければ、1990年代のいつだったか、空港のトイレに入ると、小便が水に当たる音やトイレの水を流す音の中、居並ぶ男達が携帯電話で会話する姿があった。プライバシーは価値を失ったのだとつくづく感じたものだ。
1964年1学期の為に、オクスフォードのマートン・カレッジに到着した時のことを覚えている。私を知らない人のプライバシーを侵害することになるのだから、以前会ったことのない人には決して電話をかけてはいけないと忠告されたのだ。電話は友人や知人だけのためのものだという、アメリカの電話による勧誘販売と好対照の礼儀正しさだ。
郵政公社郵便サービスの効率が電話のプライバシーを守っていた。当時、イギリスの人々は、打ち合わせや約束を依頼するのに手紙を書いていた。ロンドンで、郵政公社郵便で、午前中に手紙を出し、午後返事を貰うことが可能だった。もっと昔は、午前中に手紙を出して、午前中に返事をもらい、午後に次の手紙を出して、午後に返事を貰うことが可能だった。
現在では、飛行機に乗る場合、何かで耳を塞がない限りは、離陸直前や、離陸直後に、隣席の人々の電話会話を聞かされる。文字通り、全員ひたすらしゃべり続けている。携帯電話が出現する前に、一体どうして経済が機能し、あれほど高い所得と成功できたのか不思議に思わざるを得ない。アメリカ国内でも海外でも、誰にも電話する必要無しに重要な仕事で出張できたのを私は覚えている。話し続けること無しには、誰もどこにも行けなくなったアメリカに、一体何が起きたのだろう?
自分の飛行機を待って、空港の搭乗口に座っていると、まるでポルノ映画を聞いているような気分になる。大画面の表示は、大抵フォックス“ニューズ”が延々新たな戦争の必要性を報じているが、携帯電話の声は自分達の最近の情事を話す若い女性のものだ。
アメリカ人、あるいはその多くは酷い露出症で、スパイされたり、盗聴記録されたりするのを全く気にしない。スパイされると大物のような気がするのだ。ウイキペディアによると、大富豪の相続人パリス・ヒルトンは、自分の性的逸脱の様子をオンライン投稿し、フェースブックは、ユーザーが自分のヌード写真を投稿するのを阻止しなければならない状態だ。私が若かった頃と現代迄の間のどこかの時点で、人々は『1984年』を読むのをやめてしまった。プライバシー喪失は自己喪失だという概念が彼等にはないのだ。彼等は、プライバシーを喪失すれば、恐喝されたり、ゆすられたり、はめられたり、素っ裸を見られたりする可能性があるのを理解していないのだ。連中が、まるで人を裸にするようなボディ・スキャナー検査を平気で受けているのも不思議ではない。
プライバシー喪失は深刻な問題だ。家族のプライバシーはかつては至高のものだった。今やプライバシーは 隣人、警察、児童保護局 (原文のまま)、学校管理者や、誰にでも、日常茶飯事で侵害されている。
この例をお考え願いたい。6歳と9歳の子供の母親が、家の脇で芝生用椅子に座り、家の前の私道、袋小路で、片足スケートで遊ぶ子供達を見守っている光景だ。
普通なら、これはのどかな光景だ。だがアメリカではそうではない。見守っている母親がどうやら見えない隣人が、警察に電話をして、二人の子供が大人の監督無しで、戸外で遊んでいると報告するのだ。となりの女性は、子供の母親である隣人の家まで行って、遊んでいるのを監督していないのが心配だと話をしようとしなかったことにご留意願いたい。隣人は警察を呼んだのだ。http://news.yahoo.com/blogs/sideshow/mom-sues-polices-she-arrested-letting-her-kids-134628018.html
“あなたの為に来たんですよ”と警官は母親に語り、母親は手錠をかけられて連れ去られ、囚人服で、18時間、監房に入れられた。
子供達に何が起きたのか、父親が現れて、自分の子供達を留置するよう主張したのか、それとも警察は子供達を児童保護局に引き渡したのか、ニュースは説明していない。
これはアメリカ人が一体どのような状態にあるかを示している。隣人達にも警官にも、わずかな良識さえないのだ。連中にある考えと言えば、誰かを罰することだけだ。世界で、アメリカが最高の受刑率で、囚人総数が最大である理由だ。ワシントンが、ロシアや中国の“独裁的”政権についてくどくど言い続けるのは自由だが、いずれの国も囚人数は“自由と民主主義”のアメリカよりも遥かに少ない。
