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はてなキーワード: 産科とは

2024-12-04

anond:20241202161713

2つ目の記事として取り上げられている件、許せない発言と思う人が多そうで特に関係者はそうなんだろうけど、100を5にするのと5を1にするのとでかかるコストってたぶん後者の方が高いでしょ

から仕方がない、ということを言いたいわけではないんだけど、「けしてゼロにはならない」は全員一致する意見だと思うんだよね

記事発言たかたは「他診療科100が10になってそれを5にしようって話してるけど、産科100が2になっててそれを1か0にしようとしている」ということを言いたくてそれを「前のめり」と言ったのよね

現実的に目指せるのはゼロじゃないとして、いくつで、今はどれくらいなんでしょうね

今こそ1なんじゃないか、という意見もあるとは思いますお金も人手も無限ではないですしね〜

2024-12-03

anond:20241202161713

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e10053491de960f636bef96f0abd1410f89f876

この記事「つがる西北広域連合つがる総合病院の発表内容全文」掲載してて詳しかったでござるよ~。

10分で支度しな!」って求められたんじゃなくて、「支度してからダブルセットアップ体制ってやつ?)経膣分娩やりな!」って話に読めるでござるよ。

それでこの判断は「産科医療保障制度原因分析委員会や県外の複数産婦人科専門医意見等を踏まえ」て出されてると。

元増田が語りたそうなことを語るための事例としては、適していないように感じるでござる。

anond:20241202205210

悲しみが深いことと(避けられない)リスク容認することは全く関係がない。産科に限らずあらゆる手術で、術中死や合併症の発生は必ず起こりえること、患者も術者も人間なので何が起こってもおかしくないことを皆が理解しなければならない。絶対事故らない車はないし、絶対に落ちない飛行機もない。副作用絶対ないワクチンはないし、事故絶対無い手術もない。医療に「絶対安全」がないのは出産も同じ。リスクを受け入れなければ医療なんて受けられない。

2024-12-02

anond:20241202161713

この井上という弁護士発言容認し難い。4000人に1人死ぬくらい容認しろという主旨であった。本人は否定しているが言い直した中でもそういうことを受け入れろと述べている。このような人物医療に深く関わっていることを強く憂慮する。

産科は、周産期医療は、出産特別に決まってるだろ。出産母親子供が亡くなることの悲しみの深さを全く理解していないのか。

anond:20241202161713

こういった現状を踏まえた上で双子判決についての記事を読むと>> 10分以内に新生児を取り上げる超緊急帝王切開体制が取られておらず、重大な障がいに至ったなどとする判断を受けました <<とある

(中略)

この記事から読み取れる法律サイドのスタンスは、「もっと安全対策をとるべきであった」とできるだろう。それが現実的ものかはさておいて。

逆ゥー。

判決なんていつどこで出たのよ。

この記事は、裁判所ではなく病院が、「もっと安全対策をとるべきであった」と判断して和解した、って記事よ。

調査の結果」ということは、裁判の審理ではなく事故調査委員会まり医療機関における調査で、そういう判断が為されたのよ。

それが不当な判断だと思うんなら、「産科医は医療安全に前のめり」そのものだろう。

麻酔科から見る最近産科関連ニュースについて

2024/12/3追記

コメントで厳しい指摘のある通り、つがる病院の件は裁判を経た賠償ではなく、「産科医療保障制度原因分析委員会や県外の複数産婦人科専門医意見等を踏まえ」て病院責任を認めて賠償金を支払ったものだった。

また、事態の詳細記事を寄せてくれた増田もいた。ありがたい限り。

以下の本文は自戒を込めて元記事のままにしておくので、該当部分は「コイツ日本語読めてねーわ」と思って読んでほしい。

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2024年11月だけで、産科とりまく嬉しくないニュースが続いてしまった。

双子出産時に医療事故・第2子に重い脳性まひ 「つがる総合病院」が責任を認め患者家族損害賠償金約9100万円を支払いへ 青森県

https://news.yahoo.co.jp/articles/2632e03d1c188d54560b78feb4a26de359d2c6f0?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20241128&ctg=loc&bt=tw_up

検討会で弁護士暴論「産科医は医療安全に前のめり」

https://reiwa-kawaraban.com/politics/20241116/

市中病院で、帝王切開という形で産科医療に関与する麻酔科医の目線から上記ニュースを考えてみる。

【前提】

まず話の根底として、妊娠から出産過程で低確率ながら母子の死亡が起こりえる。

厚労省データ(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001118039.pdf)によれば妊産婦の死亡事例は減少傾向にありつつも、令和3年で2.5/100000出産例とされる。(死亡の原因は様々だが、こちらのスライド(https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/20211208_2.pdf)によると、「産科危機出血」「脳出血」「羊水塞栓」で半分近くを占める)

平成12年には6.3であったというから、およそ20年で半減してきている計算で、これは原因の究明や対応できる組織構築を行った医療従事者や、薬剤や機材の開発・流通を整備する関連企業不断努力の賜物に違いない。

日進月歩医学的取り組みをしてなお死亡率をゼロにできないもの妊娠出産である、という点がまず客観的事実として存在する。

そうした妊産婦死亡を防ぐ手段の1つに帝王切開がある。

経腟分娩でなく帝王切開選択する理由について信頼できる統計データネット上には見つけられなかったが、職務で見てきた中では「双子」「胎盤位置異常」「前回が帝王切開=今回の分娩がハイリスク」「合併症(妊娠血圧など)予防のためやむをえず」といった背景が多い。

胎盤位置異常や帝王切開歴などは妊婦検診の過程で分かることであり、予め調整して計画的帝王切開をすることで上記出血などによる死亡例を防ぐことができる。

問題は、全ての帝王切開が予定通りには進まないということだ。

予定帝王切開の日程を定めていたとしても、まったく予期せぬタイミング(予定の数週間前など)で破水したり陣痛が始まってしまうことは日常茶飯であるし、経腟分娩で予定されていたお産が胎児心拍低下などで緊急に帝王切開となる事態もよくある。帝王切開ではないが、経腟分娩を終えたもの出血が止まらないため緊急手術になる事例も時折ある。

短く纏めるなら「妊産婦死亡を防ぐには帝王切開がどうしても必要場合があり、そしてそれは緊急に起こりえる」となる。

現場実態

では、緊急帝王切開が決まったとして、手術はどのように進むのだろうか。

緊急という言葉から一分一秒を争う事態想像するかもしれないが、実は事情に応じてどの程度待てるか段階分けされている。

施設によって呼び方規定時間はある程度幅があるものの、こちらの資料(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/42/1/42_57/_pdf/-char/ja)に示されるものが一つの指標になるだろう。

