尾道洄游 天寧寺と千光寺
1月25日に115系湘南色2編成を用いた『展示会』が行われました。
59人の参加者がいたようですが、申し込み開始と同時に知り合いらで突撃するも誰も買えず。
年越し後のキャンセル分も買い逃し、唇を噛み締めながら出社して気を紛らわせるのでした。
お気持ち表明記事で「クリアテールの上に赤いセロハンでも貼ってくれれば」と書きましたが、D-27のクモハ側に限り復元をしてくださったようですね。
ワイパー換装や白Hゴム化まで仕上げるのは予想外でしたが、来る翌週の廃車回送ツアー(本線上)では拝めないことでしょう。
あくまで『展示会』ですし、細部にまで行き届いたイベントというのはJRWでは望めないことなのかもしれません。
それでも下関に行ってから実際に鉄くずとなるまでの間、今一度雪辱を果たせる機会がやってくることを密かに期待しております。
何故か引退発表からも代走の連続で、1月になっても週に何度か運用入りしている湘南色。
特に今イベントでもう走らないような言い回しをしていたのに翌日に動いているのはどういうことなのでしょうね?
遠方なので読めない動きと言うのは結構なストレスで、ずるずる続く現状を美談にするのは私には出来そうもありません。
しかしながらこんなモヤモヤも残る数日で本当に終わりでしょう。今一度、自身の撮り溜めたものを大切にしたいと思い返す機会と捉えていきます。
2024/4/12 山陽本線 東尾道~尾道
407M 115系岡山車D-27編成(+3両)
NikonZ9 Z24-120/4S
最後の春になった24年4月は『桜と尾道』をテーマに3年振りに歩き回りました。
麗らかな陽気で、尾道を散策するのにこれ以上適した日はなかったように思えます。
湘南色がやってくるまで退屈かもなんて思っていましたが、実際は桜や猫や古家屋など魅力の多い町にカメラを向けているとあっという間に時間は過ぎていきます。
散々階段を坂を上り下りしましたが、折角晴れていたので海側から平穏で安寧な街並みを切り取ってみました。
手前は三重塔で有名な天寧寺、奥は公園展望台で有名な千光寺です。
桜が各地で咲き乱れ、毎日見れる風景に彩を添えてくれました。
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N37編成 ざらめ雪
2021/12/18 弥彦線 西燕~吉田
225M 115系新潟車N37編成
NikonD850 AF-S300/2.8VRⅡ
つい先日、函館に行ってきました。半分撮影半分観光で。
青函連絡船の煙突に描かれた『JNR』マークを眺めて、色合いから一次新潟色を想い馳せていました。
思っていたよりも寒くなく、また雪も積もっていなかった函館。
もっと銀世界を期待していましたが、体感温度もこの時弥彦線で撮影した一次新潟色と同じくらいかも。
降雪はほぼないのですが、ガリガリとザリザリの間くらいの砂利状の雪道でした。
山側と違って海に近いエリアは雪よりも警戒すべきは風。この日は越後線の強風で遅延していました。
本当は湘南色を撮影しに越後線に転戦したかったのですが、動いてないのでホテルに戻って鉄ちゃんが滅多にありつけない朝食を食べた記憶。笑
L6編成 湯檜曽駅
何度も訪れている湯檜曽駅ですが、見事に全て違うアングルでやってるのは褒めて欲しいです。笑
湘南色×分散クーラー×0番台モハユニットの新ニイL6編成。
過去ログを辿ってみると実は一枚も投稿していなかったことに気付きましたが、この編成は湘南色好きからすると"ヨダレモノ"の被写体でした。
行きたくともとかく遠い新潟。湘南から上州への移動もそこそこ大変ですが、高崎支社の壁を越えたさらに向こう、越後の国へと脚を運ぶには『国境越え』は壁が大きく高いものでした。
