②土地開発公社訴訟事件
Q 裏金を公社はどのようにして作ったのですか?
S 裏金とは、帳簿に記載すれば足跡が付く。したがって帳簿に記載せずに自由に使う金という意味ですが、具体的にどうするかというと,土地公社が行ったのは、利益を隠す行為です。
利益を隠す場合、利益は売り上げから経費を差し引いた残りですから、売り上げを実際より小さく計上するか、経費を実際によりも大きく計上すれば、利益を隠すことが出来るのです。
Q 土地公社は、どちらをやったのですか?
S 経費を実際よりも大きくしたのです。そうすれば、嵩上げで大きくした経費-実際の経費=隠した利益ということになります。
Q もう一度元へ戻りますが、金融機関からの借金が多いと起債制限を受けるのですか?
S そうです。
高日市政の時も、国は、土地公社健全化対策ということで、市が土地公社から長年にわたって買い取らず放置している土地を、一括買い取るための資金調達として、第3セクター債の発行を認めかつ利息の半分を国が負担するという措置をしましたが、福知山市は、国の政策に乗ることは合併特例債の起債が出来なくると考えて、応じませんでした。
公債費率が悪くなることを警戒したのです。
Q 京都府下には10の土地開発公社がありますね?
S そうです。
昨日、府下の50%を福知山市土地開発公社が、占めているといいましたが、仮に、10公社が、平成22年度決算において、平均で、80億円ずつ借りているとすれば、福知山市土地開発公社だけで、400億円借りて、他の9公社で合計400億円借りている計算になります。
そうなると市が土地公社の債務を400億円もの巨額の保証をしていますから、
起債発行許可が下りなくなります。
ということは、単費であれ補助事業であれ、公共事業は一切できなくなります。
それが困るからという理由で、粉飾行為を長期間にわたって続けてきたのです。
また、福知山市の場合、合併をした理由に、合併特例債の起債があります。
ところが起債制限を受けては、何のために合併したのかわからない。
Q 毎期ごとに裏金を作っていたわけですか?
S そうです。
平成22年度の決算の場合、83億円の土地を持っていましたが、その中に含まれていた裏金は11億3000万円もありました。
裏金を作っては、金融機関へ返済する。そうして期毎に次々と借金を減少させる。
毎期ごとの裏金が仮に8億円あったとすれば、30期にわたって、合計240億円の借入金が裏金によって返済され、減額されていたことになります。
Q 売上から経費を引いたものが、利益で、経費を嵩上げして利益を減らしていたということですね?
S そうです。経費の嵩上げが裁判の争点になったのです。
経費の嵩上げが認められるとどうなるかですね!
経費の嵩上げについては、裏金を使って借入金を減少させた場合をどう考えるかですね!
公社の適正な行為によってつくられた返済資金なら例えそれが決算上計上していなかったとしても、嵩上げとはいわない。
しかし、違法不当行為によってつくられた返済資金で、かつ、それが決算上計上されていなければ、違法不当な嵩上げとなります。
Q 福知山市土地開発公社は、他の自治体よりも多くの土地を抱えることと、借入金の返済を続けることで起債制限から逃れようとしたのですね?
S その通りです。
Q 少し前へ戻りますが期ごとの利益の8億円を隠さずに決算書で計上して、かつ、借入金の返済をしたらどうなるのですか?
S その場合は、決算処理としては、利益も減るし借入金も減額しますから、バランスシート上は問題ありません。
ところが、利益を隠しました。隠した利益でもって返済した。これは動機として後ろ暗いところがあったのでしょう!
Q 隠さずに堂々と、これは公社の利益だからという理由で、返済に回したらどうだったんですか?