日中に娩出すれば問題ないものは大きなトラブルになることはまずなく(見たことがない)、1-2時間以内に子供を出したいとなると手術室は忙しくなってくる。

そして、我々麻酔科医にとって最も恐ろしいものが、超緊急帝王切開、いわゆるGradeAの宣言だ。

資料中にもあるように、GradeAでは可及的速やかに胎児を出す必要があり、以前所属していた施設では「宣言から30分以内」を目標としていた。この30分という数字をどう受け取るかは人によって様々であろうが、手術室の動きと所要時間から考えてみたい。

帝王切開全身麻酔で行う場合、手術室看護師必要な器械(メス、各種鉗子、血液吸引機などなど)を準備し、麻酔科麻酔器のセットアップや薬剤・器具の準備を大急ぎで進めていく。

麻酔器のセットアップを全くゼロから行う場合は、機種にもよるが10分近く時間をとられる。どんなに短くても3-5分という印象だ。

また、使用する薬剤の種類は通常の全身麻酔とあまり変わらないものの、一部の薬剤は鍵付きの金庫で保管されているため、鍵の持ち主である看護師に持ってきてもらう必要があるのだが、看護師も器械の準備に全力を注いでいるのですぐにとはいかない。

全ての薬剤を準備するのに(鍵を無視しても)最速でも2-3分。人工呼吸のための気管挿管デバイスを準備するのにもう1-2分。麻酔器のセットアップと並行で行えるので単純に足し算ではないが、これに移動時間、各所へ電話連絡の時間、薬剤と道具をかき集める時間を加味すると、連絡を受けて10分後に独力で全ての準備を整えられるかは分の悪い勝負になりがちだ。

マンパワーがあれば多少改善するものの、夜間や休日であれば人員は最低限に留められているため、素早いヘルプも期待できない。

大抵の場合産科医も連絡をしてきた時点で手術室へ患者と向かっているので、慌てて手術室へ飛び込んだら患者が先に入室していた、ということも珍しくない。

全ての道具の準備を整え、産科医は滅菌ガウン手袋を装着し(これにも1-2分はかかる)、全身麻酔をかけると同時に執刀を初めて数分後に胎児を体外へ出す。

言葉だけ並べると案外間に合いそうに見えるが、必要検査結果を最低限確認したり、患者を手術台へ移動したりと無数の手順が間に挟まることで時間はどんどん圧迫され、時間が経過するごとに胎児(と場合によっては母体)の生命は目の前で消えようとしていく。

今まさに苦しむ母体と、見えないところで死に向かっていく胎児を目の前にして、正確に、安全に、迅速に全ての手順を協同して進めていく緊張感が伝わるだろうか。

そして上記描写は、近隣でも有数の規模の病院で、スタッフ経験値と各種対策が練り上げられた環境のものである比較的規模の小さい病院では経験値マニュアルも整備されておらず、これより時間がかかってしまうだろうことは想像に難くない。

記事の内容について】

こういった現状を踏まえた上で双子判決についての記事を読むと>> 10分以内に新生児を取り上げる超緊急帝王切開体制が取られておらず、重大な障がいに至ったなどとする判断を受けました <<とある

当時のつがる総合病院体制がどのようなもので、どこまで準備できた時点から計測された制限時間かは調べた範囲で詳細不明であったが、全くゼロから始めたとすればまず不可能時間であるし、ある程度準備が出来た状態(麻酔器はセットアップされていたなど)からでも厳しいだろう。

実際に病院側の落ち度があった可能性も無論あるが、ベストを尽くしても達成しうるかからない「10分以内」という数字をどこからか持ち出してきて賠償を命じられるというのは、あまり理不尽に感じられる。

10分以内に取り上げられたら後遺症を防げたか、あるいは程度が軽く済んだ可能性はもちろんあるが、それが現実に達成不可能数値目標だとしたら、処罰理由として据えられてはたまったものではない。

この記事から読み取れる法律サイドのスタンスは、「もっと安全対策をとるべきであった」とできるだろう。それが現実的なものかはさておいて。

翻ってもう一つの記事である

これは厚生労働省保険局での話し合いであり、その結論の着地点は広い範囲に影響することが予想される。

産科医療保険適用にした場合問題点はそれだけで独立した論点になってしまうため割愛するが、記事フォーカスしている井上弁護士発言は以下である

>> バランスを見ます産科医療安全にかなり前のめっていすぎるというふうに私自身は判断しまして(中略)結果が異常である可能性があるということで水準を簡単に上げすぎるために、産科世界バランスが他の診療科に比べて崩れているのではないかと(中略)医療安全、悪く言えば原理主義的になりすぎないように、ということを是非ご注意いただく <<

この発言に対して亀井氏が即座に怒りを感じさせるコメントを出しているが、むべなるかなと言わざるをえない。

関係各所が不断努力を続けていても妊産婦死亡はゼロではなく、突然で理不尽な不幸に見舞われたご家族の悲哀を想像するだに辛い気持ちになる。

にも関わらず、どれだけ真摯に取り組んでも、双子の事例にもあるように時として理不尽な法的判断を下されうるのが現状の産科医療実態だ。

無論この井上弁護士見解法曹会の総意でないことは理解しているし、記事執筆者がやはり弁護士非難的な論調であることからも間違いない。

とはいえ一部の弁護士(そしてそれ以外の人々)に、「産科医療医療安全コストをかけすぎではないか」という見解を持っている人が相応にいるだろうことが推測される。

【両記事共通点

双子記事厚労省記事は、個別に見るとかたや「医療安全をより追及せよ」であり、かたや「医療安全コストを割きすぎではないか」という真逆要求をつきつけている。

どうしろというのだ、という困惑から一歩引いて、何故このように食い違う見解が同一の業界から出てしまうのかを考えてみると、「妊娠出産に対するリスクの軽視または無理解」が両者の根底にあるのではないか個人的に考える。(業界が同じなだけで個人思想が違うだけだろうという結論は一旦置く)

出産安全に済むものから」という補助線を引くと、「(安全に済むものからその水準を当然満たすべく)医療安全をより追及せよ」「(安全に済むものからそんなにコストをかけなくても良いはずで)医療安全コストを割きすぎではないか」というように、一見相反する見解が綺麗にまとまる。

記事の冒頭に掲げた前提の「日進月歩医学的取り組みをしてなお死亡率をゼロにできないもの妊娠出産である」という事実が、過小評価されているかよく理解されていないことに原因があるのではないか、と考える次第である

これはある意味仕方のないことで、実際に超緊急帝王切開に直接関わる産科医・麻酔科医・看護師でもなければ医療職であってもそのリアリティにはピンとこないはずなので、一概に無理解批判することはナンセンスだ。

数字として見るデータ客観的事実として揺るがないとしても、起きてしまった不幸とそれを防ぐための緊張感は、両方を目の当たりにして初めてリアル根拠としてデータを活かす。

改善策としては実際の現場映像と音声で記録して周知と理解を促す手段も思いつくが、倫理的問題マンパワー的な問題が立ちはだかる。この点は医療サイドで働きかける余地があるだろう。

