ウクライナ最新情報 第9報
ウクライナ最新情報 第9報
<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainian Update #9
2022年4月1日
Paul Craig Roberts
ポール・クレイグ・ロバーツ
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月13日
コロナについてメディアや保健所や政府関係者から聞かされたことがすべて嘘だったように、ウクライナについても同じプロパガンダの嘘つきから聞かされたことはすべて嘘である。アメリカ人はこれまで嘘ばかりを聞かされてきたのだ。ジョン・F・ケネディ大統領、その弟で大統領有力候補のロバート・ケネディ上院議員、マーティン・ルーサー・キング牧師、と続いて起こった一連の暗殺事件、ベトナム戦争、9・11、サダム・フセインの存在しない「大量破壊兵器」、アサドの「化学兵器使用」、イランの核、カダフィに関するとんでもない嘘、コロナ・パンデミック、ロシアの侵略―これらは全て嘘だった。西側世界全体が、プロパガンダによって作られた「マトリクス」の世界に住んでいる。西側諸国の大多数の人々は、自分たちが住んでいる現実を知らない。そのため、彼らは無力であり、自分たちの自由を守ることが全くできない。彼らは、自分たちをしっかりと取り囲んでいる専制政治の格好のカモなのだ。
例えば、ウクライナの話を考えてみよう。西側メディアによって国民に提示された物語は、現実とは何の関係もない。ウクライナの物語は、コロナの物語と同じように完全に崩壊している。もう元には戻れない。次の危機が新聞の第一面を占めるときにはこのウクライナ話は簡単に立ち消えになってしまうだろう。例えば、それはインフレーションかもしれないし、新しく発表される病原体かもしれない。
ロシアがウクライナに侵攻したことはない。 ロシアの軍事的焦点は、ウクライナ東部と南部のドンバス地域だった。その地域は、ロシア人が住み、ソ連の指導者たちが、自分たちの都合でクリミアと同じようにウクライナに移すまでは、ロシア自身の一部であった。 2014年にアメリカが民主的に選ばれたウクライナ政府を転覆させてウクライナを支配したとき、クリミアとドンバスのロシア人はロシアとの再統合を圧倒的な票数で望んだ。クレムリンはクリミアを受け入れたが、ドンバスは受け入れなかった。
これはロシア政府の認識不足を示す戦略的失策であった。早速、西ウクライナのネオナチ残党は、その祖先は第二次世界大戦でヒトラーのためにロシアと戦ったのだが、東のドンバス地域のロシア人住民を虐待し始めたのである。キエフにあるアメリカの傀儡政権は、ロシア語の使用を禁止して追い打ちをかけた。
ドンバス地方のロシア人は、自分たちの身を守るために、ドネツク共和国とルハンスク共和国という2つの共和国の形で独立を宣言した。すると、ウクライナ軍とネオナチ民兵は、この 「分離共和国」を攻撃し始めた。彼らは8年間、ドンバスの村や町、都市を大砲で砲撃し、数千人の市民を殺害した。ウクライナ軍はドンバスで急遽編成された部隊に2度敗れたものの、分離共和国の広い地域を支配下に置くことになんとか成功したのである。
ロシアの介入を誘発したのは、10万人以上のウクライナ軍が縮小したドンバスの国境に領土奪還のための侵攻を狙って配備されたことである。ロシア軍事介入の第二の理由は、ワシントンがクレムリンに安全保障を与えることを拒否したことである。ロシアはワシントンに対し、ウクライナがNATOに加盟することを認めない、と完全に明確な言葉で伝えた。それにもかかわらず、ワシントンは挑発行為を執拗に繰り返した。
ロシアのウクライナへの軍事介入は、ドンバスからウクライナ軍とネオナチ軍を排除することにほとんどの焦点が当てられている。これが、民間人への重火器使用を排除したプーチンの「のろのろ戦争」の理由である。
民間人はロシア人なのだ。プーチンが言ったように、「我々はこの人々を解放するために行ったのであって、殺すために行ったのではない 」ということだ。
西側のメディア売人や政府関係者は、CNNやNPRの売人が公表しているように、ロシアの民間人の死を避けようとするロシアの意図を、「ロシアの侵略が停滞している」ことの兆候だと言って誤報している。西側メディア売人の中には、さらに踏み込んで、「ロシアの敗北」と言っている者までいる。
