ウクライナへの武器支援により、ドイツは自国用武器が枯渇
<記事原文 寺島先生推薦>
Germany warns of ‘absolute deficit’ in weapons stocks
Country may have to reorientate manufacturing, chief diplomat suggests
(ドイツは武器の在庫が「枯渇している」と警告。
ドイツは武器製造の方向性の転換が必要になる可能性を外相が示唆。 )
出典:RT
2022年8月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年9月19日
装甲兵員輸送車の前に立つドイツ兵© AFP / Axel Heimken
ドイツの武器の在庫量が少なくなる中、ドイツの防衛産業はウクライナに特化した武器の製造をすべきだ、とアナレーナ・ベアボック(Annalena Baerbock)ドイツ外相は語った。
8月24日(水)のドイツの公共放送局であるZDF放送局とのインタビューの中で、同外相はキエフ当局がロシアとの戦争に勝利できるかについて問われた。
「それは分かりません」と同外相は答えたが、ベルリン当局は、ウクライナを救うためには「可能なことならなんでもする所存です」と約束した。しかしベアボック外相は、ドイツがキエフ当局に武器を供給することがますます困難になっていることは認識していた。それはドイツが、自国用の装備の不足に苦しんでいるからだ。
「残念なことですが、今は我が国の武器の在庫が完全に不足した状況にあります」と緑の党所属の同外相は語った。
従ってドイツの防衛産業は、「ウクライナに特化した武器を製造すべき」であり、ドイツの兵器庫にある武器を供給すべきではない、とした。
関連記事:German military stock at its limit after supplying Ukraine – Der Spiegel
ベアボック外相によると、ウォロデミル・ゼレンスキー政権が更なる武器を求めていることは理解できるが、ベルリン当局は将来のことも頭に入れるべきだ、とのことだった。そしてドイツはウクライナでの戦争が2023年も継続されることを見越しておくべきだ、とも警告した。
ドイツのIris-T短距離空対空ミサイルがここ数週間のうちにキエフ当局に送られ、この先今年の終わりまでに、さらなる武器が送り込まれる見込みであるため、「ウクライナはこれらの武器を使って自衛に耐えうるでしょう」と同外相は述べた。
6か月前から、ロシア軍によるウクライナでの軍事作戦が開始されて以来、ドイツのオラフ・シュルツ(Olaf Scholz)首相は、ウクライナと約束していた武器を送ることに後ろ向きであることに対して批判を浴びてきた。
ベルリン当局がこれまで供与してきたのは、大砲や肩から発射するロケット弾や対空自走砲だが、ウクライナ当局が要求している、より洗練された対空システムや砲兵レーダー装置の供与には踏み切っていない。
関連記事:Scholz promises Kiev more weapons ‘soon’
先週シュルツ首相は、ベルリン当局はキエフ当局に対して、「多くの武器」を供与しており、この先も供与し続けることを再確認していた。しかし同首相は、「ウクライナでの戦争が激化しないこと」こそ、最も求めていることだ、と強調した。
8月23日(月)、ドイツ国防相は声明を出し、自国用に必要な在庫量を削減することなく、ウクライナ当局に供与できる武器の量が「限界に達した」とした。2月24日にロシアがウクライナに軍を進めたのは、ウクライナがミンスク合意を受け入れず、ウクライナ国内において、ドネツクとルガンスクの特別自治を了承しなかったためだとしていた。ドイツとフランスが仲介に入ったこのミンスク合意は2014年に初めて署名された。ウクライナのピョートル・プロシェンコ元大統領は、キエフ当局の主な目的は、休戦を利用して、時間を稼ぎ、「強力な軍事力を用意すること」だったという事実を認めている。
2022年2月、クレムリン政権は、ドンバス人民共和国を独立国家として承認し、ウクライナに対して、自国が中立国であり、西側軍事同盟には加入しないと宣言するよう要求した。いっぽうキエフ当局は、ロシアによる攻撃は全くいわれのないものであると主張している。
