■ J3の第10節J3の第10節。3勝2敗3分けで8位とまずまずのスタートを切ったFC琉球はホームのタピック県総ひやごんスタジアムで長野パルセイロと対戦した。長野は2勝2敗5分けで勝ち点「11」。9位に位置する。FC琉球はホームでは2勝1分けと負けなし。3試合で計7ゴールを奪っている。ただ、アウェイでは1勝2敗2分け。5試合で4ゴールのみ。内弁慶になっている。長野は9試合で13得点/13失点。総失点はやや多くなっている。
ホームのFC琉球は「4-2-2-2」。GK東ジョン。DF上原牧、森侑里、鈴木順、藤春。MF岡澤、佐藤祐、幸喜、富所。FW白井陽、岩渕良。これまでの8試合はすべて3バックだったが初めて4バックを採用。G大阪から完全移籍のDF藤春は本職である左SBでプレーすることになった。ゴールゲッターとして覚醒中のFW白井陽は8試合で6ゴールを挙げているが1つ前の9節の北九州戦(A)では自ら得たPKを失敗した。
対するアウェイの長野は「3-4-2-1」。GK田尻。DF池ヶ谷、大野佑、冨田康。MF碓井鉄、西村恭、安藤一、森川、三田尚、忽那。FW浮田。こちらもゴールゲッターとして覚醒したFW浮田が9試合で7ゴールと目覚ましい活躍を見せている。左WBはMF田中康がベンチスタート。MF森川が今シーズン初スタメンとなった。キーパーは開幕から3試合はGKキム・ミノが起用されたが4節以降はGK田尻が起用されている。
■ 乱戦を制したのはホームのFC琉球試合は乱戦になったが前半はFC琉球ペースになった。前半17分に右サイドを突破したFW白井陽のクロスからFW岩渕良が決めて幸先よく成功する。FW岩渕良は移籍後初ゴールとなった。さらに前半33分には18歳のMF幸喜のスルーパスから抜け出したFW白井陽が決めて2点目。前半46分にはDF上原牧のクロスからファーサイドのFW富所が豪快なシュートを決めて3点目。FC琉球は前半だけで3ゴールを奪った。
3点を追う長野は後半開始からDF池ヶ谷とMF忽那を下げてDF杉井とMF山中麗を投入するがこれが大成功。後半は一転して長野ペースになった。後半7分にDF杉井のクロスからゴール前のMF山中麗がうまく合わせて1点を返すと後半15分にはDF杉井が得意の左足で強烈なミドルシュートを突き刺して1点差に迫った。MF山中麗もDF杉井も今シーズン初ゴールとなった。途中出場のDF杉井は1ゴール1アシストの活躍。
1点差に迫られたFC琉球だったが後半28分にCKからFW白井陽がヘディングシュートを決めて4点目。またも2点リードになった。諦めない長野は後半35分に途中出場したMF黒石のクロスから最後はMF山中麗が決めて3点目。1点差に迫ったが追いつくことは出来ず。乱戦となった試合は4対3でFC琉球が何とか逃げ切った。FC琉球は4勝2敗3分けとなった。開幕10試合で勝ち点「15」はまずまずと言える。
■ 4バックを採用して攻撃陣が爆発!降格1年目の2023年はJ3で17位。まさかの下位に沈んだFC琉球だったが今シーズンは好スタートを切った。10節を終えた時点で4勝2敗3分けで7位。昇格争いに絡んでいる。10試合で計15ゴールを奪っているがそのうちの8ゴールなので半分以上をFW白井陽が記録している。2023年までのJ3での通算成績は115試合で15ゴール。2023年は28試合で3ゴールのみだったことを考えると「まさかの大覚醒」と言える。
この日も2ゴールの活躍を見せた。1点目は持ち味であるスピードを生かした裏抜けから、2点目はヘディングシュートだった。身長は172cmなので背は高くないが高い打点からのヘディングシュートだった。24歳にして一皮剥けた印象になる。もともとのポジションはフォワードになるが岡山時代などはサイドハーフで起用される機会も多かった。最も得意とするポジションで勝負できるようになったのは大きい。
前半は3対0で折り返したが前半のFC琉球のサッカーは非常に良かった。オフに藤枝MYFCから獲得した33歳のベテランのFW岩渕良をスタメンで起用。開幕戦以来のスタメンだったいい位置でボールを受けて攻撃の起点になった。前半18分には先制ゴールをゲット。2023年もJ2で37試合で5ゴールを記録するなど得点力は高い。近くでプレーしたFW白井陽、MF富所、MF幸喜などとの関係性も非常に良かった。
10番のMF富所は左SHでスタメン出場したがゴラッソミドルを決めて今シーズン3ゴール目。ホームでは3戦連発となった。FC琉球に加入して早くも13年目。2012年に当時はJFLだったFC琉球に加入しているがその前の2011年は長野でプレーしている。古巣対決だったが恩返しゴールを記録した。右足のキックの精度は高くてプレイスキッカーとしても優秀。アイディアも持っているので相手の脅威になり続けた。
■ 途中出場した2人が活躍して猛烈に追い上げ。長野は2連敗。2勝3敗5分けとなった。10試合を終えて5引き分け。ドローゲームが多くなっているが10試合で2勝のみというのはやや寂しい数字になる。攻撃陣は好調。ここ4試合で計9ゴールを奪っているがこの日は前半の3失点が重すぎた。長野の出来が極端に悪かったわけではないが4バックを採用したFC琉球がテンポよくボールを回したので後手後手に回った。相手の4バック採用は想定外だった可能性が高い。
臨機応変な戦いが出来ずに苦戦したが後半開始からMF山中麗とDF杉井を投入すると一変した。MF山中麗は2ゴール、DF杉井は1ゴール1アシスト。修正が上手くいって追い上げに成功した。勝ち点にはつながらなかったが後半の戦いぶりは非常に良かった。DF杉井は後半15分にゴラッソミドルを決めたが上手くボールをコントロールして左足で強烈なシュートを決めた。4月度のJ3の月間ベストゴール候補に挙げられる。
10番のMF山中麗は今シーズンは途中出場が多かった。この日も途中出場。愛媛FCから新加入のMF忽那がここまで3ゴールと活躍中。結果を残していることもあって序列は下がっているがアウェイで大きなインパクトを残した。ドリブルが大きな武器になるがこの日の2ゴールはいずれもワンタッチでのゴール。ポジショニングが良かった。2つのシュートとも簡単ではなかったが上手く合わせることが出来た。
長野のエースのFW浮田も試合前の時点では9試合で7ゴール。彼もここ数年は結果を出せていなかったのでFW白井陽と同様で「いきなりの覚醒」と言えるがこの日は無得点。フル出場したものの、あまり見せ場を作れなかった。心配なのは守備陣になる。ここ3試合で計9失点となった。キーパーのGK田尻はよく頑張っているが失点やピンチにつながるミスも少なくない。守備陣はテコ入れが必要な状況になってきた。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:10,783回
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