【今後の影響に対する推測】

産科医療における有名な出来事としては2006年の大野病院事件があり、そのあらましと影響についてはこれまで散々議論されているので割愛する。

最終的に産科医は無罪を勝ち取ったものの、福島県内における産科医療への影響として、事件前後産科医が減少したという分析がある。(https://keizemi-keio.info//wp-content/uploads/2017/01/bessyo_mitaron.pdf)

産婦人科医会の調査(https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/02/48dc1841822ac2ca56d3d7ee4b107c28.pdf)では総数としての産科医は2006年から2022年にかけて19%増えているとあるが、厚労省データ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/dl/R04_1gaikyo.pdf)から算出した同期間についての総医師数の伸び率が23%であることを合わせると、新たに産科医を志望する割合は減少していることが見て取れる。

産婦人科医会の資料中には産婦人科施設の推移も載っているが、婦人科病院が微増するもの一般病院診療所が明らかに減っていることが分かる。

ハイリスク妊娠出産を高次機能病院対応するために人員を集約することは理にかなっているものの、妊婦にとって移動はかなりの労力を伴うことから、集約によって移動距離が長くなることは身体的にも経済的にも負担が増す。

この推移に大野病院事件がどの程度影響したか評価が難しいが、無関係でないことは明らかだ。

そういった過去の事例があった上に今回のような事例が積み重なると、施設の減少と人員相対的な不足傾向が加速するリスクがある。

施設の減少は患者にとって負担であるし、人員の不足はスタッフ疲弊患者リスクを招く。

件のつがる総合病院事態が起きたのは2017年ということだが、2024年現在施設としては第二次救急医療機関指定を受けており、日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設としての教育施設指定を受けている(https://www.tsgren.jp/tsugaru-general-hospital/hospital/situation.html)ことから、緊急帝王切開を含む産科医療を行っているものと推察される。

産科医療資源の集約を考えた際に集約される側ということになるが、その医療水準を支えるスタッフHPによると産婦人科3名と麻酔科2名のみだ。

始めに述べた通り、帝王切開は通常の分娩でも突然発生しうるし、それは夜間も休日関係が無い。

当番制でシフトを回すと考えても、麻酔科は2日に1回は夜間呼び出しに備える必要があるし、産婦人科も1人で手術はできないので同程度以上の体制をしいていると推測される。

この通りであれば当然スタッフ疲弊するし、疲れた状態での医療危険を伴う(だからこそ働き方改革が叫ばれる)。そして、疲弊さらなるスタッフ離脱と不足を招く。

事態が進んで最終的に誰が不利益を被るのかというと、分娩をしたい妊婦胎児家族に他ならない。

冒頭の記事にある判断見解は、将来生まれてくる新生児生命リスク晒すもので、人命と健康を至上とする立場からは許容できない。(そうでない立場の人からはそうでもない、という批判はありうる)

【まとめ】

記事では2024年11月に公開された産科医療に関連する法的判断見解について、産科医療に関与する麻酔科医の立場から考察した。

医療安全の推進と削減という矛盾するような見解が同一の業界から出てくることについて、「妊娠出産が死亡リスクを伴う」という点の理解がされていないのではないか仮定することで1つにまとめ、現状の問題の発生源を推察した。

GradeA帝王切開いかに厳しい時間的制約のもとで行われるかや、妊婦胎児に起きうる不幸について一概に法曹側の無理解批判するものではないが、このような法的立場判断見解の影響が及びうる範囲を想定すると受け入れがたい。

現場をよく知る人々の意見が反映されることを祈りつつ、実際に1人の麻酔科から見た現場がどういった物かを誰かに共有できればと思い本記事作成した。

少しでも将来の妊婦胎児安全寄与できればと願う。

2024-10-24

anond:20241021145456

無痛分娩をするには硬膜外麻酔という腰から脊椎麻酔を入れる、技術必要処置をする。

本来麻酔科医が処置するのが安心なのだけれど、大学病院以外では麻酔科医がいる病院殆どなく

産科医が麻酔も分娩の両方を担当することがほとんど。

 

産科医が麻酔する場合は、知識技術が足りないこともあるから

産科医によっては事故(後に回復する場合も含め)や後遺症が起こることがある。

なので麻酔科医以外の無痛分娩は避ける人もいる。

 

今後出産する人は

出産する病院無痛分娩希望時に「あまりおすすめしない」という雰囲気だった場合

やめた方がいいかも知れない。

 

無痛分娩できると広告するのは、産科少子化あいまって経営が厳しく人を集めないとやっていけない所が多いため。無痛分娩をやると人が集まる。

2024-10-14

[]精子が出ない体でも子供ができた

不妊治療を始めたら、自分精子の全く出ない体だと判明した。

(途中で切れてたので、続きはこっち https://anond.hatelabo.jp/20241017030144 )

(コメントへのかいつまんだ返信はこっち https://anond.hatelabo.jp/20241021145456 )


…と、見出しは引きの良さで付けてしまったが、我々が体験した体外受精(保険適用)、更に男性不妊という状況での妊娠出産について、教訓の多い体験だったので、経緯をちゃんと残しておきたいと思った。

本音としては「こんな面白い体験文字にして残しておくしかないだろ!」という面が強い。

特に不妊治療において男性側と女性側両方を体験した事例はそんなに多くないと思う。

結果としては、精子はいたし妊娠もできたし、先日無事出産したので、めちゃくちゃ不幸な話を期待した人がいたらごめん。

この経験を書き残すことで、体外受精高齢での不妊治療男性不妊現実的なところ、また費用面の不安を感じている人に、それらの不安を少しでも現実昇華できればいいなと願う。

不安は「よく分からない」が原因の面が大きいと思っているし、そしてたぶん「思っているよりは」費用はかからない

しろ、妻に関しては妊娠出産に関して出ていくお金と入ってくるお金トントンに近かったので、「最高の不妊治療を受けて実質無料子供を作った」と言ってもいいくらい。

何より、実際やってみて我々は夫婦ともに「不妊治療やるなら体外受精(特に顕微授精)一択」と感じている。

インターネット上には不妊治療高齢出産に対してネガティブ寄り(というか慎重論というか)の意見が多いように感じるので、たまにはポジティブ寄りな意見があってもいいんじゃないかな。

もちろん、若いうちに子供を作れたら理想ではあるけれど、40過ぎてチャレンジしたって罰が当たるようなものではないのだ。

本筋含め長いエントリだけど、興味のある人は付き合ってくれれば幸い。

ワードとしての伝わりやすからここまでは「体外受精」と書いたが、実際は顕微授精なので以下は「顕微授精」統一で書いていく

=====

■経緯

詳細は後述するが、夫婦(私は40、妻は41)で不妊治療を始め、最初から体外受精、それも顕微受精(精子卵子を別個に採取し、人工的に受精培養させる方法)を選択した。

顕微受精となると、一度の採卵で母体から何個も卵子を取り出す(別途採取した精子受精させ、ちゃんと分裂始まった卵子のみを冷凍ストックする)ので、排卵誘発剤の自宅注射を2日に1度くらいのペースですることになる。

