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カーター・ディクスン『青銅ランプの呪』(創元推理文庫)
エジプトの遺跡から発掘された青銅のランプ。そのランプには持ち主が消失するという呪いがかけられていた。しかし、発掘した考古学者セヴァーン卿やその娘のヘレンはそんな噂を信ずることなく、ヘレンはイギリスに持ち帰ることにする。そしてヘレンが自宅に入った瞬間、彼女の姿は忽然と消失してしまったのだ……。
カーター・ディクスンの『青銅ランプの呪』は人間消失をテーマにした作品だ。カーがエラリー・クイーンと一晩語り明かしたときに、推理小説の発端として「人間消失」に勝るもの無しという意見の一致をみたことから生まれた作品であるという。
で、それを実践した『青銅ランプの呪』だが、恥ずかしながら私はきれいにだまされてしまいました(苦笑)。だからといって本書が傑作かというと、決してそんなことはなくて(笑)。トリックそのものは「なんだ」という感じだし、伏線も丁寧に張ってあるので、おそらくはかなりの人が謎を解き明かしてしまうのではないだろうか。
言い訳を承知で書くと、私が見破れなかったのは、本書がなかなか面白く読ませるからに他ならない。一応、オカルト趣味ではあるが、その実、コミカル度も非常に高く、H・M卿とマスターズの掛け合いや、ベンスンとの写真自慢合戦など、とにかく楽しい。トリックはイマイチながら、個人的には悪くない一冊だと思う。
カーター・ディクスンの『青銅ランプの呪』は人間消失をテーマにした作品だ。カーがエラリー・クイーンと一晩語り明かしたときに、推理小説の発端として「人間消失」に勝るもの無しという意見の一致をみたことから生まれた作品であるという。
で、それを実践した『青銅ランプの呪』だが、恥ずかしながら私はきれいにだまされてしまいました(苦笑)。だからといって本書が傑作かというと、決してそんなことはなくて(笑)。トリックそのものは「なんだ」という感じだし、伏線も丁寧に張ってあるので、おそらくはかなりの人が謎を解き明かしてしまうのではないだろうか。
言い訳を承知で書くと、私が見破れなかったのは、本書がなかなか面白く読ませるからに他ならない。一応、オカルト趣味ではあるが、その実、コミカル度も非常に高く、H・M卿とマスターズの掛け合いや、ベンスンとの写真自慢合戦など、とにかく楽しい。トリックはイマイチながら、個人的には悪くない一冊だと思う。
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