運転免許を取得してからの僅か2年ほど、L6編成が撮りたくて数回の出撃ながら記憶に残る記録はできたはずです。
ただでさえ3シーズンですら当時の私にとっては大変なのに、トンネルを抜けると雪で線路がどこだか分かりませんな時期はより過酷なもの。
群馬の115系で手一杯なのに敷居と雪壁が高すぎてとても行けるものではありませんでした。
しかし高崎支社と新潟支社のパイプとなる水上駅に、冬季シーズンに限って普段S編成やN編成しかやって来ないところL編成も入線してくるのです。
私はその"おこぼれ"を享受し、群馬県にやってきた新潟の115系を本気で撮ることにしたのです。
2015/1/8 上越線 湯檜曽駅
1749M 115系新潟車L6編成(後撃ち)
NikonDf AF-S50/1.4G
その中の1枚が湯檜曽駅の構内カット。ただの後撃ち写真ではございません。
当時はL編成が13運用ありましたのでここでやるには1ヶ月に2度ほどのチャンスしかありませんでした。
屋内の撮影は季節感が出しづらいものですが、車体に雪が付着するほどの降雪量の多い1月前半が『冬の具現化』の鍵を握ると予測していました。
付近のガソリンスタンドで満タン給油を条件に6段脚立を拝借させていただき、分散クーラーと奥行きを表現すべく業務の邪魔にならぬ位置からハイアングルで発車間際を狙いました。
プロ4フル展開を優に超える高さゆえ、高感度で手振れを最小限にした状態で手持ち撮影をしています。
今思うとなぜ一脚風でもいいから三脚を使わなかったのかと自分を叱りたくなりますが、興奮と寒さで手先が震えていたことだけは覚えています。(つまり微ブレしています笑)
乗降確認の見通しの関係で車掌さんがプラットホームの内側まで出てくれたのも良い雰囲気でした。
この湯檜曽構内は列車が通過していく写真ばかり見かけます。
お客さんの姿があるかは置いといて、ちゃんと電車がやって来ていたという記録は意外に少ないのではないでしょうか。
新春みかん詣⑨
何もせずエネルギーを蓄える三が日となっております。
2024/12/31 しなの鉄道線 坂城駅
169系S51編成(静態保存車)/2662M 115系しなの鉄道車S3編成(後撃ち)
NikonZ9 Z85/1.2S
大晦日は坂城町に譲渡された元しなの鉄道車の169系と、現役の115系を絡めに出かけておりました。
脚立を使用したかったので電車移動はなしと判断し、スタッドレスタイヤ装備の車で向かうことを考えていました。
しっかり冬対策をしている友人らは年末ということもあり出撃NGだったり時間制限があったり。
では「自車で行かんかい」とお叱りを受けても当然なのですが、温室湘南育ちにスタッドレスは敷居が高く未換装なのです。
ところが天気予報を見るとその日のみ気温がやや高め。日中は8℃くらいまで上がるらしく、「これなら行けるんじゃないか?」と様子を見ながら出撃を図ることにしました。
本日は静態保存169系の車内公開日。いつもよりぐっと寄って撮らせていただけます。
湘南色の通過は11時、13時、15時、そして17時。その他スカ色や旧信州色、ブルサンまでもがやってきます。
アングルを吟味していると保存会の方の厚意で貴重な運転席に上がらせていただけました。時には装飾やライト点灯といったサービスまで対応してくださりました。
特に好印象だったのが車両を私物化している印象が全くなく"好き"の集まりであること。何よりこれまでの維持に苦労されてきたでしょうに私のような外部ですら同担歓迎な姿勢には本当に頭が上がりません。
(募金箱どこですか!?)