Falloutみたいだ!」「今日もヤク入れるよ!」と二人で笑いながら自宅で注射をしていた。

(Falloutのスティムパックのように、針を腹に刺して薬剤を注入する方式なのだ)

採卵日間近になると、今度は貯まった卵子が出てこないよう、点鼻薬による排卵抑制剤の投与が始まる。

妻は前日22時以降禁食、当日朝は水しか飲めない。

一方私は朝一で精子採取し、医院へ。

妻は座薬(痛み止め)を入れ、施術着に着替え、採卵の待機を…といったところで、私に医院から呼び出しがかかる。

「もう一度精子採取させてくれ」

一抹の不安を感じつつ、再度提出。

しばらくの後、言い渡される「男性不妊」。

どうやら、精液の中に私の精子が一切出ていないらしい。

「少ない」とか「元気がない」なら年齢的に覚悟していたが、掛け値なしゼロとなるとショック度が違う。

医院先生が、ちょっと歯切れの悪い、バツが悪そうな言い方をしていたのが印象に残っている。

ということで、ここまで妻が色々頑張ってくれた経緯は全て無駄となり、その日の採卵は中止となる。

■「絶対妊娠できない」宣告はめちゃ堪える

先生曰く、「ウチではこれが一時的もの先天的もの判断ができない」と。

通っていたところの系列医院なら男性不妊対応できるというので、その日のうちに速攻で仮予約の連絡を入れた。

ただ、その日は土曜日

仮予約の返信が来て、診察日が決まるのが最短で月曜日

この2日間はなんだかすごく長かった気がする。

恥ずかしながら、今まで「自分精子が出ていない」ということを疑う機会・症状などなかったので、かなり頭が混乱した。

今までは、年齢とか仕事とかお互いのストレスとか、子供を作らない(作れない)原因は色々あると思っていたのが、不妊治療を始めて一気に100 : 0になってしまったのだ。

精子が出ないなら出ないでいい。

そもそも高齢だし、もう子供ができる可能性がゼロならば、それはそれで諦めがつくのだ。

ただ、何もかもハッキリしないのがひたすら怖い。

月曜に医院からの返信が来たときは、まだ何も始まっていないのにすごく安心した。

男性不妊の種類を調査

初診で訪れた産科医院は、当たり前だけど女性9割超の空間

学生時代(大学女子9割の学部だった)を思い出し、懐かしいと思うなどする。

先生は後述する「この医院らしい」先生で、現実的なことを淡々と包み隠さず話してくれ、安心感があった。

曰く、無精子症はいくつかあるらしい

1 : 主な一つは精子通り道が何らかの原因(性病や各種炎症の後遺症など)で詰まる機能不妊

2 : 主なもう一つは先天的睾丸機能が弱く、精子作成能力が低い遺伝的な不妊

3 : あとはストレスホルモン異常による一時的精子減少などなど

2~3週かけて何度か採精し、毎度精子ゼロだったため、3の可能性はほぼなくなった。

ということは、可能性は1か2。

併せて行ったエコー診断や採血染色体検査を見て、先生的には「データと診断の限りはどこを見ても健康体で、健康精子がいる可能性が高い」とのこと。

染色体に異常がないので、精子が採れた場合、障がい児が生まれ可能性も下がるらしい(結果を聞いて、思っていたより安心感強かったので、子を望む人は染色体検査やった方がいいと思う。

そして、この「おそらくいるであろう精子」を取り出すには、手術の必要がある。

まり、「睾丸を開いてみないと実際いるかどうか分からない(開いてから取り出す方法を決める)」ということだ。

ちなみに、症状が1なら高確率妊娠可能精子が採れ、2だったら30%とからしい。

人生初の手術が精子の取り出しになる

まさか人生初の手術が「精子を取り出す」になるとは思わなかった。

そして人生初の全身麻酔も同時に達成することになる。

前日は22時以降禁食、当日も朝から厳密な制限を経て、朝早くから通院。

手術台に寝かされ、麻酔科医の先生世間話をしたと思ったら、



次の瞬間に手術が終わっていた。

ビックリするくらいあっけない。

ソ連SF映画不思議惑星キン・ザ・ザ」を思い出した。

(分かる人だけ感覚を分かってほしい

健康精子が採れた

結果からすると、精子はいたし(前述の状態でいう1)、数値を見る限り年齢なりの衰えはあるっぽいが、先生曰く「健康精子いっぱい採れました」とのことなので、顕微受精に支障が出るようなものではないようだった。

精子ストックは「10回分」(「10匹」ではないらしい)。

これを冷凍してストックする(年額で維持費がかかる)。

もし使い切ったら、もう一度同じ手術をすることになる。

(ちなみに、冷凍精子原則として婚姻関係又は事実婚相手しか使えない)

手術はものの1時間で終了。

術前の待機時間と術後の様子見の時間の方が長く感じたくらい。

以降、不妊治療の主役は再度妻にバトンタッチすることになる。

ちなみに、切開したのは1~2cmほど。

いわゆる「金的を蹴られたような痛み」が、その後1週間は続いたことも記しておく。

結構痛くて寝るのに支障があった。

ともあれ精子ちゃんと採れた!

事前に「まあほぼほぼ大丈夫でしょう」と言われていたので、喜びや安堵はそこまで大きいものでもなかったが、「ハードルを1つ越えた」実感があった。

■余談1

術後、なんとなく興味本位で「精子を取り出す」以外の選択肢(例えば元のように精子が精液に混ざって出てくるようになる術とか)があるのか聞いてみた。

先生曰く「かつては詰まった精子の管をバイパスする手術があった」らしい。

ただ、術式的に「精子だけ取り出す」より難易度が高く、ニーズも低いため今は殆ど行われていないとのこと。

まあ、精子が再度出るようになって得するケースは確かに少なそうだと思った。

スペック

改めて我々のスペックは以下の感じ。

不妊治療開始時 : 私40歳, 妻41歳

結婚して数年、都内賃貸在住、一応車は持っている。

不妊治療保険適用は43歳(になる前日)までなのと、私の本厄を目の前にしての治療開始なのが、なかなかヘヴィなところ。

現代で似たような年齢・タイミング高齢出産考える人結構多いんじゃないか

前述のとおり精子は手術で取り出して凍結済。

そこからのざっくり経緯としては、

生理周期に合わせての採卵2回(男性不妊発覚で中止した回は除外)

・着床試行回数1回

妊娠成功、そのまま出産

最終的に採れた卵子が2回合わせて10個くらい(中止した初回を入れれば15くらい?

