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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 梶龍雄"

Category: 国内作家 梶龍雄    09 02, 2023
梶龍雄『葉山宝石館の惨劇』(徳間文庫)
 梶龍雄の『葉山宝石館の惨劇』を読む。「トクマの特選!」で先ごろ、復刊されたばかりの一冊。まずはストーリーから。 かつては勘当同然の身だった帆村財閥の異端児、帆村建夫。その彼が財産を受け継ぎ、葉山に作ったのが趣味の生かした宝石館だった。博物館以外にもゲストハウスなどを揃えたその宝石館に、五人の男が招待された。迎えるは建夫の娘、長女の光枝と次女の伊津子の二人。しかし、招待客のうち伊津子の恋人以外は、...

Category: 国内作家 梶龍雄    04 11, 2023
梶龍雄『若きウェルテルの怪死』(講談社ノベルス)
 「トクマの特選!」が今月は『若きウェルテルの怪死』を復刊するというので、手持ちの中から掘り出してひと足お先に読んでみる。 こんな話。若手編集者の“私”は、上野近辺の小さな飲み屋で金谷という老人と知り合いになり、ある時、若い頃に推理小説になりそうな体験をしたと聞かされる。その頃の日記があるというので、“私”はさっそくそれを読ませてもらったが……。 ということで、本編では金谷青年が語り手となり、ある事件の...

Category: 国内作家 梶龍雄    03 08, 2023
梶龍雄『清里高原殺人別荘』(徳間文庫)
 一時期は梶龍雄作品も集中して読んでいたが、あまりに入手難が多すぎていつの間にか中断してしまった。もちろんネット上で探せばあるにはあるが、バカみたいにプレミアがついてしまっている。 思えば不遇な作家で、必読級の作品がいくつもあるというのに、生前はそこまでブレイクすることもなく、没後はそれなりに再評価が進んだかと思いきや、すでにほとんどの作品が絶版品切れという状態。おかげで古書価は暴騰。乱歩賞を取っ...

Category: 国内作家 梶龍雄    07 29, 2017
梶龍雄『リア王密室に死す』(講談社ノベルス)
 梶龍雄の『リア王密室に死す』を読む。こんな話。 舞台は戦後間もない京都。個性豊かな旧制三高の面々は、勉学に遊びにと、それぞれのエネルギーを注いでいた。そんなある日のこと、リア王という綽名での三高生・伊場が、密室状態となった下宿先で死体となって発見される。 容疑は部屋の鍵を持っており、アリバイがはっきりとしない同居者のボン・木津武志に向けられたが、三高の仲間たちは武志の無実を信じ、推理を巡らせる。...

Category: 国内作家 梶龍雄    06 11, 2017
梶龍雄『連続殺人枯木灘』(トクマノベルズ)
 久々に梶龍雄を一冊。ものは『連続殺人枯木灘』。 太平洋戦争末期のこと。焼津港から前線に向かう貨物船が消失した。陸軍司令部からの密命を受け、新開発の武器や研究員を積載していたが、その存在も極秘にされていたため、敵潜水艦あるいは機雷による沈没と判断され、その事実も歴史に埋もれていった。 それから三十年後。和歌山県枯木灘の山中で、ある昆虫マニアが何者かに襲われて命を落とす事件が起こる。友人の宇月与志雄...

Category: 国内作家 梶龍雄    06 12, 2015
梶龍雄『殺人リハーサル』(講談社)
 梶龍雄の長篇八作目にあたる『殺人リハーサル』を読む。まずはストーリーから。 芸能週刊誌記者の栗田は今やテレビのワイドショーレポーターも務める売れっ子。そんな彼の元にお互いが駆け出しの頃に懇意にしていた演歌歌手、川村鳥江から連絡が入る。ムショ上がりの松森という男から電話があったことで相談したいというのだ。 栗田には思い当たる節があった。かつて鳥江が売り出し中の頃、刑務所に服役する松森からファンレタ...

Category: 国内作家 梶龍雄    09 07, 2014
梶龍雄『殺人者にダイアルを』(徳間文庫)
 梶龍雄の『殺人者にダイアルを』を読む。 『天才は善人を殺す』に登場した探偵小説マニアの大学生グループが活躍するシリーズの続編である。『天才は善人を殺す』がいまひとつだったので、本作も最初からあまり期待はしていなかったのだが、さて、その結果は? 三十三歳の若さで銀行の副支店長を務めていた間宮信夫が、軽井沢で服毒自殺をした。時を置かずして、恋人の上草千秋までもが東京で後追い自殺を図る。銀行での横領事...

Category: 国内作家 梶龍雄    04 19, 2014
梶龍雄『ぼくの好色天使たち』(講談社文庫)
 コロンビアの作家ガルシア=マルケス氏が亡くなったようだ。先月から急に調子が悪くなり、しばらく入院したのち、自宅静養を続けていたらしい。八十七歳という年齢では致し方ないところもあるだろうが、それにしても残念。 文学史に大きな足跡を残したことは言うまでもないのだけれど、日本でも南米文学やマジックリアリズムのブームを巻き起こし、ご多分に漏れず管理人も脳みそをぐちゃぐちゃにされた口である。あの頃は確か筒...

Category: 国内作家 梶龍雄    10 05, 2013
梶龍雄『龍神池の小さな死体』(ケイブンシャ文庫)
 トム・クランシーが10月1日に亡くなった。『レッド・オクトーバーを追え』で華々しくデビューし、あっという間に世界的ベストセラー作家に登りつめたことはまだ記憶に新しいが、その最大の功績はハイテク軍事小説とでもいうべきジャンルを確立させたことにある。 もちろん彼の登場以前にも軍事小説は多く書かれていたが、それらはあくまで冒険小説としての側面が強かった。トム・クランシーはそこに情報小説というエッセンスを...

Category: 国内作家 梶龍雄    08 17, 2013
梶龍雄『天才は善人を殺す』(徳間文庫)
 久々に梶龍雄を一冊。長篇第四作目にあたる『天才は善人を殺す』。 芝端敬一の父は会社で服毒自殺をして亡くなった。親戚から借金をした直後に大金を騙し取られたことが原因だと思われた。父の後妻であり、敬一には義母となるめぐみは、その死を忘れるため、敬一に金を騙し取った犯人を一緒に捜してくれるよう懇願する。 義母にほのかな恋心を抱いていた敬一は、大学の友人であるお京や四辻、探偵小説マニアの高村らと調査に乗...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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