S 当然あり得ました。
しかし仮にそういう主張をすればどうなるかですが、公社が、これが利益だとするものが、適正な利益といえるかどうかが争点になります。
その場合、市は土地公社に先行取得を依頼した土地を土地公社の原価で買い取るという契約内容になっているのです。
したがって、公社には損失も出ない代わりに利益も出ない。公社が利益を出すし損も出すということになれば、土地公社は、民間不動産業者と同様になります。
その債務保証を市がしていますから、市がリスクを負うことになり、市自体が儲けも損も出す不動産経営をしていることになります。しかし、公社設立法である公有地拡大推進法はそれを認めていません。
あくまで、市が土地公社の債務保証をしているところ、市が土地公社に買い取らせている土地をバブルがはじけて計画していた事業が実施できない。したがって買い取ることが出来ない。
だから、金融機関の利息が増え続ける。
土地政策の誤りが公社の財政を直撃し、債務保証をしている市の財政を直撃している。
これが、土地公社問題の本質なのです。
Q 嵩上げした経費とはどのようなものだったんですか?
S 裏金で返済したことで借入が無くなった。
返済により無くなって存在しない借入金に利息が発生したと仮構し、市へ存在しない利息を存在したとして売買代金を算定した。
この部分が嵩上げなのです。
もっとも、裏金自体が嵩上げです。
Q 土地公社の原価で市が買い取る契約になっている。
その場合の原価とはどういう計算をするのかです!
S 公有地拡大推進法、民法上の解釈がどうなるかです!
土地公社にはどんどん儲けさせる。
その儲けた金で金融機関債務を返済させる行為が適法かどうかです!
実際、大阪,高裁は、市の買取価格は、市長の裁量で決めればよい。公社が仮に儲けたとしても、金融機関からの借入金の返済に使ったのだから、違法ではないと判断しました。
また、最高裁も同様の判断をしました。
Q そうなると、そもそも土地開発公社とはどういう目的で設立されたのか、その政策の本質が問われることになりますね?
S 民間不動産業者同様の行為をして、利益追求の過程で、利益を出しても、損失を出しても構わないことになります。
実は、この点が大問題なのです。
Q どういうことですか?
S 自治体は、土地開発公社から土地を買い取る場合は、土地公社の原価で買い取ることになっている。
そういう理解で全国の土地開発公社は国から監視指導されています。
ところが、市が土地公社から買い取る際の価格は、市の自由裁量になるということになれば、公社の原価はどうでもよいわけです。タダでもよいのです。また、裏金など作る必要はなく、5倍でも10倍で高い価格で買ってやればよい。
そうすれば、土地公社は、長年にわたって苦しんだ金融機関からの借金などたった一日で返済することが出来たのです。
裁判所は、土地公社は、市から受けとった金を他へ流用せずに金融機関へ返済さえすればそれでよいというのです。
裁判所のいうことが正しいとすれば、出来るだけ高額で市に買い取らせれば土地公社は金融機関からの債務などすぐに返済できるということになるのです。
ということは、公社の原価の10倍で、これで市が買うといって、新年度予算で計上したら、そのまま議決になります。
議員が文句を言えば、最高裁判所が、市が土地公社から先行取得依頼した土地を買う場合は買取価格は、市長の自由裁量だと言ってやれば議員は黙ります。
これは、コペルニクス的大転換であり、市は、どんどん高額の買取価格を予算計上し、実質、無規制で自治体は不動産投資の失敗の付けを解消できることになるのです。
裁判所のいうことが正しければ、悲惨な目に合うのは、必要もない土地を長年にわたって抱えられ、土地を買うために税金をぶんどられる市民です。
誰も責任を取らない。土地政策の実態がどうなっているのかが全く分からない。
分からないのは当然です。
裁判所さえ分かっていないのですから!
しかしそれでは今までがなんだったのかということになり、そもそも国は今まで何をやってきたのかということになります。
いずれにしても、この判決は、国の今までの土地公社政策を頭からひっくり返すようなものです。
全く新しい政策を、行政と違い司法という観点から、裁判所が決めたことになるでしょう!
この判決が世間へ知れ渡ったら大変だということで、最高裁は、この事件の判決を誰にも見つからないように最高裁の書庫の奥深くへ仕舞い込んだと思われます。
Q 実際の訴訟ではこの点はどうだったのですか?
S そうですね。
次に、その説明をします。
続く!