若い人は1回に20~30個採れる人もいるらしいので、ここはやはり年齢が出るところなのかもしれない。

その10個の中で、受精可能そうな卵子が4つほど。

さらに、受精させてちゃん細胞分裂が始まった卵子が2個。

ちなみに1回目の採卵で採った卵子は全滅(受精させても細胞分裂が始まらなかった。

単純計算妊娠に適した卵子が出る確率が40%、妊娠まで到達した卵子20%。

これを自然妊娠(タイミング法含む)でやろうとしたら更に確率が下がるのは想像に難くないので、この時点で既に、我々の年齢で自然妊娠は相当に難易度が高いというのが分かる。

そもそも、「卵子精子注射針で直接ぶち込む」という超・直接的な手法をもってしても妊娠に至らないケースがあるんだと驚いた(成功率は我々で50%

とはいえ、そんな状況でも通院開始から男性不妊治療を経て、妊娠判定まで半年ちょっとなので、我々は総合的に比較的運がいい方だったんだとは自覚している。

妊娠判定時で妻42歳、私は41歳になる直前。

保険適用期間の治療で、なんとか成功できた。

から考えると、

病院選び

最初から体外受精(顕微授精)一択

先進医療を惜しまない

あたりが妊娠成功率を上げるポイントなんだと思ったので、それぞれの感想とか以下に書いていく。

勿論だけど、顕微受精は採卵時の母体への負荷があるので、母体が許すなら、という条件は付くが、何度も書くけど我々は「それでも顕微授精が最も良い」と感じている。

また、後述するが「思っているよりは」お金はかからない(金額について知りたい人は飛ばしてほしい。

病院選びについて1

なんとなくぼんやり子供欲しいよね」くらいの気持ちで、不妊治療保険適用になったことだし、そろそろ…と思いつつ、不妊治療自体には少し二の足を踏む。

…と、これ自体は我々含めよくあるケースだと思うけれど、やってみて分かる二の足を踏むには事情がある。

そもそも病院をどこにすべきか分からない。

みんな実際ちょっとGoogleマップとかで「不妊治療」で調べてみてほしい。

我々の場合(都内在住)、一番近所の不妊治療クリニックが「魂のこもった~」とかなんかラーメン屋みたいなこと書いてあり、この時点で結構キツい。

それ以外も「不妊治療専門の鍼灸院」というよく分からないトコがあったり、口コミ医師への愚痴が延々書いてあったり、「子供」というある種神聖ものを取り扱うからか、とにかく情報ノイズが多い!しか口コミでみんな専門用語使うから、ふわっと興味で調べてみた勢は口コミ勢の知識マウントでだいぶ気持ちが挫かれる(それだけみんな真剣なんだとは理解するが。

そのうえ、病院ではよくあることだけど、どこも口コミ評価が1か5に完全に二分している。

特に不妊治療ともなれば、子供ができたら高評価になるだろうし、できなかったら低評価になるだろうことそれ自体は分かるが、手探りでこれら情報ノイズを潜り抜けて「ここにしよう」と思える場所を決められる人はそんなにいないんじゃないか

私の場合は、調べ始めた一発目が明らかに相性悪めな「魂のこもった」ラーメン医院だったので、だいぶ「これは大変だ…」と思ったのをよく覚えている。

病院選び2

そんな折、知人女性たまたまXで話してお茶することになり、話の流れで不妊治療話題になった(相手は顕微受精子供を産んでいる。

曰く、

最初にかかった医院は合わなかったので乗り換えた

お金はかかるが絶対に顕微受精がいい

・2つめの医院自分に合っていた

実際に転院をしている人の意見は心強い。

この知人はハッキリとデータで話す人を好むタイプなので、そんな人が「自分に合っている」と感じた医院なら、前述のラーメン医院みたいな要素が薄そうでいいな、と思い、後日妻と相談の上、同じ医院受診

名前は一応隠すが、場所都心オフィス街

なんだかすごいエレガントな門構えの高級感ある医院だった。

少し遠いので、私が毎回車で送迎することにした。

病院選び3

結果から言うと、我々が選択した医院目的への最短経路を選ぶ傾向があって良いと思った。

初診時の説明は、ふんわりとした要約ではあるが、

あなたたち、その年齢で顕微授精以外の選択肢があると思ってるの?」

的なことを、データと共にハッキリキッパリ説明してくれた。

当初、顕微受精大前提とした説明が始まったので、「我々は知識がない、他の方法はどんなのがあるのか?」と割り込んで質問したところで、↑の回答。

一応他の方法も形だけの説明はしてくれたが、提示されたデータからは、現実的に「顕微受精(保険適用)+随時先進医療」以外の選択肢がなさそうなのは明らかだった(結果として、それが一番二人のストレスが少なく、かつ費用的に安くなりそうだとも。

成功率の高い妊娠を最速且つ確実にさせる」「その際、女性キャリアを極力邪魔しない」ことを是としたような医院で、さすが都心オフィス街ど真ん中にある医院だと思う。

加えて、医院の「ウチは高いですよ」オーラによるのか、客層がいい(こういう書き方をすると角が立つとは承知しているが。

客側に理解力があるので、ギスギスもしていないし、医師相手咀嚼できることを前提にハッキリ説明してくれる。

年齢による態度の変化もないし、100%の確約もしないし、変な励ましも空約束もしない(確率の低いことは隠さず低いと言ってくれる。

あと、待ち時間が少なかった(これ重要

予約した時間に行ったら、30分以内には何がしかアクション(診察・採血等)が起こる。

「これが民度の高い医院…」等と思わずはいられない。

私見にはなるが、この医院は「魂」とか「寄り添う」とかやらなかった。

目の前の患者に対して「結果」への最短距離データ準拠提示する。

人によっては冷淡に映るかもしれないが、我々にとっては初診の時点で「もうここしかないな」と思わせるには十分な明快さだった。

結果として、初診時に顕微受精以外の選択肢を閉じてくれたことで、男性不妊の発覚も早かったとも言える。

体外受精費用について

ざっくりと妊娠成立までにかかった費用(窓口で支払った費用のみ、交通費など諸経費は入れない)については、

男性不妊治療 : 合計10万円ちょっと(実は男性不妊手術も保険適用)

顕微受精(採卵3回、着床1回) : 50万円くらい

これだけ見ると高いと感じるかもしれないが、ちょっと待って欲しい。

これはあくま国保・社保のみ適用した場合金額(自己負担3割+自費治療 + 先進医療)で、実際は様々な要因でここからお金が返ってくる。

まず、上記の内、妻の先進医療分約10万円が、東京都助成金で7割補填される(上限額あり。

また、我々のケースでは使えなかったが、東京都助成の上限額を超えた場合は、市区町村助成金が出るケースもある。

さらに、民間医療保険不妊治療(正確には先進医療+日帰り手術)をカバーしているものがあり、それを適用することで妻は30万円くらい保険金が入ったようだ。

よって、最終的な妻の負担分は10~15万円程度。

私の最終的な負担額は5~6万円程度(民間医療保険国保の上限制度で多少補填された。

「最新の医療を駆使して子供一人作るのに15万円」

男性不妊治療込みで20万円」

こう考えると、まあまあお金持ちでなくても払えなくはない額に収まっていると思う。

ただ、重ねて書くが、これは我々が比較的運がいい方だったからの金額だ。

もし受精卵のストックが切れるまで着床を試してダメだったら、また採卵→受精→着床のサイクルが始まり上記女性側の金額が単純に倍になる。

予期せぬトラブル流産が起きないとも限らないし、民間医療保険審査が通らないことだってあるだろう。

治療中の気持ちとしては、最終的に自己負担分50~100万円くらいまでは使う覚悟をしていたし、実際そのくらいの覚悟で臨むのが適正だと思う。

(続き→ https://anond.hatelabo.jp/20241017030144 )