もしロシアの敗北があるとすれば、それは戦場ではなく、交渉の場で起こることだろう。というのも、ロシア人は交渉人になるには相手を信頼しすぎていて決してうまくはいかないからだ。
戦場にはより高度な遂行能力の基準がある。ロシア軍がドンバスに入る前に、ウクライナの軍事インフラ、空軍、海軍は完全に破壊された。ウクライナ軍は行動不能に陥っている。通信手段もなく、空からの援護もなく、補給も断たれている。
ロシアが和平交渉を行う理由は、ウクライナ軍の壊滅を避けることである。ところが、ネオナチ政治委員の方は、ウクライナ軍は最後の一兵まで戦わせるために必要なのだ。ロシアは、何もコントロールできていない「政府」と交渉していることを理解していないようだ。
アメリカとイギリスが訓練し武装したウクライナの60万人の兵士に対して、ロシアは20万人の軍隊を配備している。ロシア軍を3対1で圧倒していたウクライナ軍は、その戦闘力をアッという間に破壊された。そのスピードたるや、2008年8月、南オセチアに侵攻した、アメリカとイスラエルによって武装・訓練されたグルジア軍がロシア軍に破壊されたより早かった。
ウクライナに建物やウクライナ人が存在する唯一の理由は、ロシアの攻撃を抑止するためである。
クレムリンは、ロシアがウクライナを破壊することなく目的を達成できると確信している。 これは軍事的には正しいが、ロシア政府は交渉で成功するにはあまりに騙されやすいと私は思っている。ロシアはまだ道徳心を持っているが、それが欧米にもあると思い違いしている。欧米は道徳心など持ち合わせていない。ロシア人はサタンと交渉する方法を知らない。ウゴ・チャベスの国連での演説を思い出してみるとよい。ユダヤ系アメリカ人の国務長官が全国ネットのテレビで、アメリカが50万人のイラクの子供たちを殺害したことを「価値があった」と言ったのを覚えているだろうか。そう、イスラエルが中東を支配するために価値があるのだ。
アメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人、日本人、そしてアメリカ帝国のすべての人々には理解できないだろう。自分たちがいかに騙されてきたのか、いかにとんでもない犯罪に巻き込まれてきたのか、いかに愚かにも信頼していたメディアの嘘に洗脳されてきたのか、いかにワシントンがアメリカの評判を台無しにしたのか、そしてなぜ世界のほとんどがアメリカを嫌っているのかを。
アメリカ帝国が終焉を迎えていることを、間抜けな愚か者たちも理解していない。西側の制裁が行ったことは、ドル依存の世界を破壊することであった。ドル依存の世界では、米国企業が自国市場向けの生産を海外依託したことが主因で巨額の貿易赤字が生まれたにもかかわらず、その赤字のための資金調達を世界の他の地域に押し付けることができるのだが、そのシステムが破壊されるのである。すると、ロシア、中国、中央アジア、東アジアは、欧米とは別に独自の決済手段を構築することになる。これによって、ドルの覇権とアメリカの権力は失われるのだ。
私たちは振り出しに戻った。アメリカの自信過剰は傲慢さを生んだ。しかし、その傲慢さでは、ロシア、中国、インドが主権国家として存在しようとする決意には勝てない。アメリカのグローバリズム、つまりワシントンが覇権を行使する方法は、崩壊しつつある。 ワシントンのバカどもは、東方をドル体制から追い出す無分別な制裁によって、自分たちの支配体制を自ら崩壊させたのだ。
ロシアには問題がひとつしかない。 ロシアの問題は、内部的なものである。 その問題とは、自分たちの利益を西側と同盟関係にあると考える、知識人階級や上流階級、金融システムの要素から成るものである。クレムリンによって容認されているこれらの裏切り者は、エリツィン政権時代にアメリカの支配者たちによって作られた事実上の西側工作員である。
ロシア政府で最も権力を持つのは、ロシア中央銀行のトップであり、その政策はロシアではなく欧米に奉仕している。 プーチンは、ロシア唯一の経済学者セルゲイ・グラジエフの警告にもかかわらず、ロシアの将来を親米派のロシア中央銀行総裁に託しているのである。ロシアに一度も役に立ったことがないロシア中央銀行が、ロシア打倒を目指すワシントンにとって最大の資産なのだ。 この脅威に対するプーチンの盲目さこそが、ロシアの心臓に突き刺さる短剣なのである。