遊んでいる子供の監督が必要だという法律があるとは私は知らなかった。子供に対する必要な監督の度合いは様々だ。私が子供だった頃、監督の度合いを決めるのは母親だった。年長の子供達は、より幼い子供を監督するよう言いつけられたものだ。それも子供達が責任というもの教えられ、判断力を養う一つの方法だった。
私が5歳だった頃には、歩いて学校に通っていた。今なら、母親は子供を危険な目にあわせたかどで逮捕されるだろう。
アメリカでは、量的緩和という呼び名で知られている連邦準備金制度理事会からの補助金で暮らしながら、世界中に売りつけた詐欺的金融商品に対する刑事責任を逃れた強欲な銀行幹部連中ではなく、無実の、若く、貧しい人々達の方がより厳しく懲罰される。子供の父親が育児に全く協力しないことで抑鬱状態になったシングルマザー達は、鬱状態を止める為、薬を服用しているかどで閉じ込められる。彼女達の子供は、ゲシュタポ施設、児童保護局に捕らえられ、里親に引き取られ、その多くが虐待されることとなる。
様々なマスコミ報道によれば、休み時間に、カウボーイとインディアンやら、おまわりさんと泥棒ごっこをしていて、指で拳銃の形をつくって“バン・バン”と言った6、7、8、9、10歳の子供達が、同級生に対する脅威だとして、逮捕され、手錠をかけられて、拘置所に送られている。私の子供時代の男の子全員と“おてんば”な女の子達は皆拘置所送りになっていたろう。遊び場での喧嘩は日常茶飯事だったが、警官を呼ぶことなど決してなかった。子供に手錠をかけることなど到底許されなかった。
きわめて幼い頃から、男の子は決して女の子をぶってはいけないと教えられていた。あの当時は、警官が十代の女の子や女性を打擲したり、中高年者を体落としたりするという報道は皆無だった。アメリカ警察の、反社会的な精神病質者や社会病質者への退化を理解するには、オンラインで、1963年に警察に身柄を拘束された、リー・オズワルドのビデオをご覧願いたい。http://www.youtube.com/watch?v=4FDDuRSgzFk オズワルドは、ジョン・F・ケネディ大統領を暗殺し、撮影されるわずか数時間前にダラスの警官を殺害したと見なされている。ところが、彼は殴打されておらず、鼻は折れていず、唇も血だらけにはなっていない。今オンラインで調べて、現代の膨大な数の警官蛮行ビデオのどれを選んでも、高圧的な警官に口答えしたかどで罪に問われた十代の少女の腫れた血まみれの顔を見ることになる。
今日のアメリカでは、権力を持った連中は、もはや責任を問われることはない。つまり、国民は被統治者になってしまったのだ。社会崩壊の一つの兆候だ。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい
る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/12/30/2014-will-bring-social-collapse-paul-craig-roberts/
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宗主国でおきることは、必ずや第一のパシリ国でもおきるだろう。9/11と似たような事件も、いつパシリ国で起きても不思議はない。それを口実に、宗主国侵略戦争に砲弾と砲弾の餌食を提供する。その為の靖国参拝。そういうくだらない洗脳行為で、支持率があがっていると大本営広報部は報じる。宗主国は怒っていると報じて、不思議な宗教の支持者諸氏を喜ばせる。怒ってみせているのは、宗主国は中国と事をかまえるつもりは皆無で、パシリにチャカを持たせて、特攻させたいからだろう。日中戦争が起きても、パシリが勝手にしたことで、自分に責任はないといってとぼける作戦。傀儡首相、全てわかって踊っているに違いない。神輿は軽くてXXが良い。
沖縄に基地を押しつけたのを、宗主国が褒めたたえていることを、大本営広報部は決して報じない。宗主国が日中紛争を歓迎していることも報じない。
