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ヒズボラ指導者ナスララ氏はISISを打倒し、レバノンのキリスト教徒を守り、イスラエルの植民地主義と戦ってきた

<記事原文 寺島先生推薦>
Hezbollah Leader Nasrallah Defeated ISIS, Protected Lebanon’s Christians, Fought Israeli Colonialism
筆者:ベン・ノートン(Ben Norton)
出典:Internationalist 360° 2024年9月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年10月5日


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イスラエルに暗殺されたヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ氏は、レバノンの主権を守り、ISISとアルカイダの打倒に貢献し、キリスト教徒を保護し、イスラエルの植民地主義と軍事占領に抵抗してきた。

イスラエルは、レバノンの反植民地主義、イスラム民族主義運動ヒズボラのハッサン・ナスララ事務局長を暗殺した。

ナスララ氏の指導の下、ヒズボラはレバノンの主権を守った。この運動は、1980年代から90年代にかけてのイスラエルによる南レバノンへの不法侵攻と軍事占領に対する抵抗から生まれた。

米国政府はヒズボラをいわゆる「テロリスト」組織であると主張しているが、地球上でヒズボラをテロ組織として認めている国はごくわずかだ。

実際、ヒズボラの政治部門は登録政党であり、レバノンの民主的に選出された議会に12人の代表者がいる。
(米国はまた、南アフリカの反アパルトヘイト指導者ネルソン・マンデラ氏をアパルトヘイト廃止後の国家の大統領に就任してからも、2008年まで「テロリスト」リストに含めていた。)

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イスラエルによるレバノン植民地戦争

イスラエルは米国の支援を受けた作戦で、ナスララ氏の暗殺と首都ベイルートの6棟の高層ビルの破壊をおこない、多数のレバノン民間人を殺害した。

極右のベンヤミン・ネタニヤフ首相はニューヨークで国連総会(UNGA)に出席中にこの攻撃を指示した。

ネタニヤフ首相が国連で紹介されたとき、多数の外国外交官が抗議のため退席した。議場は大混乱となり、国連総会議長は「秩序を保ってください」と叫び、 抗議者を黙らせようとハンマーを叩いた。

イスラエルの大量虐殺に対する国連の抗議は、戦争犯罪人ネタニヤフが演説した際に非常に大きく騒々しかったため、国連の同時動画配信は音声を遮断し、国連総会議長は「秩序がもどることを祈ります」と叫び、ハンマーを叩いた。



ネタニヤフ首相は結局、ほとんど人がいない部屋で演説した。しかし、演説の中で彼は、パレスチナを完全に消し去り、占領下のヨルダン川西岸地区とガザ地区をイスラエルの一部として示す地図を使い、自らの植民地主義的意図を説明した。

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2024年9月27日、国連総会でパレスチナを消した地図を持って演説するネタニヤフ首相

ネタニヤフ首相が国連に出席している間、イスラエル政権はレバノンを容赦なく爆撃し、一日で500人近くを殺害した。

多くの観察者は、イスラエルのレバノンにおける目的が何なのかと疑問に思っている。

イスラエルのアミハイ・チクリ民族離散問題担当大臣はツイッター/Xの投稿でその点を明確にした。同氏はレバノンやシリア、イラクは主権国家ではない、と断言し、イスラエルが1980年代から90年代にかけておこなってきたように、南レバノンを植民地化すべきだ、と主張した。

イスラエルの主要新聞「エルサレム・ポスト」は、レバノンは「イスラエルに約束された領土の一部」であり、したがって植民地化されるべきだ、と主張する記事を掲載した。

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イスラエルのヨアブ・キシュ教育大臣も同様に、イスラエルのチャンネル14で「レバノンは消滅」し「我々の知っているレバノンは存在しなくなる」と断言した。(イスラエルの人権団体は、2023年10月以降、チャンネル14が ガザのパレスチナ人に対する大量虐殺を明示的に呼びかけた回数は50回以上ある、と数えている。)

ヒズボラはレバノンの領土保全と主権を守りつつ、自らの民族解放闘争をパレスチナ人民のそれと常に結び付け、イスラエルの植民地主義、そしてそれを支援してきた米帝国との妥協を拒否してきた。

いっぽう米国政府はイスラエルを断固として擁護し、レバノンに対する侵略戦争を支持してきた。

ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領はともに、イスラエル当局がナスララ氏を殺害したことを称賛する声明を発表した。

