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NATOの言説に異議を唱えるものは「情報テロリスト」と見なされる

<記事原文 寺島先生推薦>
Journalists Who Challenge NATO Narratives Are Now ‘Information Terrorists’

NATOの言説に異議を唱えるものは「情報テロリスト」と見なされる。

筆者:ヴァネッサ・ビーリー(Vanessa Beeley)

出典:INTERNATIONALIST 360°

2022年8月22日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月25日


Google Plus 2019に集結するナチ

 先日、ウクライナの国家安全保障・防衛会議において、米国国務省主催の「偽情報への対抗」に関する円卓会議が開催された。

 「情報テロリストたちは、戦争犯罪人として法の適用を受けることになることを知るべきだ」 とアンドレイ・シャポヴァロフ(Andrii Shapovalov)。

 記者発表によると - 「NGO、マスメディア、国際的な専門家」がこの円卓会議の議論に参加した。代表者たちは、ウクライナや海外で使用されている「偽情報の手法」について議論した。議題となったのはサイバーセキュリティの文脈における偽情報とデマ」の法的・国家的防止だ。

 ウクライナ偽情報対策センター代表のアンドレイ・シャポヴァロフは、「偽情報を意図的に流す者は情報テロリストである」と強調した。シャポヴァロフは、こうしたテロリストを取り締まるための法改正を提言した。これは、第2次世界大戦前のナチス・ドイツのメディアやラジオの情報チャンネルに対する弾圧を彷彿とさせるものだ。シャポヴァロフは、「情報テロリストたちは、戦争犯罪人として法の適用を受けることになることを知るべきだ」と断定したのだ。

 ウクライナにおけるNATOの代理戦争に対する国民の支持を維持するためには、反対意見の圧殺が不可欠であることは言うまでもない。ロシアのメディアは、西側が支配するインターネット圏からすでに一掃されている。悪名高いミロトフォレッツ(Myrotvorets)のようなウクライナの「殺害リスト」には、勇気あるカナダの独立ジャーナリスト、エバ・バートレットや、はっきりとした物言いをするピンクフロイドの共同創設者ロジャー・ウォーターズがすでに含まれている。

 バートレットはまた、元英国保守党議員のルイーズ・メンシュ(Louise Mensch)がツイッターに個人情報を流したことで、ドネツクにいることをウクライナの特殊部隊に知られてしまったのだ。数日後、バートレットを含む複数のジャーナリストが宿泊していたドネツクのホテルが攻撃されたが、これは偶然の一致だろうか?

 ドイツ人ジャーナリストのアリーナ・リップ( Alina Lipp)は、ウクライナのナチス軍がドネツクとルガンスクの市民に対して日々行っている残虐行為を報道したことで、ドイツ政府から事実上の制裁を受け、起訴すると脅されている。リップはニュースサイトのStalkerzoneにこう語った:

 「ドイツ政府は私の銀行口座を閉鎖しました。そして、父の口座も閉鎖されました。1ヶ月前、私の口座から1,600ユーロのお金が消えているのに気づきました。ドイツで何かが起こっているのだと思いました。数日前、検察庁から通知があり、ロシアの特殊作戦を支援したことで刑事事件として立件されたとの通知を受けました。ドイツでは、特殊作戦は犯罪とみなされ、私も犯罪者ということです。3年の禁固刑か巨額の罰金が待ち受けています。」

 英国人ジャーナリストのグラハム・フィリップス( Graham Philips)は、いかなる調査もなく、フィリップスに「回答する権利」が与えられることもなく、英国政権によって違法に制裁を加えられた。この彼の人権侵害に関するほとんどの主流メディアの報道は、フィリップスを「最も突出した親クレムリンのオンライン陰謀論者の一人」と表現している。NATOと連携しているメディアは、異議を唱える声の人間性を奪い、信用を落とすために、おなじみの中傷を展開するのである。

 フィリップスは、他の多くの標的とされているジャーナリストと同様に、2014年にワシントンのビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)が仕組んだクーデター以来、NATO代理人のウクライナ・ナチスと超民族主義勢力による残忍な民族浄化の脅威にさらされているドンバスに住んでいる。

 これらのジャーナリストたちは、8年間も恐ろしい戦争犯罪、拷問、拘留、迫害を受けながら、西側から無視されてきたロシア語を話すウクライナ人の声を発信している。このため、彼らは今、「情報テロリスト」に指定されようとしている。NATO加盟国によって認可されたテロリズムを暴露しているからである。

 英国では、Molfar Globalのような組織が生まれている。この組織が操る「オークの書」プロジェクトは、200人のボランティアと称する者を雇って、「ロシア(オーク)の戦争犯罪者」を特定し、法的な「殺害リスト」を作成させる、というものだ。「オーク」という用語も、もうひとつの非人道的なやり方だ。ロシアの市民と軍人を空想上のSFの怪物に変換することで、ロシア人であることやロシア語を話すことを理由に彼らを黙らせ、罰するために取られた措置を西側諸国民に柔軟に受け止めさせようというのだ。この組織はウェブサイトのホームページでこう言っている:

  「ロシア人占領者はすべて特定され、法律に従って罰せられなければならない。戦争犯罪や人道に対する罪には時効がない。それが、我々がすべてのロシア人占領者を見つけ出し、彼らが正義から逃れるのを防ぐことを目標にする理由なのだ。」

 誰がリストに載せるべき人間を決定するのか? 誰が彼らの運命を決定するのか? どんな正義があるのか? ウクライナのような腐敗が染み付いた国では、反体制派や野党や政府に反対するメディアの処刑や失踪が日常茶飯事だ。「オークのヒットリスト」に載っている人たちに対して取られた措置の責任は誰が取るのだろうか? これは、アメリカの「ルールに基づくグローバル・ガバナンス」の傘下にある無法な正義だ。従うか死ぬかの二者択一である新たに提出されたこの法律によって、あなたの死や国家による暗殺が合法的なものになるのだ。

訳注:グローバル・ガバナンス・・世界で起こる多様な問題に対して、一国では解決できない問題を、その地域や国境を越えて解決する、政治的相互作用のこと

 円卓会議の主催者は、国家安全保障サービスアカデミー、米国国務省/国防総省出資の民間研究開発基金(CRDF Global Urkaine)、国際情報アカデミー、米国国務省系ナショナルサイバーセキュリティクラスターである。

 米国と英国が支配する情報機関の触手は、それぞれの政権の①抑圧的な国内政策と②他国との永久戦争を目的とする外交政策、に対する反撃を絞めつけようと、ますます深く社会に広がっている。私たちは皆、攻撃を受けている。この連鎖を断ち切り、反撃を開始しなければ、ジュリアン・アサンジと同じ運命に直面することになるのだ。

 帝国主義戦争、人種差別、ナチズム、テロリズム、暴力的過激主義、健康のグローバル独裁権力、技術者至上主義、他人を食い物にする階級エリート主義、そして医薬品に支配された優生学に反対すれば、私たちは「テロリスト」となる。私たちは皆、「テロリスト」なのだ。
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