先進医療医療保険ガンガン使った方がいい

少なくとも東京都

2024-10-04

もう妊娠しちゃってるんだけど

さら無痛は無理とか言われても無理だよ

だいたい無痛じゃないなら徒歩圏内産科あったのに

あーあ

2024-09-29

anond:20240929104634

からですが

産後うつ(産後ホルモンバランスの急激な変化が関わる)での自殺

2022年厚労省統計では10出産あたり8.43人の自殺率(期間1年)となっています。(下記リンク)

また2022年の死亡全体中のうつ死亡率は23%となっています

産科危機出血羊水塞栓(血液中に羊水が入って起こる)での死亡割合などは

36%なので、10出産あたり13.2人の死亡率となり

周産期うつと合わせると10出産あたり21.62人の死亡率となります

(リンク2/27)

(日本産婦人科医会)

https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/3bd9b6256769e55154e241912e123866.pdf

 

対して労災による2021年10万人あたりの1年間の死亡者数は、男女合わせて1.6人です。

(仕事中の事故過労死自殺など)

https://www.jisha.or.jp/international/topics/202210_39.html

 

10出産あたり21.62人の死亡率は1人産んだ場合ですが(期間1年程なので)、出産は2人産む場合も多く、場合によっては3人以上産むので

出産による死亡率は更に高くなります

 

 

訂正

産後うつ自殺者数を、周産期うつ(産前産後うつ)の場合と間違えており期間1年9か月としていましたが、資料10万人あたりの自殺割合の部分は産後うつのもので期間は1年間でしたので訂正しました。

2024-09-12

不妊治療専門クリニックってさ

選択肢、少なすぎない……?


ツイッターでもブログでも、ちょっと検索すれば不妊治療に対する愚痴が出てきて、病院に対して文句あるなら転院すればいいじゃん、と通う前までは思ってた。

でも実際に通ってみて分かった。不妊治療を専門に扱っている病院って、本当に本当に少ない。

街で見かける産婦人科でも不妊治療って扱ってるでしょ、って思うじゃないですか。私もそう思っていた。でも、ああいった病院で行っている治療指導は、排卵誘発剤の処方とか、タイミング指導とか、あと一押しすれば妊娠できる人向けの場合が多くて、不育症男性不妊(泌尿器科)、体外受精までを専門に行う産婦人科ほとんどない。というか男性泌尿器科を見られる&婦人系の疾患の両方を扱っているのが不妊治療のクリニックだから産科とは別のことが多い印象だ(当然すべてがそうという話ではない)


私はたまたま数年前に結婚を機に地方中核市に移り住んで、たまたま上記の街の産婦人科不妊治療をはじめた時期に、不妊治療専門の病院が車で20分の範囲に運よく出来たんだけど、それまでは体外受精などの不妊治療を受けたい場合は、隣県まで新幹線で通うか、あるいは大学病院の週に一度の午後だけの枠に予約をどうにかねじこむしかなかったらしい。

運よく専門のクリニックが自力で通える範囲にできたものの、今度は予約も一苦労だ。隣県であるA県とB県には不妊に関する専門クリニックがあるが、隣県CとDには不妊に関する専門クリニックがない。

すると予想できることだが、予約枠の取り合いだ。そして完全予約制の病院だというのに、毎回毎回激コミなのだ。予約時間から1時間待ちならまだいい方で、3時間待ちも当然のようにある。

産科が一緒の病院ならわかる。急に患者さんが産気づいて……!とかあったらもちろんそっちを優先して欲しい。でも私が通っているここは不妊治療専門の病院なのだディズニーランドより待たされるこの時間is何?予約の意味とは?


あと私が通っている病院だけの可能性もあるが、案内とスケジュールの要領が悪い。


例えば1回目の通院では現状の不妊と思われる理由説明と、薬の処方。次回検査の予約日を決めるので、と案内される。

2回目の通院で「生理2日目から5日目以内にお越しくださいと言われませんでした?」と言われるが、そんな案内はされていない。この日も当然3時間待ち。そもそも次回の予約はネットでするよう案内されたのだが、ネットの予約は埋まりすぎていて生理タイミングとあわないと言うと「改めて電話で予約ください」との回答。不妊治療は、生理前・後、排卵前・後、でそれぞれ検査やら治療やらが異なるため患者医者もそれに振り回されまくる。

ああ、この3時間待ちは生理だったり排卵日だったりでネット予約に+αされるせいでみちみちに混みあっているのか……とひとまず納得(納得しても、毎回3時間待ちはキツい)

3回目の通院でようやく検査が受けられる……と思ったが、この日も「検査の予約日を決める」だけで、結局検査は受けられず。これ私がここに来る意味と3時間待つ意味ってあるか? 検査の日も予約がミチミチで「〇日の×時、あるいは△日の□時のどちらかでお願いします」。

疲れながら診察室で検査に関する説明を読むと「健康診断などでバリウムを飲んだ場合検査は一か月後になります」の一文。

……ん?

すみません健康診断で数日前にバリウムを飲んだんですが……」

「ええっ! じゃあ次の検査は次の月経の後ですね……」

早く……早く言って……!!(この3時間待ち本当に意味なかったじゃん……)

私は医療については門外漢の、ただの腫瘍持ちの一患者なんだけど、不妊治療クリニック、本当に毎回こんな調子なので疲れます。忙しいんだろうけど。患者ひとりひとりにそんな気を回してなんかいられないんだろうけど。


終始こんな調子のに、医者からは「なんで結婚から〇年も経ったのに、子どもができないことを疑問に思わなかったのか?」  

あなたは〇〇歳で若くはない。いつ治療ステップアップを決めるか、時間は待ってくれないよ」

などと言われ、いや……いや……確かにものんびりしていたのかもしれないけど……でも腑に落ちなさ過ぎるが……!?

