クレムリンは学ぶことがないのか(ウクライナ、ブチャのプロパガンダ戦争)
クレムリンは学ぶことがないのか
(ウクライナ、ブチャのプロパガンダ戦争)
<記事原文>
The Kremlin Never Learns - PaulCraigRoberts.org
ポール・クレイグ・ロバーツ2022年4月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月6日
ロシアは、「ウクライナが中立国であることに同意した、あるいは同意しようとしている」と考えて、キエフ周辺から軍を撤退させた。この軍隊はキエフを包囲し、その郊外を占領していた。
ロシア軍が撤退するとすぐ、西側の「売春メディア」と政府議会からプロパガンダ(偽の大宣伝)が噴出した。
「ロシア軍は敗北したから撤退し、その敗北に腹を立てて民間人を虐殺した」、アメリカがユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、ソマリア、シリア、ベトナムなどで犯したような、「戦争犯罪を犯した」というのだ。
その違いは、ワシントンが戦争犯罪を犯すことを許されていることだ。なぜなら、ワシントンの犯罪は、民主主義を促進する行為に過ぎず、本当の戦争犯罪ではないからだという。
もう一つの違いは、ワシントンの戦争犯罪は本物であるのに対し、ロシアの戦争犯罪はプロパガンダが作りだしたものだということだ。
とはいえ、無実とはいえ、ロシア人は叩かれて当然だ。なぜなら、彼らはあまりにも愚かで、常に自分たちを悪者に仕立て上げられてしまっているからだ。あれだけのことが起こったのに、交渉の促進を意図したロシアの撤退が、敗北と戦争犯罪として報道されることをクレムリンが理解しなかったということはあり得るだろうか。クレムリンには有能な助言者がいるのだろうか? クレムリンには有能な助言者はいないのだろうか。西側諸国は正直で、事実を正直に報告し、平和的解決に向けたロシアの努力を尊重してくれると考えているようだ。ロシア軍が撤退すれば、プーチンの戦争犯罪の証拠として、死体あるいは死体を演じている人々の姿が西側メディアに流れることを、クレムリンの誰も理解していなかったとは、心外である。
ブルームバーグ・ニュースがなぜ猛烈なロシア嫌いなのかは知らないが、ここにロシアのブチャ撤退に関するブルームバーグの全くの虚偽の報道がある。他の西側メディアも同じかそれ以上である。
(以下は記事からの抜粋)
「世界中を憤怒させたこの民間人の大量虐殺に関して、ジョー・バイデン大統領は、米国と欧州連合がロシアを罰するためにさらなる制裁を検討する中で、ウラジーミル・プーチンを戦争犯罪で裁くべきであると述べた。EUは、ロシアがキエフ周辺から撤退した際に発見された、拷問や処刑の疑惑を含むウクライナの民間人に対する残虐行為を非難した。ウクライナによると、キエフ周辺の町で400人以上の民間人の死体が発見されたという。EUのジョゼップ・ボレル首席外務特使は、27カ国を代表する声明の中で、ブチャの通りに散乱している死体について、占領下のロシア軍を非難した。ロシア当局は、この地域を実効的に支配していた間に行われたこれらの残虐行為に責任がある」と、ボレルは述べた。ブチャの町や他のウクライナの町での虐殺は、これまでヨーロッパの土地で行われた残虐行為のリストに刻まれるだろう」と述べた。
(記事からの抜粋はここまで)
ウクライナは、交渉で降伏条件を検討したとされるのに、ロシアの撤退を、ウクライナの自由戦士によってロシア軍が追い出したウクライナ軍の勝利であると宣言したのである。その宣言は、ロシアの要求に同意するようウクライナに圧力をかけるどころの話ではない。
ロシア政府は、国連安保理にブチャの実情を調査するよう要求しているのに、このこともロシアが、アメリカが支配する国連からまたもやプロパガンダの一撃を受けることになったのだ。
ワシントンの傀儡であるウクライナのゼレンスキー大統領からの、クレムリンがおこなっている交渉を支持する声明は一つもない。クレムリンは、無意味な交渉で戦争に負けることを選んでいるとしか考えられない。だとすれば、なぜクレムリンはさっさと降伏してしまわないのだろうか?