15時ごろからは雨が降り出してきましたが、すぐにふかふかのシートで温まれるのは至高ですね♪
行程最後の17時の便が私の本命でした。ライトアップに期待しましたが手動ではないようで残念ながら列車の通過時刻的に間に合わず。
ライトアップはまた別の視点で納めるとして、今回は自然体の乏しい光源のなかで撮れますからこれはこれで。
脚立+腕伸ばしのハイアングルで一足早い迎春装備の169系湘南色と115系湘南色を画角いっぱいに詰め込みます。
雨脚が強まり車内との寒暖差で結露しているのがまた良い雰囲気。ボディに艶も出ますし個人的には嬉しい演出でした。
169系は静態保存とは思えない外観の美しさ。幕や列番表示板の装備も嬉しいですが、同じ進行方向での後撃ち風のテールライト並びが最も渋さを感じました。
良いものを撮らせてもらいました。関係者様にお礼を伝えて車に戻って濡れたカメラや服を暖房で乾かします。折角お昼の年越しそばで体を温めたというのに冷え切ってしまいました。
ああ寒い。まるで雪が降りそう。・・・え?
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115系湘南色車両展示会-0
秒殺ワロタ~\(^o^)/
仕事中断してジャストにアクセスしてダメでした。
こんだけ人気だから2月3月にまたやってくれると信じたいですが、イベント名がもう・・・
並びはやらないけど連結はやりますとか?いや、並びが撮りたいかなあ。
イベントでは片編成が幕式風表示器になるようです。クリアテールの上に赤いセロハンでも貼ってくれればそれなりに見栄えが良くなると思いますが中々やってくれませんね。
新潟115系×クモヤの撮影会も行きたかったのに参加できませんでしたし、なぜか115系のイベントは巡り合わせが悪いです。
2024/5/29 岡山電車区
115系岡山車D-26編成/D-27編成
NikonZ9 Z70-200/2.8S
クモハ115形1600番台
"食パン顔"の特徴車であるクモハ115形1600番台も本日を以って全廃となりました。
103系風のG編成はまだ残りますが、貫通扉のある中間車改造の編成は見納めです。
先頭車不足の事由から魔改造された貫通型低運転台車ですが、最後まで走行撮影をする機会はやってきませんでした。
やってきたら撮ってるけどわざわざ追うことはない。すると全31編成中4編成もいるのにやってこない。
受け身だと得られないのがこの趣味ですが、ここまで縁がないとは思わなかったです。
辛うじて『湘南シックス』撮影の合間にやってきたので撮ったこの1枚でお茶を濁します。
2024/8/15 山陽本線 糸崎駅留置線
115系岡山車A-04編成/D-31編成
NikonZ9 Z400/4.5S
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銀世界の沼田城跡俯瞰
今年は公開ペースが速く年内に200記事近く書いてしまったようです。(みんな読んでる~?)
"600"という数字と鉄道が全く思い浮かばず、600mmの大砲で思い出深い一枚を抜粋します。
2017/1/26 上越線 後閑~沼田
734M 115系高崎車3両
NikonDf Ai*ED600/5.6
北関東と言えど平地に雪が積もることはそう多くなく、日本海側からの雪は上越国境が受け止めてしまいます。
湿り気のある南岸低気圧の雪は地表面や道路などは直ぐにシャーベット状になってしまい、なかなか一面銀世界というものを拝むのが難しかったのです。
『115系と雪』というシチュエーションは、長野北部や新潟上越地方が豪雪地なだけで、容易に想像できる割には記録するには根気のいるものでした。
つまり雪晴れは難易度が高く、行くだけでも大変なのに山が見えないだとか午後には溶けてるだとかで、あまり持っているコマが多くありません。
特にリバーサルフィルムを詰めたバケペンを扱っているこの頃の思考(嗜好)は現在とは異なり、1枚への熱量が高すぎて雪が私から逃げていた可能性すらあります。笑
この日は願ったり叶ったりの終日雪晴れで、午後になるほどハード行程かつボルテージの上がっていく一日でした。
午前中は沼田城跡にお邪魔し、ヌマゴで有名な平地のロングストレート区間を枯れ木の隙間から望みます。
200,300mm程度では列車が豆粒に対し必要性のない建造物が沢山写り込み面白みを感じない場所でした。
600mmで構えると圧縮された構図には、線形の美しさはもちろんのこと、田んぼ1反1反の表情がはっきりと分かる一方、建物は雪によって主張が均されているではないですか。
