■ 独自の処分や進退を明言せず。パワハラ疑惑で活動を自粛していたチョウ・キジェ監督に対してJリーグは10月4日(金)に「パワハラがあったこと」を発表。Jリーグはチョウ・キジェ監督に対して「公式戦5試合の出場資格停止処分とけん責処分」を下した。この5試合には自粛期間も含まれると説明されているので形式的には次の10月6日(日)に行われた28節の川崎F戦(H)でチョウ・キジェ監督が現場に復帰することも可能な状況になった。
もちろん、ずっと活動を自粛していた監督が試合前日となる10月5日(土)にチームに再合流して次の日に指揮を執ることはあり得ない。次の試合もこれまでどおりで高橋健二コーチが指揮を執ることになると思うがJリーグからの処分決定を受けてチョウ・キジェ監督などクラブの関係者が出席をして記者会見が行われた。平塚市内で行われたが「クラブ幹部は独自の処分や進退を明言しなかった。」と報じられている。
もともと夜に会見が行われる予定になっていた。昼の時点で詳細と処分内容が発表されたので「クラブとしてどういう対応をするのか?」が注目されていたが「辞任 or 退任 or 解雇」というのが大方の見方だった中、「ひとまず保留」という形になった。これは驚きである。「正式にパワハラと認定されたこと」、「パワハラのエグイ内容」、「Jリーグからの甘い処分内容」に続いて本日4つ目の驚きのニュースとなった。
■ 検討の余地は全くない。湘南の眞壁会長は今後の処分や進退について「皆さんご存知のようにチョウ監督のサッカーは選手・スタッフだけでなく、チョウ自体のパワーが生まれないようでは指揮を取れない。この通知を受けて難しい状況に向き合って検討していきたい。」とコメントしたと報じられているが、「これほどのパワハラが発覚した以上、検討の余地は全くない。」と個人的には考える。即、決断できないクラブはさすがにマズ過ぎる。
チョウ・キジェ監督が湘南での7年半で残した成績は素晴らしい。チョウ・キジェ監督が現場を離れた後、J1のリーグ戦では5試合勝ちなしと苦労していることを考えると「J1に残留するためにはチョウ・キジェ監督でなくてはダメ。」と考える人がクラブ内部にいてもおかしくはないと思うが今回のパワハラの内容を考えると「続投」というのはあり得ないレベルの話である。湘南で現場復帰できる可能性はゼロに等しい。
パワハラ問題は「どこまでがOKで、どこ以上がOUTなのか?」の線引きが非常に難しい。ちょっとしたすれ違いが原因で「パワハラをされた。」と被害者が訴えるケースもあると思うが今回は「明らかな黒」である。会長を含めたクラブの関係者は「何があったのか?」を知っていたはずである。パワハラ問題がメディアで報じられてからの湘南のクラブとしての対応は最悪に近い。あまりにも酷い対応の仕方であると思う。
■ サポーターは肯定するのか?否定するのか?「Jリーグからの処分とは別にJFAから処分が下されるのでは?」という見方もある。この場合は「
JFAの懲罰規程」に基づいて処分が下されることになると思うが明らかになっていることだけを当てはめても「無期限又は永久的なサッカー関連活動の停止・禁止、除名」に相当することを否定するのは難しい。今回、Jリーグの下した処分はかなり甘かったがこれとは別にJFAから重い処分が下されることも十分に考えられる。
今回、残念だったのはJリーグの村井チェアマンの言動である。「十分な社会的制裁を受けている。」、「反省していただき、再起をしていただきたい。」というコメントは、今、言うべきことでは全くない。再起不能レベルまで追い込むことは、当然、適当ではないが、「十分な社会的制裁を受けている。」とは言い難い。村井チェアマンはかなり有能なチェアマンなのでこのコメントにがっかりした人は多いだろう。
パワハラ問題が発覚してからの一連のクラブ側の対応を見ると「自浄作用は全くない。」と言うしかない。第3者的な立場の人間からするとパワハラ問題が起こったことと同じくらい湘南のクラブとしての対応に不信感を抱く。本当に深刻な問題と捉えているのであればクラブとしてもっと早く、そして、誠実に対応できた。あまり適切な言い方ではないと思うが「関わっている人の多くが狂っている。」と感じてしまう。
■ サポーターはどういう反応をするのか?何か問題が発覚したときには「どういう対処をするのか?」が問われる時代になっているが今回の対応はマズい。Jリーグならびにサッカー界全体のイメージを大きく損なう大きな問題になってしまったが10月6日(日)に行われる川崎F戦(H)で湘南のコアなサポーターがどういう反応を示すのか?が注目される。先のとおり、この試合で現場に復帰することはあり得ないがサポーターは何かしらの意見を表明するだろう。
横断幕を掲げて意思を表明することになると思うが「チョウ・キジェ監督の復帰を歓迎(期待)する意味の横断幕を掲げるのか?」、「クラブ側の自浄作用が全くないことを批判する横断幕を掲げるのか?」でクラブの未来は大きく変わる。1つ前の清水戦(H)で大敗しているので厳しい状況の中で迎える「処分発表後の最初の試合」になるが「復帰を歓迎 or 期待する横断幕」を掲げるようだと批判の声は大きくなるだろう。
クラブ全体が良からぬ方向に進んでいる中、正常なルートに戻せるだけのパワーを持っているのは湘南のサポーターのみである。この内容の報告書を受けてそれでもサポーターがチョウ・キジェ監督の復帰を歓迎したり、期待するようだと湘南は少なくともJリーグのクラブとしては終わりである。日曜日の試合開始までにさらに新しい情報が出てくる可能性もあるが湘南のサポーターはどういうメッセージを出すのだろうか?
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