<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainian Update #9
2022年4月1日
Paul Craig Roberts
ポール・クレイグ・ロバーツ
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月13日
コロナについてメディアや保健所や政府関係者から聞かされたことがすべて嘘だったように、ウクライナについても同じプロパガンダの嘘つきから聞かされたことはすべて嘘である。アメリカ人はこれまで嘘ばかりを聞かされてきたのだ。ジョン・F・ケネディ大統領、その弟で大統領有力候補のロバート・ケネディ上院議員、マーティン・ルーサー・キング牧師、と続いて起こった一連の暗殺事件、ベトナム戦争、9・11、サダム・フセインの存在しない「大量破壊兵器」、アサドの「化学兵器使用」、イランの核、カダフィに関するとんでもない嘘、コロナ・パンデミック、ロシアの侵略―これらは全て嘘だった。西側世界全体が、プロパガンダによって作られた「マトリクス」の世界に住んでいる。西側諸国の大多数の人々は、自分たちが住んでいる現実を知らない。そのため、彼らは無力であり、自分たちの自由を守ることが全くできない。彼らは、自分たちをしっかりと取り囲んでいる専制政治の格好のカモなのだ。
例えば、ウクライナの話を考えてみよう。西側メディアによって国民に提示された物語は、現実とは何の関係もない。ウクライナの物語は、コロナの物語と同じように完全に崩壊している。もう元には戻れない。次の危機が新聞の第一面を占めるときにはこのウクライナ話は簡単に立ち消えになってしまうだろう。例えば、それはインフレーションかもしれないし、新しく発表される病原体かもしれない。
ロシアがウクライナに侵攻したことはない。 ロシアの軍事的焦点は、ウクライナ東部と南部のドンバス地域だった。その地域は、ロシア人が住み、ソ連の指導者たちが、自分たちの都合でクリミアと同じようにウクライナに移すまでは、ロシア自身の一部であった。 2014年にアメリカが民主的に選ばれたウクライナ政府を転覆させてウクライナを支配したとき、クリミアとドンバスのロシア人はロシアとの再統合を圧倒的な票数で望んだ。クレムリンはクリミアを受け入れたが、ドンバスは受け入れなかった。
これはロシア政府の認識不足を示す戦略的失策であった。早速、西ウクライナのネオナチ残党は、その祖先は第二次世界大戦でヒトラーのためにロシアと戦ったのだが、東のドンバス地域のロシア人住民を虐待し始めたのである。キエフにあるアメリカの傀儡政権は、ロシア語の使用を禁止して追い打ちをかけた。
ドンバス地方のロシア人は、自分たちの身を守るために、ドネツク共和国とルハンスク共和国という2つの共和国の形で独立を宣言した。すると、ウクライナ軍とネオナチ民兵は、この 「分離共和国」を攻撃し始めた。彼らは8年間、ドンバスの村や町、都市を大砲で砲撃し、数千人の市民を殺害した。ウクライナ軍はドンバスで急遽編成された部隊に2度敗れたものの、分離共和国の広い地域を支配下に置くことになんとか成功したのである。
ロシアの介入を誘発したのは、10万人以上のウクライナ軍が縮小したドンバスの国境に領土奪還のための侵攻を狙って配備されたことである。ロシア軍事介入の第二の理由は、ワシントンがクレムリンに安全保障を与えることを拒否したことである。ロシアはワシントンに対し、ウクライナがNATOに加盟することを認めない、と完全に明確な言葉で伝えた。それにもかかわらず、ワシントンは挑発行為を執拗に繰り返した。
ロシアのウクライナへの軍事介入は、ドンバスからウクライナ軍とネオナチ軍を排除することにほとんどの焦点が当てられている。これが、民間人への重火器使用を排除したプーチンの「のろのろ戦争」の理由である。
民間人はロシア人なのだ。プーチンが言ったように、「我々はこの人々を解放するために行ったのであって、殺すために行ったのではない 」ということだ。
西側のメディア売人や政府関係者は、CNNやNPRの売人が公表しているように、ロシアの民間人の死を避けようとするロシアの意図を、「ロシアの侵略が停滞している」ことの兆候だと言って誤報している。西側メディア売人の中には、さらに踏み込んで、「ロシアの敗北」と言っている者までいる。