強調したい形はより鮮明に、されど見せたくないものは目立たず、この日限りの銀世界は湘南色を迎え入れるのに最適の条件となっていました。
特に考えたのが切り位置。直線上に乗せても3両の短さが雄大さを欠くと思い、少しでもオレンジの要素を増やしたく、あえてストレートに差し掛かろうとする奥で切り取りました。
折角ご飯粒から豆粒くらいに分かるようになったのに、奥で撮ったので結局ご飯粒になってしまいましたが、それでもこのときの選択をしたのは正解だったと思っています。
超望遠レンズで欲しい画がぐぐっと引き寄せられて、心にもぐぐっと来る群馬の風景でした♪
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新見駅 出発待機
予定通り切妻顔のD-31編成と組成され、新見列車区構内での撮影会が行われたようです。
同時に廃車前提の留置線に置かれていたD-27編成が検修庫に移動したようで、今後の湘南色2編成の動向が気になっているところです。
2023/12/31 伯備線 新見駅
862M 115系岡山車D-26編成/857M 115系岡山車3両
NikonZ9 Z70-200/2.8S
湘南色が一時的に2編成とも動かなくなった11月前半。そして年末の団体列車も湘南色を使わないなんて噂が立っているなか、残された末期色が評価されつつありますね。
結局はガワは一緒で、色だけが違うに過ぎませんから、ここさえ気にならないのであれば今も岡山は国鉄型車両が多く行き交うオタクのオアシスに変わりはないとも言えます。
381系との並びを撮影後、付近のイルミネーションと絡めるも明暗差が酷すぎて没。
とりあえず小走りで前の方まで行って、862M出発直前にやってきた857Mを絡めてみました。
岡山の地域色が黄色なのは救いだと思います。以前にもどこかで書きましたが、湘南色の引き立て役として秀逸だなと。
ここも湘南色単独で背景真っ暗よりも、交換の車両が来てくれて成り立っている気がします。
新見の間に鶴を入れたら実質鶴見線の103系みたいなものですよね(???)
群馬のカラフル架線柱
当然こちら側は不人気で誰もおらず、しめしめと立ち位置まで向かったらなんと架線柱が新しくなっている・・・!泣
ここから移動するよりも、余裕をもって構図を考えるべきと話がまとまり先客の後ろから新特急を迎え撃つこととなりました。
2018/3/15 吾妻線 矢倉駅
528M115系高崎車T1032編成
NikonDf Ai*ED600/5.6
皆様はカラフルな架線柱を見かけたことがあるでしょうか。
群馬らしい架線の張力調整の可視化を目的としたものだそうで、『ヨコカル』でたくさん見られます。
信越線のほかに吾妻線でも見られ、ここ矢倉駅からも確認ができました。
6年前になりますが、そのカラフルな架線柱を入れて望遠圧縮したいと考え、高さと線路への距離感から駅撮りが適している結論に至りました。
600単を入手し、いざギラリ狙いで冬に行ってみると山影やら架線の影やらでクリアな写真には成らず、改めて引退直前の滑り込みでやってきました。
車両を目一杯手前まで引っ張ってしまうと架線柱の整列具合や特徴が表現できなくなるため、奥から"やってくる"を強調し空間を大事にしました。
実はさよならラッピング車両のT1032編成でしたが、この時ばかりは前面にHMなどないいつもの面構えで良かったなと思っています。
尾道洄游 浄土寺山展望台
2024/8/15 山陽本線 尾道~東尾道
436M 115系岡山車D-27+D-26編成
NikonZ9 Z70-200/2.8S
尾道らしい鉄道写真として浮かぶのは天寧寺三重塔、千光寺公園、そして浄土寺山ではないでしょうか。
こちら浄土寺山展望台からは尾道駅方面に向かって尾道の町並みと尾道水道が望めます。
朝が順光となり、尾道を6連が上るのは13時、19時、24時前のみ。光線だけで言えば下り列車の後撃ちが必然的になります。
6月頭に実現した『湘南シックス』ですが、出撃するも1711Mも407Mも俯瞰撮影に適した好天とはなりせんでした。
7月末に前半運用での湘南ペアが実現。こちらは夕方から日没後にかけて尾道を通る運用のため順光写真は叶いません。
後半運用を待ち続けても欲望が合致するなんてどこにも保証はありません。
"この場所らしさ"を考えてみます。展望台は尾道を一望する夜景スポットとしても人気が高い。つまりそこに115系を配置するのも面白そうではないですか!
