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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター"

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    09 15, 2022
カーター・ディクスン『恐怖は同じ』(ハヤカワミステリ)
 カーター・ディクスン名義としては唯一の歴史ミステリであり、また、カーター・ディクスン名義最後の作品となる『恐怖は同じ』を読む。カーの歴史ミステリでは『ビロードの悪魔』とまではいかないが、比較的人気の高い作品ではなかろうか。 こんな話。1975年のある夜のこと、伯母に連れられてグレナボの四代目伯爵フィリップに会うことになったジェニファ。だが彼女はフィリップに初めて会ったはずなのに、その面影に記憶があっ...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    04 07, 2022
カーター・ディクスン『騎士の盃』(ハヤカワ文庫)
 カーター・ディクスンの『騎士の盃』を読む。H・M卿(ヘンリー・メリヴェール卿)もの最後の作品である。まずはストーリーから。 マスターズ警部の元へ相談にきたブレイス卿夫人のヴァージニア。彼女は夫のトムとテルフォード館で暮らしており、家には十七世紀に作られた「騎士の盃」が代々伝わっていた。普段は銀行の金庫に保管されているが、その日は展覧会の都合で、テルフォード館の一室に安置されていたという。ところが、...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    01 10, 2022
ジョン・ディクスン・カー『ビロードの悪魔』(ハヤカワ文庫)
 ジョン・ディクスン・カーの『ビロードの悪魔』を読む。カーの歴史ミステリの中でも、というかカーの全作品の中でもトップクラスに入るといわれる作品で、実際、これは抜群に面白かった。 こんな話。歴史学者のニコラス・フェントンは、悪魔と契約を交わして三百年前の英国にタイムスリップし、同姓同名の貴族に乗り移った。その一ヶ月後に起こるはずの妻の毒殺事件を阻止しようというのだ。しかし、時は名誉革命前夜の1678年。...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    04 04, 2021
カーター・ディクスン『赤い鎧戸のかげで』(ハヤカワ文庫)
 久しぶりのカー読破計画一歩前進。カーター・ディクスンのH・M卿ものから『赤い鎧戸のかげで』。 まずはストーリー。静かに休暇を過ごそうと、モロッコのタンジール空港に降り立ったH・Mことヘンリー・メリヴェール卿。ところが彼の名はこのモロッコの地においても広く知れ渡っているようで、地元の警察に盛大に迎え入れられる。 ただし、その盛大な歓迎にはある事情があった。ヨーロッパ各地を騒がせている有名な宝石泥棒“ア...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    04 30, 2011
ジョン・ディクスン・カー『ニューゲイトの花嫁』(ハヤカワ文庫)
 久々にジョン・ディクスン・カーを読了。ものは『ニューゲイトの花嫁』。 物語の舞台は十九世紀初頭のロンドン。英国史上、最も悪名高いと呼ばれるニューゲイト監獄に、殺人容疑で死刑を待つ男がいた。男の名はダーウェント。実は身に覚えのない罪で投獄され、もはや罪を晴らす手段もなく、諦めの境地で日々が過ぎる。 その彼を訪ねてきた一人の令嬢キャサリン。彼女は祖父の遺産を継ぐため、遺言どおり二十五歳前に結婚しよう...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    06 01, 2009
ジョン・ディクスン・カー『毒のたわむれ』(ハヤカワミステリ)
 バンコランと別れてアメリカへ戻ったジェフ・マールは、若い頃世話になったクエイル判事のもとを訪れた。だがマールの面前で、判事は毒を盛られて殺されそうになり、さらには判事の妻も命を狙われる。だが互いに牽制し合い、事を明るみにしようとしない家族。そこにはかつてマールが知っていたクエイル家の面影はない。彼らの確執を生んだものは果たして何なのか。判事とその妻、五人の兄姉。家族以外の誰かが犯人とは思えない状...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    03 03, 2007
ジョン・ディクスン・カー『疑惑の影』(ハヤカワ文庫)
 ジョン・ディクスン・カーの『疑惑の影』を読む。ギデオン・フェル博士物であり、かつ後に『バトラー弁護に立つ』で主役を張るパトリック・バトラーの初登場作品でもある。とはいってもバトラーは本書でも十分に主役であり、ギデオン・フェル博士の影が薄いのがちと残念。それはともかくこんな話。  テイラー夫人が毒殺され、容疑は夫人の話し相手として雇われていたジョイス・エリスに向けられた。逮捕され、有罪確定かと思わ...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    02 27, 2007
ジョン・ディクスン・カー『眠れるスフィンクス』(ハヤカワ文庫)
 ジョン・ディクスン・カーの『眠れるスフィンクス』を読む。 ドナルド・ホールデンは戦死を装って行動していた元政府諜報機関の一員である。任務を終え、晴れてイギリスに帰国した彼の胸中を占めていたのは、かつて愛していながら結ばれることの無かった女性、シーリアのことだった。ホールデンはシーリアの姉マーゴットと結婚した友人ソーリイのもとを訪れたが、再会の喜びに浸るまもなく、そこでマーゴットの死、そしてシーリ...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    01 20, 2007
ジョン・ディクスン・カー『幻を追う男』(論創海外ミステリ)
 久々に買い物がてら横浜までドライブ。国分寺からだと2時間あまりの道のりだが、往きで初雪が舞い始め、ちょっと焦る。まあ、途中で止んだからよかったが。 前日はちょっと胃にもたれるものを読んでしまったので、本日は徹底的に娯楽としての殺人に臨むことにする。ものはジョン・ディクスンン・カーのラジオ・ドラマ・シナリオ集『幻を追う男』。 表題作の「幻を追う男」はかつて『EQ』に掲載された作品を訳し直したもので、...

Category: 海外作家 カー, ジョン・ディクスン、ディクスン, カーター    06 14, 2006
ジョン・ディクスン・カー『悪魔のひじの家』(新樹社)
 ジョン・ディクスン・カーの晩年の作、『悪魔のひじの家』を読む。 イングランド南東部に、その地形から名付けられた「悪魔のひじの家」と呼ばれる邸宅があった。ニック・バークリーはその屋敷と財産を相続することになり、アメリカから帰国。旧友の歴史家ガレットとともに屋敷へ向かった。だが、二人が屋敷に着くやいなや、一発の銃声が鳴り響く……。 歴史物を書いていたカーが、久しぶりに発表したフェル博士ものの本格。カー...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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