IWJは、石原慎太郎氏によるヘリテージ財団での「尖閣購入発言」のお膳立てをし、日中関係の悪化と安倍政権誕生によるナショナリズムの高揚が「日米同盟の健全性維持のために死活的に重要な数項目の政策目標を達成する絶好の機会である」と記した「クリングナー論文」の全文を翻訳した。
こちらをお読みいただければ、今年1年、日本政府がいかに米国の指示通りに動いてきたか、そして日中間の対立が深まることが米国の「政治的目的を達成する絶好の機会」であるとして、笑いをかみ殺している様子が、手に取るようにお分かりいただけるかと思う。
良い本を見つけた。
『遺言』「財界の良心」から反骨のジャーナリストへ
品川正治×斎藤貴男 青灯社
脱「アメリカ一辺倒の目」を。
人間の顔をした資本主義。
「もう一つの日本へ」
渾身の対話
定価 1800円+税
2013年11月15日刊
大本営広報部書評には決して掲載されない、文字通り品川正治氏の『遺言』。岩波の月刊誌『世界』に連載されていた自叙伝は岩波から刊行されている。戦後歴程 平和憲法を持つ国の経済人として
腰巻きというか、帯に対談の一部が印刷されているので、その部分だけご紹介させていただこう。 大本営広報部が官僚、政権と一緒に、懸命に隠し、決して説明しない重要な指摘の部分を。
品川 アメリカと財界に対して「ノー」と言っても、この国が、簡単につぶれるなんていうことはありえないわけで。TPPは、日本が入るか入らないかで、アメリカの意味は全然変わるわけです。アメリカとしてはそれをひたすら伏せている。日本が入ってくれれば、アメリカは太平洋に関しての発言権ができるし。
斎藤 なるほど。キャスティングボートを握っているのはこちらなんですね。
品川 うん。だから、私が言いたいのは、憲法9条のほうが日米軍事同盟よりも上なんだ、ということも、はっきり言いきることです。アメリカが、今、日本を経済封鎖するとか、そんなこと、できっこないんで。第一、ドルを支えているのが、日本と中国。
斎藤 相手の手持ちのカードをしっかり読んで、自国民の利益にかなう交渉を進めてこその外交と言うものですよね。何でもアメリカに従うことが国益でなんかあるはずがない。あってたまるものですか。
品川 うん。だから、やろうと思ったらできるんですね。
(第I部より)
第3部 脱「アメリカの目」には、例えば下記項目がある。
- 「基地は作れません」と一言言えばいい 234
- 沖縄の基地より9条を守りぬくほうが自衛に役立つ 238
大本営広報部、イノシ氏追放に尽力しただけで、前任者の巨悪には全く触れないインチキ。年末出涸らし茶番ビデオをご覧になる時間があれば、こうした本を読んだり、まじめな調査報道番組を見て巨悪の犯罪を考える方がよほど精神衛生に良いだろう。
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憲法違反の銃弾贈呈を巡って韓国側は怒っているという。ところで、田中正造が東学党についてきちんと評価しているのを読んで、日本人を見直したという韓国人学者がおられるのはご存じだろうか。朴孟洙教授。「東学と田中正造」という文も書いておられる。彼は北海道大学で発見された東学党指導者の髑髏調査に来日し留学、日本滞在中にたまたま田中正造の言説を知ったという。全集も購入してお読みになっているという。今年、日本人学者と新刊を刊行された。髑髏が古河講堂にあったというのもなんとも驚くべき偶然。
◆北海道大学で発見された髑髏◆
2013/08/02 岩上安身による井上勝生氏インタビュー
岩上安身氏のIWJ現状報告とご支援のお願いは下記ページにある。
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798
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何よりもまず、
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切れ味鋭いテレビ司会で“浪速の視聴率男”の異名をとった歌手でタレント、
やしきたかじん(本名・家鋪隆仁=やしき・たかじん)さんが3日、
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