もしロシアの敗北があるとすれば、それは戦場ではなく、交渉の場で起こることだろう。というのも、ロシア人は交渉人になるには相手を信頼しすぎていて決してうまくはいかないからだ。
戦場にはより高度な遂行能力の基準がある。ロシア軍がドンバスに入る前に、ウクライナの軍事インフラ、空軍、海軍は完全に破壊された。ウクライナ軍は行動不能に陥っている。通信手段もなく、空からの援護もなく、補給も断たれている。
ロシアが和平交渉を行う理由は、ウクライナ軍の壊滅を避けることである。ところが、ネオナチ政治委員の方は、ウクライナ軍は最後の一兵まで戦わせるために必要なのだ。ロシアは、何もコントロールできていない「政府」と交渉していることを理解していないようだ。
アメリカとイギリスが訓練し武装したウクライナの60万人の兵士に対して、ロシアは20万人の軍隊を配備している。ロシア軍を3対1で圧倒していたウクライナ軍は、その戦闘力をアッという間に破壊された。そのスピードたるや、2008年8月、南オセチアに侵攻した、アメリカとイスラエルによって武装・訓練されたグルジア軍がロシア軍に破壊されたより早かった。
ウクライナに建物やウクライナ人が存在する唯一の理由は、ロシアの攻撃を抑止するためである。
クレムリンは、ロシアがウクライナを破壊することなく目的を達成できると確信している。 これは軍事的には正しいが、ロシア政府は交渉で成功するにはあまりに騙されやすいと私は思っている。ロシアはまだ道徳心を持っているが、それが欧米にもあると思い違いしている。欧米は道徳心など持ち合わせていない。ロシア人はサタンと交渉する方法を知らない。ウゴ・チャベスの国連での演説を思い出してみるとよい。ユダヤ系アメリカ人の国務長官が全国ネットのテレビで、アメリカが50万人のイラクの子供たちを殺害したことを「価値があった」と言ったのを覚えているだろうか。そう、イスラエルが中東を支配するために価値があるのだ。
アメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人、日本人、そしてアメリカ帝国のすべての人々には理解できないだろう。自分たちがいかに騙されてきたのか、いかにとんでもない犯罪に巻き込まれてきたのか、いかに愚かにも信頼していたメディアの嘘に洗脳されてきたのか、いかにワシントンがアメリカの評判を台無しにしたのか、そしてなぜ世界のほとんどがアメリカを嫌っているのかを。
アメリカ帝国が終焉を迎えていることを、間抜けな愚か者たちも理解していない。西側の制裁が行ったことは、ドル依存の世界を破壊することであった。ドル依存の世界では、米国企業が自国市場向けの生産を海外依託したことが主因で巨額の貿易赤字が生まれたにもかかわらず、その赤字のための資金調達を世界の他の地域に押し付けることができるのだが、そのシステムが破壊されるのである。すると、ロシア、中国、中央アジア、東アジアは、欧米とは別に独自の決済手段を構築することになる。これによって、ドルの覇権とアメリカの権力は失われるのだ。
私たちは振り出しに戻った。アメリカの自信過剰は傲慢さを生んだ。しかし、その傲慢さでは、ロシア、中国、インドが主権国家として存在しようとする決意には勝てない。アメリカのグローバリズム、つまりワシントンが覇権を行使する方法は、崩壊しつつある。 ワシントンのバカどもは、東方をドル体制から追い出す無分別な制裁によって、自分たちの支配体制を自ら崩壊させたのだ。
ロシアには問題がひとつしかない。 ロシアの問題は、内部的なものである。 その問題とは、自分たちの利益を西側と同盟関係にあると考える、知識人階級や上流階級、金融システムの要素から成るものである。クレムリンによって容認されているこれらの裏切り者は、エリツィン政権時代にアメリカの支配者たちによって作られた事実上の西側工作員である。
ロシア政府で最も権力を持つのは、ロシア中央銀行のトップであり、その政策はロシアではなく欧米に奉仕している。 プーチンは、ロシア唯一の経済学者セルゲイ・グラジエフの警告にもかかわらず、ロシアの将来を親米派のロシア中央銀行総裁に託しているのである。ロシアに一度も役に立ったことがないロシア中央銀行が、ロシア打倒を目指すワシントンにとって最大の資産なのだ。 この脅威に対するプーチンの盲目さこそが、ロシアの心臓に突き刺さる短剣なのである。
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