そして8月中旬、『湘南シックス』の継続充当により、満を持して出撃に踏み切りました。
岡山を17時に発つ425Mの撮影を経て、本日の終幕にふさわしい時間帯になってきました。
407Mで撃ったポイントはサイド気味の不動岩から。今回は最も標高を稼げるであろう展望台から狙います。
残照で鈍く光る尾道水道と対照的に山陽本線が位置する山側の神社仏閣や住宅地は早くも帳が下りていきました。
初めてこの場所に立ちましたが、事前に聞いていた通り眼前の枝葉が伸び、構図組に余裕がありません。
135mmと思って単玉を持ち出しましたが、朧気に折り重なる島々を入れるには105mmがベスト。うう、事前に分かっていれば持ってきたのに。泣
日没から間もなくして沿岸部の輪郭をなぞる様に、温かみのあるナトリウム灯が点き始め、"尾道"が完成されていきます。
遥か10km弱先に、GANCOTOOでおなじみのストレート区間に115系のヘッドライトが見えました。
尾道駅に入線している間にもう一段階夜へと近づき、肉眼では切り位置を把握するには厳しい極限の条件となっていきます。
尾道駅定刻発車。そして"尾道"を通過。暮れゆく美しき尾道の町並みを眼下に、瀬戸内みかん〈6個入〉をお土産にできました。
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旧岡山電車区検修庫
個人的には故障で引退が一番悲しいので、余力ある内に前線から退くのが理想形だと思っています。
そうそう、半年前にD-26編成が故障した時はどうなるものかと思いました。そのときのカットを公開します。
2024/4/11 下関総合車両所岡山電車支所(岡山電車区)
115系岡山車D-26編成(入換)(後撃ち)
NikonZ9 Z70-200/2.8S
当日有年駅で故障したD-26編成。湘南色が伯備線運用に入る日は何かが起こる・・・。
この日も翻弄され、尾道から高梁に向かってから当該故障編成が湘南色と知りました。
しょぼくれながら岡山に戻って気分転換に岡山機関区で機関車を撮っていたら、4,5時間上郡駅で留置されていたD-26編成が岡山に自走で戻ってきました。
そうない機会でしたので旧岡山電車区で見学。あるあるな停車位置で特段動きがない。しばらくすると運ちゃんが降りてしまい、清掃が始まったところで戦線離脱となりました。
明日の復帰は絶望的。片割れD-27編成の運用だけでは極めて退屈なのが岡山遠征の手痛いところ。
チェーン店の大して旨くないハンバーグを食べながら今日帰ってしまうか本気で頭を抱えていました。
今地元に帰ったとしてもモヤモヤは残ることでしょう。諦めの悪い私はワインを飲み干したタイミングで運転手にお願いして、もう一度D-26編成の動向を探らせてもらいました。
1時間半前と変わらず同じ位置にいました。ところが通電はされたままで、前にも後ろにも移動しそうな雰囲気。
「どうなりますかね~」なんてぼやいていたら同行者が「運転士きた!」と。振り返るといつものスーツ姿ではなく構内限定運転士のようです。と言うことは進行方向は西側のどん突きが濃厚!
