武漢の研究所で米国が資本を出して行われていた「非常に危険な」研究とは?
武漢の研究所で米国が資本を出して行われていた「非常に危険な」研究とは?
<記事原文 寺島先生推薦>
Deadly bat caves & humanized mice tests: Released docs describe ‘HIGHEST RISK’ involved in US-funded coronavirus research in Wuhan
Russia Today ワールド・ニュース 2021年9月3日
<記事翻訳寺島メソッド翻訳グループ>
2021年10月15日
米国のインターネットメディアである「The Intercept(インターセプト)」社が入手した文書によると、米国政府はこのパンデミックが起こるずっと以前に、武漢におけるコウモリの体内のコロナウイルスの研究に資金を投じていた、とのことだ。その提案書の記載によれば、米国はその研究に携わる研究者たちに感染の危険があることを承知していたようだ。
この研究に関する900頁以上からなる文書が、8月31日に非営利のメディアであるインターセプト社から公表された。この文書は米国の現行の法律である「情報自由法」を根拠に、インターセプト社が米国国立衛生研究所に対して、開示請求した文書の中の一部だった。
この文書が詳細に明らかにしているのは、米国を拠点としたNPO法人である「エコヘルス・アライアンス」という協会の動きだった。この協会は、感染症の予防を専門にしており、コロナウイルスに関して中国の提携団体と共同して、特にコウモリ起源の感染症の予防に関して力を入れていた協会である。
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さらにこの文章が詳しく明らかにしていたのは、エコヘルス・アライアンスが合計310万ドルの補助金を米国政府から受けていたことであり、うち59万9千ドルが武漢ウイルス研究所に流れていた、ということだ。武漢で受け取られた資金は、コウモリ由来のコロナウイルスを特定し、そのコロナウイルスを遺伝子操作することに使用された。そしてそのウイルスは人間に感染する恐れもあった。
エコヘルス・アライアンスのピーター・ダスザック(Peter Daszak)協会長は、その研究の一つを指揮していた。その研究のタイトルは「コウモリからの新しいコロナウイルス発生の危険」だった。この研究の目的は、何千というコウモリを調べて新型コロナウイルスを特定することだった。さらにこの研究の目的には、生きた動物を扱っている人々を調べることも含まれていた。
しかし公表された文書には、その計画によってもたらされる危険が認識されていたことを示唆する内容が記されていた。「フィールドワークを行うことは、SARSなどのコロナウイルスに感染する可能性が最も高い行為である。コウモリが密集し、コウモリの糞尿を吸い込む可能性がある洞窟の中で研究活動を行うことになるからだ」と研究の助成金請求書類には記載されていた。
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「この提案書において、研究者たちが実際に指摘していたことは、この研究活動が非常に危険なものである、ということです。研究者たちは、コウモリにかまれる危険性についてずっと話していました。そしてコウモリにかまれた人についての記録をずっと残していました」と、米国のブロード研究所(the Broad Institute)所属の分子生物学者のアリーナ・チャン(Alina Chan)氏は、この文書の公開を受けて、インターセプト社にこう語っていた。
ほかに明らかになったことは、ヒト化マウス(つまり、人間の細胞や、遺伝子や、組織、さらに器官と同じ機能を持つネズミのこと)を使った実験が、武漢大学の動物実験センターで行われていた事実だった。この実験所のバイオ・セイフティレベルは3だった。そしてこの実験所は武漢ウイルス研究所内にはない実験所だった。ちなみに武漢ウイルス研究所が、中国本土で初めてバイオ・セイフティレベルが4とされた研究所と考えられている。
この研究は、2014年から2019年に行われ、2019年に更新されたが、前トランプ米大統領により中止された。エコヘルス・アライアンスの報道担当ロバート・ケスラー(Robert Kessler)氏は、この件に関して発言できることはほとんどないと語っている。「研究を行うための補助金を出してもらう申請を行っただけです。関連当局が、我々の研究が重要なものであると認めたために、資金を出してくれた、それだけです」とだけケスラー氏は語っている。
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COVID-19に関するすべての情報を公開していないとして、米国は中国を非難しているが、インターセプトによれば、今回の開示された情報の開示請求を米国当局に対して行ったのは遡ること2020年9月のことだったという。
この文書からは、COVID-19が中国の研究所から流出したという決定的な証拠を引き出すことはできていない。しかし、この文章から分かったことは、コウモリ由来のコロナウイルスに関する危険な研究が行われていたという事実である。しかもそれはこのパンデミックが起こる数年前から実施されていたという事実だ。さらに米国はそのような研究が行なわれた事実を把握していただけではなく、その研究に資金まで出していた、という事実である。しかも、ウイルスが動物由来であるとすれば、コウモリがその原因であるとずっと考えられてきたのだ。
世界保健機関の専門家たちは、中国で今年1月にほぼ1ヶ月間かけた調査を行った。その報告書によると2019年に武漢で発生した症例は、「動物由来」であると考えられるということだった。それは「(最初に感染した)多くの人々が、武漢華南海鮮卸売市場に行ったことがある、あるいはそこで働いていた、と答えているから」という話だった。
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中国政府は二度目の調査を行うことを拒絶し、研究所から流出したという説を否定しようとしている。そして逆に、中国は米国の軍の生物兵器研究所の調査を行うよう求めている。
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