Germany warns of ‘absolute deficit’ in weapons stocks
Country may have to reorientate manufacturing, chief diplomat suggests
(ドイツは武器の在庫が「枯渇している」と警告。
ドイツは武器製造の方向性の転換が必要になる可能性を外相が示唆。 )
出典:RT
2022年8月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年9月19日
装甲兵員輸送車の前に立つドイツ兵© AFP / Axel Heimken
ドイツの武器の在庫量が少なくなる中、ドイツの防衛産業はウクライナに特化した武器の製造をすべきだ、とアナレーナ・ベアボック(Annalena Baerbock)ドイツ外相は語った。
8月24日(水)のドイツの公共放送局であるZDF放送局とのインタビューの中で、同外相はキエフ当局がロシアとの戦争に勝利できるかについて問われた。
「それは分かりません」と同外相は答えたが、ベルリン当局は、ウクライナを救うためには「可能なことならなんでもする所存です」と約束した。しかしベアボック外相は、ドイツがキエフ当局に武器を供給することがますます困難になっていることは認識していた。それはドイツが、自国用の装備の不足に苦しんでいるからだ。
「残念なことですが、今は我が国の武器の在庫が完全に不足した状況にあります」と緑の党所属の同外相は語った。
従ってドイツの防衛産業は、「ウクライナに特化した武器を製造すべき」であり、ドイツの兵器庫にある武器を供給すべきではない、とした。
関連記事:German military stock at its limit after supplying Ukraine – Der Spiegel
ベアボック外相によると、ウォロデミル・ゼレンスキー政権が更なる武器を求めていることは理解できるが、ベルリン当局は将来のことも頭に入れるべきだ、とのことだった。そしてドイツはウクライナでの戦争が2023年も継続されることを見越しておくべきだ、とも警告した。
ドイツのIris-T短距離空対空ミサイルがここ数週間のうちにキエフ当局に送られ、この先今年の終わりまでに、さらなる武器が送り込まれる見込みであるため、「ウクライナはこれらの武器を使って自衛に耐えうるでしょう」と同外相は述べた。
6か月前から、ロシア軍によるウクライナでの軍事作戦が開始されて以来、ドイツのオラフ・シュルツ(Olaf Scholz)首相は、ウクライナと約束していた武器を送ることに後ろ向きであることに対して批判を浴びてきた。
ベルリン当局がこれまで供与してきたのは、大砲や肩から発射するロケット弾や対空自走砲だが、ウクライナ当局が要求している、より洗練された対空システムや砲兵レーダー装置の供与には踏み切っていない。
関連記事:Scholz promises Kiev more weapons ‘soon’
先週シュルツ首相は、ベルリン当局はキエフ当局に対して、「多くの武器」を供与しており、この先も供与し続けることを再確認していた。しかし同首相は、「ウクライナでの戦争が激化しないこと」こそ、最も求めていることだ、と強調した。
8月23日(月)、ドイツ国防相は声明を出し、自国用に必要な在庫量を削減することなく、ウクライナ当局に供与できる武器の量が「限界に達した」とした。2月24日にロシアがウクライナに軍を進めたのは、ウクライナがミンスク合意を受け入れず、ウクライナ国内において、ドネツクとルガンスクの特別自治を了承しなかったためだとしていた。ドイツとフランスが仲介に入ったこのミンスク合意は2014年に初めて署名された。ウクライナのピョートル・プロシェンコ元大統領は、キエフ当局の主な目的は、休戦を利用して、時間を稼ぎ、「強力な軍事力を用意すること」だったという事実を認めている。
2022年2月、クレムリン政権は、ドンバス人民共和国を独立国家として承認し、ウクライナに対して、自国が中立国であり、西側軍事同盟には加入しないと宣言するよう要求した。いっぽうキエフ当局は、ロシアによる攻撃は全くいわれのないものであると主張している。
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