湘南色の手すりに手が伸び"確信"したらすぐに車に駆け戻り、300m先の検修庫に全てを賭けて大急ぎで向かいました。
道路からの撮影だと用水路を挟み斜面+背丈以上のフェンスありと、手ごわい障壁が待ち構えているのがこの場所の難しいところです。
敷地外から撮るにはとにかく高さが必要。5段脚立か?鬼ハイアン棒か?そんなものはない。こうなれば川を飛び越えるしかないッ!
神「車の屋根登って良いですよ」
嗚呼・・・あなたが神か・・・土禁のため靴を脱いでいざ"高み"へ失礼。
高揚感以前に当方酔っぱらいの者なり。背高の軽バンの上に上がる際に機材を転がし危うく苦楽を共にしたZシステムが川流しに遭うところでした。汗
ここで玉ヒュン(レンズが落ちること)現象で酔いが冷め、間もなくしてD-26編成が種別無表示でぬるりと入線してきました。
通常の運用の合間では決して狙えないカットでしたので、災難の中での一縷の望みを掴み取れて屋根の上で踊り出しそうでした。まだ酔ってるなこりゃあ。
お疲れの様子なD-26編成。今晩は屋根つきの寝室でしっかりご自愛くださいませ。
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高梁の古民家
同月5日よりダイヤ修正が実施され引退が囁かれましたが湘南色2編成とも続投。
『湘南シックス』が連発し春のダイヤ改正までラストスパートを匂わせたところで片割れが離脱し、なんだか上げて落とされたような感覚ですね(^^;
2024/4/10 伯備線 備中高梁~木野山
857M 115系岡山車D-22編成
NikonZ9 Z70-200/2.8S
写真は桜の時期に合わせて出撃し、高梁市に6時間くらい滞在したときの一枚。(夜の部)
長時間車を置く訳にもいかないので倉敷駅にレンタカーを返却し、伯備線に乗車して重たい機材を背負って徒歩で散策をしました。
そんな中で桜を絡めるべく隙間を探し見つけた箱庭風の切り抜き。車でスイスイ進んでは見つけられなかったと思います。
これの1本前が湘南色で、目当ての踏切は先客が桜度外視で構えていて撃沈。歩き損でした。
早足で別場所に移動するも、車が被るしどうもしっくり来なくてモヤモヤ。その後見つけた訳で絶対こっちが良かった。泣
翌日も同じ運用にD-26編成が入るので尾道から急行しリベンジに向かったのですが、横切ったのは黄奴でした。まさかの前列車で故障が発生し急遽差し替えとなったようです。
現地では肩を落としてカメラが地面に落下するくらいの勢いでしたが、前日のカットをしっかり見返したら雨樋の形や採光窓の数、通気孔などなどどうやら300番台が横切っていたようです。
国鉄色の黒スカートを装着しており確信。湘南色より早く今月3日に廃車回送されたD-22編成でした。
300番台のトップナンバーMc301が組み込まれており、一枚撮っておきたかったので不本意ながらこの一枚で良しとしよう・・・かなあ~(^^;
とは言え現地では「してやられた」状態で、新見からの折り返しを待つ理由もなくションボリしながら岡山に戻るのでした。
家屋も中々趣のある佇まいですが、115系D-22編成、そして背後の桜。どれが一番先輩にあたるのでしょうね?