でも転院できる病院選択肢が無い。結局新幹線で隣県に通うなら、3時間待つ方がまだお金時間もかからない。

少子化理由ひとつって、不妊治療専門クリニックの少なさじゃないかな~と思っている。いくら国が個人に対して補助金出すよ!と言っても、これじゃ通院の時点で挫折してしまう、特に夜勤があるシフト業務の方は更に通院の難易度は上がるだろう。


東京などの都会なら、クリニック自体の数はあるみたいだけど、今度は人口(治療を受けたい患者)と、病院キャパの兼ね合い、それと通える範囲があるので、そこまでクリニックの選択肢が多い訳でもない、と聞きそれもそうだな~と。


話は反れるが、子持ちの方の「子ども病院に連れていけないなんてひどい!二人目が欲しいのに!」に対して、子待ちの「不妊専門クリニックは基本一人目も授かれない人間が来る場所なんだよ!」といった反論を見かけるたび、まあどっちもどっちでは……と以前の私は思っていたが、今は平気で三時間待ちさせられる娯楽の無い施設子どもを連れてくるのは子どもがかわいそうだろ……と思っている。その間、誰が子の面倒を見るんだ問題もあるが、託児所とか、あるいは子ども保育園に通わせ、自分仕事を休んで通うしかないのではなかろうか。

病院赤ちゃん出会ますように♪みたいなキラキラ感とか本当に皆無だよ。狭い待合室で数時間たくたになりながら待って、みんな受付番号を呼ばれるのを疲れた目で眺めてたり、会社遅刻電話をかけたりしている。


不妊治療という言葉認知度の上昇や、個人への補助金保険適応など、世間は少しずつ良い方向に向かっているとは思う。だが、専門医が足りていないことはかなり強く感じる。仮に妊娠できたとしても、希望する無痛分娩を受けられる病院ほとんど無い。

地方医師不足問題視されているが、どうにか不妊治療および出産周りの医師医院についての問題も今後改善されて欲しい。真面目に。

2024-08-31

出産保険適用するなら廃業!と喚いている産科を他科はどう見ているの?

みんな美容自由診療行きたいの?

2024-08-28

anond:20240828211247

もう産後韓国みたいにホテルで妻と子を預けて回復してから帰ってきてもらうという方法の方がいいと思うなあ

日本病院産科不足で分娩から一週間で退院みたいなアメリカみたいになりつつあるし、今のスキームだとしんどいとおもう

2024-08-25

男性看護師は本当に女患者の胸揉んだり乳首触ったり膣見たりしたいのか?

男性看護師はまだまだ少ない。ジェンダー平等視点が、その活躍の場を広げる

https://news.yahoo.co.jp/articles/3753e752ebce41b8d20f95ebd086c037327fbc57

――男性看護師が抱えている問題とは、具体的にどういう傾向が見られるのでしょうか?

坪田:まず、男子学生看護実習を受ける際に一定制限存在します。具体的には、産科実習で出産に伴う乳房ケア実践させてもらえない、出産に立ち会う場面で男子学生のみ室外に出される、といったケースが起こっています

医療である意識を持ってまじめに学んでいる学生にとっては、性別学習機会が奪われることに憤りを感じる声が聞かれます

男性看護師は少ない、だからこそ精神科や老人ケアなどの力仕事男性ケア等の需要はたくさんある。

男性だって女性看護師に下のケアされるのは嫌な人も多いはずだし、女性看護師もやりたくはないだろうからwin-winだろう。

なのに何故産後デリケートな時期の女性の胸揉ませてもらえない乳首ケアさせてもらえない出産に立ち会わせてもらえないって、患者から需要ゼロの部分に突っ込んでいこうとして断られて憤っているんだろう。

本当に男性看護師こんな事を考えてるの?謎すぎる。

2024-08-23

anond:20240823160437

言うて増田危険な職についてないだろ‥

自衛隊消防士が言うなら説得力あるけど

無痛分娩って言葉に語弊があるけど、普通に痛いよ

無痛分娩は分娩の瞬間だけ麻酔できるけど、陣痛はこないといけないので当たり前に痛い

軽く叫ぶくらいには

  

無痛分娩指定してても、産めずに帝王切開になったら産むとき麻酔わからんが、術後ほんまに痛い

ちょんぎられた股は麻酔が切れたらめちゃ痛いし

産科常識の影響で減ってるから麻酔できる産院少ないし、田舎だと選択できないこともある

当客でも、無痛を予約していても土日に産気づいたら医師がいなくて普通分娩になるなどもある 

しかも今は麻酔薬不足で急に無痛分娩自体ができない人が出ることもある

悪阻で何を口にしても吐きまくるのは本当に地獄だし、悪阻母体が死にかけておろしたりすることもある

妊娠出産はマジモンの苦役だよ 早く危険作業をする完全なヒューマノイドと人工子宮ができれば皆幸せになるのにね‥

2024-08-18

anond:20240817121351

産科医と外科医以外の医者ほとんど不要

医療費が増えるだけで、国民全体の生活の質の向上に寄与しない。

自民党の存続装置として2番目に強いのが日本医師会

医療費50兆。のうちの30兆を、医療を介さな食料自給率の増加やフレイル予防に使えば、

国民全体の幸福度は上がる。

税収の半分以上を医療費に使っている国は日本以外に存在しない。


・ここ30年の戦争を仕掛け、世界破壊の限りを尽くしているのはアメリカイスラエル

ウクライナ戦争を仕掛けたのもアメリカイギリス

日本はこの無意味戦争資金提供という形で参加している。


間違っていたら教えて下さい。間違っていたらね。

2024-08-08

anond:20240808124651

周産期うつ(産前産後うつ)での自殺率

2022年10出産あたり8.43人の自殺率(期間1年9ヶ月)となっています。(下記リンク20/27)

また2022年の周産期の死亡全体の中の周産期うつ死亡率は23%となっています

産科危機出血羊水塞栓(血液中に羊水が入って起こる)での死亡割合などは

36%なので、10出産あたり13.2人の死亡率となり

周産期うつと合わせると10出産あたり21.62人の死亡率となります

(リンク2/27)

(日本産婦人科医会)

https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/3bd9b6256769e55154e241912e123866.pdf

対して労災による2021年の10万人あたりの1年間の死亡者数は1.6人です。

(仕事中の事故過労自殺含む)

期間を周産期うつと同じ1年9ヶ月とすると10万人あたり2.8人となります

年子双子三つ子勘定に入れても出産による死亡率の方が高くなります

https://www.jisha.or.jp/international/topics/202210_39.html

2024-07-11

anond:20240711150338

心身ともに健康

はいウソ

産科精神科ではないのでメンタルが通常より健康保証はどこにもない。

からメンタル問題抱えた人が良くなる話はどこにもない。

マタニティブルーとか妊婦メンタル問題をうるさく言うくせに一般人よりメンタルが良いとかウソよくつけるね?