バイデン・ハリス政権はイスラエルに少なくとも 180億ドルの軍事援助を送っており、その中にはガザとレバノンで民間人を虐殺するために使用されている爆弾やミサイルの多くも含まれている。

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ヒズボラはISISとアルカイダの打倒に貢献したが、その一方で、米国とイスラエルはこれらのテロリストと同盟を結んでいた

過去10年間、ヒズボラはISISとアルカイダを打倒する上で重要な役割を果たしてきた。しかし、これらの過激なサラフィー主義聖戦主義者の暗殺部隊は、シリアに対する植民地戦争において米国とイスラエルの事実上の同盟者であった。

2012年、ヒラリー・クリントン米国務長官の最高顧問ジェイク・サリバン氏は彼女に「アルカイダはシリアで我々の味方だ」と認める電子メールを送った。

ヒズボラとその同盟国であるシリアとイランがアルカイダと戦ったとき、このテロ集団は米国側についた。
(その後、ジョー・バイデン大統領はサリバン氏を米国国家安全保障担当大統領補佐官という強力な地位に選んだ。)

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レバノンでは、ヒズボラは多くのキリスト教団体とも同盟を結び、ISISやアルカイダの過激派から彼らを守った。

米国のクリスチャン・サイエンス・モニター紙は 2013年の報告で、「ベイルート郊外のシーア派キリスト教徒の家庭では、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララの像が聖母マリア像と同じ暖炉の飾り棚や壁に飾られている」と指摘した。

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いっぽう、ISISの大量虐殺ファシストたちはどこから武器を手に入れたのだろうか? アムネスティ・インターナショナルやCNNも認めているように、それは米国だ。

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イスラエルに関しては、大量虐殺を企むISISファシストたちが一度イスラエル軍を誤って攻撃したが、その後すぐにイスラエル側に許しを求めた。

モシェ・ヤアロン元国防大臣は2017年にISISがイスラエルに謝罪したことを認めた。

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エルサレム・ポスト紙は2015年、イスラエルは負傷したアルカイダのファシストたちを自国の病院で治療した後、彼らを西側諸国の敵に対する代理戦争のためにシリアに送り返した、と報じた。

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ヒズボラは、アルカイダのサラフィー主義過激派ジハード主義者に常に反対してきた。これは単にシリアでの代理戦争の結果だけではない。

2006年のイスラエルによるレバノンへの残忍な戦争の最中、ワシントン・ポスト紙は ナスララ師へのインタビューを掲載し、同紙はナスララ氏を「ホメイニ師とチェ・ゲバラを合わせたような人物で、イスラムの大衆主義者であると同時にカリスマ的ゲリラ戦術家」と評した。

ナスララ氏はアルカイダと9.11テロ攻撃を強く非難し、ヒズボラは民間人ではなく軍事目標を攻撃している、と強調した。

ヒズボラはキリスト教徒を擁護し、宗教間対話を支持し、ユダヤ教とシオニズムを区別した

ヒズボラがレバノンの主権を守りながらISISとアルカイダを打倒する上で果たした重要な役割を考慮して、ナスララ氏の死後、数人の著名なレバノンのキリスト教指導者が同氏を称える声明を発表した。

レバノンのキリスト教徒の元大統領ミシェル・アウン氏は、自国に対する「イスラエルの侵略」を非難し、「尊敬する友人」ナスララ氏の死去により、「レバノンは国民的抵抗運動を勝利と解放の道へと導いた卓越した誠実な指導者を失いました」と記した。

ヒズボラは「反ユダヤ主義」であると主張する米国とイスラエルの偽情報にもかかわらず、抵抗運動は宗教間の対話を推進し、宗教としてのユダヤ教と政治的、植民地主義的な運動としてのシオニズムを注意深く区別していた。

熱烈な反パレスチナ、親イスラエルの米国新保守主義団体であるMEMRIでさえ、2005年のベイルート会議に関する報告書を発表した。その中でヒズボラ政党のレバノン国会議員アブダラ・クセイル氏は次のように強く語っていた。

「ヒズボラは宗教に反対したことは一度もありません。ヒズボラはすべての宗教を支持し、宗教間の対話を支持し、いかなる宗教にも問題はありません。ヒズボラは、ユダヤ人という民族や宗教ではなく、シオニズムを敵と見なしています」と。

以下の動画とポッドキャストでは、「地政学経済レポート」の編集者ベン・ノートン氏がハッサン・ナスララ氏が本当はどんな人物だったのかを説明している。それを見れば、米国政府と企業報道機関の速記者によって広められた神話や偽情報の一部が払拭されるだろう。


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