3つの要素が今も在り続け、半世紀近くかけて成熟された画角とも言えます。
うう、やっぱりやり直しできるならしたい・・・泣
吾妻旧線 新・第二吾妻川橋梁俯瞰
10年前の9月24日を以って、岩島~川原湯温泉~長野原草津口区間の大部分が八ッ場ダム運用開始に伴い廃線となり、翌月より線路の切り替えが行われました。
同年9月はアルバイトで貯めた軍資金を交通費に充て、同区間の撮影のために10万近く溶かすほど熱狂的になっていました。
2014/9/23 吾妻線 川原湯温泉~岩島(旧線)
538M 115系高崎車4両(後撃ち)
NikonDf AiZoom80-200/4S
新線は切り替え区間の起点から南に逸れ、吾妻川を渡って長いトンネルに入っていきます。
その吾妻川の上には旧長野新幹線の第二千曲川橋梁の斜張橋を彷彿とさせるような、立派なコンクリート橋が完成していました。
PRC橋として支柱(主塔)間距離が国内最長だそうで、橋全体としても431mに及び、ここにブルサン貨物が来ても編成が乗る…という規模だそうです。
美しく時に険しい表情を見せる旧線の風景と向き合ってきましたが、現代技術を駆使した新第二吾妻川橋梁もこれから吾妻線の一部になります。
景観を損ねる夾雑物と捉えるかは人次第ですが、ここから数年後に引退する115系との明らかなミスマッチ感は歴史の重みと新時代を感じ、感情を揺さぶられるものがありました。
事の始まりは「新第二吾妻川橋梁と旧線を絡められないのか?」から。
PRC橋施工記録などを調べていたら橋全体の空撮のような写真を見かけ、下界から撮影方向を眺めたら山頂に鯉のぼりのようなものが見えてしまい、「行けばわかる」と実行に移すことになりました。
意図せず旧線撮影のフィナーレが最も旧線であったことを記録するような形になりました。
最終日の一日前、実質最後の出撃となったこの日はからっとした気候で、秋晴れと呼ぶに相応しい撮影日和でした。
いつも通り?日の出から日没まで旧線区間をひた往復し、13時過ぎの534Mを不動大橋で撃ったのちに芦鞍山の登山口に向かいました。
今から向かうのは山行記録も乏しい急登の芦鞍山。登り口や撮影方向こそ違えど、樽沢隧道俯瞰はこの山の山腹にあたります。
プロ4、バケペン、レンズ3本、Df、レンズ3本。神社の裏を通り、ピリピリ聞こえる電気柵を外していざ入山です。
歩きやすい道から始まり分かれ道をいくつか選択して徐々に道は細く荒くなっていきます。途中、明らかに逆方向の獣道に違和感があったので尾根に従い直登することにしました。
とにかくキツい傾斜で、息も絶え絶え。道中カモシカの親子とにらみ合いになったり、根っこに足をかけ先にプロ4を上に上げないと進めない箇所もいくつかありました。
登山道とは呼べないですが少し緩やかな斜面と視界が開けた場所に抜け、そこから吸い込まれるように進んだ先には祠と共に頂上が待っていました。
機材の重さ含め、今まで登った俯瞰撮影地の中でも指折りのハード登山だったと思います。
「やはりここで合ってたんだ」という感動より先に祠に一礼。そして水分補給。時計を見ると…535Mまで時間がない!
機材を取り出すと草木が思っていたよりも邪魔で、立ち位置に難儀。そうこうしている間に通過。10分後にやってくる交換の536Mですら間に合いそうになく、1時間後に戻ってくる4連の538Mに全てを賭けることにしました。
この間私もカモシカになりきり、崖地から可能な限りの整地を行ってなんとか手持ちで一人分の画角内のみクリアな立ち位置を確保しました。
汗を拭い改めて眺めるとなんと素晴らしい景色。見下ろすことでPRC橋のスケールとディティールが明瞭となりました。
その奥には旧線があります。なぜこんな切り替えギリギリまで粘ったかと言うと、新旧線間にある稲が実るのを待っていたのです。
新緑の季節は農作物が育っておらず土で茶色くなってしまいます。紅葉も同じく収穫雨後で田畑が寂しいでしょう。
雪の日だと全体が白っぽくなりコンクリートが埋もれてしまいます。それゆえ彩度の高い画となると9月末が最適だと考えたのです。
まさに理想。写真は撮ってなんぼの世界。発案から実行そして結果まですべてが繋がったこの瞬間が至福のひと時です。
もちろん115系が好きで撮っていますので、主役が登場したときの高揚感は今でも忘れておりません。
岩島駅に到着するまで見送り、旧線に感謝と115系が引退するまで通う決意をし、日没までに安全なルート優先で遠回りに下山するのでした。
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