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シリアでの戦争に邁進するアメリカ、その背後には何があるのか。

What's really behind America's rush to war in Syria?
John Wight
Published time: 7 Apr, 2017 15:15

http://blog-imgs-102.fc2.com/t/m/m/tmmethod/201704272305156c5.htm

ジョン・ワイトは世界中の新聞やウェブサイトに寄稿している。その中にはインディペンダント、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、ロンドンプログレッシブ・ジャーナル、外交政策ジャーナルがある。彼はまたRTやBBCラジオのレギュラーコメンテーターでもある。ジョンは最近「アラブの春」における欧米の役割を調査した本を書いている。Twitter@JohnWight1でツイートできる。

投稿:2017.4.7 15:15

編集:2017.4.8 9:58


シャイラート軍事空港への米軍ミサイル攻撃の跡 ミハイル・ボスセンスキー/スプートニック

トランプ政権は、国際法や国連に諮ることなく中東のもう一つの主権国家に侵略行動を開始した。つまりそれはネオコンがワシントンの外交政策を支配したことをはっきりさせたのだ。

それは近い将来、ワシントンとモスクワ間の緊張緩和への期待があったのに、その期待を打ち消す侵略行為である。そして中東ばかりでなく東欧においても緊張をかなり増大させていて、NATO軍がロシア領土の射程内で軍事訓練を行っていた。

イドリブでサリン攻撃がされたという恐ろしいイメージがつくり出されて、それに続いてダマスカスを政権転覆しようとするかまびすしい声が、欧米でますます高まってきた。政治家やメディアは、サリン攻撃をシリア政府の責任だと性急に判断している。誰もイドリブで何が起こったか正確には分からない。だからこそ独立した調査が合意され、そして真実のかつ正義の追求が行われるべきなのだ。

しかし私達の最も欺されやすい人だけが、このシリアに対するアメリカの空爆が正義だと信じている。最近モスルでアメリカの爆弾が子どもを含む市民を殺してきたとき声をあげたか。そしてサウジアラビアの残忍なイェメンへの軍事行動が、イェメンの子どもたちに言語を絶する苦痛を与えたことに声をあげたのか。

否、このアメリカの攻撃は、東地中海の戦艦から59発のトマホークミサイルが体制転覆を念頭において発射されたのだ。それは地域全体に深刻な結果をもたらす先例となっただけなのだ。

イドリブの攻撃に関して、我々が確かに言えることは、シリアの親・政府勢力が地上では優勢であり、そしてシリア政府が外交戦において大きな進展を遂げているときに、この種の化学兵器攻撃をすることは、途方もない自傷行為となるのだ。事実それは政府自体を崩壊に導く行動となるのだ。また考慮されなければならないことは、化学兵器禁止機関(OPCW)はアメリカに支援された組織であるが、2014年6月にシリアの化学兵器の全備蓄を破壊する過程が完璧に行われたことを確認したという事実である。

さらに、攻撃のあとイドリブから現れた恐ろしいイメージや証言は、反政府勢力から出たものだ。欧米のジャーナリストや報道記者は誰もイドリブとか他の反政府勢力地域へ敢えて脚を踏み入れようとしなかったし、または実際彼らがそうしたら、たちまち誘拐されか、虐殺されるだろう。

トランプのこの単独介入で、彼は容易に紛争に巻き込まれてしまうことが明らかになった。彼の政府がシリアにおける政権転覆を議題から外し、焦点がテロの打倒になったことを確認した数日後に、彼は空爆を行ったのだ。彼が以前テロの撲滅を外交政策の焦点にしていたのだが、この空爆はテロリズム勢力を勢いづかせるだけだった。

それでは現在はどうか。明らかにこの軍事行動はロシアを極めて難しい立場に置いた。モスクワは2015年9月末にシリア政府の要請で紛争に加わってから、交渉解決に向けてたゆまず働きかけてきた。介入勢力や反対派は、ISISやヌスラなどのサラフ・ジハード過激主義者と関係した穏健派と見なされていたが、それらとの交渉を含んだものだった。しかしすさまじい打撃を受けたのは外交交渉過程なのだ。反対派は、近い将来ワシントンにより体制転覆があるものであり、それゆえ体制転覆に向けて頑張るのだと確信したのだ。

一方、ワシントンの同盟国、イスラエル、サウジアラビア、カタール、トルコ(エルドアンは誰が彼の車の運転席に座ろうともそれについて行こうと決めていた)は、いまやダマスカスに対してさらなる軍事行動を求め始めているようであり、アメリカの空爆でその国の主権を攻撃する好機と見ている。

トランプ自身に関しては1月就任以来ワシントンのメディアや政治組織や情報機関から並外れた圧力をかけられてきたが、この空爆で必要とされた承認を得て、これで小休止ができるだろう。彼の政府はしばらく不吉な兆候があった。それは2月国家安全保障補佐官のマイケル・フリンの強制辞任で始まり、大統領の国家安全保障会議からスティーブ・バノンの最近の退任まで続いている。さらなる兆候は、ネオコンが短期間に、しかも強力な権力闘争の後ホワイトハウスを支配したことである。


'President's order to the Navy is FIRE': US launches airstrikes on Syria・・・

より広く言えば、ワシントンの健忘症はぐらつき始めているように見える。イラクの破滅的なアメリカ侵略から14年、それはISISや他のサラフ・ジハード主義者グループを登場させた地獄の門を開けるのに成功しただけだ。そしてリビアを破綻国家に変えた6年後、途方もない規模で難民危機を勃発させた過程で、我々はここに、アメリカによる中東の主権国家に対するもう一つの侵略行為を見ることになる。

その国を救うといってその国を破壊することはかってどの帝国にもあった話である。どの帝国もその内部に破壊の種を持っている。ドナルド・トランプはアメリカを救うというより、究極的崩壊への道を早めているだけかも知れない。

「ローマはささやかな始まりから成長したが、今やそれ自身の巨大さに圧倒されている。」

このコラムで書かれた声明や見解はもっぱら著者のものであり、必ずしもRTの意見を表すとは限りません。

記事原文
https://www.rt.com/op-edge/383935-syria-us-attack-idlib/


イドリブでの化学兵器はISIS側の貯蔵庫から出たものとロシア側は主張


イドリブで4月4日化学兵器が使われた
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