ロシアのウクライナへの介入は、それが適切に行われていれば、いずれ核戦争に発展するロシアへの挑発を終わらせることができたはずだ。しかし、クレムリンは、自分たちの善意を示すことに固執し、悪魔のような西側が事実や善意など気にも留めないことを認識できなかった。 プーチンの善意によるウクライナへの限定的な介入がもたらしたものは、プーチンとロシアの完全な悪魔化であり、アメリカ大統領は、第二次世界大戦後のドイツの将校や高官と同様に、ロシアが無実である証拠があるにもかかわらず、プーチンを戦争犯罪人として裁くよう要求しているのだ。ニュルンベルク裁判と同じように、本当の証拠は必要ないのだ。西側では、娼婦メディアの主張だけが支配的である。
. 現在進行中の戦争はプロパガンダ戦争であり、クレムリンはこの点で完全に負けている。クレムリンの心理作戦の能力のなさは、ロシアの軍事的優位性をほとんど無意味なものにしている。
ワシントンの戦争は冷酷に遂行される。結婚式、葬式、子供のサッカーの試合など、あらゆるものが爆撃され、粉々に吹き飛ばされる。西側諸国は、すべてを吹き飛ばさない戦争を知らないのだ。
ロシアの軍事力を持ってすれば3日で成し遂げられたことが(プーチンが民間人の殺傷を避けるという良心的な戦術のため)今や41日目になっている。NATOによる「ロシアの侵略」というシナリオは初めから決まっており、プーチンの善意は相手側にはロシア軍を無能なものに見せるだけで終わった。
こうして、プーチンによる撤退命令によって、キエフ側の挑発行為を迅速かつ決定的な行動で終わらせるチャンスは失われてしまった。
次の挑発はフィンランドのNATO加盟か、中央アジアでのカラー革命の再挑戦か、それともプーチン、ラブロフ、ショイグが欠席裁判で有罪になる戦争犯罪法廷か。
そんな中、クレムリンはNATOの敵国の経済を維持するために、ガスの輸出を続けているのだ。
(ウクライナ、ブチャのプロパガンダ戦争)
<記事原文>
The Kremlin Never Learns - PaulCraigRoberts.org
ポール・クレイグ・ロバーツ2022年4月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月6日
ロシアは、「ウクライナが中立国であることに同意した、あるいは同意しようとしている」と考えて、キエフ周辺から軍を撤退させた。この軍隊はキエフを包囲し、その郊外を占領していた。
ロシア軍が撤退するとすぐ、西側の「売春メディア」と政府議会からプロパガンダ(偽の大宣伝)が噴出した。
「ロシア軍は敗北したから撤退し、その敗北に腹を立てて民間人を虐殺した」、アメリカがユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、ソマリア、シリア、ベトナムなどで犯したような、「戦争犯罪を犯した」というのだ。
その違いは、ワシントンが戦争犯罪を犯すことを許されていることだ。なぜなら、ワシントンの犯罪は、民主主義を促進する行為に過ぎず、本当の戦争犯罪ではないからだという。
もう一つの違いは、ワシントンの戦争犯罪は本物であるのに対し、ロシアの戦争犯罪はプロパガンダが作りだしたものだということだ。
とはいえ、無実とはいえ、ロシア人は叩かれて当然だ。なぜなら、彼らはあまりにも愚かで、常に自分たちを悪者に仕立て上げられてしまっているからだ。あれだけのことが起こったのに、交渉の促進を意図したロシアの撤退が、敗北と戦争犯罪として報道されることをクレムリンが理解しなかったということはあり得るだろうか。クレムリンには有能な助言者がいるのだろうか? クレムリンには有能な助言者はいないのだろうか。西側諸国は正直で、事実を正直に報告し、平和的解決に向けたロシアの努力を尊重してくれると考えているようだ。ロシア軍が撤退すれば、プーチンの戦争犯罪の証拠として、死体あるいは死体を演じている人々の姿が西側メディアに流れることを、クレムリンの誰も理解していなかったとは、心外である。