参考資料
https://kyuuryou.com/w2918.html
S 裏金とは、帳簿に記載すれば足跡が付く。したがって帳簿に記載せずに自由に使う金という意味ですが、具体的にどうするかというと,土地公社が行ったのは、利益を隠す行為です。
利益を隠す場合、利益は売り上げから経費を差し引いた残りですから、売り上げを実際より小さく計上するか、経費を実際によりも大きく計上すれば、利益を隠すことが出来るのです。
Q 土地公社は、どちらをやったのですか?
S 経費を実際よりも大きくしたのです。そうすれば、嵩上げで大きくした経費-実際の経費=隠した利益ということになります。
Q もう一度元へ戻りますが、金融機関からの借金が多いと起債制限を受けるのですか?
S そうです。
高日市政の時も、国は、土地公社健全化対策ということで、市が土地公社から長年にわたって買い取らず放置している土地を、一括買い取るための資金調達として、第3セクター債の発行を認めかつ利息の半分を国が負担するという措置をしましたが、福知山市は、国の政策に乗ることは合併特例債の起債が出来なくると考えて、応じませんでした。
公債費率が悪くなることを警戒したのです。
Q 京都府下には10の土地開発公社がありますね?
S そうです。
昨日、府下の50%を福知山市土地開発公社が、占めているといいましたが、仮に、10公社が、平成22年度決算において、平均で、80億円ずつ借りているとすれば、福知山市土地開発公社だけで、400億円借りて、他の9公社で合計400億円借りている計算になります。
そうなると市が土地公社の債務を400億円もの巨額の保証をしていますから、
起債発行許可が下りなくなります。
ということは、単費であれ補助事業であれ、公共事業は一切できなくなります。
それが困るからという理由で、粉飾行為を長期間にわたって続けてきたのです。
また、福知山市の場合、合併をした理由に、合併特例債の起債があります。
ところが起債制限を受けては、何のために合併したのかわからない。
Q 毎期ごとに裏金を作っていたわけですか?
S そうです。
平成22年度の決算の場合、83億円の土地を持っていましたが、その中に含まれていた裏金は11億3000万円もありました。
裏金を作っては、金融機関へ返済する。そうして期毎に次々と借金を減少させる。
毎期ごとの裏金が仮に8億円あったとすれば、30期にわたって、合計240億円の借入金が裏金によって返済され、減額されていたことになります。
Q 売上から経費を引いたものが、利益で、経費を嵩上げして利益を減らしていたということですね?
S そうです。経費の嵩上げが裁判の争点になったのです。
経費の嵩上げが認められるとどうなるかですね!
経費の嵩上げについては、裏金を使って借入金を減少させた場合をどう考えるかですね!
公社の適正な行為によってつくられた返済資金なら例えそれが決算上計上していなかったとしても、嵩上げとはいわない。
しかし、違法不当行為によってつくられた返済資金で、かつ、それが決算上計上されていなければ、違法不当な嵩上げとなります。
Q 福知山市土地開発公社は、他の自治体よりも多くの土地を抱えることと、借入金の返済を続けることで起債制限から逃れようとしたのですね?
S その通りです。
Q 少し前へ戻りますが期ごとの利益の8億円を隠さずに決算書で計上して、かつ、借入金の返済をしたらどうなるのですか?
S その場合は、決算処理としては、利益も減るし借入金も減額しますから、バランスシート上は問題ありません。
ところが、利益を隠しました。隠した利益でもって返済した。これは動機として後ろ暗いところがあったのでしょう!
Q 隠さずに堂々と、これは公社の利益だからという理由で、返済に回したらどうだったんですか?