ついでに身体の方も、

普段から出産は大ケガしながら産んでるのと同じ!って主張してるくせに。

産後身体調子を少しでも元に戻すケアが行われてる事実すら無視しだす。

お前の主張の根本の「心身ともに健康だった、病院にも通っている人」

が完全に妊婦実体験もデータ無視して語ってるゴミクズじゃねえか。

2024-07-10

anond:20240710024932

からだけど、妊娠による死亡率の方が労災死亡率より高いよ。

 

労災による2021年10万人あたりの死亡者数は1.6人(自殺含む)

https://www.jisha.or.jp/international/topics/202210_39.html

 

 

出産前後は急激なホルモンバランスの変化で、産前産後鬱(周産期うつ)が起き 自殺率があがるが

2022年10万人あたり8.43人の自殺率となっている。(下記リンク20/27)

 

また2022年周産期の死亡の中での周産期うつ死亡率は23%だが、産科危機出血での死亡割合は18%、羊水塞栓(血液中に羊水が入ってしまう)での死亡割合が18%となっている。(2/27)

https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/3bd9b6256769e55154e241912e123866.pdf

anond:20240710025029

からだけど、妊娠による死亡率の方が労災死亡率より高いよ。

 

労災による2021年10万人あたりの死亡者数は1.6人(自殺含む)

https://www.jisha.or.jp/international/topics/202210_39.html

 

 

出産前後は急激なホルモンバランス変化で、産前産後鬱(周産期うつ)が起き 自殺率があがるが

2022年10万人あたり8.43人の自殺率となっている。(下記リンク20/27)

 

また2022年周産期の死亡の中での周産期うつ死亡率は23%だが、産科危機出血での死亡割合は18%、羊水塞栓(血液中に羊水が入ってしまう)での死亡割合が18%となっている。(2/27)

https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/3bd9b6256769e55154e241912e123866.pdf

2024-06-28

産科医療について誤解があったり誤解を招きそうなので

anond:20240627202914

 

2019年の時点では掻爬法のみ23.5%、(電動/手動)吸引法+掻爬法が40.3%、(電動/手動)吸引法のみが36%となっている。(厚生労働省)

https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_kanshi/siryo/pdf/ka4-3-4.pdf

吸引法と掻爬法を併用するのは子宮内に胎児の一部が残留するのを防ぐ目的がある。

ただ古い医師は掻爬法に慣れた医師が多いせいで吸引法にのみできないのは技術問題がある可能性もあると私は個人的には思う。

また胎児が大きめの場合は、吸引法のみでは対応できないため掻爬法が併用されるのが通常のよう。

 

WHOが言う通り、吸引法より掻爬法は全体での子宮穿孔や子宮胎児(の一部)残留危険はたしかに高いが、

熟練した医師ならば掻爬法でも安全性が高いので、掻爬法だからといって必ずしも倫理観がない医師とはならないと思う。

また昔はそうではなかったかもしれないが、いまは中絶の際に麻酔が出来る医院ほとんどなのでは?そうすると懲罰的とは言えない。

 

世界的には時代遅れの掻爬法が日本では併用含めるとメジャーになっているのは、人工妊娠中絶タブーとなっていた歴史から(たとえば10万件あたりの事故率※を見た際に)許容できるほど安全であれば方法までは話し合われなかったのではないか

また中絶を多く手掛ける医師は、出産を手掛ける医師より地位が低く見られてた経緯が関係あるかもしれない。と産科医は語っている。(NHK)

https://heart-net.nhk.or.jp/heart/contents/14_1/index.html

 

現在は掻爬法は吸引法より医院の得られる収入が少なく、今後はゆっくりではあるが掻爬法のみの医院は減ると思われる。

 

中絶薬については、認可していないのは国なので産科医の問題というわけではないが

選択肢が増えるのが大事なので薬は認可されるべきと私は思っている。

ただ薬が認可された場合不正出血危険があるため経過観察が必要なのと、人工的に陣痛引き起こして(痛い)子宮内の胎児を出す必要があるので入院必要になる可能性がある。

上記NHKで語っている医師は、これはこれで痛く、(麻酔有りの場合の掻爬法や吸引法と比べてだと思う)苦痛が大きいのではと話している。また仕事をしている女性は気軽に入院できない。

※掻爬法や吸引法は調べたら日帰りばかりヒットした。検索した限りでは掻爬法でも併用でも吸引法でも通常麻酔は使う医院が多い様子。

 

 

※掻爬法、吸引法、併用の10万件あたりの事故率について。

“医会実態調査における妊娠 12 週未満の妊娠(中絶場合) 10万851 件のうち子宮穿孔件数は搔爬法 12 件、併用法6件、吸引法1件だった。”

“同様に遺残件数(胎児の体の一部などが子宮に残る)は搔爬法 166 件、併用法 107 件、吸引 法 20 件”

“大量出血数についても搔爬法6件、併用法 9 件、吸引法 2 件 ”p88

https://www.jstage.jst.go.jp/article/wsj/28/0/28_79/_pdf

 

上記色々書いたが私にも問題だと思っている点がある。

堕胎手術の値段の高さだ。たぶん中絶薬が認可されたとしてもかなり高額になるだろう。

コンドーム避妊したとしても方法を間違えれば妊娠可能性は上がる(つまり男にかかっている)。緊急避妊薬もまだ土日含め気軽に入手できるとは言えない。というか低容量ピル含め値段が高い。

少なくとも義務教育避妊方法をきちんと教えないのであれば、避妊薬、緊急避妊薬や、堕胎手術保険適用にすべきだと思っている。

2024-06-27

少子化に本当に必要だったのは

女性社会進出(=男性化)じゃなくて、

母親人権強化」だった。母親ヤバい。今の日本で母になるというのは、二級市民化、非正規雇用リスク、喜んで家事労働やる係。謎の「母は強し」信仰。「家では母ちゃんが強い」←は???…などなどが襲いかかる。

今まで、学を納め名を上げ、男性と肩を並べていたただの人間が、母になった途端、

・産み捨てたら逮捕流産して対応間違えたら逮捕

堕胎しようにももはや海外ではありえない掻爬術。

海外ではあるつわりの薬はないよ

妊娠病気じゃない保険効かない、会陰切開無麻酔出産当たり前の人権無視地獄

・お役人医者産科スタッフがなぜかタメぐち

・乳を出せ!産後限界母子同室!いきなり助産師乳首死ぬほどつねられる拷問

・母なんだから子供ちゃんとみてなきゃ(永遠

・「ママでもわかる」←は?雑な括りで突然の蔑視

・なぜか家事育児介護負担プラス労働当たり前

保育園幼稚園小学校習い事による母親無償労働搾取

会社辞めないと時短邪魔扱い、会社辞めたら103万のパートしかない。キャリアおじゃん。オワ。

こんな罰ゲームっていうかもう罪人じゃん。

クソみたいな身分に落ちるのに、は?産むわけないです。一子につき2億円ください

2024-06-21

anond:20240621194956

ローティーンでそれやる子供被虐待児でしょ

親が薦めてたり同意してるのだし

流産お腹の中で赤ちゃんが亡くなってるのが大半で、産科でとってもらうし医療費それなりにかかるものだよ

2024-06-18

産科関連議論、「男性が多い」医師への文句ばっかり紛糾してて「女しかいない」助産師へのコメントが少ないのあまりにもあんまり

アンケート調査無痛分娩が進まない理由医療者側に聞いたやつ見たけど、医師はまだ麻酔科の確保が困難とか母体への麻酔の影響とか比較理論的なのに、助産師意見はほぼお気持ちだったけどな

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