ブルームバーグ・ニュースがなぜ猛烈なロシア嫌いなのかは知らないが、ここにロシアのブチャ撤退に関するブルームバーグの全くの虚偽の報道がある。他の西側メディアも同じかそれ以上である。
(以下は記事からの抜粋)
「世界中を憤怒させたこの民間人の大量虐殺に関して、ジョー・バイデン大統領は、米国と欧州連合がロシアを罰するためにさらなる制裁を検討する中で、ウラジーミル・プーチンを戦争犯罪で裁くべきであると述べた。EUは、ロシアがキエフ周辺から撤退した際に発見された、拷問や処刑の疑惑を含むウクライナの民間人に対する残虐行為を非難した。ウクライナによると、キエフ周辺の町で400人以上の民間人の死体が発見されたという。EUのジョゼップ・ボレル首席外務特使は、27カ国を代表する声明の中で、ブチャの通りに散乱している死体について、占領下のロシア軍を非難した。ロシア当局は、この地域を実効的に支配していた間に行われたこれらの残虐行為に責任がある」と、ボレルは述べた。ブチャの町や他のウクライナの町での虐殺は、これまでヨーロッパの土地で行われた残虐行為のリストに刻まれるだろう」と述べた。
(記事からの抜粋はここまで)
ウクライナは、交渉で降伏条件を検討したとされるのに、ロシアの撤退を、ウクライナの自由戦士によってロシア軍が追い出したウクライナ軍の勝利であると宣言したのである。その宣言は、ロシアの要求に同意するようウクライナに圧力をかけるどころの話ではない。
ロシア政府は、国連安保理にブチャの実情を調査するよう要求しているのに、このこともロシアが、アメリカが支配する国連からまたもやプロパガンダの一撃を受けることになったのだ。
ワシントンの傀儡であるウクライナのゼレンスキー大統領からの、クレムリンがおこなっている交渉を支持する声明は一つもない。クレムリンは、無意味な交渉で戦争に負けることを選んでいるとしか考えられない。だとすれば、なぜクレムリンはさっさと降伏してしまわないのだろうか?
ロシアのウクライナへの介入は、それが適切に行われていれば、いずれ核戦争に発展するロシアへの挑発を終わらせることができたはずだ。しかし、クレムリンは、自分たちの善意を示すことに固執し、悪魔のような西側が事実や善意など気にも留めないことを認識できなかった。 プーチンの善意によるウクライナへの限定的な介入がもたらしたものは、プーチンとロシアの完全な悪魔化であり、アメリカ大統領は、第二次世界大戦後のドイツの将校や高官と同様に、ロシアが無実である証拠があるにもかかわらず、プーチンを戦争犯罪人として裁くよう要求しているのだ。ニュルンベルク裁判と同じように、本当の証拠は必要ないのだ。西側では、娼婦メディアの主張だけが支配的である。
. 現在進行中の戦争はプロパガンダ戦争であり、クレムリンはこの点で完全に負けている。クレムリンの心理作戦の能力のなさは、ロシアの軍事的優位性をほとんど無意味なものにしている。
ワシントンの戦争は冷酷に遂行される。結婚式、葬式、子供のサッカーの試合など、あらゆるものが爆撃され、粉々に吹き飛ばされる。西側諸国は、すべてを吹き飛ばさない戦争を知らないのだ。
ロシアの軍事力を持ってすれば3日で成し遂げられたことが(プーチンが民間人の殺傷を避けるという良心的な戦術のため)今や41日目になっている。NATOによる「ロシアの侵略」というシナリオは初めから決まっており、プーチンの善意は相手側にはロシア軍を無能なものに見せるだけで終わった。
こうして、プーチンによる撤退命令によって、キエフ側の挑発行為を迅速かつ決定的な行動で終わらせるチャンスは失われてしまった。
次の挑発はフィンランドのNATO加盟か、中央アジアでのカラー革命の再挑戦か、それともプーチン、ラブロフ、ショイグが欠席裁判で有罪になる戦争犯罪法廷か。
そんな中、クレムリンはNATOの敵国の経済を維持するために、ガスの輸出を続けているのだ。
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