S 当然あり得ました。
しかし仮にそういう主張をすればどうなるかですが、公社が、これが利益だとするものが、適正な利益といえるかどうかが争点になります。
その場合、市は土地公社に先行取得を依頼した土地を土地公社の原価で買い取るという契約内容になっているのです。
したがって、公社には損失も出ない代わりに利益も出ない。公社が利益を出すし損も出すということになれば、土地公社は、民間不動産業者と同様になります。
その債務保証を市がしていますから、市がリスクを負うことになり、市自体が儲けも損も出す不動産経営をしていることになります。しかし、公社設立法である公有地拡大推進法はそれを認めていません。
あくまで、市が土地公社の債務保証をしているところ、市が土地公社に買い取らせている土地をバブルがはじけて計画していた事業が実施できない。したがって買い取ることが出来ない。
だから、金融機関の利息が増え続ける。
土地政策の誤りが公社の財政を直撃し、債務保証をしている市の財政を直撃している。
これが、土地公社問題の本質なのです。
Q 嵩上げした経費とはどのようなものだったんですか?
S 裏金で返済したことで借入が無くなった。
返済により無くなって存在しない借入金に利息が発生したと仮構し、市へ存在しない利息を存在したとして売買代金を算定した。
この部分が嵩上げなのです。
もっとも、裏金自体が嵩上げです。
Q 土地公社の原価で市が買い取る契約になっている。
その場合の原価とはどういう計算をするのかです!
S 公有地拡大推進法、民法上の解釈がどうなるかです!
土地公社にはどんどん儲けさせる。
その儲けた金で金融機関債務を返済させる行為が適法かどうかです!
実際、大阪,高裁は、市の買取価格は、市長の裁量で決めればよい。公社が仮に儲けたとしても、金融機関からの借入金の返済に使ったのだから、違法ではないと判断しました。
また、最高裁も同様の判断をしました。
Q そうなると、そもそも土地開発公社とはどういう目的で設立されたのか、その政策の本質が問われることになりますね?
S 民間不動産業者同様の行為をして、利益追求の過程で、利益を出しても、損失を出しても構わないことになります。
実は、この点が大問題なのです。
Q どういうことですか?
S 自治体は、土地開発公社から土地を買い取る場合は、土地公社の原価で買い取ることになっている。
そういう理解で全国の土地開発公社は国から監視指導されています。
ところが、市が土地公社から買い取る際の価格は、市の自由裁量になるということになれば、公社の原価はどうでもよいわけです。タダでもよいのです。また、裏金など作る必要はなく、5倍でも10倍で高い価格で買ってやればよい。
そうすれば、土地公社は、長年にわたって苦しんだ金融機関からの借金などたった一日で返済することが出来たのです。
裁判所は、土地公社は、市から受けとった金を他へ流用せずに金融機関へ返済さえすればそれでよいというのです。
裁判所のいうことが正しいとすれば、出来るだけ高額で市に買い取らせれば土地公社は金融機関からの債務などすぐに返済できるということになるのです。
ということは、公社の原価の10倍で、これで市が買うといって、新年度予算で計上したら、そのまま議決になります。
議員が文句を言えば、最高裁判所が、市が土地公社から先行取得依頼した土地を買う場合は買取価格は、市長の自由裁量だと言ってやれば議員は黙ります。
これは、コペルニクス的大転換であり、市は、どんどん高額の買取価格を予算計上し、実質、無規制で自治体は不動産投資の失敗の付けを解消できることになるのです。
裁判所のいうことが正しければ、悲惨な目に合うのは、必要もない土地を長年にわたって抱えられ、土地を買うために税金をぶんどられる市民です。
誰も責任を取らない。土地政策の実態がどうなっているのかが全く分からない。
分からないのは当然です。
裁判所さえ分かっていないのですから!
しかしそれでは今までがなんだったのかということになり、そもそも国は今まで何をやってきたのかということになります。
いずれにしても、この判決は、国の今までの土地公社政策を頭からひっくり返すようなものです。
全く新しい政策を、行政と違い司法という観点から、裁判所が決めたことになるでしょう!
この判決が世間へ知れ渡ったら大変だということで、最高裁は、この事件の判決を誰にも見つからないように最高裁の書庫の奥深くへ仕舞い込んだと思われます。
Q 実際の訴訟ではこの点はどうだったのですか?
S そうですね。
次に、その説明をします。
続く!
参考資料
https://kyuuryou.com/w2918.html